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	<title>池知 貴大 | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
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		<title>オランダの2都市から考えるクルーズ船の乗客に対する課税　[コラムvol.543]</title>
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		<pubDate>Mon, 15 Jun 2026 01:54:28 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>なぜクルーズ船の乗客に対する課税の議論があるのか 近年、ヨーロッパをはじめとする世界中の都市で、クルーズ船の受け入れをめぐる議論が活発化している。クルーズ船は一度に多数の観光客を地域に運び、大きな負荷をもたらすため、その･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>なぜクルーズ船の乗客に対する課税の議論があるのか</h3>
<p>近年、ヨーロッパをはじめとする世界中の都市で、クルーズ船の受け入れをめぐる議論が活発化している。クルーズ船は一度に多数の観光客を地域に運び、大きな負荷をもたらすため、その受け入れの是非がしばしば議論の対象となる。</p>
<p>もっとも、クルーズ船による負荷への対策は、受け入れるか否かという二者択一にとどまるものではない。寄港隻数や上陸人数の上限設定、到着・出発時刻の調整、港から市内への交通誘導、観光スポットの予約制、港湾インフラの整備など、複数の政策手段を組み合わせることが考えられる。</p>
<p>その中で、クルーズ船の乗客（以下「クルーズ船乗客」という。）に対する課税も、一つの対策として議論に上がることが多い。</p>
<p>この議論を考えるに当たっては、まず宿泊税等の観光税の性格を整理しておく必要がある。観光税の使途には、観光プロモーションやマーケティング、観光コンテンツの造成など、観光振興のための財源としての側面がある。他方で、観光客の来訪によって生じる道路、公共交通、清掃、混雑対策などのインフラや公共サービスへの負担を賄う財源としての側面もある。前者が観光需要を生み出し、地域経済を活性化するための財源であるとすれば、後者は、観光によって地域に生じる追加的な公共負担を、来訪者にも分担してもらうための財源である。</p>
<p>クルーズ船乗客に対する課税は、このうち後者の観点、すなわち観光によって生じる追加的な公共負担を来訪者にも分担してもらうという観点から議論されることが大半である。宿泊税が導入されている地域では、前者の観点に使途が限定されている地域を除いて、ホテル等の宿泊客から徴収された宿泊税が、地域の受入環境や公共インフラを支える財源の一部に充てられている場合が多い。他方で、クルーズ船乗客は船内に宿泊し、寄港地では数時間だけ滞在するため、通常は寄港地の宿泊税を支払わない。それにもかかわらず、上陸した乗客は、都市の道路、港湾施設、公共交通、観光案内、清掃、混雑対策といった公共的なサービスやインフラを現に利用する。このため、宿泊客との間で、観光によって生じる公共負担の分担に不均衡が生じる。実際、宿泊税の導入をめぐる議論の場では、宿泊事業者の側から、宿泊客にのみ負担を求めることの公平性を問う声が上がることもある。</p>
<p>さらに、クルーズ船乗客については、一般の日帰り客とは異なる固有の負荷もある。クルーズ船は、一度に多数の乗客を短時間で送り込むため、来訪の時間帯や場所が集中しやすい。これにより、港湾周辺や主要観光地における混雑、交通渋滞、公共交通への負荷、観光地周辺の滞留、住民生活への影響が生じやすくなる。こうした負荷は、単に日帰り客であることから生じるものではなく、クルーズ船観光の来訪形態そのものに由来する面がある。そして、こうした固有の負荷に対応するための財源として、クルーズ船乗客に対する課税を求める声が上がることになる。</p>
<h3>オランダにおけるクルーズ船乗客に対する課税</h3>
<p>宿泊税は、税率や使途を除けば各地で比較的共通するのに対し、クルーズ船乗客に対する課税の設計は、国や地域によって大きく異なる。以下では、そのうち、クルーズ船乗客がその地に「滞在すること」を捉えるオランダのアムステルダムとロッテルダムの2都市の事例を取り上げ、この「滞在」への課税という発想が、どのように制度化されているかを見ていく。</p>
<h3>アムステルダム：乗客の「滞在」に着目する制度</h3>
<p>オランダ・アムステルダムは、クルーズ船乗客に対する日帰り観光客税を採用している<sup>*1</sup>。税率は1人1日15ユーロであり、課税客体は、クルーズ船乗客が「滞在」することそのものである。課税標準は乗客が滞在した日数であり、これは接岸から出航までの日数として数えられる（滞在が数時間にとどまる場合であっても1日として課税される。）。</p>
<p>上記のとおり、この制度の課税客体は、船舶の入港や出航そのものではなく、クルーズ船乗客がアムステルダム市内で滞在することであるところ、トランジット（その都市を出発地とも到着地ともせず、航路の途中で立ち寄る）のクルーズ船乗客の滞在のみが課税対象となり、アムステルダムを出発地または到着地とするクルーズ船乗客の滞在は課税対象から除外されている。</p>
<p>この区別の背景には、観光税の対象となる「滞在」には、単なる乗降や乗継ぎを超える一定の継続性が必要だという考え方がある。条例に付された公式解説でも、乗降や乗継ぎのために短時間市内にいるだけでは、観光税の対象となる「滞在」とはいえないとされている。</p>
<p>そのため、アムステルダムを出発地または到着地とする乗客については、乗船・下船に伴う短時間の市内滞在にとどまる場合には課税対象外となる。他方で、航路の途中で寄港し、市内で一定時間を過ごすトランジット客については、宿泊を伴わない滞在として日帰り観光税の対象となる。</p>
<p>実質面でも、アムステルダムを発着地とする乗客については、乗船前または下船後に市内のホテル等に宿泊する場合が多く、その場合には通常の宿泊税の対象となる。そのため、発着地とする乗客を日帰り観光税の対象から除外しても、実質的に市内に滞在する場合（すなわち、宿泊する場合）にはその滞在が宿泊税によって捕捉・回収されるため、公共負担の分担に漏れが生じにくいという事情も、この除外を支えていると考えられる。</p>
<p>なお、この日帰り観光税は、同じ滞在であっても、自動車や鉄道で訪れる日帰り客を対象とせず、利用する交通手段によって取扱いを区別していることになる。条例に付された公式解説によれば、観光税が対象とする「継続的な滞在」に当たるかどうかは、個々人の主観的意図ではなく、客観的に判断されるべきものとされている。そして、自動車や鉄道で訪れる日帰り客一人ひとりについて、継続的な滞在に当たるかを個別に認定することは、税の執行上現実的ではない。そのため、執行可能性・確認可能性、すなわち制度の効率性の観点から、クルーズ船以外の手段で訪れる日帰り客を課税対象から外すことが正当化される、という整理がされている。</p>
<h3>ロッテルダム：乗客の「夜間滞在」に着目する制度</h3>
<p>オランダのロッテルダムは、クルーズ船上での夜間滞在に着目したクルーズ船宿泊税を採用している<sup>*2</sup>。税率は1人1泊6.10ユーロであり、ロッテルダム市内で、夜間に4時間以上連続して係留されたクルーズ船上において、乗客が有償で滞在することを課税対象としている。</p>
<p>同条例において、夜間滞在とは、21時から翌6時までの間に、クルーズ船が少なくとも4時間連続して係留される場合をいう。アムステルダムが単に「滞在」に着目するのに対し、ロッテルダムは「夜間滞在」に着目する点で設計は異なるが、乗客が一定時間その地にとどまるという「滞在」を捉えて課税する点では、両者は共通の発想に立っている。</p>
<h3>日本において</h3>
