先読み!マーケット 第八話

2009.03.30

第八話 旅好きな人はどんな人達か?

 今回は、旅行好きな人々の生活意識や旅行志向が、一般の人々とどのように違っているかについて紹介します。資料は08年11月に実施した「オピニオンリーダーに聞く旅行者モニター調査」です。同調査は、市場への先行性と周囲への影響力を持つ市場の中核層を抽出し、旅行動機や市場の将来動向を分析しようとするものです(調査の概要)。

◇日常生活の意識と旅行頻度◇

 旅行のオピニオンリーダー層は、一般の人々とどう異なるのでしょうか。スクリーニング調査(20歳~79歳対象。有効票数26,013)において、日常生活の意識や旅行の傾向について20項目に分けて聞いています。これらの傾向と旅行頻度との相関について一部ご紹介します。

その1.「何事にも好奇心旺盛な方だ」 ~好奇心が旅行へのエネルギー
 旅行回数の多い人程、好奇心が旺盛であるとの傾向がはっきりと顕れています。オピニオンリーダー層の45.4%が「当てはまる」と回答し、「やや当てはまる」44.6%と合わせると9割以上の人が該当しています。「外出をよくする方だ」も同じ傾向があり、逆に「旅行に行かなくても近場で十分楽しめる」という人は旅行頻度に反比例する傾向があります。
 家でじっとしていられない好奇心旺盛な特性を持つ人が、宿泊旅行という消費行動を選択するのです。どんなに景気が悪化しても、市場に最後まで残るのがこの層だと思われます。 また、好奇心の強さは、情報収集への意欲に通じるところがあります。特に、インターネットのような探索型の情報メディアは、オピニオンリーダー層でより積極的に活用されています。

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その2.「似たような旅行嗜好を持つ人と出会うと嬉しい」 ~ 出会いは旅の大切な魅力
 同じ嗜好を持つ人との出会いは旅行の欠かせない要素となっています。旅行頻度が高い人ほど「当てはまる」人の比率は高く、オピニオンリーダー層では49%と約半数を占めています。また、前記の「何事にも好奇心旺盛な方だ」との相関も高く、「何事にも」の中には人への好奇心も含まれるようです。
 また、他の設問で聞いている「自分の旅行話で会話が盛り上がることが多い」や「よく旅行に誘われる方だ」に「当てはまる」人の6割前後が「似たような旅行嗜好を持つ人と出会うと嬉しい」に「当てはまる」と答えています。こうした点から、オピニオンリーダー層の多くはコミュニケーション能力が高く、価値観の近い人々と打ち解けやすい性格を持っています。但し、日常ではそれ程積極的に人と話をするタイプでないけれども、旅先では見知らぬ人とでも自然に話ができるという人もOL層には多く(グルイン等)、それは日常圏を離れることの一つの効用として捉えることができます。

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その3.「仕事の上でストレスを感じることが多い」 ~OL層の22%がストレスを抱える
 仕事の上でストレスを感じる人の比率は、「当てはまる」が19.5%、「やや当てはまる」が34.1%で、合わせて53.6%と半数を超えています。「当てはまる」を旅行回数別にみていくと、概ね19%~20%程度に分布して大きな差はありません。しかし、オピニオンリーダー層に限定すると22.3%とやや高めとなっています。オピニオンリーダー層には所得水準の高い人が多い他、「職場での責任が重くなった」人も多く含まれていて、ストレスのかかる立場にある人が幾分多いようです。
 なお、オピニオンリーダー層では「熟睡できることが少なくなった」という人は比較的少なく(但し、20代でやや多い傾向)、リフレッシュを目的に旅行に行くにも、有る程度心身が健康な状態にあることが必要なようです。

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◇例えば、ストレスのある人はどんな旅行をするのか?◇

 オピニオンリーダー層のうち、?「似たような旅行嗜好を持つ人と出会うと嬉しい」、?「仕事の上でストレスを感じることが多い」に「当てはまる」人についてその旅行志向をみていきます。
下図は、「今後、国内旅行をする際に重視していきたいこと(引き続き重視したいことを含む)」の回答率を、??に当てはまる人についてみたものです。
 ?「似たような旅行嗜好を持つ人と出会うと嬉しい」人に多い回答は、「美味しいものを食べること」「美しいものなどに触れて感動すること」「自然に親しむこと」「地域の文化に触れること」などです。食、自然、文化等素材は様々ですが、旅に感動を求めていることがわかります。
 一方、?「仕事の上でストレスを感じることが多い」人に多い回答は、「休養、リラックスすること」「日常の人間関係から解放されること」「旅行を通じて自分らしさを取り戻すこと」「懐かしいものに出会うこと」などです。彼らは旅行を通じたリラックスやリフレッシュを求めています。

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 次の図は、やはり??に当てはまる人について、「あなたが今一番泊まってみたい国内の宿泊施設」に「当てはまる特徴」として何が選択されているかを示したものです。
 「似たような旅行嗜好を持つ人と出会うと嬉しい」人に多い回答は、「その宿ならではの設備やサービスがある」「料理人の心づくしを感じる」「宿の周辺を散策しても楽しめる」「自然との一体感が感じられる」「宿の持つ歴史や伝統を感じさせる」など多岐にわたります。サービス、料理人、周辺環境、歴史や伝統などを軸にした"宿の持つ個性"に関わる選択肢が多いのが特徴です。
 「仕事の上でストレスを感じることが多い」人に目立つ回答としては、「ひとり一人を尊重してもてなしてくれる」「深い眠りにつくことができる」という回答が多く、丁寧な接客や、心地よい睡眠を通じて、緊張を解きほぐす場としての宿泊施設が重視されているようです。

図10

< 塩谷 >