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	<title>観光地域づくり | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
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		<title>観光と歴史文化遺産は対立するものか？　[コラムvol.507]</title>
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		<pubDate>Tue, 30 Apr 2024 01:27:53 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>地域活性化のために、観光誘客のために協力してほしい 観光のチカラで地域を元気にしたい、今、日本全国で観光を活用した地域の活性化事業が盛んにおこなわれています。私はこれまで自治体やDMO、また観光関連事業者の皆様から多くの･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>地域活性化のために、観光誘客のために協力してほしい</h3>
<p>観光のチカラで地域を元気にしたい、今、日本全国で観光を活用した地域の活性化事業が盛んにおこなわれています。私はこれまで自治体やDMO、また観光関連事業者の皆様から多くの観光に関わる相談を頂き、全国各地を訪れて観光商品を企画開発してきました。その中で私にとって「いつもの光景」があります。それは、自治体等の観光担当者が「地域経済活性化のために！観光誘客のために協力してほしい！」と真っすぐに地域の文化財所有者に依頼し、「苦笑い」をされる場面です。<br />
長く文化財を守り続け、次の世代にその価値を伝え、残すことを使命としてきた文化財所有者にとって、このような話は昨今のオーバーツーリズムの問題等もあり、文化財が正しく扱われるのかどうか、真正性が損なわれないか気になるところです。また、民俗学の立場から有形・無形文化財、民俗文化財などの歴史文化遺産 の観光利用に対して「文化財保護という名の下での観光開発が始動した」<sup>1)</sup>という話も聞かれます。これまでの観光開発の歴史を見ればこのような危機感も当然かもしれません。<br />
今回は、保存と活用はどちらを優先すべきなのか？観光と歴史文化遺産は対立するものなのか？考えてみたいと思います。</p>
<h3>地方の少子高齢化、人口減による歴史文化遺産の危機</h3>
<p>国等の試算<sup>2)</sup><sup>3)</sup>によると日本の人口は2020年の12,615万人から2050年には10,469万人（19％減）、同じく生産年齢人口は7,509万人から5,540万人（30％減）、同じく年少人口は1,503万人から1,077万人（28％減）と試算されています。地方はどうか、例えば 東北地方の人口は2020年の1,081万人から2050年には741万人（31％減）、同じく生産年齢人口は612万人から354万人（42％減）、年少人口は120万人から62万人（48％）と試算<sup>4)</sup>されています。地方の少子高齢化、人口減少は全国平均と比較し速いスピードで進むことがわかります。<br />
このような状況の中では歴史文化遺産の保存継承に自治体が予算や人を割くことは年々難しくなることが予想されます。特に私が現在研究する、祭り等に代表される無形民俗文化財<sup>5)</sup><sup>6)</sup>においては更に厳しい現実が待ち受けています。祭り等を実施運営する担い手不足の問題です。無形民俗文化財は人の手によって継承されていくもので、人がいなければ途絶えていく運命です。加えて、祭り等で使用される着物や楽器等の伝統工芸品の需要がなくなればその担い手も職を失い、技術も途絶えます。<br />
このような危機的状況の中で歴史文化遺産を保存継承していくためには、これまで通りのやり方ではなく、新しい視点、考え方、手法が必要になります。「守る」一辺倒では次世代に文化を継承してくことが難しい時代なのです。</p>
<h3>2015年、文化庁が日本遺産の認定<sup>7)</sup>を開始、「活用」の議論</h3>
<p>文化庁は2015年4月、18件（現在は104件）の「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー」を日本遺産として認定しました。日本遺産の特徴は、「既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を『面』として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている」点です。これは「保存か、活用か」という２択ではなく、「保存も、活用も」両方重要という考え方ですが、これまでの文化庁の取組みから考えれば、「活用」が色濃く表れていると感じられます。また、2018年には文化財保護法も改正され、文化財の「活用」に係る予算配分が手厚くなりました。</p>
<h3>観光のための歴史文化遺産ではなく、歴史文化遺産のための観光という考え方</h3>
<p>このような地方や国の現状を考えると、冒頭の「地域経済活性化のために！観光誘客のために協力してほしい！」と依頼する自治体等の観光担当者に協力することは、お金も回り、地域が元気になり、正しいことに感じられます。人口減時代の地方で観光の「経済」効果（数字） は錦の御旗も同然です。<br />