<p>日本でも、クルーズ船の受け入れをめぐる負荷の問題はしばしば指摘されており、近年はクルーズ船乗客への新たな課税を求める声も聞かれる。もっとも、現状では、クルーズ船乗客を対象とした法定外税はまだ実現されていない。</p>
<p>アムステルダムとロッテルダムに共通する特徴は、船舶の入港ではなく、乗客がその地に「滞在」することを課税客体としている点にある。この点で、宿泊税が「宿泊」という滞在行為に着目する税であるとすれば、両都市の制度も、乗客の滞在に着目する点でこれに近い発想に立つものといえる。いずれの条例でも、納税義務を負うのは、滞在の機会を提供する事業者、すなわち運航会社であり、事業者が税相当額を乗客から回収する仕組みがとられている。事業者が乗客に代わって納付する点では、宿泊施設が宿泊税を徴収・納付する構造とも近い。</p>
<p>日本においても、各地域で宿泊税の導入が進むなかで、その使途として観光振興の財源をどう確保するかという点にとどまらず、観光によって生じる公共負担を誰がどのように分担するかが議論されるようになっている。クルーズ船乗客は、その多くが寄港地では宿泊を伴わない日帰り客でありながら、日帰り客の中でも地域に与える負荷が特に大きい。このため、宿泊客との間での公共負担の分担の不均衡と、来訪が集中することによる固有の負荷の双方の観点から、負担の公平性をめぐる指摘が生じやすい。クルーズ船乗客に対する課税には、日本ではまだ先行する例がないものの、こうした視点からすれば、今後、その導入に向けた具体的な検討が始まっても不思議はない。</p>
<p>その際に、オランダの2都市の例が示唆するのは、課税客体を船舶の入港ではなく乗客の「滞在」に求めるという発想もあり得るという点である。課税客体を乗客の「滞在」に置くという整理は、日本の既存の制度との関係でも意味を持つ。港湾管理者が船舶から徴収する入港料は、「船舶の入港」を対象とするものであるところ（港湾法第44条の2）、乗客の「滞在」を課税客体とする設計は、入港料とのすみ分けを説明しやすいものと考えられる。</p>
<h4>【注】</h4>
<ul>
<li>※1 「2019年日帰り観光客税条例（Verordening Dagtoeristenbelasting 2019）」<br /><cite>https://lokaleregelgeving.overheid.nl/CVDR614619/4</cite></li>
<li>※2 「2026年クルーズ船宿泊税条例（Verordening logiesbelasting cruiseschepen 2026）」<br /><cite>https://lokaleregelgeving.overheid.nl/CVDR749018/1</cite></li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-cruise-tax-ikeji/">オランダの2都市から考えるクルーズ船の乗客に対する課税　[コラムvol.543]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「成功した観光地」のジレンマをどう乗り越えるか？ ―「観光自治体」という発想から考える―　[コラムvol.537]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourism-municipality-ikeji/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-tourism-municipality-ikeji</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 19 Jan 2026 04:43:32 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>「成功した観光地」のジレンマ 観光客が増え、宿泊施設は満室が続き、飲食店や小売はにぎわう。観光政策では、こうした状態がまさに「成功」とされてきた。外から人を呼び込み、消費を生み、地域経済を回すことは、多くの地域が追求して･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>「成功した観光地」のジレンマ</h3>
<p>観光客が増え、宿泊施設は満室が続き、飲食店や小売はにぎわう。観光政策では、こうした状態がまさに「成功」とされてきた。外から人を呼び込み、消費を生み、地域経済を回すことは、多くの地域が追求している目標であり、今後も多くの地域で重要な目標であり続けると思われる。
</p>
<p>しかし一方で、観光がうまくいっている地域ほど、住民の生活環境や地域運営に負荷が顕在化しやすい。実際、道路の渋滞、公共空間の混雑、住宅不足や家賃の上昇といった現象は、各地で「オーバーツーリズム」として批判的に語られることが増えている。
</p>
<p>ここで押さえるべき点は、これらが「観光がうまくいかなかった結果」ではなく、むしろ「観光が一定程度うまくいったことによって生じる副作用」として理解できる、という点である。観光の成功は、地域に流入する人の量だけでなく、滞在の仕方、利用の時間帯や集中する場所、さらには不動産に対する投資や用途転換を通じて、地域の需要構造を大きく変化させる。課題は、こうした変化が一定程度不可避であるにもかかわらず、地域の制度や運営の仕組みが、依然として定住人口を前提とした設計に留まり、変化を受け止めて調整する仕組みの更新が追いついていない点にある。
</p>
<p>例えば、交通混雑は「観光客が増えたから当然に起きた」と整理するだけでは足りない。バスや鉄道、道路といったインフラは、もともと定住人口を前提に想定していた利用実態と、観光客を含む実際の利用実態とのあいだに乖離が生じることで負荷が顕在化する。同様に、住宅不足や家賃上昇も、観光関連用途（宿泊・短期賃貸等）が相対的に高収益となり、土地・建物が転用されていく過程の帰結であるが、地域の居住継続に必要な住宅供給を確保する観点から、用途・供給量・立地といった要素を「調整対象」として制度目的に組み込み、過度な転用圧力を緩和できる仕組みが十分に用意されていない点が課題となる。</p>
<h3>なぜこうした課題の解決が難しいのか</h3>
<p>こうした課題は広く認識されているにもかかわらず、地域で対応が追いつかないことが少なくない。その理由は個々の現場対応の工夫不足というより、制度設計上の制約に求められる。</p>
<p>第一に、財源と執行体制が、ともに定住人口を基礎として設計されている点である。自治体の財政規模は、原則として定住人口を基準に算定される。一方で、観光に起因する行政需要は、観光客が特定の時期・場所に集中することで発生する。道路や公共空間の混雑といった負荷は急激に増えるが、住民数は増えない。このため、観光によって生じる行政需要が拡大しても、それに対応するための財源や人員は自動的には補強されず、定住人口ベースの枠組みで対応せざるを得ない点に、構造的な無理がある。
</p>
<p>第二に、観光によって生じる外部性を調整するための裁量が、問題が発生している現場に十分に集約されていない点である。例えば、民泊の届出・監督や開発許可といった観光に直結する規制権限については、観光客数が定住人口を大きく上回るような小規模観光地には移譲されていない（＝都道府県レベルにとどまっている）場合が大半である。その結果、観光による影響が短期間・特定地域に集中的に発生するにもかかわらず、それらを一体として判断し、調整する裁量が、そうした影響が発生する現場の自治体に十分に集約されないという事態が生じ得る。
</p>
<p>第三に、そもそも規制権限の内容が、観光による需要構造の変化を調整すること自体を想定せずに設計されてきた点である。例えば、都市計画等における宿泊施設への規律は、用途制限が中心であり、「どこに建てられるか」は定められていても、「どの程度まで受け入れるか」というキャパシティの上限は、制度の射程に含まれてこなかった。これは、住民人口を基礎とする社会においては、宿泊客数を政策的に制御する必要性自体が強く意識されてこなかったことの反映でもある。その結果、混雑や住宅圧迫といった問題が顕在化しても、対応が後手に回りやすい。
</p>
