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	<title>インバウンド | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
	<lastBuildDate>Tue, 20 Oct 2026 03:08:44 +0000</lastBuildDate>
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		<title>「高付加価値旅行者」をどう捉えるか？ ―観光政策の国際比較から考える日本の「100万円基準」― [コラムvol.547]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-high-value-traveler-policies-kakishima/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-high-value-traveler-policies-kakishima</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 07 Sep 2026 01:15:04 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>高消費層への期待 日本のインバウンド政策では、旅行者数の拡大だけでなく、消費額の増加、地方への誘客、持続可能な観光地域づくりが重視されている。その中心的な対象の一つが「高付加価値旅行者」である。観光庁は、着地消費100万･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>高消費層への期待</h3>
<p>日本のインバウンド政策では、旅行者数の拡大だけでなく、消費額の増加、地方への誘客、持続可能な観光地域づくりが重視されている。その中心的な対象の一つが「高付加価値旅行者」である。観光庁は、着地消費100万円以上／人の訪日外国人旅行者を政策上「高付加価値旅行者」と位置づけ、地方への誘客に向けたモデル観光地の整備などを進めてきた（観光庁 2022；2023；2026）。本稿では、議論を明確にするため、この金額基準によって把握される層を「高消費層」と呼び、政策が期待する幅広い価値との関係を検討する。</p>
<p>この基準の背景には、少数の旅行者が大きな消費を生み出す市場構造がある。観光庁によれば、高消費層は2019年には訪日外国人旅行者の約1%にすぎなかったが、消費額の約11.5%を占めた（観光庁 2023）。2023年には、人数の約2%消費額の約19%を占めている。一方、その消費は大都市圏に偏り、地方での消費が少ないことも課題とされている（観光庁 2026）。このため、高消費層への期待は、消費額の上積みだけでなく、その経済効果を地方へ波及させることにも向けられている。</p>
<p>ただし、高消費層であることが、直ちに地方分散や地域への貢献を意味するわけではない。消費総額だけでは、支出先や滞在のあり方、地域との関わり方までは捉えにくいからである。</p>
<p>こうした問題意識は、旅行者数や消費総額だけでなく、観光が地域社会や自然環境にもたらす効果を重視する近年の国際的な政策動向とも重なる（OECD 2024）。各国の公的資料では、「high-value visitor」「high-quality visitor」「quality tourism」などの用語が用いられているが、その定義や政策上の位置づけは一様ではない。そこで本稿では、用語そのものを比較するのではなく、旅行者が観光地にもたらす価値のうち、各国が何を重視しているのかに着目する。</p>
<p>OECDは近年の観光政策について、環境や地域社会への影響を管理しながら、観光の便益や旅行者の流れを新興観光地や閑散期へ広げ、持続可能かつ包摂的な観光を目指す必要があると整理している（OECD 2024）。この整理を踏まえ、本稿では、旅行者の「量」から「質」への転換を、単価の向上だけでなく、観光が地域にもたらす便益と負担の双方を踏まえて政策効果を評価することまで含むものとして捉える。</p>
<h3>国際比較から見える「高付加価値」の三つの観点</h3>
<p>各国の政策を比較すると、旅行者の消費による観光収入や地域経済への効果が重視されている点は、おおむね共通している。そのうえで、経済効果を地方や閑散期へ広げることを重視する政策や、地域社会、文化、自然への貢献まで視野に入れる政策もみられる。表1は、各国・地域の公的資料に示された主な目的と、それを具体化する数値目標、旅行者像、対象者の識別基準、評価方法を整理したものである。
</p>
<p style="text-align: center"><b>表1　各国・地域の観光政策・取組の主な目的</b></p>
<div class="table-area">
<table class="cntTable borTable floatL mrgt0 top sp-table" style="font-size: 12pt">
<tr>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center;width: 12%">国・地域</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">主な計画・取組名</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">公的資料に示された目的</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">目的を具体化する内容</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">シンガポール</td>
<td>Tourism 2040／Quality Tourism</td>
<td>観光収入の拡大</td>
<td>2040年の観光収入を470億～500億シンガポールドルと見込み、観光収入を国際旅行者数より速いペースで成長させる方針を示している（Singapore Tourism Board 2025:<cite>https://www.stb.gov.sg/about-stb/media-publications/speeches/speech-by-ms-melissa-ow&#8211;chief-executive&#8211;singapore-tourism-board&#8211;at-the-tourism-industry-conference-2025/</cite>）。
            </td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">オーストラリア</td>
<td>THRIVE 2030</td>
<td>旅行者消費額の拡大と、地方部での消費拡大</td>
<td>国内旅行を含むvisitor economy全体について、2030年の旅行者消費額を2,300億豪ドル、そのうち地方部での消費額を950億豪ドルとする目標を設定している（Austrade 2026）。
            </td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">ニュージーランド</td>
<td>high-quality visitorの誘致</td>
<td>観光による経済・文化・環境・地域社会への貢献</td>
<td>high-quality visitorの特徴として、長期滞在、高額消費、複数地域・異なる季節への訪問、環境や地域社会との積極的な関わりを挙げ、こうした旅行者の誘致を重視している（Tourism New Zealand 2023 <cite>https://www.tourismnewzealand.com/news-and-activity/australian-visitors-spending-more-post-covid/</cite>）。
            </td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">カナダ</td>
<td>Tourism 2030: A World of Opportunity／Traveller Segmentation Program</td>
<td>観光収入の拡大と、地域への経済的・社会文化的・環境的便益の創出</td>
<td>2030戦略に沿った対象旅行者の把握に向け、旅行消費額、旅行頻度、季節選好、活動に加え、旅行動機や価値観を組み合わせて旅行者を分類している（Destination Canada 2024a；2024b）。
            </td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">タイ</td>
<td>Sustainable Tourism Goals（STGs）／Sustainable Tourism Acceleration Rating（STAR）
</td>
<td>所得分配、文化・環境の保全、観光事業者の持続可能性の向上</td>
<td>STGsは、国連のSDGsを観光分野に展開する目標。所得分配、環境保全、再生可能エネルギー、廃棄物削減などを含む17の項目から構成される。STGsを実行に移す仕組みであるSTARは、観光事業者をガバナンス、社会経済的影響、文化保全、環境への責任の4つの観点から評価している（Tourism Authority of Thailand 2025a；2025b）。
            </td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">日本</td>
<td>地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたアクションプラン／モデル観光地事業</td>
<td>旅行消費の拡大、地方誘客、地域産業への波及、自然・文化・産業の維持・発展、雇用・所得の増加、域内循環</td>