しかし、「経済」効果が大きければ「何でもあり」なのでしょうか。私は観光客を「お金」として見ている地域にあまり行きたいと思いません。今の時代は観光客が見抜きます。 これからは人口減時代における地域の「持続可能性」をどう考え、観光客に見せていくかが重要です。地域の貴重な歴史文化遺産を保存継承するために観光をどう利用するのか。つまり、「歴史文化遺産のための観光」という考え方に考えを変えることに取組む必要があるのではないでしょうか。なぜなら、地域の歴史文化資源の価値が観光により損なわれてしまえば、結果として、地域そのものの価値が損なわれ、地域住民にとっても、観光客にとっても魅力的な地域ではなくなるからです。</p>
<h3>訪日旅行者6,000万人時代の歴史文化遺産の保存と活用</h3>
<p>日本政府は2030年の訪日外国人旅行者数の目標を6,000万人と掲げています。昨今の急激な訪日外国人旅行者数の回復は目を見張るものがあり、今後益々外国人が日本の歴史文化遺産を見たい、体験したいという声は高まっていくと思います。歴史文化遺産の保存と活用の議論は、新たな段階に進んでいくことは間違いありません。また、様々な課題が噴出するでしょう。今まで以上に文化財所有者や学芸員など文化財関係者と旅行会社や宿泊施設などの観光関係者が手を取り合い、「歴史文化遺産の保存継承」を目的にした観光の在り方を研究、実践していく必要があります。今後は具体的な地域の事例などを報告していきたいと思います。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-medium wp-image-46535" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/507_image2.png" alt="" width="1500" height="650" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h4>【引用・参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) 岩本道弥（2007）編集「ふるさと資源化と民俗学」吉川弘文館 序p5</li>
<li>2) 総務省　人口推計</li>
<li>3) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口（令和5年推計）｣</li>
<li>4) 公益財団法人東北活性化研究センターHP　東北データブック</li>
<li>5) 文化庁（2022）重要無形文化財パンフレット</li>
<li>6) 文化庁（2023）民俗文化財の保護制度</li>
<li>7) 日本遺産ポータルサイト</li>
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		<title>観光地域づくりの新しい地平 [コラムvol.485]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column_information_revolution_yamada/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column_information_revolution_yamada</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Jan 2023 06:55:03 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>ポスト・コロナで何を目指すのか 2023年は、2020年初頭から始まったCOVID-19によるダメージから回復していく年となっていくことだろう。100年前のスペイン風邪以来と言われた大規模な感染症被害から、ようやく国際社･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>ポスト・コロナで何を目指すのか</h3>
<p>2023年は、2020年初頭から始まったCOVID-19によるダメージから回復していく年となっていくことだろう。100年前のスペイン風邪以来と言われた大規模な感染症被害から、ようやく国際社会を回復しようとしている。</p>
<p>実際には、もうしばらく紆余曲折がありそうだが、大筋としてエンデミックな世界となって、世界は動いていくことになるだろう。</p>
<p>問題は、その「回復」によって、何を達成していくのかということだ。</p>
<p>もちろん、観光が回復することで、2年以上、厳しい状況に置かれていた観光事業者は収益を取り戻すことになる。これが喜ばしいことであることは論をまたない。だが、同時に21世紀に入り、観光が持つ社会的な意味が変化したことについても、我々は視野を拡げていかなければならないだろう。</p>
<p>思い返して欲しい。仮に、今回のコロナ禍が1990年代に生じていたら、ここまで「観光」は世界的な話題になっていただろうか。それが、現在では、観光が多くの国々にとって主要な政策課題の一つとなっている。だからこそ、コロナと観光との関係が国際的な課題となったのだ。</p>
<h3>驚異的に進化したデジタル</h3>
<p>この理由は、経済構造が高次化、サービス産業へとシフトしていくことに加え、ネットの進展によって、我々が認知できる社会領域が飛躍的に拡大したことが挙げられる。例えば、通信速度で言えば1990年代半ばに誕生したネット常時接続回線「INS64」は128kbpsに過ぎない。その後、急速に発展し数年後の2000年代始めにはADSLで16倍の速度となる20Mbpsを達成。さらに2010年代には光回線が普及しADSLの50倍となる1Gbps、2020年代には10Gbpsもサービスに入っている。実に、四半世紀で8000倍という驚異的な速度アップとなる。これが、どれくらいの差なのかといえば、128kbpsでは今どきの写真を1枚ダウンロードするのに2分かかっていた（なので、小さい画像にしていた）。しかしながら、現在なら写真どころかDVD1枚を10秒程度でダウンロードできる速度がある。比例して、我々が利用するパソコンやスマホの性能も大幅に向上し、現在では、動画処理も自由自在となっている。この通信速度とデジタル処理技術の向上は、そのまま、我々の情報コミュニケーション可能量の拡大を示している。</p>