<p>つまり、「オーバーツーリズム」と呼ばれるような観光地の問題への対応が遅れているのは、現場の努力や工夫の不足ではなく、①財源と体制、②権限の所在、③権限の内容という三層において、制度の前提が一貫して「住民人口モデル」に留まっていることから生じている。こうした制度上の制約や空白を埋めない限り、個別施策を積み重ねても、根本的な改善には至りにくい。
</p>
<h3>「観光自治体」という発想</h3>
<p>こうした状況を踏まえると、検討するべきなのは、観光という要素を前提に自治体制度そのものを捉え直すことである。すなわち、「住民」を基本単位として設計されてきた自治体制度を、観光によって生じる負荷を引き受け、調整することができるようにアップデートする必要がある。
</p>
<p>この文脈で考えられるのが、「観光自治体」という発想である。観光客数や滞在規模、観光が地域経済や空間に与える影響の大きさといった実態に照らし、既存の自治体制度の体制や権限配分等をアップデートする枠組みを指す。要は、観光によって生じる問題に対応するための権限、安定的な財源、そしてそれらを実効的に運用するための専門的な執行体制を、個別に切り離して付与するのではなく、一体として組み合わせて与えるという考え方である。
</p>
<p>このような制度設計は、決して突飛なものではない。欧米では、観光地やリゾート地域を一般の地域と同一視せず、特有の空間的・社会的条件を前提とした制度枠組みのもとで位置づけている例が少なくなく、そこでは、都市計画上の特別な規制や、宿泊税などの観光関連財源、さらには専門的な体制が、同一の地域に対して組み合わされて付与されている。
</p>
<p>例えばフランスでは、スキーリゾートを含む山岳地域を対象とした法律、いわゆる山岳法（Loi<br />
    Montagne）<sup>（※1）</sup>において、山岳地域を一般の地域とは異なる条件を持つ空間として明示的に位置づけている。ここではまず、山岳地域という地理的・社会的特性を持つ区域を、制度上の一つの単位として切り出すことが行われている。
</p>
<p>そのうえで、山岳地域における宅地開発や都市的開発については、既存の集落や村落と連続した形でのみ認めるという原則が示されており、観光需要の拡大に応じた無秩序な開発を抑制する仕組みが、都市計画上の特則として組み込まれている。これは、観光を前提とした開発圧力を、一般的な都市計画とは異なるルールで受け止めるための特則と位置づけることができる。
</p>
<p>さらに、こうした山岳地域の自治体については、地方公共団体総法典<sup>（※2）</sup>において宿泊税を課す権限が制度化されている。観光による開発圧力や行政需要が集中する山岳地域において、観光起因の負荷を支えるための財源手段が、恒常的に確保される構造が形成されている。
</p>
<p>国や地域によって社会制度や地方自治の前提は大きく異なるため、このような海外の制度をそのまま日本に移植することはできない。しかし、観光自治体という発想のポイントは、海外の制度の型を輸入することではなく、観光地で生じている問題を、個別の現場対応や観光客数の多寡に帰責するのではなく、自治体制度の前提そのものの課題として捉え直す点にある。
</p>
<h3>おわりに</h3>
<p>筆者は「<a href="/project/non-profit/network/zaigen/" target="_blank">観光財源研究会</a>」等において、宿泊税を始めとする観光地の安定した財源制度を、「<a href="/project/non-profit/network/mountain-resort/" target="_blank">マウンテンリゾート研究会</a>」や「<a href="/research/25-01-024/" target="_blank">観光地における規制条例に関する研究</a>」等において、条例等のローカルルールの活用可能性と限界を検討してきた。これらはいずれも、観光によって生じる行政需要を、住民人口を前提とした既存制度の枠内で処理しきれなくなっているという問題意識に基づくものであった。
</p>
<p>しかし、上記で見てきたように、観光地が直面する問題は、①財源と体制、②権限の所在、③権限の内容という複数の制度的制約が重なり合って生じている。そのため、個別の財源措置や規制手法を単独で積み重ねても、自治体制度全体としての前提が変わらない限り、対応は行き詰まりやすい。
</p>
<p>今後は、こうした個別手段の研究成果を前提としつつ、それらをばらばらの対症療法として並べるのではなく、住民人口モデルに依拠してきた自治体制度の限界を直視したうえで、権限・財源・体制を一体として再設計する「観光自治体」という発想から、観光地が抱える構造的課題への対応のあり方を探っていきたいと考えている。
</p>
<h4>【注】</h4>
<ul>
<li>（※1）山岳開発及び保護に関する法律（Loi n° 85-30 du 9 janvier 1985 relative au développement et à la protection de la montagne）、<cite>https://www.legifrance.gouv.fr/loda/id/LEGIARTI000033745607/2016-12-30</cite></li>
<li>山岳地域の近代化、開発及び保護に関する法律（LOI n° 2016-1888 du 28 décembre 2016 de modernisation, de développement et de protection des territoires de montagne）、<cite>https://www.legifrance.gouv.fr/loda/id/JORFTEXT000033717812/</cite></li>
</li>
<li>（※2）地方公共団体総法典（Code général des collectivités territoriales）、<cite>https://www.legifrance.gouv.fr/codes/texte_lc/LEGITEXT000006070633/</cite></li>
</ul>
<p style="text-align: right">画像出典：Google Geminiにて生成</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourism-municipality-ikeji/">「成功した観光地」のジレンマをどう乗り越えるか？ ―「観光自治体」という発想から考える―　[コラムvol.537]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>観光におけるルールメイキングを考える　[コラムvol.450]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-rule-making-ikeji/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-rule-making-ikeji</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 19 Jul 2021 08:52:57 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>2020年に引き続き、2021年もコロナ禍によって我々の生活は大きく変化し続けている。人の移動そのものがこんなにも長く制限されたことは、多くの人にとって初めての経験だろう。観光産業は、あらゆる産業の中でもその影響を受け、･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-rule-making-ikeji/">観光におけるルールメイキングを考える　[コラムvol.450]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>2020年に引き続き、2021年もコロナ禍によって我々の生活は大きく変化し続けている。人の移動そのものがこんなにも長く制限されたことは、多くの人にとって初めての経験だろう。観光産業は、あらゆる産業の中でもその影響を受け、今まで当たり前とされていたことが、色々な場面で制約されている。</p>
