平成25年度 観光実践講座

2014.01.10

  オンパクに学ぶ、観光まちづくりの理論と実践 ~“地域活性化”の秘訣、“課題解決”のヒント!

キーワード: 観光まちづくり、着地型観光、コミュニティビジネス、住民参加、人材育成、
インキュベーション、観光推進組織、プラットフォーム、財源問題、
持続可能な仕組みづくり、事業評価、政策評価
ご案内

 公益財団法人日本交通公社では、主に自治体で観光・地域振興に携わる職員の方々を対象として、毎年、「観光基礎講座」、「観光実践講座」を開催しています。「観光実践講座」は、地域の現場で活躍されている方々を講師としてお招きし、より実践に役立つ内容で構成しています。

 社会の成熟とともに観光も変化し、自然や歴史文化といった従来型の観光資源だけでなく、地域に根ざした生活のあり方や人そのものが魅力的な観光資源として認識されるようになってきました。
 そうした中で、今年度は、大分県別府市で平成13年に「別府八湯温泉泊覧会(以下、別府オンパク)」として開催され、その後、NPO法人ハットウ・オンパク(平成16年9月設立)、一般社団法人ジャパン・オンパク(平成22年4月設立*)の指導により、「能登旨美オンパクうまみん」、「信州諏訪温泉泊覧会『ズーラ』」、「みちくさ小道(総社市)」、「長良川おんぱく」、「みなかみオンパクcocoira」等、全国約45箇所で展開されるなど、観光まちづくりの効果的・実践的な手法として大きな広がりをみせている「オンパク」について、あらためて着目しました。
 オンパクは、地域資源を発掘・商品化して地域の付加価値を高め、地域活性化につなげる試みとして、またコミュニティビジネスのインキュベーションとなる画期的な仕組みとして、地域でますます注目を集め、関心が高まっているのです。

 本講座では、オンパクの仕掛人である鶴田浩一郎氏(一般社団法人ジャパン・オンパク代表理事)、野上泰生氏(NPO法人ハットウ・オンパク運営室長)の講義、当財団独自調査(オンパク実施団体へのアンケート調査、ヒアリング調査)の結果報告を通じて、オンパクの総括を試みるとともに、オンパクに対する理解を深めます。また、鶴田氏、野上氏に加えて、地域でのオンパク実践者、受講者間の意見交換を通して、持続可能な観光地づくりのヒントを学びます。
 観光行政のご担当者様、観光による地域振興を志す皆様のご参加をお待ちしております。

*: ジャパン・オンパクは、オンパク手法の普及、オンパク運営組織の支援、及びその担い手となる人材の育成に関する活動を行い、地域社会の健全な発展への寄与を目的として活動しています。

平成25年度 観光実践講座プログラム

2月20日 (木)

10:00 開講(開場 9:45)
10:00 ●講義1 社会の潮流と地域主体の観光
<講師:公益財団法人日本交通公社 上席客員研究員 小林 英俊>

 地域の課題解決や活性化にあたり観光に寄せる期待はますます大きくなっています。また、時代とともに観光のあり方も旅行者の価値観も確実に変化しています。
 本講義では、成熟化した社会における消費行動としての旅行を読み解きながら、観光振興に携わる方々にまず捉えていただきたい、現代社会における観光とはについて解説します。そして、地域が主体となった観光の進め方について、国内外の事例を交えながらお話しします。

◎Profile
兵庫県生まれ。旅行現場での豊富な経験を踏まえた観光マーケティング、地域活性化が専門。観光と環境、観光と健康の実践的研究、エコツーリズムの推進はライフワーク。北海道大学大学院客員教授(観光創造専攻)、東京大学非常勤講師、琉球大学非常勤講師。
11:30 昼食
12:30 ●講義2 オンパクとは何か~別府オンパクにその真髄を学ぶ
<講師:NPO法人ハットウ・オンパク 運営室長 野上 泰生 氏>

 国民の旅行スタイルの変化等により、別府観光も長らく低迷が続き、その有効な打開策が見出せない中で、当時、若手でまちづくりのリーダー格であった野上氏らが「宣伝や誘客ではなく、抜本的な対策として、固有の文化や資源を活かしたまちづくりによって地域の持続的な成長を目指すことが必要である」と考え、活動を開始したことが別府オンパクの原点になっています。
 本講義では、別府オンパクの誕生の背景と経緯からその最新事情、またオンパク手法(事業目的、構造、期待される成果等)を学び、“オンパクとは何か”、その真髄に迫ります。