<p>例えば、コロナ禍中、オンラインでのTV会議が当然のように行われたが、これはTV会議が出来るだけの回線と機器が社会に普及していたことを示している。</p>
<p>我々は、この四半世紀でコミュニケーションできる領域を、信じられないくらい拡げてきており、さらに、その領域は、今後も指数的に拡がっていく時代となっているわけだ。</p>
<h3>コミュニケーションの拡大がもたらす社会変化</h3>
<p>コミュニケーション領域が拡がれば、それだけ我々は世界を広く、深く、長く知ることが出来るようになる。従来であれば、存在すら知らなかった地域、体験を知ることが出来るし、その場を訪れる前でも後でも、関係する人々とやり取りすることもできる。必然的に、人々の「旅行」意識は高まり、その観光対象は多様化することになる。特にデジタル・ネイティブと言われるZ世代においては、その動きは顕著となるだろう。</p>
<p>過去、産業革命が中産階級を生み出し、交通機関を発達させたことで地方から都市への人口移動が起きたように、ネットの進展によるコミュニケーション領域の拡大は、我々の生活に関するパラダイム（常識の枠組み）、具体的には住む場所、働き方、暮らし方を大きく変化させて行くことになるだろう。この変化は、人類がまだ見たことのない世界を現出していくことになるが「観光」は、その変化をリードする存在になると筆者は考えている。</p>
<p>なぜなら、認知領域が拡がったデジタル・ネイティブ世代が目指す世界は、自身のライフスタイルを優先する世界だと思うからだ。おそらく、彼らは、「それ以前の世代」では超えられなかった壁をヤスヤスと飛び超え、自分にとって心地の良いところ、自分が楽しいと思えるところにドンドンと出かけ、滞在することになるだろう。そして、彼らが集まっていく地域が、社会を動かしていくことになるだろう。産業革命以降、都市が社会の中心となったように、人々が集まる地域は、新しい中心性を持つからだ。</p>
<h3>観光リゾート地は社会のロールモデルとなる</h3>
<p>世界レベルで人気を集める観光地域を思い返して欲しい。それらの地域は優れた景観と街並みの中に、良質なホテルや飲食店が集積し、各種のアクティビティや文化イベントも展開された一つの理想郷となっている。しかも、多様な人々が集まることに対応できるダイバーシティや、カーボン対策を主体とした環境対策も先駆的に取り組まれるようになっている。</p>
<p>つまり、すでに強い観光地域は、現在社会において普遍性の高い要素を兼ね備えたロールモデル地域となっており、社会をリードする存在となってきている。</p>
<p>こうした社会変化を展望すれば、観光、または、観光地域づくりの定義も大きく変わっていくことになるだろう。</p>
<p>コロナ禍からの回復に伴い、2023年は、様々な事象が起きるだろう。しかしながら、地域は短時間で変わることはできない。我々に求められるのは、コロナ禍の断絶を教訓に、中長期的な視点に立ち、新しい社会を現出していくような「観光地域づくり」に取り組んでいくことではないだろうか。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column_information_revolution_yamada/">観光地域づくりの新しい地平 [コラムvol.485]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>令和時代の観光地域づくりに向けて　[コラムvol.411]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-management-2019-yamada/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-destination-management-2019-yamada</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Dec 2019 08:55:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光地経営]]></category>
		<category><![CDATA[観光地づくり]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>平成から令和へ 2019年は、元号が平成から令和へと変わる特別な年となった。 観光面では、2016年に成立していた特定複合観光施設区域整備法（IR整備法）にかかる政令が3月に閣議決定され、各地でIR誘致に向けての動きが活･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-management-2019-yamada/">令和時代の観光地域づくりに向けて　[コラムvol.411]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>平成から令和へ</h3>
<p>2019年は、元号が平成から令和へと変わる特別な年となった。</p>
<p>観光面では、2016年に成立していた特定複合観光施設区域整備法（IR整備法）にかかる政令が3月に閣議決定され、各地でIR誘致に向けての動きが活発化する中、秋には2002 FIFAワールドカップ以来となる大型の国際スポーツイベント、ラグビーワールドカップ2019日本大会（RWC）が開催され大きな注目を集めた。さらに10月には、北海道倶知安町にて、G20観光大臣会合が開催され、観光面における国際的なプレゼンスが高まる1年となった。</p>