<p>こうした変化は、観光産業における様々な「ルール」にも影響を与えている。例えば、コロナ禍において、チェックインする際に検温が実施されることが多くの宿泊施設でデフォルトの仕様となった。これらは、旅館業法に基づく規制ではないにも関わらず（検温しないこと自体に罰則はない）、自主的に従われている「ルール」となっている。ここまで急速にチェックイン時の検温が広がったのは、宿泊施設に関連した業界ガイドラインに検温が明記され、そのガイドラインに従うことが消費者の安心感につながるといったことや、GoToトラベルキャンペーンに参加する条件としてチェックイン時の検温が求められたこと等が理由であろう。</p>
<p>さて、本コラムでは、そうしたルールに関わる活動である「ルールメイキング」について、観光産業の例を交えて紹介する。ルールメイキングはかなり多義的な言葉として使われているが、「法的拘束力の有無を問わず、規範の形成・変更・維持を目指す活動」が、包括的な定義として挙げられる（※１）。よりかみ砕いて言うと、言葉のままであるが「ルールを作り上げていく」活動を示しており、「パブリックアフェアーズ」と表現されることもある。さらに一般に馴染みのある言葉で言うと「ロビイング（ロビイ活動）」という言葉が意味合いとしては近いかもしれない。いずれにしても、技術の進歩が速く、社会が急速に変化している現代においては、既存のルールを所与のものとせず、様々な立場から積極的にルールを作り上げていくことが求められているのではないか、ということが「ルールメイキング」の根底にある問題意識である。</p>
<h3>そもそもなぜ「ルールメイキング」が重要か</h3>
<p>「ルールメイキング」は、従前より重要性は指摘されていたが、特に近年、より一層注目を集めている考え方となっている（※２）。その理由としては、「法の遅れの拡大」「企業の社会的責任」「競争優位性」が挙げられる（※１）。以下、観光産業を例にその具体的内容を考えていく。</p>
<h3>法の遅れの拡大</h3>
<p>「法の遅れ（Law lag）」とは、立法的な対応は時間がかかるため、法律が現実の後追いとなってしまい、法が実態に適さなくなってしまう状態を指す。現代においては、様々な技術の進歩に伴い、かつてないほど法の遅れが進んできていると指摘されている（※３）。</p>
<p>こうした中、既存の法規制ではグレーゾーンにあたる新しいビジネスを行うには、そのビジネスを行う企業自体が適切なルールが制定されるように働きかけ、時には自分たちでルールを作っていくことが必要になる。観光産業においては、民泊が登場した際の旅館業法における位置づけの不明確さが、まさに「法の遅れ」だったといえる。観光産業のど真ん中ではないが、電動キックボードに関連した近年の動きも、電動キックボードのシェアという新しいビジネスと、既存の法規制（道路交通法）のギャップに関連した動きといえる。</p>
<h3>企業の社会的責任</h3>
<p>CSRやESGといった言葉が浸透したように、企業には適法/違法ということを超えて、倫理的な行動が求められるようになった。たとえ適法だったとしても、社会的に受容できない行動をとった企業には社会的な制裁（例：不買行動、炎上）が下され、さらに、消費者が倫理的な行動をとっている企業を積極的に支持する動きも加速している。</p>
<p>観光産業においても、環境に対する配慮が求められる等、コロナ前から企業の社会的責任は求められていた。また、コロナ禍においては、人の移動と感染症が関連付けられる中で、感染拡大に寄与しない形での人の移動や体験の提供が求められた。多くの観光関連の業界団体がコロナ禍における自主的なガイドラインを作成し、企業がそうした「ルール」に自主的に従ったのも、企業の社会的責任を果たす行動の一つといえるのではないか。</p>
<h3>競争優位性</h3>
<p>さらに、端的に競争優位性につながるという事情も、ルールメイキングへの注目を集めている理由だろう。最も分かりやすい例でいえば、自社の製品や技術を標準とするルールメイキングに成功すれば、業界における地位を築けるということだろう。また、企業側から適切なルールに関する提案をすることで、過剰規制を避けることができるというメリットも存在する。</p>
<p>アメリカの例ではあるが、ベイルリゾート（スキー場）は、シーズン開始前に感染症対策や感染者追跡の仕組みを含む計画を策定し、行政と交渉をすることで、（一定の制約はあるが）シーズン中の営業を続けることに成功した。もし、企業側から全くそうした計画が策定・提案されなければ、営業自体が許されない事態もあり得ただろう。</p>
<h3>「ソフトロー/自主規制」的なアプローチ例</h3>
<p>さて、冒頭で記載したように「ルールメイキング」とは、法的拘束力のある規範だけでなく、ガイドラインや自主規制ルールといったソフトローを対象とした活動も含んでいる。ソフトローは、一般的な法規制（ハードロー）とは違い、通常は権力による強制力を持たないが、柔軟かつ迅速な対応ができるという利点を有している。</p>
<p>また、プラットフォーマーの存在感が増している近年においては、そうしたプラットフォーマーが利用規約として制定するルールが、実質的には強制力をもつということがある。企業側が自主的なルールを定めることで、利用者は安心・安全を感じながら、そのプラットフォームを使うことができるというメリットを享受する。</p>
<p>コロナ禍での観光産業におけるソフトロー的なアプローチとして、体験予約サイトであるアソビューにおける自主的な感染症対策の取組が参考になる（※４）。疫学専門家の協力の下、体験提供施設が従うべき感染対策ガイドラインをいち早く作成し、その感染症対策を実施している施設を認定するという取り組みを行っていた。こうした取り組みは、公的機関によって強制されたものではないが、プラットフォーマーという立場から実効的に各施設の感染症対策を促すことができ、さらに消費者から安心感を得ることに成功した。</p>
<h3>おわりに</h3>
<p>さて、本コラムでは非常に簡単ではあるが、「ルールメイキング」を観光産業に関連させて紹介してきた。コロナ禍では、当たり前とされていたルールが、当たり前でなくなる事態が頻発した一年であった。観光産業において、ルール（規制含む）を作るのは公的機関であり、民間企業はそれに従うという形に留まらず、民間側から積極的にルールづくりに関わっていく活動の重要性が、より一層感じられたのではないか。</p>
<p>「ルールメイキング」は古くからある活動でありながら、近年急速に注目が集まっている分野でもある。本コラムでは色々と省略した説明となってしまったので、「ルールメイキング」に興味をもった方は、ぜひ本コラムで引用した文献等を読んでいただきたい。</p>
<h4>注</h4>
<ul>
<li>※１：官澤康平、南知果、徐東輝、松田大輝.（2021）. ルールメイキングの戦略と実務. 商事法務.</li>
<li>※２：齋藤貴弘. (2019). ルールメイキング　ナイトタイムエコノミーで実践した社会を変える方法論. 学芸出版社.</li>
<li>※３：水野祐. (2017). 法のデザイン. フィルムアート社.</li>
