地域主体の観光を考える~こうして地域はその気になった~
ご案内
財団法人日本交通公社では、観光・地域振興・リゾート関連事業の担い手である自治体の方々を対象として、「観光基礎講座」を毎年6月に開催していますが、この「観光実践講座」はその応用編として、さらに深く実践的な知識とノウハウ取得に役立つ内容で構成しています。
観光振興が国や地域の重要なテーマとなっている昨今、地域全体の戦略として観光をとらえていくことが求められています。地域が主体となる観光とはどういうものか、どのように地域の人たちをまきこみながら進めていけばいいのか、各地の取り組みを参考にしながら考えていきましょう。
観光行政のご担当者様を中心に、観光による地域振興を志す皆様のご参加をお待ちしております。
9:30 | 開講・オリエンテーション |
9:45 | 講義1 : 地域主体の観光の時代 -変わるゲストとホストと地域の関係- 社会の成熟とともに観光も変わっています。宣伝・誘客イベントを主とした観光行政から新しい観光地づくり政策へとダイナミックな転換が求められているのです。これからの観光は、地域の暮らしに根ざした地域活性化への取り組みとますます深くかかわってきます。地域が主体的に進めていくこれからの観光のあり方について、海外事例もまじえながら提言します。 講師:(財)日本交通公社 理事 小林 英俊 兵庫県出身。1972年(株)日本交通公社入社。93年海外旅行虎ノ門支店長を経て、99年2月より(財)日本交通公社観光マーケティング部長、03年6 月より同理事。旅行現場での豊富な経験を踏まえた観光マーケティング、地域活性化が専門。観光と環境、観光と健康の実践的研究、エコツーリズムの推進はライフワーク。 |
10:45 | 休憩 |
11:00 | 講義2 : 結束力ある温泉地の挑戦 -地域の商品化に取り組む- 昭和57年、独立国ブームのさきがけとなった「ニコニコ共和国」で知名度と結束力を高めた岳温泉。その後も地域が一丸となり、環境整備や周辺農家と連携した堆肥づくり、有機野菜づくりなど地道な活動も続けてきました。周辺の自然環境をいかして地道に取り組んできたウォーキングを目玉に新しい健康保養地づくりへと新たな試みも始まりました。常に「地域の商品化とは?」を追求してきた岳温泉の挑戦からヒントをいただきます。 講師:岳温泉観光協会 会長 鈴木 安一氏 福島県出身。岳温泉の観光振興に30年以上にわたり携わる。1972年(資)東館入社、90年、同社代表取締役に就任、現在陽日の郷あづま館グループ社長。公職に東北広域観光推進協議会理事長、福島県観光連盟会長など。「ニコニコ共和国」では第三代大統領を務めた。 |
12:30 | 昼食休憩 |
13:30 | 講義3 : 私の考える「着地型」 -えひめ町並博2004からの展開- 地域サイドから魅力的な地域素材をコーディネートして発信していく動き=着地型の旅行商品開発が注目されています。しかし地域の方々との関係づくりからはじまる素材の発掘や多様な旅行者ニーズへの対応、いずれも簡単なことではありません。旅行業第二種を取得し、地域密着型の旅行エージェントなどとしてユニット商品開発に取り組んでいる愛媛県のおおず街なか再生館から、「着地型」の事業展開の現状と課題について伺います。 講師:(株)おおず街なか再生館 代表取締役専務 河野 達郎氏 愛媛県松山市出身。トヨタ系の営業マンを経て独立。1998年大洲商工会議所青年部会長に就任。99年~01年、TMO設立に関する委員会等の代表幹事を経て、02年、株式会社おおず街なか再生館創立にかかわると同時に、同社取締役統括部長に就任。05年より現職。 |
15:45 | 休憩 |
16:00 | 講義4 : データで確認 旅行者の気持ち 実践的な政策立案のための基礎データとして当財団発行「旅行者動向2006」を中心に旅行マーケットの最新の動向とその捉え方について解説します。全国的な旅行者アンケートから旅行者の動きを把握し、今、誰がどんな旅行をしたいのか、地域に望むことは何かを再確認しましょう。 講師:(財)日本交通公社 主任研究員 久保田 美穂子 長野県出身。当財団で主に旅行マーケット分析や温泉地活性化、旅館・ホテルなど宿泊産業に関する業務に携わる。当財団発行「旅行者動向」「JTBF観光経済レポート」執筆者。本講座企画・進行を担当。 |
