観光地づくりオーラルヒストリー<第4回>溝尾 良隆氏  3.「観光」に関する失敗と反省

2015.07.14

 (1)我が国の観光のなにが問題か

●自治体は企画課的発想の転換を

 県や市町村などの自治体は、観光課を企画課のような業務に転換しないとダメだと思います。グリーンツーリズムは農水関係、エコツーリズムは環境関係の部署が担当する。それぞれが専門化してくると、従来の観光課はインバウンドと宣伝と施設管理くらいしかやることがなくなります。エコツーリズムもグリーンツーリズムも、観光分野に取り込んでいく。

 企画課のように地域を総合的にどのような地域にしたらよいかという総合戦略を作るしくみを作っていく。国の縦割りを責めるのではなく、自治体は縦割りをうまく利用して、総合戦略のなかに一つひとつうまくあてはめていけばいい。

 いま、観光に関する補助金はいろいろな方面から出ていて、すごく充実しています。自分たちがやりたいことがあって、そのために補助金を申請するならいいけど、初めにまず補助金ありきの場合が多い。補助金をとることが成果だと思ってしまう。それは地域のためにはならない。

 まず何をやるか、補助金を正しく活用するためにも総合戦略は必要であり、そのためにはやはり自治体に企画課的な発想が必要だと痛感しています。

 

●画一的な取り組み

 いまの日本の観光の現場でこわいと感じるのは、全国すぐ一つの色に染まることです。足湯が流行ればみんな足湯を作り、フラワーツーリズムならみんな花を植え始める、最近ではアニメや妖怪だという。このように、何かがいいと言われれば、なんでもいっせいにやり出す。そういった画一的な観光の取り組みはどうなのかと懸念しています。

 

第4回・・・ (前)帝京大学経済学部 教授 (元)立教大学観光学部 教授 溝尾 良隆氏

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