<li>※４：アソビュー社ホームページ「レジャー・体験領域におけるコロナ対策支援　～専門家との連携により安心安全なサービスを提供～」(<a href="https://www.asoview.co.jp/case/4162/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.asoview.co.jp/case/4162/</a> , 最終閲覧2021/7/1)</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-rule-making-ikeji/">観光におけるルールメイキングを考える　[コラムvol.450]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>Withコロナ期におけるマーケティング：「低リスク旅行者」を特定する［Vol.429］</title>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 31 Aug 2020 06:49:06 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>観光地におけるリスク管理は長年のテーマであり、特に自然災害の多い日本においては、そうした脅威とどのように向き合っていくかは、多くの観光地で課題でした。学術研究においても、旅行者が「外部の脅威」をどのように捉えて行動するの･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/covid-19-marketing-ikeji/">Withコロナ期におけるマーケティング：「低リスク旅行者」を特定する［Vol.429］</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>観光地におけるリスク管理は長年のテーマであり、特に自然災害の多い日本においては、そうした脅威とどのように向き合っていくかは、多くの観光地で課題でした。学術研究においても、旅行者が「外部の脅威」をどのように捉えて行動するのかという点に関する研究は多く実施されておりますし、またそうした研究を基に観光地での対策（例：風評被害対策）が提案されてきました。</p>
<p>一方で、新型コロナウイルスの流行は、既存の研究ではあまり考えてこられなかった新しいタイプの脅威となります。それは、Withコロナ期においては、「旅行客への脅威をいかに減らすか」だけでなく、「旅行客自身が脅威となりうる」ということに向き合わなければいけないという点にあります。そうした性質を踏まえ、本コラムではWithコロナ期における情報発信の落とし穴を検討し、「日常の感染症対策行動に基づくセグメンテーション」を一つの対策として紹介していきます。</p>
<h3>リスク認知に関する従前の対策と新型コロナウイルス特有の事情</h3>
<p>消費者がどのようにリスクを認知するのかという点が、観光地において特に重要となるのは、観光体験が「無形の価値」を売るものだからです。「危ない」といったイメージは、体験品質に対する評価と直結し、観光地にとっては致命的になることが多く、自然災害が生じた際に、実際は災害が生じていない周辺の地域まで旅行需要が落ち込むのも、こうした消費者のリスク認知の影響の大きさを示しています。そのため、観光地としては、実際に安全であるだけでは足りず、消費者が「旅行先は安全である」という安心感を抱くような情報発信が必要となります。</p>
<p>現在の状況においても、実際の感染症対策だけでなく、「旅行先は安全である」という安心感を抱いてもらうような情報発信が必要となりますが、Withコロナ期においては冒頭で述べたように「旅行客自身が脅威となりうる」ため、むやみやたらな情報発信によって旅行客を惹きつけてしまうと、そうした旅行客が観光地にとっての脅威となるかもしれないというリスクがあります。さらに厄介なことに、次に述べるように、観光地の情報発信の内容によっては、意図しない形で「リスクの高い旅行者」を集めてしまうかもしれないという危険性もあるのです。</p>
<h3>リスクの高い観光客が集まってしまう危険性</h3>
<p>新型コロナウイルスの流行がここまで広がってしまったのには、「感染してから症状が出るまでの時間差」と「大半の感染者が無症状」という特徴が関係しています。この特徴のため、他者への感染という事実に対して全く意識しないまま感染を拡大させてしまうということが生じています。こうした無意識の感染拡大を防ぐためには日常的な感染症対策行動が重要であり、旅行前の「新しい生活様式」の実践の有無が、「旅行者から感染拡大」が生じるかどうかを左右します。このことを踏まえると、観光地としてWithコロナ期において望ましいのは、「自主的な感染症対策を日頃から実施する、感染症対策に対する意識が高い人（以後、低リスク旅行者）」であり、逆に望ましくないのは「自主的な感染症対策を日頃から実施しない、感染症対策に対する意識が低い人（以後、高リスク旅行者）」と言えるでしょう。</p>
<p>ただし、「低リスク旅行者」を惹きつけつつ、「高リスク旅行者」を惹きつけないということは、そう簡単に実現できることではありません。例えば、多くの地域でとられている「旅行者が引き起こす感染拡大リスクを伝える」という情報発信を例に考えていきましょう。感染症対策への意識が低い「高リスク旅行者」は、これだけ日常的に新型コロナウイルス関連のニュースが報道されている中で、それにもかかわらず日常的な感染症対策を怠っているのであれば、たとえ旅行前に観光地から上記メッセージを受け取ったとしても、いまさら感染症対策行動を取ろうとはしないのではないでしょうか。一方で、感染症対策への意識が高い「低リスク旅行者」にとっては、こうしたメッセージは自身が旅行中において他者に及ぼす感染リスクをあらためて意識させるため、必要以上に旅行を自粛させてしまう可能性があります。</p>
<p>つまり、こうしたメッセージは、「新しい生活様式を実践している人」のみを地域が受け入れますという意思表示だと言えますが、場合によっては地域で感染拡大を引き起こす可能性が高い「高リスク旅行者」割合を高めてしまうという、狙いとは違った結果を生み出してしまうかもしれません。</p>
<h3>「新しい生活様式」に基づくセグメンテーション</h3>
<p>この課題への対策の一つが、「低リスク旅行者」を特定し、狙ってターゲットとし、惹きつけていくことではないでしょうか。上記で述べたように「低リスク旅行者」を、「自主的な感染症対策を日頃から実施する、感染症対策に対する意識が高い人」と仮定すると、日常的な感染症対策行動に基づいて、その他の旅行者から区別できると考えられます。</p>
<p>実際、このような考えに基づいて、「低リスク旅行者」を特定できるか検証するために、全国16～79歳の男女（調査会社のパネルより抽出） を対象に実施した<a href="/research/theme/statistics/statistics-tourist/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">JTBF旅行実態調査【全体調査】</a>（方法：ウェブ調査、調査期間 ：2020年5月1日～5月11日 、標本の大きさ：50,000人）※を利用し、「日常的に取っている感染症対策行動」についての回答に対してクラスター分析（異なる性質のモノが混在している中から、類似の性質のモノ同士を集めグループ分けして分析する手法）を実施したところ、図1のようなセグメントに分類することができました。</p>
<p><b><br />
<div id="caption-attachment-33898" style="width: 1010px" class="wp-caption aligncenter"><img fetchpriority="high" decoding="async" aria-describedby="caption-caption-attachment-33898" src="/wp-content/uploads/2020/08/429_image1.png" alt="" width="1000" height="509" class="size-full" /><p id="caption-caption-attachment-33898" class="wp-caption-text">図1：日常的な感染症対策行動に基づくセグメンテーション</p></div><br />
</b></p>
<p>この中で実際に旅行意欲が高そうなセグメントは、セグメント２・３・５となります。その内、自主的な対策をしてくれるセグメント３であり、こちらが「低リスク旅行者」として最も望ましいターゲットでしょう。本分析では、セグメント３の詳細なデータがないため、これ以上のペルソナは作れませんが、日常的に使っているSNSや旅行に対するモチベーション等の情報を組み合わせれば、具体的にターゲットとしていくことが可能となります。</p>