<td>着地消費100万円以上／人を対象者の把握に用いる。また、知的好奇心や探究心の強さなどの定性的な特徴にも言及している。モデル観光地を選定し、地方での誘致・受入体制の整備を進めている（観光庁 2022:<cite>https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001860218.pdf</cite>； 2026:<cite>https://www.mlit.go.jp/kankocho/seisaku_seido/kihonkeikaku/inbound_kaifuku/kofukakachi.html</cite>）。
            </td>
</tr>
</table><figcaption><small>注：「公的資料に示された目的」は、対象とした資料に記載された目的・期待される効果を要約した。「目的を具体化する内容」には、数値目標、誘致する旅行者像、対象者の識別基準、評価方法などを記載した。本表は各国・地域の観光政策全体を網羅するものではなく、政策の達成状況を示すものでもない。</small></figcaption></div>
<p>ただし、表1に並べたのは、同じ種類の概念や施策ではない。シンガポールは国全体の観光成長の方向性、オーストラリアは国内旅行を含むvisitor economy全体の数値目標、ニュージーランドは政策上望ましい旅行者像、カナダはマーケティング対象を選定するためのセグメンテーション、タイは観光事業者側の評価枠組み、日本は旅行者を把握する金額基準と地域づくり施策である。本稿では、これらを同一の制度として比較するのではなく、それぞれが「どのような価値を重視しているか」という観点から横断的に整理する。その際、「対象者をどう識別するか」「旅行者にどのような行動を促すか」「誘致によって何を実現するか」は区別して捉える必要がある。</p>
<p>以上を踏まえ、本稿では、各国が重視する価値を、①旅行者の消費がもたらす「経済的価値」、②訪問地域、旅行時期、滞在期間といった「分散を含む価値」、③地域社会、文化、自然への貢献を含む「地域への総合的価値」の三つの観点から整理する。これは各国政府による共通の分類ではなく、本稿が比較のために設定する分析枠組みである。また、三つの観点は優劣や発展段階を示すものではなく、一つの政策が複数の観点にまたがる場合がある。</p>
<p>第一の「経済的価値」は、旅行者の消費額や観光収入を重視するものである。シンガポールの「Quality Tourism」では、旅行者数の増加以上に観光収入を伸ばす方針が示されている（Singapore Tourism Board 2025）。旅行者数の量的拡大だけに依存せず、経済的価値を重視する点では、日本の100万円基準と共通する。ただし、シンガポールは国全体の観光収入、日本は個人単位の消費額を対象としており、指標の単位は異なる。</p>
<p>第二は、経済的価値に、消費が生み出される地域、時期、滞在期間といった分散の観点を加えた価値である。オーストラリアの「THRIVE 2030」は、国内旅行を含むvisitor economy全体について、旅行消費額と地方部での消費額の双方に目標を設定している。このように、分散の観点では、消費額の大きさだけでなく、それがどこで、いつ生み出されるかが問われる。観光需要の地域・時期の分散は、混雑の緩和や地域への経済効果の平準化という政策課題にも関係する（OECD 2024）。</p>
<p>第三は、経済的価値と分散の観点に、地域社会、文化、自然への貢献を加えた「地域への総合的価値」である。ニュージーランドの「high-quality visitor」は、多く消費し、長く滞在し、複数の地域を異なる季節に訪れるだけでなく、文化、環境、社会、経済にも積極的に貢献する旅行者として説明されている（Tourism New Zealand 2023）。ニュージーランドは、三つの観点すべてが示された例といえる。一方、タイのSTGsとSTARは、特定の旅行者を金額で識別する仕組みではない。しかし、観光が地域にもたらす価値を、経済、社会、文化、環境などの側面から評価する考え方を示している（Tourism Authority of Thailand 2025a；2025b）。</p>
<p>カナダの取組は、こうした価値をもたらす旅行者をどのように識別するかという、三つの観点を横断する論点を示している。カナダは、所得や旅行頻度を中心とした「High-Value Guests」から、消費行動に加えて旅行動機や価値観も考慮する「Highly Engaged Guests」へと重点を移した（Destination Canada 2024b）。これは、旅行者の購買力だけでなく、動機、価値観、行動の組合せから捉えようとする見直しである。</p>
<h3>日本の政策目的と100万円基準</h3>
<p>観光庁は、高付加価値旅行者の誘致を、消費額の拡大だけでなく、地方への誘客、地域産業への波及、自然・文化・産業の維持・発展、雇用・所得の増加、域内循環などにつなげようとしている（観光庁 2026）。本稿で設定した三つの観点に照らすと、日本の政策目的は、第一の「経済的価値」にとどまらず、第二の分散を含む価値、さらに第三の「地域への総合的価値」にまで及んでいる。</p>
<p>また、観光庁は、高付加価値旅行者について、単に消費額が大きいだけでなく、知的好奇心や探究心が強く、地域の伝統・文化や自然に触れる体験を通じて、知識を深めたりインスピレーションを得たりすることを重視する傾向があると説明している（観光庁 2022）。このように、日本でも消費額を超えた定性的な旅行者像が示されている。一方、旅行者をデータ上把握する定量的な基準は「着地消費100万円以上／人」であり、知的好奇心や探究心、地方分散、地域還元への貢献は、判定条件に含まれていない。つまり、政策上示されている旅行者像と、データ上の識別基準は同一ではない。「100万円基準」は、旅行後の消費実績から高消費層の規模を把握する事後的な指標として機能する。ただし、誘致前の市場選定には、所得、旅行動機、価値観、過去の旅行行動など、別の情報も必要になる。</p>
<p>また、消費総額だけでは、地方分散や地域への総合的価値までは捉えにくい。総額は滞在日数に左右され、同じ金額でも、地方での宿泊・体験への支出と大都市での買い物とでは、恩恵を受ける地域や産業が異なる。逆に、100万円未満でも、地方を訪れ、地域産品や文化・自然の保全につながる体験に支出する旅行者が含まれる可能性がある。</p>
<p>したがって検証すべきは、100万円基準の該当者が地方分散や地域還元につながる行動をどの程度取っているか、また、基準外に政策目的との親和性が高い層がどの程度含まれるかという点ではないだろうか。</p>
<h3>政策目的に照らして「高付加価値旅行者」を捉える</h3>
<p>国際比較を通じて、日本の政策が高付加価値旅行者に期待する価値は、旅行消費額だけでなく、地方・閑散期への分散と、地域社会、文化、自然への貢献まで含むものとして整理できる。100万円基準は、高消費層を事後的に把握する明確な指標である一方、それだけで政策目的への適合性まで判断できるわけではない。</p>
<p>今後は別稿で、カナダのように旅行動機や価値観も視野に入れ、消費額、滞在日数、訪問地域・時期、費目別支出、地域との関わり方を組み合わせて分析し、100万円以上の層の内部差と、100万円未満でも政策目的との親和性が高い層の存在についても検証したい。</p>
<p style="text-align: right">資料：筆者作成（画像はGoogle Geminiより作成）</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h4>【参考文献】</h4>
<ul>
<li>観光庁（2022）「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けたアクションプラン」2022年5月</li>
<li>観光庁（2023）「高付加価値旅行者の誘客に向けて集中的な支援等を行うモデル観光地11地域を選定しました～地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり事業～」2023年3月28日</li>
<li>観光庁（2026）「訪日旅行での高付加価値旅行者の誘致促進」2026年3月23日更新</li>
<li>Australian Trade and Investment Commission（Austrade）（2026）“THRIVE 2030 Action Plan to 2030,” 11 February 2026</li>
<li>Destination Canada（2024a）“Destination Canada’s 2030 Tourism Strategy: A World of Opportunity,” May 2024</li>
<li>Destination Canada（2024b）“The Traveller Segmentation Program: Segment Summary Deck”。 </li>
<li>OECD（2024）, OECD Tourism Trends and Policies 2024, OECD Publishing, Paris. </li>
<li>Singapore Tourism Board（2025）“Speech by Ms Melissa Ow, Chief Executive, Singapore Tourism Board, at the Tourism Industry Conference 2025,” 11 April 2025 </li>
<li>Tourism Authority of Thailand（2025a）“TAT Celebrating 65 Years of Leading Thailand’s Sustainable Tourism Future,” 18 March 2025 </li>
<li>Tourism Authority of Thailand（2025b）“Thailand Unites to Drive Sustainable Tourism Goals Towards 2030,” 21 July 2025 </li>
