平成20年度 観光基礎講座

2008.04.28

~観光地域づくりの考え方とその実践に向けて~

ご案内
観光産業は多くの産業・分野と広く深く関わりを持つため、観光関係者が取り組むべき課題は多岐にわたり、また複雑なものとなります。既存の観光地に限らず、これから観光振興に取り組もうとする地域においても、観光の基礎的な知識の裏付けのもとに、明確な地域の将来ビジョンを持って地域振興や観光振興を進める人材が求められます。
 当財団は旅行・観光を専門とするシンクタンク、コンサルティング集団として、全国各地で観光振興のお手伝いをしてまいりました。本講座は、これまでの経験とノウハウを活かして独自の視点と切り口で構成しています。観光・地域振興・リゾート関連事業に新たに従事される自治体や業界の方々、地域の観光振興の担い手の方々の人材育成の一助として平成8年度開講以来、今年で13年目を迎えます。
 観光をめぐる基礎的な知識の習得はもちろんのこと、官民の連携や専門的な実践ノウハウ、ヒントといった実用情報も盛り込んだ、観光担当者にとっては日々の業務に役立つ講座です。約30名という少人数制により、講師への質問や参加者同士の意見交換の時間も充実させています。
 行政のご担当者のみならず、施設経営や地域づくりに取り組まれる観光業界の方も、この機会に是非ご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。
 本年は、「地域が元気になることが観光地域づくり」という観点から、教育旅行の誘致による地域振興、ニューツーリズムに向けた地域での取り組み、人材育成等について解説します。

プログラム及び講義のご案内

6月19日 (木)

10:00 開講・オリエンテーション
10:10 講義1 : 成熟化時代の観光マーケティング
時代とともに旅行者も観光のあり方も変化しています。この講義では、成熟化した社会における消費行動としての旅行を読み解きながら、観光振興に携わる方にまずとらえていただきたい、現代社会における観光の意味を解説します。これからの観光市場にはどんな欲求の実現が求められることになるのか、地域はどのように取り組むべきなのか提言します。

講師:(財)日本交通公社 理事 小林 英俊
兵庫県生まれ。旅行現場での豊富な経験を踏まえた観光マーケティング、地域活性化が専門。観光と環境、観光と健康の実践的研究、エコツーリズムの推進はライフワーク。
11:40 講義2 : 旅行者マーケットの最新動向
地域の観光戦略を立案するためには、旅行者の動向に関する情報収集を行い、マーケットの実態とニーズを把握する必要があります。毎年当財団が独自に調査、分析して取りまとめている旅行マーケットレポート『旅行者動向』のデータ等をもとに、旅行マーケットの捉え方と最新の動向について解説します。(『旅行者動向2007』をテキストとして当日さしあげます)

講師:(財)日本交通公社 研究員 相澤 美穂子
北海道生まれ。主に旅行者サイドからみた国内、海外旅行マーケット動向の調査・研究に携わる。
13:40 講義3 : 地域が取り組む観光客への情報提供
まちづくり、観光地づくり等の取り組みによって、これまでは気付かなかった魅力やより奥深い魅力が地域の中にどんどん発見、蓄積されています。ここでは、そうした地域の魅力を地域が主体となって取り組んでいる全国の様々な取り組みを紹介ながら、「地域の魅力を観光客に伝える方法」について考えてみたいと思います。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 中野 文彦
栃木県生まれ。地域の自然、文化、景観等を活用した市町村等の観光振興計画・アクション計画策定および実施支援に関する調査研究に携わる。
14:30 講義4 : 地域を元気にする考え方 ~教育旅行が地域を変える~
「観光振興すれば地域が元気になるのではなく、地域が元気になれば観光客は勝手に寄ってくる。」小椋唯一氏は地域おこしを観光振興の視点から考え、地域住民と都会の子供との交流の場を作ってきました。新しい企画を打ち出しながら体験型校外学習等の教育旅行を東北地方へ誘致し、地域の振興に貢献しています。数々の教育旅行誘致組織を立ち上げた経験や行政及び旅行会社とのつき合いで得たノウハウは、観光地域づくりに取り組もうとする地域において大事なヒントになると考えられます。地域にあるものを探すことから始め、地域活性化を実施させる様々な"考え方"をうかがいます。

講師:東北広域教育旅行誘致委員会 幹事長 小椋 唯一
石川県生まれ。福島県内の宿泊施設2社で43年間勤務。磐梯高原学生誘致連合会、福島県観光連盟教育旅行部会、東北広域教育旅行誘致委員会等での活動を通して、教育旅行を地方へ誘致することにより、地域の振興に貢献している。2004年国交省「観光カリスマ百選」に認定。
16:00 意見交換会(~18:30)
○課題の共有、意見交換ほか
ご参加の皆様の地域での取り組みや課題を共有化し、講師や参加者が意見を交換する場です。ネットワークづくりにも役だったと毎年ご好評いただいています。