<p>ただし、この手法を使ってターゲットを考えていく中で注意しなければいけないのは、おおまかな属性の傾向によってセグメントの特徴を考えてしまうという点です。例えば、セグメント５は日常的な感染症対策を取らない傾向にあるとして、その特徴を男性・若者としていますが、あくまで傾向があるにすぎません。実際、自己防衛策を取るセグメント３については、年齢や性別等に関して統計的に有意な差はないという結果となりました。今回の分析では入れていませんが、観光地に対するロイヤルティーや日常的な情報手段、好む旅行のタイプ等の方が、よりセグメントごとの差を特徴づける可能性もあります。</p>
<h3>おわりに</h3>
<p>本コラムでは、Withコロナ期における情報発信の落とし穴と、それに対する観光地の一つの対策として、「日常的な感染症対策に基づくセグメンテーション」を紹介しました。一方で、この手法も大まかな属性によってセグメントを区別してしまうという欠点もあり、常に望ましい方法ではありません。他にも、そもそも「低リスク旅行者」に好まれ、「高リスク旅行者」に敬遠されるようなスクリーニングのシステムをつくること（例：旅行前の一定期間の行動履歴をあらかじめ登録させるような仕組み）も有効だと思われますが、その実現には一定のコストがかかります。施設単位で考えれば、過去に何回も来訪したことがあるロイヤルティーの高いお客さんに、再度来てもらうように働きかける方が、有効だとも考えられます。</p>
<p>重要なことは、新型コロナウイルスと共存しなければいけない中で、観光地は従前の情報発信ではなく、「旅行客自身が脅威となりうる」ということに向き合いながら、従来とは違った形で旅行者の呼び込みを考えていくことではないでしょうか。</p>
<h4>参考</h4>
<p>※JTBF旅行者調査（<a href="/research/theme/statistics/statistics-tourist/">https://www.jtb.or.jp/research/theme/statistics/statistics-tourist/</a>）</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/covid-19-marketing-ikeji/">Withコロナ期におけるマーケティング：「低リスク旅行者」を特定する［Vol.429］</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<item>
		<title>「環境に配慮した行動」を促すために　[コラムvol.407]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-environmental-behavior-ikeji/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-environmental-behavior-ikeji</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 20 Oct 2019 23:00:57 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>近年、観光産業において、環境への関心がかつてないほど高まっています。従前から、エコツーリズムのような形で環境と観光を組み合わせたものは存在していましたが、近年は一歩踏み込んで、どのようにして観光産業全般から生じる環境への･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>近年、観光産業において、環境への関心がかつてないほど高まっています。従前から、エコツーリズムのような形で環境と観光を組み合わせたものは存在していましたが、近年は一歩踏み込んで、どのようにして観光産業全般から生じる環境への悪影響を緩和させることができるのかという点に注目が集まっています。ホテルをはじめとするサービス産業でプラスティックのストローを廃止しようという取り組みは、その一例となります。</p>
<p>また、飛行機での移動が温暖化に与える影響を懸念し、特に欧米の若者の間で、飛行機に乗ることを恥と考えて他の移動手段を利用することを進める運動（「フライトシェイム（Flight shame）運動」）が発生したことも話題となりました。このようなことは、旅行客の間でも、環境に関する意識が、実際の行動に影響しはじめていることを示唆しています。</p>
<p>本コラムでは、そのような背景を踏まえて、「持続可能な観光」へ旅行客を誘導するためには何が必要なのか、近年の先行研究をベースに考えていきます。</p>
<h3>日常生活における環境に配慮した行動を引き起こす要因</h3>
<p>環境心理学の分野では、環境に配慮した行動（pro-environmental behavior）を引き起こす主な要因は、2つあると考えられています<sup>1</sup>。1つ目は、利己心（self-interest）、つまり自分の利益のために環境に配慮した行動を取るということです。例えば、電気料金を抑えるために、こまめに電気を消す等の行動が含まれます。2つ目は、自己概念（self-concept）、つまりいい気分になりたいため、環境に配慮した行動をするということです。少し価格が高めであっても環境に配慮した商品を選ぶ等の行動はここに含まれます。また、その他にも、「環境に配慮すべきである」といった社会的な規範（social norm）も、環境に配慮した行動を引き起こすと考えられています。</p>
<p>初期の研究では、何らかの経済的利益を与えることが、環境に配慮した行動を引き起こすためには有力であると考えられていましたが、近年は「環境に優しい行動をとって、いい気分になりたい」という人々の感情を利用することが効果的である、と主張する研究が増えてきています。このような論調の変化の背景には、経済的利益のような外発的報酬（extrinsic rewards）よりも、「いい気分になりたい」といった内発的報酬（intrinsic rewards）のほうが、持続的かつ長期間にわたる行動の変化を引き起こすために強力であるということが分かってきた、ということがありました<sup>2</sup>。</p>
<h3>日常生活と旅行中の違い</h3>
<p>では、日常生活から離れた、旅行中の行動はどうでしょうか。残念ながら、日常生活に比べて旅行中は環境に配慮した行動をする割合が大きく下がることが分かっています<sup>3</sup>。旅行者の大半は、「楽しさ」を求めるために旅行しており、日常生活に比べて「浮かれた気分」にいると考えられています。この「浮かれた気分」のため、日常生活では環境への意識が高い人でさえ、旅行中は環境に優しくない行動に出てしまう傾向にあります。また、日常生活と違い、環境に配慮したところで自分に利益がでることもなく（例：ホテルでお風呂の水を節約しても、宿泊料金は変わらない）、さらに環境に配慮しようという気を起こさせません。</p>
<p>また、日常生活において有効だと考えられている「いい気分になりたい」といった人々の感情を利用して、環境に優しい行動を促そうとする取り組みは、「浮かれた気分」にいるという旅行者の特性からあまり有効ではありません。例えば、海外のホテルに行くと、環境に配慮した行動を促すシールや文言を良く見ますが、これは効果が薄い可能性が高いということです。実際、ホテルに宿泊しているお客さんに対して、彼らの環境に関する価値観に訴えかけることで、環境に配慮した行動を引き起こすことができるかを実験した先行研究があります<sup>4</sup>。この研究では、リユースやリサイクルを促すシールを使って、宿泊客に環境に配慮した行動を促していますが、このシールがあってもなくても、結果に影響しないことが発見されています。</p>
<h3>旅行中において、環境に配慮した行動を引き起こすには？</h3>
<p>では、旅行中において、環境に配慮した行動を引き起こすためには、どのような仕掛けが必要なのでしょうか。まだ、先行研究があまり積みあがっていない分野ではありますが、旅行中においても、利己心に訴えかける状況を作り出すこと、つまり「旅行客が環境に配慮した行動を取ることで、利益を受け取る仕組みをつくる」ことが、有力な方法の1つではないかといわれています<sup>5</sup>。この方法を主張している研究では、タオルやシーツのリユースをしてくれた人に、一杯分のドリンクチケットを提供することが、最も効果的に旅行客の行動を変化させることが示されています。</p>