<li>Tourism New Zealand（2023）“Australian visitors spending more post COVID,” 16 October 2023</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-high-value-traveler-policies-kakishima/">「高付加価値旅行者」をどう捉えるか？ ―観光政策の国際比較から考える日本の「100万円基準」― [コラムvol.547]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>二重価格は信頼を築けるか　[コラムvol.546]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dual-pricing-ebisawa/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-dual-pricing-ebisawa</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Aug 2026 01:36:19 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=58428</guid>

					<description><![CDATA[<p>入城者2割減、収入2倍という結果 世界遺産・姫路城は2026年3月、18歳以上の入城料を市外からの来訪者は2,500円へ引き上げ、市民は1,000円に据え置いた。18歳未満は居住地を問わず無料である。導入から1か月、入城･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dual-pricing-ebisawa/">二重価格は信頼を築けるか　[コラムvol.546]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>入城者2割減、収入2倍という結果</h3>
<p>世界遺産・姫路城は2026年3月、18歳以上の入城料を市外からの来訪者は2,500円へ引き上げ、市民は1,000円に据え置いた。18歳未満は居住地を問わず無料である。導入から1か月、入城者数は前年同月比17%減となった一方、料金収入は約2倍に達した。姫路市は減少を「想定内」とし、増収分を石垣の安全対策などに充てる考えを示している。</p>
<p>「人数×単価」で成り立つ観光地の収益構造を考えれば、この結果は示唆に富む。数を追わずとも収益は確保でき、むしろ混雑が緩和されて体験の質が上がる。他都市からの視察や問い合わせが相次いでいるのも当然だろう。</p>
<figure>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2026/08/column546_figure1.png" alt="路城「二重価格」導入1か月の効果" style="width: 85%"></p><figcaption>
<div style="text-align: center"><b>姫路城「二重価格」導入1か月の効果（2026年3月）</b><br />資料：姫路市発表および報道をもとに筆者作成（前年同月＝100）</div>
</figcaption></figure>
<h3>問われているのは「線引きの基準」</h3>
<p>ここで確認したいのは、姫路城が分けたのは国籍ではなく「居住地」だという点である。市民は窓口でマイナンバーカードなどを示せばよい。当初は外国人と日本人を分ける案も取り沙汰されたが、国籍の確認が実務上難しいことに加え、差別との批判を避ける公平性の観点から、この設計に落ち着いたとされる。実は、これが二重価格を考えるうえでの要である。</p>
<p>私たちの周りには、早割、団体割引、学割、返金可否による差など、広く受け入れられている価格差が数多くある。共通するのは、差の理由が明確で、消費者が条件を選べることだ。航空券の運賃体系のように、条件が一段ずつはっきりしていれば、人は高い運賃にも納得する。反発を招くのは、線引きが「その人が何者か」、とりわけ「国籍」、に置かれたときである。条件ではなく属性そのものを理由に高い料金を課されれば、人は差別されたと感じる。目指すべきは差別ではなく差異化だといえよう。</p>
<h3>値上げと暮らしを両立させる</h3>
<p>この考え方を最も洗練させたのが、北海道倶知安町の「Kutchan ID＋」だろう。ニセコひらふ地区を抱える同町では、世界の富裕層向けリゾートへの変貌に伴って物価が上昇し、リフト券は2024年度に9,500円となった。町と倶知安観光協会は、マイナンバーカードで本人確認するデジタル町民証明を導入し、町民はリフト1日券を5,700円の優待価格で購入できるようにした。飲食店やアクティビティにも優待は広がる。観光協会の事務局長は、適正な価格転嫁と町民優待の両立を目指すと語っている。値上げを否定するのではなく、値上げを進めながら暮らしを守る。この二つを同時に成立させる装置が、デジタル住民証明である。</p>
<p>民間には、そもそも価格を分けない道もある。都内には、スタッフ全員が英語で対応し、非アジア系の髪質への技術を備えることで、顧客の大半を訪日客や在住外国人が占める美容室がある。その料金表に国籍や居住地による区分はない。価格差の理由として示されているのは、施術者の経験や髪の長さといった提供内容そのものである。言語対応を価格差の口実とするのではなく、提供価値に織り込んだうえで単一の価格を掲げる。属性ではなく価値で語るとは、こういうことだろう。</p>
<h3>海外が教える受容の条件</h3>
<p>海外の事例も同じことを語る。タイの国立公園はタイ人40バーツに対し外国人400バーツと約10倍の差を設け、納税の有無を理由とするが、国籍が基準であるため批判が根強い。対照的にガラパゴス諸島は2024年、外国人の入域料を200ドルへ倍増させた際、その使途が生物多様性の保全と地域社会への還元であることを明示し、来訪者数の安定化という目的も掲げた。結果として「保護のためなら妥当」という受容を得ている。ハワイの住民割引も州IDで確認する居住地基準であり、割増ではなく割引という立て付けだ。</p>
<p>区分の基準が国籍そのものに近いほど摩擦は大きく、居住地や公共目的に基づくほど受け入れられやすい。加えて、同じ価格差でも「外国人への割増」より「住民への割引」と語られるほうが、摩擦は小さい。2025年に開業したジャングリア沖縄が、国内在住者向けの価格を「日本在住の方への感謝を込めた特別価格」と位置づけたのも同じ発想である。日本の事例が居住地を軸としてきたのは、この経験則に沿った着地点だろう。</p>
<h3>価格は信頼資産である</h3>
<p>国内の動きは加速している。2025年の訪日客は約4,270万人、消費額は約9.5兆円といずれも過去最高となった。政府は次期観光立国推進基本計画にガイドライン策定の検討を明記し、観光庁は2026年4月に有識者会議を立ち上げ、2026年度中の策定を目指している。初会合では、観光コンテンツの維持やオーバーツーリズム対策を目的とした料金見直しの動きは他の施設にも参考になり得ると指摘された。国立博物館・美術館への導入検討の要請や、京都市が2027年度を目指す観光客向けバス運賃の引き上げなど、来訪者に応分の負担を求める動きは、いまや施設の入場料という枠を超えつつある。</p>
<p>価格は単なる数字ではない。この観光地は来訪者をどう遇するのかという姿勢の表明であり、信頼という資産そのものである。安易な「外国人価格」に流れれば、一時の増収と引き換えに地域ブランドへの信頼を損ないかねない。必要なのは、合理的な条件に基づく差異化と、価格の根拠および増収分の使途を語り切る透明性である。</p>
<p>指針を待つことが本質ではない。それぞれの観光地が、自分たちはどんな価格で、どんな関係を来訪者と築きたいのかを自らの言葉で語れるか。観光立国の真価は、その一点に表れる。</p>
<h4>【図の出典】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>姫路市発表および報道をもとに筆者作成。入城者数・料金収入とも前年同月を100とした指数。入城者数は2026年3月の速報値。</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dual-pricing-ebisawa/">二重価格は信頼を築けるか　[コラムvol.546]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>京都、レジリエントな都市の系譜 ―150年の知恵を次代の観光へ―　[コラムvol.540]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-exhibition-fukunaga/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-exhibition-fukunaga</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 21 Apr 2026 02:36:41 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=57300</guid>

					<description><![CDATA[<p>はじめに 今年は、当財団の前身であるジャパン・ツーリスト・ビューロー（以下、ビューロー）が設立されて115年目にあたります。また、沖縄に続き、当財団2箇所目の地方事務所として「京都事務所（JTBF京都観光レジリエンス研究･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-exhibition-fukunaga/">京都、レジリエントな都市の系譜 ―150年の知恵を次代の観光へ―　[コラムvol.540]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>今年は、当財団の前身であるジャパン・ツーリスト・ビューロー（以下、ビューロー）が設立されて115年目にあたります。また、沖縄に続き、当財団2箇所目の地方事務所として「京都事務所（JTBF京都観光レジリエンス研究センター）」を立ち上げてから1年が経過しました。</p>
<p>2025年度は京都の事業者の皆様にもご協力いただき、<a href="/book/tourism-culture/tourism-culture-267/">機関誌「観光文化267号：高付加価値観光の本質」</a>を発行した他、<a href="/seminar-symposium/doukou2025/">第35回旅行動向シンポジウム「価値を創り、価値を呼ぶ 地域が主役の高付加価値ツーリズムの実現に向けて」</a>を京都で開催しました。そして、今年度は交流機能や知財のストック（旅の図書館の分館）を備えた新しい京都事務所に深化させていくことを計画しています。</p>
