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	<title>文化観光 | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
	<lastBuildDate>Tue, 24 Mar 2026 01:07:05 +0000</lastBuildDate>
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		<title>文化を『消費』しない観光へ —日本遺産10年からの問い　[コラムvol.539]</title>
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		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 23 Mar 2026 02:41:19 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>文化行政の「大きな転換点」に立ち会って 2015年、私は東京国立博物館で第1回認定証交付式の式典運営のお手伝いをさせて頂きました。日本遺産誕生の瞬間に立ち会えたことはとても素晴らしい経験であったと思います。誕生したばかり･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-japan-heritage-goto-shinichi/">文化を『消費』しない観光へ —日本遺産10年からの問い　[コラムvol.539]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>文化行政の「大きな転換点」に立ち会って</h3>
<p>2015年、私は東京国立博物館で第1回認定証交付式の式典運営のお手伝いをさせて頂きました。日本遺産誕生の瞬間に立ち会えたことはとても素晴らしい経験であったと思います。誕生したばかりのこの日本遺産は、まだ誰にも知られていない「手探りの手作りの状態」であったように思います。日本遺産は制度ができて10年の節目となりました。とても感慨深いものです。</p>
<p>当時の日本は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックという「スポーツと文化の祭典」を見据え、国を挙げて観光立国への歩みを加速させていました。その潮流の中で誕生した日本遺産は、従来の文化財保護法に基づく「点」の保存という規制主導の枠組みを大きく修正し、地域の歴史や伝統を「ストーリー」としてパッケージ化し、一括して「面」で活用するという当時としては画期的な挑戦でした。</p>
<p>制度開始から10年。日本遺産は認定数が104件に達し、成熟期を迎えているように思います。その一方で、私はいまだに地方の現場で、観光による一方的な地域活性化を真っすぐに訴える観光課などの行政担当者に対し、文化財の担い手たちが浮かべる、どこか複雑な「苦笑い」を目にします。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/column539_image3.jpg" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>京都で開催された日本遺産のPRの様子</figcaption></div>
</figure>
<h3>「観光のための文化」から「文化のための観光」へ</h3>
<p>もちろん、この10年で状況は確実に前進しました。2018年の文化財保護法改正により「活用」に係る予算配分が手厚くなり、また、日本遺産等に関わる理解も広がってきたことで、かつてのような「保存か、活用か」というゼロサムの極端な二項対立ではなく、双方の重要性を理解する関係者は増えています。</p>
<p>しかし、現場では今、新たな形の「苦笑い」も生まれています。それは、急激に増加するインバウンド需要への対応に追われ、本来守るべき真正性が揺るぎ始めていることへの戸惑いです。また、高付加価値化の名のもとに、観光のために文化財を「利用」する流れも増えてきているのではないかと思います。日本政府が2030年に掲げる訪日客6,000万人という目標が現実味を帯びる中で、ある担い手の方は「観光客が増えるのは嬉しい。しかし、私たちが守ってきた歴史や伝統が、表面的な『見せ物』になっていないか不安」と話していました。</p>
<p>ここで私たちは、原点に立ち返る必要があるのではないかと思います。日本遺産が目指したのは、観光のために文化を「消費」することだったのでしょうか。それとも、貴重な文化財を次世代へ継承するために、観光を「手段」として使いこなすことだったのでしょうか。特に人口減少が加速する地方においては、この問いはますます重みを増しているのではないでしょうか。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/column539_image4.jpg" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>ツーリズムエキスポでの日本遺産のPRの様子</figcaption></div>
</figure>
<h3>デヴィッド・スロスビーが説く「文化資本」という視点</h3>