◎Profile
平成10年に「別府八湯竹瓦倶楽部」の代表世話人として地域づくりを開始。最初に始めた地域体験型ウォーク「竹瓦かいわい路地裏散歩」は「長崎さるく」のお手本に。平成13年から「別府オンパク」を大分県の支援で開始。平成18年からはオンパク手法を全国に伝えるジャパン・オンパク事業の責任者としても活動中。野上本館社長、別府市議会議員。
14:00 ○休憩
14:10 ●講義3 地域でオンパクをどう位置づけ、活用するか~実施地域に効果的な活用のヒントを学ぶ
<講師:一般社団法人ジャパン・オンパク 代表理事 鶴田 浩一郎 氏>

 オンパク実施地域は、温泉地以外にも広がりを見せ、今や全国約45数箇所にまで拡大しています。多様な事業者や住民自らが来訪者に提供する商品を作り、協働して流通・販売し、結果、まちづくりにつなげていくオンパクを、「“人を支え 地域を創る”取組みだ」と鶴田氏はおっしゃいます。
 本講義では、まず一般社団法人ジャパン・オンパクの取り組みを概観します。そして、地域が観光といかに向き合うべきか(地域におけるオンパクの位置づけと役割、その活用方法、結果・成果等)について、オンパク実施地域の具体例をもとに学びます。

◎Profile
別府温泉の活性化に尽力。数々の観光イベントを企画、成功に導く。平成13年より「別府オンパク」を開催。平成22年に一般社団法人ジャパン・オンパクを設立し代表に就任。オンパク手法の普及によ る全国各地の地域活性化を目指す。NPO法人ハットウ・オンパク代表理事、株式会社鶴田ホテル(ホテルニューツルタ)代表取締役社長、観光カリスマ(「大型温泉地再生のカリスマ」、観光庁)。
15:40 ○休憩
15:55~17:35 ●講義4 オンパクを創ろう!~企画書作成ワークショップ
<講師(コメンテーター)>
 一般社団法人ジャパン・オンパク 代表理事 鶴田 浩一郎 氏
 NPO法人ハットウ・オンパク 運営室長 野上 泰生 氏
<進行>公益財団法人日本交通公社 主席研究員 吉澤 清良

 受講者には、事前に「オンパク企画提案シート」(あなたの地域の魅力は/オンパクを行う目的は/参加者層のイメージは/一緒に活動する仲間、パートナーは/全体コンセプトは 等)をお配りします。ご自身がお住まい(お勤め)の“地域を元気にする”オンパクの企画提案を考え、ご持参ください。
 本ワークショップでは、受講者が5人程度の班に分かれて意見交換を行い、班を代表する企画提案の発表、質疑応答、講師からのコメント等、双方向のやりとりを通じて、自地域の現状と課題、自身の問題意識等についてあらためて整理をするとともに、オンパクへの理解をさらに深めます。
17:45~19:00 ○交流会

2月21日(金) (開場 9:00)

9:15 ○開始
9:15 ●講義5 オンパク実施地域の現状分析~JTBF独自調査から
①アンケート調査(「オンパクの実施団体の組織と事業内容等における現状と課題」)結果報告
<講師>公益財団法人日本交通公社 研究員 後藤 健太郎

 当財団がオンパク実施地域を対象として独自に行ったアンケート調査(「オンパクの実施団体の組織と事業内容等における現状と課題」)より、オンパク実施団体の概要、オンパク開催の背景と目的、実施概要、結果・成果、課題、事業評価、キーパーソンに求められる役割等について報告します。

②特徴的な活動や顕著な成果が見られるオンパク実施地域への取材報告
<講師>公益財団法人日本交通公社 研究員 福永 香織

 オンパク実施地域の中でもより特徴的な活動や顕著な成果が見られる事例(みなかみオンパクcocoira~強い想いを連鎖させ、質にこだわり挑戦する/長良川おんぱく~多くのチャレンジャーが育ち、コミュニティビジネスを創出/熱海温泉玉手箱「オンたま」~オンたまから空き店舗活用による中心市街地再生へ、CAFE RoCAを展開 等)を取り上げて、その詳細について報告します。
10:55 ○休憩
11:05 ●講義6 オンパク実施地域からの報告
①信州諏訪温泉泊覧会「ズーラ」~オンパク継続・定着に必要な考え方と方策とは
<講師>信州諏訪温泉泊覧会「ズーラ」実行委員会 運営委員長 北澤 勝己 氏