<p>本コラムでは、私たちがなぜ京都を拠点にして研究活動を行うのか、そして名称に掲げた「レジリエンス」という言葉にどのような想いを込めているのか。京都の観光政策のルーツを紐解きながら、ご紹介したいと思います。</p>
<h3>観光政策の礎となった京都博覧会</h3>
<p>近代京都の歴史は、未曾有の危機から始まりました。1869（明治2）年の東京奠都により、人口減少と産業の衰退という深刻な危機に直面しました。京都府参事であった槇村正直は殖産興業に力を入れ、外国人技術者の招聘や工場の整備、職業教育を目的とした学校の建設等を進めていました。こうした中で、地元の豪商であった熊谷久右衛門、三井八郎右衛門、小野善助らによって企画されたのが「京都博覧会」でした。彼らは京都府の協力の元、1871（明治4）年10月10日から33日間の会期で、西本願寺書院を会場に日本初となる「博覧会」を開催し、陳列品336点、11,211人の観客を集めました。そして終了から4日後には彼らが主体となって京都府の協力を取り付け、半官半民の「京都博覧会社」を設立。翌1872（明治5）年3月には、規模を拡大した「第1回京都博覧会」が、本願寺、知恩院、建仁寺を会場に開催されました。以降、規模や名称は変えながらも昭和初期に至るまで、ほぼ毎年開催されることになります。</p>
<h4>先駆的な外国人受入環境の整備</h4>
<p>当時、海外の博覧会の存在は福沢諭吉の『西洋事情』などで紹介されていましたが、明治初期の外国人の行動範囲は開港地や居留地に限定されており、他地域への移動には「内地旅行免状」が必要でした。そこで、京都博覧会社は1871（明治4）年12月に「外国人入京御許可伺」を政府に申請。翌年2月には許可がおりました。一方で、来訪客によるトラブルの可能性も考慮し、英国領事館は補償金を預かることでトラブル時に備えていました。また、会場内には袖章をつけた「ポリス」を配備したほか、英語の立入禁止サインを設置するなど、治安維持にも万全を期していました。</p>
<ul style="overflow: hidden;width: 100%;margin-top: 40px;list-style-type: none;padding-left: 0">
<li style="float: right;width: 30%;margin-left: 20px">
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    </li>
<li>
<p style="margin-top: 0 !important;padding-top: 0 !important;line-height: 1.6">
            京都に到着した外国人は、寺町四条下ルにあった大雲院（外国人応接所）に赴き、そこから宿泊施設へ案内されました。宿泊費は3段階に分かれており、公使等の貴賓に対しては知恩院等の塔頭5箇所を、一般の外国人には19の宿を用意しました。食事も神戸のホテルから料理人を招き、パン、ローストビーフ、ワイン、コーヒーといった本格的な西洋料理を提供しました。
        </p>
<p style="line-height: 1.6">
            通訳は、長崎、足羽、豊岡、大阪等から通訳官を招聘し、各会場で交代で対応にあたりました。そして1873（明治6）年には、京都博覧会を訪れた外国人のため、京都府顧問であった山本覚馬が日本で最初の英文ガイドブック『THE Guide TO THE CELEBRATED PLACES IN KIYOTO &amp; THE SURROUNDING PLACES』を制作しました。
        </p>
<p style="line-height: 1.6">
            外国人の受け入れが未知の領域であった当時、多様な組織と連携しながら、極めてきめ細やかな受入環境を構築していたことがうかがえます。
        </p>
</li>
</ul>
<h4>住民とともに作り、住民自身が楽しむ京都博覧会</h4>
<p>博覧会は国内外の集客だけでなく、徹底して「住民のため」のものでもありました。1872（明治5）年3月には市民向けの広報誌『博覧新報』を発行し、博覧会開催の意義や出品物等の情報を解説しました。博覧会は「半日の見学が十年の読書に勝る」として学校生徒の来場を促し、無料入場が制度化され、同年には女紅場（女子教育機関）の生徒7,531人が来場しました。</p>
<p>さらに、住民の参画意識を高める工夫も凝らされました。一部町内には会場周辺を清掃するための費用（清掃費）が付与された他、住民自らも「案内役」として参画しました。そして第１回博覧会からは娯楽的要素（附博覧）が追加され、今では京都の春の風物詩となっている「都をどり」の他、能の公演や花火、競馬、抹茶の提供などが行われました。また、来場した住民に紅白祝餅を配るなど、教育的側面と娯楽的側面から盛り上げる演出がなされました。</p>
<p>旧皇室典範（1889（明治22）年）によって、即位礼の一部や重要な儀式は京都で実施されることが定められますが、毎年開催された京都博覧会も大礼記念のタイミングには盛大にとり行われました。例えば、1895（明治28）年に平安遷都千百年紀念祭とあわせて開催された「第四回内国勧業博覧会」では、日本最初の路面電車が京都に開業します。この時に平安神宮が創建され、博覧会会場の跡地は岡崎公園として整備されました。また、京都の三大祭の一つである時代祭もこの博覧会を契機に開始されました。</p>
<p>このように数々の博覧会を開催し、国内外から多くの喜賓、来訪客を受け入れてきた京都市は、1930（昭和5）年に行政として初めて観光課を設置します。1932（昭和7）年には全国の観光協会等とともに日本観光地連合会を結成するなど、日本の観光行政を牽引してきました。</p>
<h3>ビューローの原点と京都 ―日本初の「観楓列車」と英語ガイドブックの誕生</h3>
<p>当財団の前身であるビューローが発足したのは、1912（明治45）年のことです。設立の立役者となったのは京都（現・京丹後市）出身の木下淑夫（リンク：https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-kinoshita-bureau-fukunaga/）で、国の鉄道事業をサービスや制度面において大きく発展させた人物として知られています。ビューロー設立に先立つ1902（明治35）年には、国（鉄道作業局）として初めて、新橋（東京）から京都までを結ぶ京都回遊臨時列車（観楓列車）を走らせるなど、早くから京都の観光価値に着目していました。</p>
<ul style="overflow: hidden;width: 100%;margin-top: 40px;list-style-type: none;padding-left: 0">
<li style="float: right;width: 30%;margin-left: 20px">
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    </li>
<li>
<p style="margin-top: 0 !important;padding-top: 0 !important;line-height: 1.6">
            そして、ビューローとして初めて有料（30銭）で販売した英語ガイドブックも、京都を対象とした『MAP &amp; GUIDE OF KYOTO AND ENVIRONS』（1915（大正4）年）でした。ビューローとしても設立直後から海外のポスターやガイドブックを収集・分析し、当時三越の図案部にいた杉浦非水に表紙デザインを依頼する等、出版物には非常に力を入れていました。当時、海外で高い知名度と完成度を誇っていたマレーやテリーによるガイドブックも参考にしつつ、職員が自ら現地に赴き、正確性にこだわって編纂されたのがこの一冊でした。
        </p>
</li>
</ul>
<h3>おわりに　京都、レジリエントな都市の系譜 — 150年の知恵を次代の観光へ</h3>
<p>2026年3月に「京都観光・MICE振興計画2030」（リンク：https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000351851.html）が策定されました。京都の観光政策を紐解くと、その源流は明治期の京都博覧会、いわゆる「MICE」にあることがわかります。鉄道省の外局として国際観光局を設置した1930（昭和5）年に先駆けること半世紀以上も前から、京都では産業振興、市民教育、そして都市の発展を見据えたツールとして観光を位置づけ、官民一体となって戦略的に展開してきました。そして戦後以降も、京都は全国に先駆け文化財保護や景観政策などを打ち出してきました。</p>
<p>「京都は恵まれている」「京都だからできる」と評されることがあります。しかし歴史を紐解いてみれば、常に最先端の課題と向き合い、その都度しなやかな施策を講じてきたからこそ、今の京都があると言えます。</p>
<p>京都事務所の通称に「レジリエンス」という言葉を掲げたのは、変化の激しい時代において地域の観光に求められるのは、困難をしなやかに乗り越え、より良い形へと進化させる力、すなわち「レジリエンス」であると考えているからです。</p>
<p>この稀有な歴史の蓄積と課題解決のプロセスを「形式知」として整理しつつ、多様な研究・交流機会を創出しながら現代の難局を切り拓くヒントを見出していけたらと考えています。今後の京都事務所の活動と展開に、ぜひご期待ください。</p>
<h4>【参考文献】</h4>
<ul>
<li>『京都博覧会沿革誌』京都博覧協会、1903年</li>
<li>『京都博覧協會史畧』大槻喬編、京都博覽協會、1937年</li>
<li>『博覧新報』博覧会社編、1872年</li>
<li>「明治初期京都の博覧会と観光」工藤泰子、京都光華女子大学研究紀要、2014年</li>
<li>「明治四年京都博覧会について」畑智子、京都文化博物館研究紀要『朱雀』第25集、2013年</li>
<li>『万国博覧会の研究』吉田光邦編、思文閣出版、1986年</li>