<p>また、旅行客の行動を変化させるとは少し違った話ではありますが、そもそもサービスのベースとして、環境に負荷をかけない方法を選択するということも、業界全体の流れとして感じ取れるのではないでしょうか。冒頭で書いたストローの話もここに含まれますが、小分けされたボトルではなく、備え付けという形でシャンプー等を提供する方法もここに含まれます。多くの場合、そのような方法を選択しても、観光客の満足度には影響を与えないことが分かっています<sup>6</sup>。</p>
<p>どのような旅行客がどのような状況において、環境に配慮しない行動を取るのかということを調べることも、その対策を効果的に行うために重要であると考えられます。例えば、ホテルのビュッフェにおいては、子どもが多い宿泊客や、あまり混んでいないという条件があると、自分が食べられるよりも多くの料理を取ってしまい、結果として食品ロスにつながってしまう傾向が高いことが分かっています<sup>7</sup>。このような傾向が分かれば、対策も打ちやすくなります。</p>
<h3>終わりに</h3>
<p>さて、本コラムでは旅行における環境に配慮した行動を促すためには、という視点で先行研究を見てきました。人の行動を変化させることは一般的に難しいことですが、旅行中は、その快楽的性質もあいまって、人々を環境に優しい行動へ誘導することはさらに難易度が増します。また、ビジネスサイドに対しても、「環境のため」という美辞麗句を掲げて、彼らの活動に自主規制を求めることも一定の限界があり、その協力を得るためには、環境に配慮した取り組みが、決してビジネスの不利益につながるものではないということを理解してもらう必要があります。</p>
<p>本コラムの後半で紹介した研究結果は、「旅行客の満足度を維持させながら、環境に配慮した行動へ誘導する」仕組みづくりについて、示唆を与えるものとなります。今後、持続可能な観光を広げていくためには、このような研究の積み重ねとその実践が必要となるのではないでしょうか。</p>
<h4>参考文献</h4>
<ol>
<li>Steg, L. &amp; Vlek, C. Encouraging pro-environmental behaviour: An integrative review and research agenda. J. Environ. Psychol. 29, 309–317 (2009).</li>
<li>Linden, S. Van Der. Intrinsic motivation and pro-environmental behaviour Response of chinook salmon to climate change. Nat. Publ. Gr. 5, 612–613 (2015).</li>
<li>Dolnicar, S. &amp; Grün, B. Environmentally friendly behavior: Can heterogeneity among individuals and contexts/environments be harvested for improved sustainable management? Environ. Behav. 41, 693–714 (2009).</li>
<li>Dolnicar, S., Knezevic Cvelbar, L. &amp; Grün, B. Do Pro-environmental Appeals Trigger Pro-environmental Behavior in Hotel Guests? J. Travel Res. 56, 988–997 (2017).</li>
<li>Dolnicar, S., Knezevic Cvelbar, L. &amp; Grün, B. A Sharing-Based Approach to Enticing Tourists to Behave More Environmentally Friendly. J. Travel Res. 58, 241–252 (2019).</li>
<li>Dolnicar, S., Knezevic Cvelbar, L. &amp; Grün, B. Changing service settings for the environment: How to reduce negative environmental impacts without sacrificing tourist satisfaction. Ann. Tour. Res. 76, 301–304 (2019).</li>
<li>Juvan, E., Grün, B. &amp; Dolnicar, S. Biting Off More Than They Can Chew: Food Waste at Hotel Breakfast Buffets. J. Travel Res. 57, 232–242 (2018).</li>
</ol><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-environmental-behavior-ikeji/">「環境に配慮した行動」を促すために　[コラムvol.407]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>住民からの観光への支持を獲得するために　[コラムvol.387]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-residents-support-ikeji/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-residents-support-ikeji</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 15 Jan 2019 01:00:11 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光地経営]]></category>
		<category><![CDATA[観光統計]]></category>
		<category><![CDATA[観光経済]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>観光の場において住民の意識を調査すること、その重要性は頻繁に指摘されてきました。ハワイ州やクイーンズランド州（オーストラリア）など、観光地で住民の意識を調査している地域は多くあります。当財団でも、過去に「観光に対する住民･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-residents-support-ikeji/">住民からの観光への支持を獲得するために　[コラムvol.387]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>観光の場において住民の意識を調査すること、その重要性は頻繁に指摘されてきました。ハワイ州やクイーンズランド州（オーストラリア）など、観光地で住民の意識を調査している地域は多くあります。当財団でも、過去に<a href="/research/theme/planning/planning-resident-survey">「観光に対する住民意識に関する研究」</a>を行っておりますし、学術研究でも住民意識に関する研究は非常に人気のあるトピックで、多くの先行研究が積み重なっています。また、マス・ツーリズム時代であれば、観光客と住民の行動範囲は比較的分離されていましたが、近年に入り、住民と観光の関係性は非常に密接したものになってきています。例えば、「本物らしい（Authentic）」経験を求め、よりローカルなものに興味をもつ観光客が増えています。そして、検索エンジンの発展により、ガイドブックが中心であった時代に比べ、観光客はローカルな情報に簡単にアクセスできるようになりました。民泊のように一般住宅に混じった宿泊施設が増えたことも、住民と観光客の接触を増大させる一因でしょう。</p>