<p>この問いに対し、文化経済学が専門のデヴィッド・スロスビー氏が提唱する「文化資本（Cultural Capital）」の概念は、とても参考になると思います。スロスビー氏は、文化遺産を単なる観光資源ではなく、将来にわたって感動や知恵という「利息」を生み続ける「資本」であると定義しました。</p>
<p>スロスビーの理論の核心は、目に見える「経済的価値」は、目に見えない「文化的価値（真正性や社会的価値）」という土台に支えられているという点にあります。例えば、評価指標としての「入込客数」や「消費額」という数字を追うあまり、土台である文化の真正性が損なわれてしまえば、結果として文化資本そのものが目減りし、長期的には観光地としての魅力も経済的価値も失われてしまいます。</p>
<p>日本遺産の制度ができて10年。私たちが目を向けるべきことは、日本遺産のストーリー及び構成文化財を「資本」として適切に運用し、その価値を高めるための「投資」を行っているかという点です。単なる切り売りによる「消費」で終わらせないためには、どのような仕組みが地域に必要なのか、地域全体で考えていく必要があるのではないかと思います。</p>
<h3>継承をシステム化する：タイ・DASTAの挑戦</h3>
<p>文化資本を「消費」せず、いかに「運用」して次世代へ繋ぐか。先日、私がタイを視察調査した際に興味深い事例がありました。それはタイの政府機関DASTA（Designated Areas for Sustainable Tourism Administration）の取り組みです。彼らは自らを「システム・インテグレーター」と定義し、単に補助金を配るのではなく、地域が自立して文化を守るための「漁の仕組み」を地域の担い手と共に設計しています。</p>
<p>象徴的なのは、その評価指標です。彼らは単なる入込客数でだけではなく、「収入分配指数」を重視します。観光収益が特定の個人に偏らず、地域内で公平に分散されているか、そしてその一部が例えば、次世代を担う子供たちの学費や文化保存基金に還元されることを重視していました。加えて、一度途絶えたペッチャブリーの「ナン・ヤイ（伝統影絵劇）」を「観光を手段」として活用して、復活させるという、私の立場として考えられないような取り組みも成功させていました。観光客からの称賛が子供たちの誇りを育み、さらに経済的な裏付けが「学びのインセンティブ」として機能する、継承の好循環をDASTAの職員が地域に入り共にデザイン（仕組み作り）しており、とても感銘を受けました。</p>
<p>折しも、日本遺産審査・評価委員会が発表した最新の指針では、日本遺産の目的として「収益が文化・伝統の保存・継承に還元されること」が改めて明記されました。さらに、今後の評価指標例として「事業収益のうち文化資源の保存活用に再投資する金額」という項目も導入されています。</p>
<p>これは、私がDASTAで見聞きした「分配と還元の仕組み」が、日本遺産制度においても本質的な課題として示されたことを意味します。これまで重視されてきた「入込客数」「消費額」という結果だけではなく、その収益を次世代や文化保存にどう繋ぐかという「継承の装置」としての仕組み作りが、今まさに求められているのです。</p>
<h3>2035年の日本遺産：苦笑いを「共感」に変えるために</h3>
<p>日本遺産が認定から20周年を迎える2035年。その時、地域の日本遺産ストーリー、構成文化財はどのようになっているのでしょうか。</p>
<p>文化庁の指針では、短期的に目指すべき自立・自走の姿として、地域経済や住民生活への貢献を可視化し、事業者からの支援を得て継続する仕組みの構築が示されました。この具体策として、例えば文化庁が進める「日本遺産オフィシャルパートナーシッププログラム」を各地域が「地域版」として独自に展開し、民間企業との連携による収益を直接的に担い手や祭りの基金へ還流させるような、官民連携の新しい仕組み作りなどが期待されます 。</p>
<p>もし私たちが今のまま、目に見える数字だけを追い続ければ、2035年、担い手不足のなかで形骸化したストーリーだけが残されているかもしれません。しかし今、私たちが日本遺産を「活用によって価値を高めるべき資本」として捉え直し、「保存と還元の好循環」を各地で仕組み化することができれば、未来は大きく変わっていくのではないかと思います。</p>
<p>観光客は単なる「お金」ではなく、文化の「理解者」かつ「支援者」となり、その対価は直接的にも地域の未来へと還流されます。2035年、次の日本遺産の10年へ。観光が果たすべき役割は大きいのではないかと思います。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/column539_image2.jpg" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>琉球王国時代から連綿と続く沖縄の伝統的な「琉球料理」と「泡盛」、そして「芸能」<br />構成文化財 浦添城跡（画像提供：沖縄県文化振興課）</figcaption></div>
</figure>
<h4>【参考】</h4>
<ul>
<li>文化庁「日本遺産（Japan Heritage）」ポータルサイト<br />
