観光地づくりオーラルヒストリー<第5回>古賀 学氏  4.「観光」の計画とその実現 

2015.03.31

●行政の計画論と個人の企画書をつなぐ

 行政の計画論って何だろう?個人の計画論、観光カリスマみたいな地域を動かしている人たちは特定の計画論という考え方を持っているでしょうか。理念は強く持っています。きっと、個人の場合は計画でなくて企画書を作っているんじゃないかと考えたりします。もう先が見えている。要するに即実践、即企画書プラスお金、あとはそのための企画書を作る。計画に不可欠な調査などはないんじゃないでしょうか。

 一方、行政は行政計画を作って実行している。特に最近は条例ができてそれに則った計画という形で、実現性はあるけれども夢がない。目標にこだわりすぎてそれからはずれることはない。

 行政がやっていることと民間がやっていること、どっちもいいところがあるし欠点もあると思いますが、それをどう結びつけていけばよいのかというところがまだ見えていない。

 日頃、それぞれ地域で実践をしている方々個人が頭に描いている計画論って、どうなっているのかを考えてるんですけど、例えば利賀村の中谷さん。行政から関連組織そして個人となった今でも、地域づくりについて実践しながらいろいろと考えています。そうした中で、私たち外部の人間の役割は何なのか、あるいはこれからもどう対応していったらよいのか、未だいろいろと考えさせられてしまいます。結果、彼らのビジョンを形にしてあげるということにつきてしまうのですが、では具体的にはどうやっていけばよいのか。一緒に歩むという実践ありきなのでしょうか。

 中谷さんも、高柳の春日さんも、行政にいました。そのときお手伝いをしてきたことを考えると、行政の一職員のビジョンを、私が計画書に作りあげる、それをやってきたようなきがします。行政マンと行政組織、計画策定と行政マンとしての実行。そういうところを明らかにしていくと、もうちょっと実践的な計画論が、地元主体の計画論が出てくるんじゃないかと思っています。 

●地域の専門家である地元の方と観光のプランナーの関係

 ある意味、地元の方のほうが地域については専門家。我々がやるのは、観光の視点から地元の方がわからないことや他の事例などを、わずかな知識とともに提供しながら、彼の考えをまとめる手伝い。そんな役割だと思います。いくら長く地域振興につきあっても、私自身が主役になることはないでしょう。また逆に、その地域に頼られているという意識もあまりありません。彼は彼で好きなことをやっている。そして何かのときに「それはいいね」と言ってあげた同意の言葉が、彼らの実行のための自信につながっていればうれしい限りです。

第5回・・・元(社)日本観光協会 総合研究所長  古賀 学氏

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