<li>『THE Guide TO THE CELEBRATED PLACES IN KIYOTO &amp; THE SURROUNDING PLACES』山本覚馬・丹羽圭介・石田旭山、1873年（写真は復刻版）</li>
<li>『国鉄興隆時代 : 木下運輸二十年』青木槐三, 山中忠雄 編著、日本交通協会、1957年</li>
<li>「MAP &amp; GUIDE OF KYOTO AND ENVIRONS」ジャパン・ツーリスト・ビューロー、1915年</li>
<li>観光文化259号「ポスト・コロナの観光地マネジメント～京都市～」、（公財）日本交通公社、2023年</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-exhibition-fukunaga/">京都、レジリエントな都市の系譜 ―150年の知恵を次代の観光へ―　[コラムvol.540]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-hvt-kakishima/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-hvt-kakishima</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 17 Sep 2025 05:34:07 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=55987</guid>

					<description><![CDATA[<p>高付加価値旅行者が追求する「本物の体験」 世界的に「高付加価値旅行者」が注目を集めており、その動きは日本も例外ではない。我が国では「着地消費100万円以上」という定量的な条件に加え、旅行を通じて得られる知的満足や自己実現･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-hvt-kakishima/">専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>高付加価値旅行者が追求する「本物の体験」</h3>
<p>世界的に「高付加価値旅行者」が注目を集めており、その動きは日本も例外ではない。我が国では「着地消費100万円以上」という定量的な条件に加え、旅行を通じて得られる知的満足や自己実現、そして「本物の体験」を追求する姿勢といった定性的な特徴にも言及されている。これらの層の関心は、単なる豪華さや快適さとは一線を画し、より内面的な充足にシフトしていると言えるだろう。<br />
高付加価値旅行者の「本物の体験」需要に応える手法の一つとして、「専門家帯同ツアー」がある。専門家が提供する信頼性の高い情報と解説は、高付加価値旅行者の満足度を向上させる上で有効である。そこで本稿では、専門家帯同ツアーという切り口から、高付加価値旅行者が求める体験について考察する。
</p>
<h3>専門家帯同ツアーとその類型</h3>
<p>専門家帯同ツアーとは、特定の専門分野で深い知見を持つ専門家が旅行に同行し、その専門的視点から解説を行うことを付加価値とする旅行形態である。本稿では多様な訪日ツアー事例を、専門家がもたらす「付加価値」と「提供形態」に着目して分析し、後述する3つの類型に分類した。
</p>
<ol>
<li><b>アカデミック型</b><br />
        イギリス、アメリカ、カナダ、ドイツを中心とする欧米圏で見られるのが「アカデミック型」である。スミソニアン協会や有名大学の同窓会のように学術的に権威ある組織が企画を主導し、参加者に深い学びの機会を提供する点が特徴である。<br />
        例えば、スミソニアン協会が主催する&#8221;Eternal Japan&#8221;では、日本美術史を専門とする大学教授が同行し、東京国立博物館で仏像鑑賞、箱根での現代彫刻鑑賞、そして、京都の禅寺訪問といった内容のツアーとなっている。ここでの専門家の役割は、個々の作品を解説するだけではない。古代仏教美術から現代アートに至る歴史的文脈を示し、日本美術史を一つの物語として理解できるよう導く役割を担っている（表-1）。<br />
        また、イギリスの専門旅行会社Martin Randall Travelが企画する&#8221;Autumn &amp; the Art of the Japanese Garden&#8221;では、桂離宮、龍安寺、足立美術館など、様式も時代背景も異なる庭園を連続して訪問し、専門家（園芸史）は、参加者に「比較」の視点を与える。実際に、このツアーを企画する旅行会社の公式サイトでは、専門家の役割を「情報提供だけでなく、物事を解明し、思考を刺激すること」と定義している。この記述に基づけば、専門家は単に情報を提供するだけでなく、参加者自身の発見と深い理解を導く機能も果たしているものと考えられる（表-1）。<br />
        このモデルにおける専門家は、大学教授、美術館のキュレーター、歴史家といった「講師」や「学者」であることが多い。また、ツアーの詳細を確認すると、特定分野での受賞経験者や有名大学の教授等、肩書きや実績が強調されている点も特徴的である。このことからも、このタイプでは、学術的な知見によって参加者の知的好奇心に応えることが求められているとわかる。
    </li>
<li><b>テーマ・コミュニティ型</b><br />
        台湾やオーストラリア、香港の専門テーマ旅行に見られるのが「テーマ・コミュニティ型」である。このモデルは、庭園や建築、歴史といった特定の趣味を共有する人々が集まり、専門家と共に体験を深める点に特徴がある。また、完全オーダーメイドで高額になりがちな実利・オーダーメイド型や、権威ある専門家を招聘するアカデミック型と比べ、価格が比較的安価なことや、参加者同士の交流会が企画されることも特徴的である。<br />
        具体的には、オーストラリアのRoss Garden Toursが企画する著名な園芸家と巡るガーデンツアーや、台湾の旅行系インフルエンサー工頭堅氏が案内する歴史探訪（雄獅旅遊）、同じく旅行系インフルエンサー阿倫氏が案内する立山黒部のツアー（金龍旅遊）、香港のLTRIPが企画する日本在住の旅行系インフルエンサー（風信子氏）が案内するツアーが挙げられる。<br />
        このモデルにおける専門家とは、テレビ司会者や人気ブロガーといった「達人（マスター）」や「リーダー」を指す。彼らの役割は、参加者と同じ目線に立ち、旅を通じて感動や体験を共有し、コミュニティとしての一体感を醸成することにある。
    </li>
<li><b>実利・オーダーメイド型</b><br />
        中国を中心にアジア圏で特徴的なのが「実利・オーダーメイド型」である。この類型は、顧客のビジネス、健康といった実利的な目的を達成するため、オーダーメイドで提供される点に特徴がある。<br />
        例えば、中国最大の旅行会社（中青旅）が手配するオーダーメイドのビジネス視察がある。ここでの専門コンサルタントは、業界の専門家や企業のアポイントを取得する役割を担う（表-1）。<br />
        また、海外医療サービスに特化した中国の盛诺一家（Hope Group）が提供する訪日がん治療・精密検査プログラムも一例として挙げられる。これは、日本のトップクラスの医療機関での治療を目的とするもので、医療コーディネーターは医療記録の翻訳、医師とのオンライン事前面談の設定、医療滞在ビザのサポート、治療中の専門医療通訳までを一貫して担う。この種の医療サービスは自己投資の一環として美容の領域にも広がり、同社では、美容医療関連のオーダーメイドツアーも販売されている。<br />
        実利・オーダーメイド型の専門家は、顧客が単独では実現困難な目的達成へと導く存在であり、彼らが提供する特別な「人脈」と、それによって保証される「アクセス」こそが、このモデルの価値となっている。
    </li>
</ol>
<h3>まとめ</h3>
<p>本稿では、専門家が帯同する訪日旅行を、「アカデミック型」「テーマ・コミュニティ型」「実利・オーダーメイド型」の3類型に分類し、その特徴を考察した。<br />
本稿の分析から、これら3類型は一つの連続体（スペクトラム）として捉えることができる（表-2）。一方には、専門家の学術的な「知見」を価値とする「アカデミック型」が存在する。その対極に位置するのが、専門家が持つ特別な「人脈」と「アクセス」を価値とする「実利・オーダーメイド型」である。専門家と参加者の関係は、前者が師弟関係に近い一方向的なものであるのに対し、後者は目的達成のためのパートナーという双方向的な側面を持つ。そして、この間に位置するのが「テーマ・コミュニティ型」である。このモデルの専門家は、アカデミック型ほどではないものの、特定の分野に関する深い「知見」を提供する。同時に、参加者と同じ目線で感動を共有し、一体感を醸成するという役割も担っている。加えて、専門家と参加者の関係性が水平的であることも特徴であり、テーマ・コミュニティ型は、他の2つのモデルの要素をあわせ持ち、両者の中間的な位置づけであると言えるだろう。<br />
本稿で行った類型化は、実務面においても重要な示唆を与える。高付加価値旅行商品を開発する際、ターゲット市場に応じて、どのタイプの専門家を起用し、どのような価値を訴求すべきかが明確になるだろう。より効果的な商品開発にあたっては、各モデルを形成する文化・社会・経済といった背景要因の理解が必要となるが、これらの解明は今後の研究課題としたい。
</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center"><b>表-1：国・地域別・専門家帯同訪日ツアー例</b></p>
<div class="table-area">
<table class="cntTable borTable floatL mrgt0 top sp-table" style="font-size: 12pt">
<tr>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center;width: 12%">国/地域</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">ツアー名/旅行会社</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">帯同する専門家（例）</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">専門分野</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">限定アクセス・特別公開の例</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">日数</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">金額（現地通貨）</td>