        <cite>https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/</cite>（最終アクセス：2026年2月23日）
    </li>
<li>
    文化庁「日本遺産認定地域の今後の審査について」（日本遺産審査・評価委員会、令和6年1月）
</li>
<li>
    文化庁「令和8年度以降の総括評価・継続審査にあたっての地域活性化計画等の改善について」（日本遺産審査・評価委員会、令和8年2月）
</li>
<li>
    Throsby, David (1999) &#8220;Cultural Capital&#8221;, Journal of Cultural Economics, Vol. 23
</li>
<li>
    DASTA（Designated Areas for Sustainable Tourism Administration）公式サイト<br />
<cite>https://www.dasta.or.th/</cite>（最終アクセス：2026年2月23日）
</li><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-japan-heritage-goto-shinichi/">文化を『消費』しない観光へ —日本遺産10年からの問い　[コラムvol.539]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-culture-nara-goto-shinichi</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 05 Mar 2025 04:39:13 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>私は、いつ筆を使ったのか？ 最近、ペンを使わなくなってきました。普段使いで筆をまったく使いません。多くの方が私と同様に、パソコンやスマホを使うようになり、文字を書くことが減ったのではないでしょうか。文字を書き残すために発･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/">AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>私は、いつ筆を使ったのか？</h3>
<p>最近、ペンを使わなくなってきました。普段使いで筆をまったく使いません。多くの方が私と同様に、パソコンやスマホを使うようになり、文字を書くことが減ったのではないでしょうか。文字を書き残すために発明された筆は、万年筆や鉛筆、ボールペンに姿を変え、今ではそれすらもデジタルに置き換わろうとしています。アナログの象徴である筆は将来的に「失われる運命」にあるのだろうか、そんなことを私は考えるようになりました。<br />
きっかけは、奈良市にある<q>あかしや</q>*1という筆屋を訪問し、筆の置かれた現状を学んだことです。旧友がこのあかしやで働いており、「観光」に興味があると相談を受け、最初は「観光？」と戸惑いましたが、話を聞くうちに、この筆の価値や意義を、観光を通じて見直す取り組みの素晴らしさに共感するようになりました。<br />
旧友の話から、日本の伝統工芸が危機に瀕していることや人から人へ受け継がれる技術であることなどを学び、これらの課題が私の研究しているお祭りに代表される無形文化財や無形民俗文化財の保存継承の課題感と類似していることが良くわかりました。この筆屋の旧友の取り組みはまだ、始まったばかりですが、今回は私の考えも含めてこの大変興味深い「筆屋の観光」を報告したいと思います。<br />
尚、今回取り上げる「観光」とは、体験プログラムなど観光商品の企画販売のことを指しております。</p>
<p style="margin-top: 3em">
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image1.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>伝統工芸とは何か？ </h3>
<p>その前に、伝統工芸とは何かについて確認したいと思います。伝統工芸は、昭和49（1974）年に施行された <q>伝統的工芸品産業の振興に関する法律</q>*2に定められた「主として日常生活の用に供されるものであること」「伝統的な技術又は技法により製造されるものであること」など5つの要件を基に国が「伝統的工芸品（経済産業大臣の指定を受けた工芸品）」として指定したものとなります。<br />
この法律は伝統的工芸品を「民衆の生活の中ではぐくまれ受け継がれてきたこと及び将来もそれが存在し続ける基盤がある」とした上で、「国民の生活に豊かさと潤いを与えるとともに地域経済の発展に寄与し、国民経済の健全な発展に資すること」を目的に制定されたものでもあります。現在ではこの法律に基づき、国は243品目を伝統的工芸品に指定し、<q>伝統的工芸品産業振興協会</q>*3が伝統的技術・技法を有しているものとして約3,300名の伝統工芸士を認定し、伝統的工芸品の保存継承、振興に取り組んでいます。<br />
