美しき日本  Beautiful Japan【観光資源の選定】

2007.08.31

掲載した観光資源は、(財)日本交通公社を事務局として新たに設置した「観光資源評価委員会」が検討し選定しました。委員会メンバーは以下の通りです。

委員長
鈴木忠義(東京工業大学名誉教授)
委員
  • 溝尾義隆(立教大学観光学部教授)
  • 辻靖三(財団法人道路保全技術センター顧問)
  • 今井久吾(財団法人日本交通交通公社会長)
  • 原重一(財団法人日本交通公社常務理事)
  • 林清(財団法人日本交通公社企画部長)
  • 小久保恵三(財団法人日本交通公社観光計画部長)

観光旅行

 観光旅行と一口でいわれる活動は、名所・旧跡巡り、歴史の探訪、伝統工芸などの体験、あるいは温泉浴、またスキーやゴルフ、リゾートでの滞在にいたるまで、その概念は幅広く捉えられています。人それぞれが自分の好みにあった観光活動を楽しんでいるともいえます。
 本書は、観光旅行の原点ともいうべき「見る」「学ぶ」、すなわち狭い意味での"観光旅行"に焦点を絞っています。この観光旅行とは、旅行者が対象物と一対一で対峠して、自然の偉大さや歴史の壮大さ等を深く感じ入り感動を覚えるという、まさに人の本質的な好奇心や喜びを満たすものだといえるでしょう。それ故に観光旅行では、「見る」対象となる観光資源が重要な役割を果たします。

観光資源

 本書のサブタイトルは、観光資源のことを世界遺産に因んで「日本の観光遺産」という言い方をしています。観光対象、観光素材という場合もあります。観光旅行の対象となる観光資源は、自然や人間が長い間かけて創り出した、現代のお金や技術で簡単につくりだすことができない文字通り国の"光"です。そして観光資源は、それぞれに「固有性」や「独自性」があり、他に「代替」がきかないものです。優れた観光資源の価値はいつの時代も変わることがありません。

観光資源選定の基準

 全国レベルの観光資源調査は国土の道路網を計画的に整備するために、1974年に「観光レクリエーション交通調査(建設省道路局)」として最初に行われました。その後、(財)日本交通公社ではこの時の調査手法を参考しながら「全国観光資源台帳」の作成に取り組み、データの更新に努めてきております。台帳では、我が国の観光資源約8,000件を自然系15種類、人文系10種類に分類し、種類別に「美しさ」、「大きさ」、「珍しさ」、「古さ」、「静けさ」、「地方色」の6つの視点から客観的データと専門家の判断により総合評価を行い、特A級、A級、B級、C級の4つのランクにクラスわけしてあります。

種類
自然資源 山岳/高原/原野/湿原/湖沼/渓谷/滝/河川/海岸/岬/島/岩石・洞窟/動物/植物/自然現象
人文資源 史跡/社寺/城跡・城郭/庭園・公園/歴史景観/地域景観/年中行事/歴史的建築物/現代建造物/博物館・美術館
評価基準
ランク 内容
特A級 わが国を代表する資源でかつ世界にも誇示しうるもの。わが国のイメージ構成の基調となりうるもの
A級 特A級に準じ、その誘致力は全国的で観光重点地域の原動力として重要な役割をもつもの
B級 地方スケールの誘致力をもち地方のイメージ構成の基調となりうるもの
C級 主として県民および周辺地域住民の観光利用に供するもの

観光資源選定の過程

 本書で掲載した観光資源は「観光資源台帳」を基礎データとして「観光資源委員会」において議論を重ね選定しました。評価ランクが特A級とA級であることを原則としながら、具体的には「日本に生まれたからには、一生の間に是非一度は見ておいた方が良い」と自信を持ってお勧めできる観光資源であることを目安としました。自然系の島や植物、人文系の年中行事や地域景観などは取り上げ方の評価が分かれましたし、他にもいくつか課題は残っています。
 なお、比較的最近にでき評価が定まっていないもの、見られるタイミングが偶然に左右されるもの、非公開のもの、事業目的の観光施設などは今回の選定の対象から除外しました。最終的には委員長の判断に拠りましたが、観光資源の調査については今後も検討を続けていく予定です。

写真の選定

 掲載の写真は、(株)JTBフォトライブラリーが第一選定を行い各資源の写真数点を選んだ後、鈴木委員長と(財)日本交通公社の編集スタッフが最終的な選定を行いました。旅行者が手軽に見ることができるビューポイントからの眺めを選ぶように努めましたが、その観光資源の素晴らしさや形状などをご紹介したいために、空撮や一般的にはなかなか行きにくいような場所から撮影した写真も含まれています。
 また、写真の選定にあたっては、関連する地方自治体や、プロの写真家へもご協力をお願いしました。なお、観光資源解説文のカッコ内は、(写真のタイトル/撮影場所と撮影月/協力機関や撮影者)を示しています。協力機関や撮影者の記述のないものは(株)JTBフォトライブラリー管理の写真です。