<td bgcolor="#ffffd6" style="text-align: center">金額（日本円）</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">イギリス</td>
<td>Japanese Gardens(Martin Randall Travel)</td>
<td>園芸史家、庭園デザイナー(例: Yoko Kawaguchi氏)</td>
<td>庭園</td>
<td>通常非公開の寺院の書院や茶室への特別拝観、庭園所有者や管理者からの直接解説</td>
<td>12日間</td>
<td>£8,990～</td>
<td>約1,784,200円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%"></td>
<td>Art in Japan(Martin Randall Travel)</td>
<td>美術史家、大学講師(例: Meri Arichi博士)</td>
<td>美術・建築</td>
<td>美術館の閉館後にプライベートツアー学芸員による特別レクチャー、個人コレクターの収蔵品鑑賞</td>
<td>12日間</td>
<td>£9,230～</td>
<td>約1,831,800円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">アメリカ</td>
<td>Eternal Japan(Smithsonian Journeys)</td>
<td>大学教授、歴史家(例: Jonathan M. Hall氏)</td>
<td>歴史・文化</td>
<td>研究者用の施設や通常は入れないエリアへのアクセス、住職からの解説</td>
<td>13日間</td>
<td>$10,995～</td>
<td>約1,628,900円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%"></td>
<td>Japan with Sean Brock(Modern Adventure)</td>
<td>受賞歴のある著名シェフ(例: Sean Brock氏)</td>
<td>食文化</td>
<td>トップシェフと共に市場を巡り食材を学ぶシェフのコネクションによるレストランでの特別メニュー</td>
<td>9日間</td>
<td>$13,900～</td>
<td>約2,059,300円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">オーストラリア</td>
<td>Autumn &amp; the Art of the Japanese Garden(ASA Tours with Jim Fogarty)</td>
<td>受賞歴ランドスケープデザイナー(Jim Fogarty氏)</td>
<td>庭園</td>
<td>「特別予約による小規模庭園の訪問」が明記されており、一部は特別許可が必要と記載</td>
<td>15日間</td>
<td>AU$16,800～</td>
<td>約1,622,000円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%"></td>
<td>Spring Festivals of Japan(Ross Garden Tours)</td>
<td>著名園芸家・TV司会者(Graham Ross氏)</td>
<td>庭園</td>
<td>－</td>
<td>14日間</td>
<td>AU$15,995～</td>
<td>約1,571,000円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">台湾</td>
<td>【跟著阿倫去旅行】立山黑部雪壁6日（金龍永盛旅行社）</td>
<td>旅行系インフルエンサー（阿倫氏）</td>
<td>－</td>
<td>－</td>
<td>6日間</td>
<td>NT$75,900</td>
<td>約368,850円</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%"></td>
<td>搶救龍馬大作戰！工頭堅五日高知龍馬博覽會+京都坂本龍馬之旅（雄獅旅遊）</td>
<td>旅行系インフルエンサー（工頭堅氏）</td>
<td>歴史・文化</td>
<td>－</td>
<td>5日間</td>
<td>NT$43,500</td>
<td>約174,000円</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">香港</td>
<td>與風信子、旦那的冬日流冰、走遍道東與日本最北 北海道8天團 等（LTRIP）</td>
<td>旅行系インフルエンサー（風信子氏）</td>
<td>－</td>
<td>－</td>
<td>8日間</td>
<td>HK$21,888</td>
<td>約¥415,000円～</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%">中国</td>
<td>ツアー名なし（オーダーメイド型）（盛诺一家 Hope Group）</td>
<td>医療コンサルタント、医師</td>
<td>医療</td>
<td>外国人が個人で予約困難なトップクラスのがん専門病院へのアクセス、日本の名医とのオンライン・セカンドオピニオン </td>
<td>オーダーメイド</td>
<td colspan="2">治療法や期間に応じて大きく変動</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 12%"></td>
<td>「遨游」企業定制（中青旅）</td>
<td>経営コンサルタント、アナリスト<br />※必ず帯同するわけではない</td>
<td>ビジネス</td>
<td>顧客との守秘義務に基づき非公開</td>
<td>オーダーメイド</td>
<td colspan="2"> 視察内容、面会する人物、滞在先に応じて大きく変動</td>
</tr>
</table>
</div>
<p style="text-align: center">資料：各社ウェブサイトより筆者作成<br />注：日本円は2025年9月3日～11日時点の為替レートによる参考価格／最終閲覧日：2025年9月11日</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center"><b>表-2：専門家帯同型訪日ツアーのタイプ</b></p>
<div class="table-area">
<table class="cntTable borTable floatL mrgt0 top sp-table" style="font-size: 12pt">
<tr>
<td style="width: 19%"></td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center;width: 27%"><b>アカデミック型</b></td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center;width: 27%"><b>テーマ・コミュニティモデル型</b></td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center;width: 27%"><b>実利・オーダーメイド型</b></td>
</tr>
<tr>
<td></td>
<td bgcolor="#ffeddb"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/09/column531-2.png" alt="コラムvol.531画像"></td>
<td bgcolor="#edffdb"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/09/column531-3.png" alt="コラムvol.531画像"></td>
<td bgcolor="#dbedff"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/09/column531-4.png" alt="コラムvol.531画像"></td>
</tr>
<tr>
<td>顧客のニーズ</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">知的好奇心を満たすこと</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">趣味を探求し、感動を共有すること</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">実利（ビジネス、健康等）を得ること</td>
</tr>
<tr>
<td>専門家タイプと求められる役割</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">講師・学者</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">達人（マスター）・リーダー</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">案内人・仲介者</td>
</tr>
<tr>
<td>専門家との関係性</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">師弟関係に近い一方向的な関係<br />↓</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">共感に基づく水平的な関係<br />→ ←</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">双方向的<br />↔</td>