<p>さらに国際的な競争が激しくなる中で、「場所」のマーケティングも重要となってきます。多くの国で、宿泊税収がそのようなマーケティングに使われてきましたが、たとえ宿泊税が観光客から徴収されているとしても、税収をそのような施策に使うことに住民が理解を示してくれるとは限りません。このような状況では、住民からの支持を得ることは、観光政策を進めていく中で今までにも増して重要になってくるのではないでしょうか。このコラムでは、観光産業や観光開発等に対する住民からの支持を獲得するには何が必要なのかを考えるという目的のため、住民意識に関する先行研究について、その発展の流れを簡単に紹介します。</p>
<h3>住民意識への着目の開始</h3>
<p>住民意識に関する研究の始まりは、1970年代ごろまで遡ります<sup>（1</sup>。観光開発が進み、その弊害も明らかになっていく中で、住民の支持を得ることが持続可能な観光開発を可能にする条件であるという問題意識が背景にありました。残念ながら、この頃の研究の多くは、観光地における住民意識を調べ、それをただ記述するものでした。今でも教科書で紹介されることもありますが、Doxeyの「いらだち指標」（図1）はこの頃に発表されたものです。この指標は、観光客が多くなるにつれて、住民の観光客に対する反発がひどくなる様子をあらわしています。</p>
<p style="text-align: center"><strong>図1　Doxeyの「いらだち指標」</strong></p>
<p> <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2018/12/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e.jpg" alt="" width="453" height="295" class="aligncenter size-full wp-image-24759" /></p>
<p style="text-align: center">※筆者作成</p>
<p>上記のような記述的な研究のみでは、「どうしてそのような住民意識になったのか」や「どのようにしたら住民意識を改善できるのか」といった問いに答えられません。90年代になると、「住民の意識がどうであるか」ということを様々な地域で調査するだけの記述的な研究への批判が高くなり、より分析的な研究・理論的枠組みを持った研究の必要性が唱えられてきます。</p>
<h3>社会交換理論：利益と費用を天秤にかける？</h3>
<p>そんな中で、現在に至るまで、住民意識の研究においてもっとも頻繁に利用されるようになった理論が、社会交換理論（Social Exchange Theory）です<sup>（2</sup>。社会交換理論の詳細な説明は省きますが、この理論を利用した先行研究では、観光産業による利益が高いと感じ、費用が低いと感じるほど、観光発展や観光開発への支持が高くなるということが示されています（図2）。また、経済的・社会的・環境的な影響というカテゴリーのなかでは、経済的な利益が最も強く影響するということが判明しています。つまり、観光による経済活性化などの利益が多いと感じるほど、住民からの観光発展への支持につながるということです。</p>
<p style="text-align: center"><strong>図2　社会交換理論のイメージ図 </strong></p>
<p> <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2018/12/76c691c22c7ef40a64aa64b04f05e90c.jpg" alt="" width="354" height="320" class="aligncenter size-full wp-image-24760" /></p>
<p style="text-align: center">※筆者作成</p>
<p>かなり単純化されていますが、住民の観光への態度を理解するベースとしては納得のいく研究結果ではないでしょうか。近年、オーバーツーリズムが多くの地域で問題となっているとの報道がなされています。住民の視点からすれば、観光客の増加による利益（経済効果など）をあまり感じず、費用（混雑など）ばっかりが増えていると感じているのかもしれません。混雑など目に見える弊害に対して、経済効果などは観光に直接携わっていない住民からすれば非常に分かりにくいものとなります。このような場合には、観光の地域に与える利益を可視化し、住民の観光理解を向上させるような取り組みが必要になるのではないでしょうか。</p>
<h3>社会交換理論を越えて</h3>
<p>さらに、近年の研究では社会交換理論だけでは住民態度を十分に説明できない、そもそも観光による利益・費用認識は何に影響を受けて形成されるのか分からない等の指摘もあり、その他の理論を組み合わせた研究が増えています2。例えば、自治体への信頼と観光による利益認識の間には、相関関係があることが発見されました<sup>（3</sup>。つまり、自治体を信頼している住民ほど、その地域で観光が利益をもたらしていると感じているということです。自治体が観光による経済波及効果を示したとしても、住民が自治体を信頼していなければ、観光による利益認識は変わらないということもありえるかもしれません。また、メガイベントの開催など、特定の文脈に限定した研究も増えてきました<sup>（4</sup>。これらの研究では、より深く住民の観光に対する態度を理解するために、さまざまな理論や概念を組み合わせて仮説が立てられています。</p>
<p>なお、これら新しい研究の多くは社会交換理論を否定するものではありません。むしろ、社会交換理論が住民意識を研究する上で重要であることを認めながら、より住民意識を深く理解するために他の理論を利用しています。</p>
<h3>終わりに</h3>
<p>さて、このコラムでは簡単に観光に関連した住民意識についての研究を紹介しました。日本でも、観光が盛り上がりを見せる中で、住民からの観光への反発が、「オーバーツーリズム」や「観光公害」といったラベルのもとメディアで取り上げられており、住民への配慮は今までにも増して重要になっていきます。住民意識を単に把握するだけではなく、合意形成等につなげていくには、このような先行研究を参考にした施策が必要となるのではないでしょうか。</p>
<h4>注</h4>
<p>（1.	Sharpley, R. Host perceptions of tourism: A review of the research. Tour. Manag. 42, 37–49 (2014).<br />
<br />（2.	Ward, C. &amp; Berno, T. Beyond social exchange theory. Attitudes toward tourists. Ann. Tour. Res. 38, 1556–1569 (2011).<br />
<br />（3.	Nunkoo, R. &amp; So, K. K. F. Residents’ Support for Tourism: Testing Alternative Structural Models. J. Travel Res. 55, 847–861 (2016).<br />
<br />（4.	Gursoy, D., Yolal, M., Ribeiro, M. A. &amp; Panosso Netto, A. Impact of Trust on Local Residents’ Mega-Event Perceptions and Their Support. J. Travel Res. 56, 393–406 (2017).</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-residents-support-ikeji/">住民からの観光への支持を獲得するために　[コラムvol.387]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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