16:50 | 意見交換会 |
9:30 | 講義5 : 都市と農村の「ほんもの」の交流事業 -地域自立戦略の実践- 飯田には今、農業を通じた人づくりで社会貢献したいという使命感をもつ農家が増えています。10年前には後継者不足になやんでいた農業が、修学旅行の子供たちの受け入れや、「ワーキングホリデー」で田舎ぐらしを求める都会の大人との交流を通じて大きく変わったのです。一方飯田の農家の暮らしや人のあたたかさに触れた子供や大人は地域とのかかわりを深め、移り住む人も出てきました。都市のニーズをよみ、地域をその気にさせた仕掛け人、井上氏から地域の自立とツーリズムのあり方について学びます。 講師:飯田市産業経済部担当企画幹 井上 弘司氏 長野県飯田市出身。1982年飯田市役所農林部局に配属、以来03年まで22年間農業政策を担当し、ワーキングホリデーや南信州あぐり大学院等、新たな都市と農村の交流事業を企画。観光カリスマ。04年産業経済部エコツーリズム推進室長を経て、現職。著書に「ドングリの森小学校物語」。 |
11:00 | 休憩 |
11:15 | 講義6 : 生産者をマーケッター&経営者に育てた仕組みづくり 「素朴」「安全」「安価」に「内子らしさ」と「洗練性」を加えて消費者ニーズをつかみ、発足時4千万円の売り上げを10年で4億5千万円、出荷農家400人へと発展させた農産物・加工品直売所「内子フレッシュパークからり」。その実績の裏側には、住民の積極的な参加を促す組織づくりとITを活用した高度な情報ツール、積極的営業戦略がありました。徹底的な支援を講じる内子町の取り組みを伺います。 講師:(株)内子フレッシュパークからり 特産開発部部長 山本 真二氏 愛媛県出身。内子町役場入庁。2001年(株)内子フレッシュパークからり情報センター勤務、04年より現職。内子フレッシュパークの計画、事業導入にかかわる。各種情報関連事業による「からりネット」の整備、補完を実施するとともに農業情報利用の普及啓発を行っている。 |
12:45 | 昼食休憩 |
13:45 | 講義7 :地域が主役の観光政策 -観光で地域は自立できるか- 厳しい財政状況下、観光による地域活性化への期待の高まる中、地域政策はどうあるべきなのでしょうか。北海道における観光の経済効果調査や消費者調査を効果的に情報発信することを通じて地域を巻き込んでいく手法等をうかがいながら、地域の資源にねざした、自発的な地域発展政策のあり方について提言をいただきます。 講師:釧路公立大学教授 地域経済センター長 小磯 修二氏 大阪府大阪市出身。北海道開発庁・国土庁等を経て、1999年より現職。地域政策研究の分野において、様々な共同研究プロジェクトを推進。また、北海道内の各地域の実践的な地域活動に携わる他、標茶町で、環境再生を目指す大学発ベンチャー企業カムイ・エンジニアリング?の設立・経営にも関わる。 |
15:15 | 休憩 |
15:30 | 総括:ふりかえり (財)日本交通公社 理事 小林 英俊 |
16:30 | アンケート記入 |
17:00 | 閉講 |
開催日 | 2006年11月16日(木)~17日(金) |
対象 | 観光・地域振興・リゾート関連事業に携わる地方自治体のご担当者および業界関係者 |
募集人数 | 50名(お申し込み順) |
申込締切 | お申し込み受付を終了しました |
参加費 | 2日間 25,000円 (参加お一人様 消費税込み、当財団賛助会員は22,500円) |
会場 | 東京 大手町サンスカイルームD会議室 東京都大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル27階 (東京駅日本橋口より徒歩1分) |
主催 | 財団法人日本交通公社 |
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