</tr>
<tr>
<td>限定アクセスの傾向</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">学術的・文化的な特別拝観（例：非公開の文化財、住職による直接解説）</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">テーマや専門家に紐づく特別な体験（例：専門家の工房訪問、ファン限定の交流会）</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">ビジネスや交渉のためのプライベート空間（例：企業トップとの面会等）</td>
</tr>
<tr>
<td>提供価値</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">専門家の「質」と「解説の深さ」学術的な権威を持つ専門家による信頼性の高い解説</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">カリスマ的な専門家と参加者同士が趣味を通じて感動を共有できる場</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">特別な「人脈」と「アクセス」独自のコネクションでしか実現不可能な機会</td>
</tr>
<tr>
<td>主な国・地域</td>
<td bgcolor="#ffeddb" style="text-align: center">イギリス、アメリカ、カナダ、ドイツ等</td>
<td bgcolor="#edffdb" style="text-align: center">台湾、オーストラリア、香港（専門テーマ）等</td>
<td bgcolor="#dbedff" style="text-align: center">中国、シンガポール、中東、香港（富裕層向け）等</td>
</tr>
</table>
</div>
<p style="text-align: right">資料：筆者作成（画像はGoogle Geminiより作成）</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h4>【参考URL】</h4>
<ul>
<li>Martin Randall Travel: <cite>https://www.martinrandall.com</cite></li>
<li>Smithsonian Journeys: <cite>https://www.smithsonianjourneys.org/</cite>
</li>
<li>Modern Adventure: <cite>https://modernadventure.com/</cite></li>
<li>ASA Tours: <cite>https://www.asatours.com.au/</cite></li>
<li>Ross Garden Tours: <cite>https://rosstours.com/</cite></li>
<li>金龍永盛旅行社: <cite>https://www.dragontr.com.tw/</cite></li>
<li>LTRIP: <cite>https://www.ltrip.com/</cite></li>
<li>盛诺一家 Hope Group: <cite>https://www.hopenoah.com/</cite></li>
<li>中青旅: <cite>https://custom.aoyou.com/</cite></li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-hvt-kakishima/">専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-culture-nara-goto-shinichi</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 05 Mar 2025 04:39:13 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>私は、いつ筆を使ったのか？ 最近、ペンを使わなくなってきました。普段使いで筆をまったく使いません。多くの方が私と同様に、パソコンやスマホを使うようになり、文字を書くことが減ったのではないでしょうか。文字を書き残すために発･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/">AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>私は、いつ筆を使ったのか？</h3>
<p>最近、ペンを使わなくなってきました。普段使いで筆をまったく使いません。多くの方が私と同様に、パソコンやスマホを使うようになり、文字を書くことが減ったのではないでしょうか。文字を書き残すために発明された筆は、万年筆や鉛筆、ボールペンに姿を変え、今ではそれすらもデジタルに置き換わろうとしています。アナログの象徴である筆は将来的に「失われる運命」にあるのだろうか、そんなことを私は考えるようになりました。<br />
きっかけは、奈良市にある<q>あかしや</q>*1という筆屋を訪問し、筆の置かれた現状を学んだことです。旧友がこのあかしやで働いており、「観光」に興味があると相談を受け、最初は「観光？」と戸惑いましたが、話を聞くうちに、この筆の価値や意義を、観光を通じて見直す取り組みの素晴らしさに共感するようになりました。<br />
旧友の話から、日本の伝統工芸が危機に瀕していることや人から人へ受け継がれる技術であることなどを学び、これらの課題が私の研究しているお祭りに代表される無形文化財や無形民俗文化財の保存継承の課題感と類似していることが良くわかりました。この筆屋の旧友の取り組みはまだ、始まったばかりですが、今回は私の考えも含めてこの大変興味深い「筆屋の観光」を報告したいと思います。<br />
尚、今回取り上げる「観光」とは、体験プログラムなど観光商品の企画販売のことを指しております。</p>
<p style="margin-top: 3em">
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image1.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>伝統工芸とは何か？ </h3>
<p>その前に、伝統工芸とは何かについて確認したいと思います。伝統工芸は、昭和49（1974）年に施行された <q>伝統的工芸品産業の振興に関する法律</q>*2に定められた「主として日常生活の用に供されるものであること」「伝統的な技術又は技法により製造されるものであること」など5つの要件を基に国が「伝統的工芸品（経済産業大臣の指定を受けた工芸品）」として指定したものとなります。<br />
この法律は伝統的工芸品を「民衆の生活の中ではぐくまれ受け継がれてきたこと及び将来もそれが存在し続ける基盤がある」とした上で、「国民の生活に豊かさと潤いを与えるとともに地域経済の発展に寄与し、国民経済の健全な発展に資すること」を目的に制定されたものでもあります。現在ではこの法律に基づき、国は243品目を伝統的工芸品に指定し、<q>伝統的工芸品産業振興協会</q>*3が伝統的技術・技法を有しているものとして約3,300名の伝統工芸士を認定し、伝統的工芸品の保存継承、振興に取り組んでいます。<br />
このように国が支援をする一方で、課題も多く、伝統的工芸品産業振興協会の資料によると、伝統的工芸品の生産額及び従業員数は平成10（1998）年の2,784億円・115千人から令和2（2020）年には870億円・54千人と大幅に減少しています。伝統工芸を取り巻く状況は年々難しい状況になっていることが分かります。</p>
<h3>奈良筆の歴史と現状</h3>
<p>続いて奈良筆は、奈良県奈良市および大和郡山市周辺で作られる伝統的な筆で、その歴史は古く1200年以上の歴史を持ち、起源は弘法大師空海が唐から筆の製法を持ち帰り、坂名井清川に伝授したことと言われています。これが、奈良筆、日本の筆づくりの始まりとされています。江戸時代には奈良筆の名は全国的に知られており、明治時代以降は学校教育制度とともに全国で筆が使用されるようになり、現在でも書道筆として多くの書道家に愛用されています。<br />
例えば、広島県の熊野筆のように化粧筆に活路を拡げる筆もありますが、「文字を書く」ための書道筆として長く愛され、販売されてきたという特徴を持つ奈良筆は、少子化時代においては学校の書道で使われる数量が減少するなど極めて厳しい状況に追い込まれています。<br />
また、現在、奈良筆の伝統工芸士は7名ですが、高齢化が進んでおり、技術の継承が難しい状況に陥っているようです。このような状況から、今回訪問したあかしやでは筆職人の育成を目的に伝統工芸士の指南の下、従業員が午前中に筆づくりの勉強をする制度を設けるなど職人の育成に取り組んでいるようです。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image2.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>字を書かない時代に、書くための「筆の価値」を創り、「仲間」を創る</h3>
<p>今回は、あかしやの若手社員が企画した2件の体験プログラムを紹介したいと思います。まず、これらの体験プログラムを企画する上でのコンセプトを「伝統と未来を筆で繋ぐ旅　一人ひとりが文化の守り手に」としているとのことです。<br />
その理由は、なんのために筆屋が観光に取り組むのかを考えた際に、「奈良の伝統産業である奈良筆を支える職人たちは、代々受け継いできた技術と豊かな歴史に誇りを持ち、それを未来へと継承することに力を注いできた。しかし、多くの伝統工芸同様、その継承は厳しい状況」の中で「奈良筆に触れて頂く多くの皆様とともに、その価値を再認識し、次世代へと繋げることを目指したい」という考えに至ったからだそうです。「技術」や「誇り」を胸に、観光を通してこれまでとは異なる「仲間」「ファン」創る取り組みという点にとても感銘を受けました。</p>