このように国が支援をする一方で、課題も多く、伝統的工芸品産業振興協会の資料によると、伝統的工芸品の生産額及び従業員数は平成10（1998）年の2,784億円・115千人から令和2（2020）年には870億円・54千人と大幅に減少しています。伝統工芸を取り巻く状況は年々難しい状況になっていることが分かります。</p>
<h3>奈良筆の歴史と現状</h3>
<p>続いて奈良筆は、奈良県奈良市および大和郡山市周辺で作られる伝統的な筆で、その歴史は古く1200年以上の歴史を持ち、起源は弘法大師空海が唐から筆の製法を持ち帰り、坂名井清川に伝授したことと言われています。これが、奈良筆、日本の筆づくりの始まりとされています。江戸時代には奈良筆の名は全国的に知られており、明治時代以降は学校教育制度とともに全国で筆が使用されるようになり、現在でも書道筆として多くの書道家に愛用されています。<br />
例えば、広島県の熊野筆のように化粧筆に活路を拡げる筆もありますが、「文字を書く」ための書道筆として長く愛され、販売されてきたという特徴を持つ奈良筆は、少子化時代においては学校の書道で使われる数量が減少するなど極めて厳しい状況に追い込まれています。<br />
また、現在、奈良筆の伝統工芸士は7名ですが、高齢化が進んでおり、技術の継承が難しい状況に陥っているようです。このような状況から、今回訪問したあかしやでは筆職人の育成を目的に伝統工芸士の指南の下、従業員が午前中に筆づくりの勉強をする制度を設けるなど職人の育成に取り組んでいるようです。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image2.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>字を書かない時代に、書くための「筆の価値」を創り、「仲間」を創る</h3>
<p>今回は、あかしやの若手社員が企画した2件の体験プログラムを紹介したいと思います。まず、これらの体験プログラムを企画する上でのコンセプトを「伝統と未来を筆で繋ぐ旅　一人ひとりが文化の守り手に」としているとのことです。<br />
その理由は、なんのために筆屋が観光に取り組むのかを考えた際に、「奈良の伝統産業である奈良筆を支える職人たちは、代々受け継いできた技術と豊かな歴史に誇りを持ち、それを未来へと継承することに力を注いできた。しかし、多くの伝統工芸同様、その継承は厳しい状況」の中で「奈良筆に触れて頂く多くの皆様とともに、その価値を再認識し、次世代へと繋げることを目指したい」という考えに至ったからだそうです。「技術」や「誇り」を胸に、観光を通してこれまでとは異なる「仲間」「ファン」創る取り組みという点にとても感銘を受けました。</p>
<p><b>［書道アートづくり体験］</b><br />
これまで既存の体験プログラムの参加者の声として、「私は字が上手ではないので、上手な社員さんの書いた書が欲しい」という要望があり、筆そのものではなく、アートとして書を見ることにニーズがあるのではないかと考えたことが企画の発端とのことです。<br />
体験プログラムは、奈良と奈良筆の歴史を説明し、学んだ上で、色紙に初心者でも書きやすい文字等を書いてアート作品を制作するという体験です。自分で書いたアート作品を旅の思い出と共に持ち帰り、自宅に飾ることも出来る、また、プレゼントもできるという素晴らしい内容です。<br />
文字だけでなく、筆や硯などこれまで道具として使用することが目的であった物をアート作品として鑑賞するものに変えていくことも目的で、奈良や奈良筆の持つ歴史的な背景や職人の思いをその価値の「証明（裏付け）」にすることで、更に価値を上げている点も素晴らしいと思いました。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image3.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<p><b>［木簡づくり体験］</b><br />
木簡は木に墨で文字を書いたもので、当時の人々が連絡事項を書いたり、荷札として使われたものが代表的です。現代でも絵馬や表札などに木書文化は残っていますが、生活の中で木に文字を書く習慣は失われたと言っても良いのではないでしょうか。個人的にはとても好きな文化資源ですが、その木簡を作る体験と聞き、初めは半信半疑でしたが、内容は素晴らしいものでした。<br />
まず、材料の木の板を選びます。この木の板は、奈良県南部の間伐材を利用しており、風合いが全て異なり、選ぶだけでとても楽しいものです。当初は海外産の安価なものをサンプルにしたようですが、木簡の雰囲気をより感じてほしい、またこの活動が奈良の林業のPRに繋がればと、高価な県内産を選んだようです。<br />
次にこの板に文字を書く際には、雰囲気を出すため当時のかな文字や崩し文字のサンプル等を用意し、初心者でもそれを真似て書けるような工夫をしていました。そして、最終的には、紐が付き、キーホルダーのように持ち運べるようになります。<br />
この木簡づくり体験を通して、奈良や奈良筆の歴史を体感するだけではなく、当時の人々が記録のため、或いは手紙のように思いを伝えるために筆を使用したことを今では「失われた」文化である木簡を通して上手に見せている点が素晴らしいと感じました。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image4.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>観光が伝統的工芸品の振興や技術の継承に寄与する可能性</h3>