 平成20年に諏訪湖周辺の3地域で始まった「ズーラ」も、今では広域8市町村で取り組む事業へと進化を遂げています。「ズーラ」は官の安定感・信頼感と民の機動力を併せ持った取り組みとして注目されますが、その背景には「着地型観光商品づくりを通して地域住民、観光行政、観光業界をつなぎ、地域に面としての活力を持たせたい」と、日夜奔走した行政職員と民間人の活躍がありました。 本講義では、「ズーラ」に立ち上げから関わる下諏訪町職員 北澤勝己氏より、ズーラの現状と課題、将来展望等について学び、オンパク継続・定着のために必要な考え方と方策について考えます。 *:「ズーラ」とは、諏訪地方の方言の「そうでしょ、いいでしょ」を意味する「ほうずら、いいずら」の響きからとったものです。

◎Profile
長野県諏訪郡下諏訪町生まれ。平成3年下諏訪町役場入庁。産業振興課等を務め、現在、建設水道課に勤務。住民と観光業・観光行政の間をつなぐズーラに大きな期待を持ち、サポートを続ける熱血漢。信州諏訪温泉泊覧会ズーラ実行委員会運営委員長、一般社団法人ジャパン・オンパク公認トレーナー。
12:05 昼食
13:05 ②能登旨美オンパクうまみん~地域におけるプラットフォームのあり方とは
<講師>能登旨美オンパクうまみん実行委員会 森山 奈美 氏

 平成11年、七尾市で有志が出資して立ち上げた民間のまちづくり会社、「株式会社御祓川」。「うまみん」は、平成19年の能登半島地震をきっかけに、同社が能登地域全体の活性化を目指してスタートした取り組みです。同社は「うまみん」をはじめ、地域を元気にする活動を支える様々な仕組みを提供し、地域づくりの担い手の伴走者として、パートナーの活動を多岐にわたって支えています。
 本講義では、同社代表取締役の森山奈美氏より、「うまみん」の現状と課題、将来展望等について学び、地域におけるプラットフォームのあり方について考えます。
 *:「うまみん」の「うま」には、「旨い」「美味い」「巧い」「上手い」の意味が込められています。

◎Profile
石川県七尾市生まれ。大学卒業後、都市計画コンサルタントとして、地域振興計画、道路計画等を担当。民間まちづくり会社、株式会社御祓川の設立に携わり、平成11年より同社チーフマネージャーを兼務。平成19年より代表取締役。川を中心としたまちづくりに取り組む。「能登で生まれ、能登に暮らし、能登を元気にしたい」と奔走中。一般社団法人ジャパン・オンパク公認トレーナー。
14:05 ○休憩
14:20~16:10 ●講義7 総括ディスカッション
<パネリスト>
諏訪広域地域 信州諏訪温泉泊覧会「ズーラ」実行委員会 運営委員長 北澤 勝己 氏
能登地域   能登旨美オンパクうまみん実行委員会 森山 奈美 氏
<コメンテーター>
一般社団法人ジャパン・オンパク 代表理事 鶴田 浩一郎 氏
<進行>公益財団法人日本交通公社 主席研究員 吉澤 清良

 オンパク実施地域では、開催を重ねる中でパートナーが育ち、様々な取り組みが生まれてきています。しかし、こうした成果が顕在化する一方で、オンパク運営に際しての課題も散見されるようになってきました。
 総括ディスカッションでは、ここまでの講義を通して見えてきた観光まちづくりの重要なテーマ(例えば、真の住民主体、行政の役割、官民協働のあり方、観光とまちづくりの融合、観光における内需と外需、事業評価、継続のための仕組みづくり等)について、講師陣と一緒に議論し、深掘りします。受講者の皆さんの悩みや意見も聞きながら、Q&A方式で進めます。
16:20 ○閉講

※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。

主催 公益財団法人日本交通公社
協力 一般社団法人ジャパン・オンパク
NPO法人ハットウ・オンパク
信州諏訪温泉泊覧会「ズーラ」実行委員会
能登旨美オンパクうまみん実行委員会
開催日時 平成26年2月20日(木)~21日(金)
場所 公益財団法人日本交通公社 大会議室(JR東京駅日本橋口徒歩2分)
対象 観光による地域振興に携わる自治体のご担当者
観光関連事業・商工会議所などのご関係者
募集人数 28名
受講料 お一人様 24,000円(当財団賛助会員 16,800円)
※消費税を含みます。
※お申し込み後の取り消しはご容赦願います。(代理の方がご出席ください。)
申込締切 お申し込み受付を終了しました

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