6月20日 (金)

10:00 講義5 : 観光の経済効果と観光統計の活用・整備
観光統計の役割は、観光産業の重要性の啓蒙、観光地における問題意識の共有、政策評価の中間目標としての利用、観光地マーケティングへの活用など、非常に広範囲にわたるものです。この講義では、観光統計を基礎として作成される重要指標「経済波及効果」の紹介を通じて、自治体における観光統計の望ましい体系と活用方法について解説します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 塩谷 英生
茨城県生まれ。国内外の観光統計研究を重ねるとともに、2000年以降、国や沖縄県の観光統計作成、経済効果の推計に継続的に携わる。
11:20 講義6 :産業観光を通した観光地づくり推進
 ニューツーリズムの1つとして注目されている産業観光は、最先端技術や伝統産業、産業遺産などを「観て学ぶ」「体験して学ぶ」という学習型の観光で、知的好奇心を満足させるものです。産業観光は、目的意識を持った観光客が集う傾向が強いため、受け入れ側が明確なコンセプトを示せば、意識の高い国内外の観光客が集まり、結果として地域活性化につながります。ここでは、既に全国で産業観光に取り組んでいる施設の事例を取り上げ、産業観光を実施するための仕組みづくりとその雰囲気を醸成させるための基盤整備等、諸課題を整理します。

講師:(財)日本交通公社   主任研究員 牧野 博明
広島県生まれ。ヘリテージ・ツーリズム推進を目指し、各地における産業遺産の保存・活用による地域活性化をテーマとする活動・研究に従事。このほか、運輸動向からみた観光の動き、旅行が健康に及ぼす効果に関する研究なども担当。

13:30 講義7 :先進地調査からみる観光地域づくり
魅力ある観光地域づくりのためには、地域が主体になって地域の資源を活かした地域づくりを推進する必要があります。しかし、現状では、各種ハード事業やソフト施策が必ずしも戦略的、総合的に取り組まれておらず、施策の効果が得られない地域の例もみられます。ここでは、観光地域づくりに関わる各種ハード・ソフトの取り組みをより効果的に連携させるための考え方やヒントに関して整理します。

講師:(財)日本交通公社  研究員 菅野 正洋
静岡県生まれ。観光地の空間・景観整備、エコツーリズムやグリーンツーリズムによる地域づくり調査・事業に携わる。
講師:千葉県商工労働部観光課  荒井 一 氏
千葉県生まれ。平成19年度、当財団にて、観光地づくりについて研修。千葉県観光プロモーションに関わる業務を担当。
14:50 講義8 :ニューツーリズムを担う人材に求められる能力
 観光地域づくりの手法として、「ニューツーリズム」に対応した観光資源の発掘や地域コミュニティと密着したプランニング等が重視されています。観光地域を取り巻くこのような環境の変化により、主体になる人材には、新たな能力を身につけることが必要とされます。対顧客(ホスピタリティ分野)、対地域(地域づくり分野)、対組織(組織経営分野)においてのスキルを養成するカリキュラムに関して提案します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 山田 雄一
埼玉県生まれ。様々な制約条件や機会を的確に捉えた実践的な調査、計画づくりという観点から、都市・町・リゾート地域を対象とした観光地域計画、観光地マーケティング等の調査・事業に携わる。

16:00 総括(ふりかえり)
(財)日本交通公社 理事 小林 英俊
16:20 閉講

◆企画・進行:(財)日本交通公社 主任研究員 久保田美穂子
長野県生まれ。当財団で主に温泉地、旅館・ホテルをめぐる旅行マーケットの動向、地域振興のためのセミナー企画に関する業務に携わる。平成16年度より本講座の企画運営を担当

※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。その節はどうぞご了承下さい。

開催日 2008年6月19日(木)~20日(金)
募集人数 30名(お申し込み順)
申込締切 2008年6月12日(木)
参加費 2日間 24,000円  賛助会員 21,600円
(参加お一人様 消費税込み)
※お申し込み後の取り消しはご容赦願います。
(代理の方がご出席下さい)
会場 第一鉄鋼ビルA会議室
東京都千代田区丸の内1-8-2 第一鉄鋼ビル 地下1階
JR東京駅 八重洲北口 徒歩3分
地下鉄大手町駅 B10出口 徒歩1分
主催 財団法人日本交通公社

募集を終了いたしました。ありがとうございました。

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