<p>私は今回、これらの「筆屋の観光」への挑戦を伺い、観光が伝統的工芸品の新たな価値を見出す「場」になることが出来ることに改めて気づくことが出来ました。今後もAI時代に筆を作り続ける筆屋の挑戦に注目し、微力ながら私ができる応援・支援をしていきたいと思います。特に最近私はデジタル技術の進化は、実はアナログ技術の進化にもつながるのではないかと思い始めています。もし仮にその間に、「観光」があり、関与し、例えば伝統的工芸品の振興や技術の継承に寄与するのであれば、「観光のチカラ（価値）」がその媒体として役立つことが証明されます。観光のプラスの可能性を信じ、今後も「無形」の文化財の研究を進めて参りたいと思います。</p>
<h4>参考文献</h4><figcaption>1) あかしや ウェブサイト <cite>http://www.akashiya-fude.co.jp/</cite><br /></figcaption><figcaption>2) 経済産業省 伝統的工芸品産業の振興に関する法律</figcaption><figcaption>3) 一般社団法人 伝統的工芸品産業振興協会 ウェブサイト <cite>https://kyokai.kougeihin.jp/</cite></figcaption></p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/">AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>観光と歴史文化遺産は対立するものか？　[コラムvol.507]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourismculture-goto-shinichi/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-tourismculture-goto-shinichi</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 30 Apr 2024 01:27:53 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>地域活性化のために、観光誘客のために協力してほしい 観光のチカラで地域を元気にしたい、今、日本全国で観光を活用した地域の活性化事業が盛んにおこなわれています。私はこれまで自治体やDMO、また観光関連事業者の皆様から多くの･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourismculture-goto-shinichi/">観光と歴史文化遺産は対立するものか？　[コラムvol.507]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>地域活性化のために、観光誘客のために協力してほしい</h3>
<p>観光のチカラで地域を元気にしたい、今、日本全国で観光を活用した地域の活性化事業が盛んにおこなわれています。私はこれまで自治体やDMO、また観光関連事業者の皆様から多くの観光に関わる相談を頂き、全国各地を訪れて観光商品を企画開発してきました。その中で私にとって「いつもの光景」があります。それは、自治体等の観光担当者が「地域経済活性化のために！観光誘客のために協力してほしい！」と真っすぐに地域の文化財所有者に依頼し、「苦笑い」をされる場面です。<br />
長く文化財を守り続け、次の世代にその価値を伝え、残すことを使命としてきた文化財所有者にとって、このような話は昨今のオーバーツーリズムの問題等もあり、文化財が正しく扱われるのかどうか、真正性が損なわれないか気になるところです。また、民俗学の立場から有形・無形文化財、民俗文化財などの歴史文化遺産 の観光利用に対して「文化財保護という名の下での観光開発が始動した」<sup>1)</sup>という話も聞かれます。これまでの観光開発の歴史を見ればこのような危機感も当然かもしれません。<br />
今回は、保存と活用はどちらを優先すべきなのか？観光と歴史文化遺産は対立するものなのか？考えてみたいと思います。</p>
<h3>地方の少子高齢化、人口減による歴史文化遺産の危機</h3>
<p>国等の試算<sup>2)</sup><sup>3)</sup>によると日本の人口は2020年の12,615万人から2050年には10,469万人（19％減）、同じく生産年齢人口は7,509万人から5,540万人（30％減）、同じく年少人口は1,503万人から1,077万人（28％減）と試算されています。地方はどうか、例えば 東北地方の人口は2020年の1,081万人から2050年には741万人（31％減）、同じく生産年齢人口は612万人から354万人（42％減）、年少人口は120万人から62万人（48％）と試算<sup>4)</sup>されています。地方の少子高齢化、人口減少は全国平均と比較し速いスピードで進むことがわかります。<br />