<p>他方、京都市など、一部、地域においては「観光客が多く来すぎているのではないか」という懸念が広がり、メディアを賑わすようになってきている。また、台風15号や19号を始めとした防風、豪雨災害が相次ぎ、災害に伴う交通機関のダウンや、その後の需要減などが、大きな影を落とすようになっている。<br />
さらには、隣国との国際関係の悪化によって、当該国からの訪日客が大きく減少する事態も生じており、九州地方をはじめとした地域は、深刻な需要減に見舞われている。</p>
<p>こうした影響もあり、2018年、3000万人を超えた訪日客数は、やや失速気味に推移しており、2019年10月の訪日客数は、2018年、2017年のそれを下回る結果となった。<br />
来年度は、東京オリンピック・パラリンピック開催の年であり、RWCに続き、国際的な注目が高まる年となることが予想されるが、その足元については、必ずしも楽観視できる状況ではなくなっていると言えよう。</p>
<h3>顕在化する課題</h3>
<p>現在の国を挙げての観光振興の取り組みは、2003年の観光立国懇談会（当時の小泉純一郎総理が主宰）から始まり、2016年の「明日の日本を支える観光ビジョン」で体系化されているものである。この「明日の日本を支える観光ビジョン」は、2014年から始まった「地方創生」の取り組みと密接な関係をもっており、単なる観光客誘致ではなく、観光を手段とした地域振興に視点が向けられている。</p>
<p>こうした視点から過去数年を振り返れば、観光と地域振興とのリンクが、大きな課題となっていることが指摘できる。</p>
<p>近年、需要面においては、好調に推移してきている。1990年代後半以降、減少し続けていた国内観光需要は、底打ちしてきたし、訪日客数も2014年から2018年の5年間で倍増以上の伸びを記録しているからだ。</p>
<p>問題なのは、発生した需要が、一部の地域に集中的に向かっており、大きく偏在していることだ。これは、需給構造から考えれば自然のことではあるが、地方の活性化を考える上では課題となる。さらに、需要が集中する地域においても、必ずしも、観光の効果を、地域活力の増大に繋げられていない状況にある。例えば、G20の開催場所となった倶知安町は、国内ではかつてない国際的なリゾート地域となったものの、地域住民の生活改善への寄与は限定的なのが実情である。同様の状態は、京都市や沖縄県など、人気の観光地においても多く指摘されている。<br />
統計上、観光消費による経済波及効果が高いことは各所で確認されているにもかかわらず、観光が振興されても（＝観光客が増える、観光消費額が増える）、地域が元気にならないという矛盾は、どこにあるのか。この問題に真摯に向き合わないと、観光によって持続性の高い地域を創造していくことは難しいだろう。</p>
<h3>サービス経済社会の価値創造</h3>
<p>その理由は、現代社会が、サービス経済社会であり、知識経済社会であるためだ。<br />
現在は、かつての製造業社会と異なり、取り組みの労働量と対価とは、必ずしも一致しない。付加価値を生み出すモデルを発想し、実現できる主体が、生み出した付加価値の多くを獲得していくからだ。そして、その付加価値を生み出す主体は海外へとシフトしてきている。</p>
<p>例えば、G20観光大臣会合の会場は、香港資本が所有しており、運営しているのは、米国を拠点とする国際企業である。これに限らず、近年、相次ぐ高級ホテルの多くは海外企業グループがオペレーターとなっている。自社ブランドのホテルも擁する国内有数の不動産企業でさえ、自社ブランドを使わず、海外ブランドでホテルを展開するようになっているのが実情である。<br />
これでは、付加価値の多くは、それら海外企業に流れていくことになる。</p>
<p>とはいえ、ここでナショナリズムを発揮し、海外企業を排斥するというのはナンセンスである。付加価値を生み出す事業者がいなければ、需要を高めることもできないからだ。<br />
ただ、観光によって地域を元気にするには、単に観光客を呼び込めば良いということではなく、呼び込んだ需要を、しっかりと地域の中で消化する仕組みが必要だということに気がつく必要があるだろう。<br />
これに気づけば、地域において観光に対応した「観光産業クラスター」を形成していくことの重要性が見えてくる。</p>
<p>今日の観光は、行政だけでできるものでないし、単体の民間事業者だけでできるものでもない。地域が観光面において競争力を持ち、しっかりとその成果を地域に取り込んでいくには、官民がパートナーシップを組み、役割分担をしながら、戦略的に事業を進めていくことのできる体制構築が重要となる。これが、観光産業クラスターである。</p>
<h3>求められる中長期的な時間軸</h3>
<p>地域は観光産業クラスターを持つことによって、初めて、「観光」による効果を地域の振興に繋げていくことが可能となる。5年、10年という時間軸の中で、クラスター形成に取り組んでいくことが求められる。</p>
<p>これまで、地方創生以降の観光振興は、毎年増大する訪日客数を後追いする短期決戦的な様相を呈していた。しかしながら、これからの観光振興は、長期戦だと考えていくことが必要となる。産業クラスターの形成には、多くの時間がかかるからだ。</p>
<p>中長期的な時間軸の中で「観光地域づくり」を考え、着実に取り組みを進めていくことができるのか。各地域の観光振興の姿勢や体制が問われている。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-management-2019-yamada/">令和時代の観光地域づくりに向けて　[コラムvol.411]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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