このような状況の中では歴史文化遺産の保存継承に自治体が予算や人を割くことは年々難しくなることが予想されます。特に私が現在研究する、祭り等に代表される無形民俗文化財<sup>5)</sup><sup>6)</sup>においては更に厳しい現実が待ち受けています。祭り等を実施運営する担い手不足の問題です。無形民俗文化財は人の手によって継承されていくもので、人がいなければ途絶えていく運命です。加えて、祭り等で使用される着物や楽器等の伝統工芸品の需要がなくなればその担い手も職を失い、技術も途絶えます。<br />
このような危機的状況の中で歴史文化遺産を保存継承していくためには、これまで通りのやり方ではなく、新しい視点、考え方、手法が必要になります。「守る」一辺倒では次世代に文化を継承してくことが難しい時代なのです。</p>
<h3>2015年、文化庁が日本遺産の認定<sup>7)</sup>を開始、「活用」の議論</h3>
<p>文化庁は2015年4月、18件（現在は104件）の「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー」を日本遺産として認定しました。日本遺産の特徴は、「既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を『面』として活用し、発信することで、地域活性化を図ることを目的としている」点です。これは「保存か、活用か」という２択ではなく、「保存も、活用も」両方重要という考え方ですが、これまでの文化庁の取組みから考えれば、「活用」が色濃く表れていると感じられます。また、2018年には文化財保護法も改正され、文化財の「活用」に係る予算配分が手厚くなりました。</p>
<h3>観光のための歴史文化遺産ではなく、歴史文化遺産のための観光という考え方</h3>
<p>このような地方や国の現状を考えると、冒頭の「地域経済活性化のために！観光誘客のために協力してほしい！」と依頼する自治体等の観光担当者に協力することは、お金も回り、地域が元気になり、正しいことに感じられます。人口減時代の地方で観光の「経済」効果（数字） は錦の御旗も同然です。<br />
しかし、「経済」効果が大きければ「何でもあり」なのでしょうか。私は観光客を「お金」として見ている地域にあまり行きたいと思いません。今の時代は観光客が見抜きます。 これからは人口減時代における地域の「持続可能性」をどう考え、観光客に見せていくかが重要です。地域の貴重な歴史文化遺産を保存継承するために観光をどう利用するのか。つまり、「歴史文化遺産のための観光」という考え方に考えを変えることに取組む必要があるのではないでしょうか。なぜなら、地域の歴史文化資源の価値が観光により損なわれてしまえば、結果として、地域そのものの価値が損なわれ、地域住民にとっても、観光客にとっても魅力的な地域ではなくなるからです。</p>
<h3>訪日旅行者6,000万人時代の歴史文化遺産の保存と活用</h3>
<p>日本政府は2030年の訪日外国人旅行者数の目標を6,000万人と掲げています。昨今の急激な訪日外国人旅行者数の回復は目を見張るものがあり、今後益々外国人が日本の歴史文化遺産を見たい、体験したいという声は高まっていくと思います。歴史文化遺産の保存と活用の議論は、新たな段階に進んでいくことは間違いありません。また、様々な課題が噴出するでしょう。今まで以上に文化財所有者や学芸員など文化財関係者と旅行会社や宿泊施設などの観光関係者が手を取り合い、「歴史文化遺産の保存継承」を目的にした観光の在り方を研究、実践していく必要があります。今後は具体的な地域の事例などを報告していきたいと思います。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-medium wp-image-46535" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/507_image2.png" alt="" width="1500" height="650" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h4>【引用・参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) 岩本道弥（2007）編集「ふるさと資源化と民俗学」吉川弘文館 序p5</li>
<li>2) 総務省　人口推計</li>
<li>3) 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口（令和5年推計）｣</li>
<li>4) 公益財団法人東北活性化研究センターHP　東北データブック</li>
<li>5) 文化庁（2022）重要無形文化財パンフレット</li>
<li>6) 文化庁（2023）民俗文化財の保護制度</li>
<li>7) 日本遺産ポータルサイト</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourismculture-goto-shinichi/">観光と歴史文化遺産は対立するものか？　[コラムvol.507]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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