<p><b>［書道アートづくり体験］</b><br />
これまで既存の体験プログラムの参加者の声として、「私は字が上手ではないので、上手な社員さんの書いた書が欲しい」という要望があり、筆そのものではなく、アートとして書を見ることにニーズがあるのではないかと考えたことが企画の発端とのことです。<br />
体験プログラムは、奈良と奈良筆の歴史を説明し、学んだ上で、色紙に初心者でも書きやすい文字等を書いてアート作品を制作するという体験です。自分で書いたアート作品を旅の思い出と共に持ち帰り、自宅に飾ることも出来る、また、プレゼントもできるという素晴らしい内容です。<br />
文字だけでなく、筆や硯などこれまで道具として使用することが目的であった物をアート作品として鑑賞するものに変えていくことも目的で、奈良や奈良筆の持つ歴史的な背景や職人の思いをその価値の「証明（裏付け）」にすることで、更に価値を上げている点も素晴らしいと思いました。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image3.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<p><b>［木簡づくり体験］</b><br />
木簡は木に墨で文字を書いたもので、当時の人々が連絡事項を書いたり、荷札として使われたものが代表的です。現代でも絵馬や表札などに木書文化は残っていますが、生活の中で木に文字を書く習慣は失われたと言っても良いのではないでしょうか。個人的にはとても好きな文化資源ですが、その木簡を作る体験と聞き、初めは半信半疑でしたが、内容は素晴らしいものでした。<br />
まず、材料の木の板を選びます。この木の板は、奈良県南部の間伐材を利用しており、風合いが全て異なり、選ぶだけでとても楽しいものです。当初は海外産の安価なものをサンプルにしたようですが、木簡の雰囲気をより感じてほしい、またこの活動が奈良の林業のPRに繋がればと、高価な県内産を選んだようです。<br />
次にこの板に文字を書く際には、雰囲気を出すため当時のかな文字や崩し文字のサンプル等を用意し、初心者でもそれを真似て書けるような工夫をしていました。そして、最終的には、紐が付き、キーホルダーのように持ち運べるようになります。<br />
この木簡づくり体験を通して、奈良や奈良筆の歴史を体感するだけではなく、当時の人々が記録のため、或いは手紙のように思いを伝えるために筆を使用したことを今では「失われた」文化である木簡を通して上手に見せている点が素晴らしいと感じました。</p>
<p style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/goto_image4.png" width="450" alt="研究員コラム画像"></p>
<h3>観光が伝統的工芸品の振興や技術の継承に寄与する可能性</h3>
<p>私は今回、これらの「筆屋の観光」への挑戦を伺い、観光が伝統的工芸品の新たな価値を見出す「場」になることが出来ることに改めて気づくことが出来ました。今後もAI時代に筆を作り続ける筆屋の挑戦に注目し、微力ながら私ができる応援・支援をしていきたいと思います。特に最近私はデジタル技術の進化は、実はアナログ技術の進化にもつながるのではないかと思い始めています。もし仮にその間に、「観光」があり、関与し、例えば伝統的工芸品の振興や技術の継承に寄与するのであれば、「観光のチカラ（価値）」がその媒体として役立つことが証明されます。観光のプラスの可能性を信じ、今後も「無形」の文化財の研究を進めて参りたいと思います。</p>
<h4>参考文献</h4><figcaption>1) あかしや ウェブサイト <cite>http://www.akashiya-fude.co.jp/</cite><br /></figcaption><figcaption>2) 経済産業省 伝統的工芸品産業の振興に関する法律</figcaption><figcaption>3) 一般社団法人 伝統的工芸品産業振興協会 ウェブサイト <cite>https://kyokai.kougeihin.jp/</cite></figcaption></p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-culture-nara-goto-shinichi/">AI時代に筆を作る意味とは？　～奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える～　[コラムvol.521]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>インバウンドの地方部訪問・消費促進における体験活動の活用可能性 [コラムvol.516]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-activity-kakishima/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-inbound-activity-kakishima</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 30 Oct 2024 05:56:44 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>2024年も折り返し地点を過ぎました。ここまでのインバウンド市場は、単月の訪日外客数が8ヶ月連続で過去最多を更新し、コロナ禍で低迷していた数年前の状況からは想像できないほど好調に推移しています。コロナ禍以降、インバウンド･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-activity-kakishima/">インバウンドの地方部訪問・消費促進における体験活動の活用可能性 [コラムvol.516]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>2024年も折り返し地点を過ぎました。ここまでのインバウンド市場は、単月の訪日外客数が8ヶ月連続で過去最多を更新し、コロナ禍で低迷していた数年前の状況からは想像できないほど好調に推移しています。コロナ禍以降、インバウンド市場は都市部やゴールデンルートで先行的に回復してきた一方、一部ではオーバーツーリズムも起きています。こうしたインバウンド需要の地域偏在を解消するためにも、改めて地方分散が重要になるのではないかと感じています。</p>
<h3>地方観光地への訪問・消費促進に活用が期待される「体験活動」</h3>
<p>10月11日に公表した当財団と（株）日本政策投資銀行で毎年実施している <a href="/research/asiaeuro-survey-2024/">「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2024年度版」</a>において、「日本の地方にある（首都圏・都市部から離れた）観光地（以下「地方観光地」）」への訪問意向は、イギリス（81%）を除く11市場で90%を超え、高水準である一方、実際のいわゆる地方部への訪問経験は低位です （図1）。この調査結果から、地方部への高い訪問意向を、どう実際の訪問につなげていくかが大きな課題であることが見えてきました。</p>
<p style="text-align: center">図1　日本の観光地への訪問経験（n=3,349）</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f1-2.png" alt="日本の観光地への訪問経験"><figcaption style="text-align: center"><cite>資料：DBJ・JTBF  アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2024年度版より筆者作成</cite><br />
        <a href="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f1-3.png" target="_blank" rel="noopener"><br />
        別ウィンドウで拡大表示</a><br />
    </figcaption></figure>
<p style="margin-top: 2em">
<p>地方部への訪問や消費促進にあたってはいろいろなアプローチがありますが、今回は体験活動に着目したいと思います。その理由として3点ほど挙げたいと思います。1点目は、体験活動を実施することによって宿泊、飲食、移動等を伴うことが多いため、1人当たり旅行支出の増加に影響することが挙げられます。実際に訪日時に体験活動を実施した人は実施していない人に比べ、1人当たり旅行支出が高いことが分かります（図2）。2点目として、今後、成長の余地や可能性があることが挙げられます。体験活動に関連する消費の大部分は、訪日外国人消費動向調査（現：「インバウンド消費動向調査」）（観光庁）では、「娯楽等・サービス費」に分類されますが、観光・レジャー目的の人の購入率（体験サービス等を購入した人の割合）、購入者単価（体験サービス等を購入した人を分母として算出される当該サービスを購入する際に支払った支出金額の平均値）ともに、過去10年間で上昇しており、購入率に至っては28ポイント上昇しています（図3）。3点目は地域資源の活用のしやすさです。買い物や飲食は集積している方が消費促進される傾向にあるため、都市部に分があると言えますが、地域資源の活用という観点からは、都市部と地方部に大きな差はないと考えられます。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center">図2:体験活動の有無別1人当たり旅行支出</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f2-2.png" alt="日本の観光地への訪問経験"><figcaption style="text-align: center"><cite>出典：「令和元年度版　観光白書」（観光庁）</cite></figcaption></figure>
<p style="margin-top: 4em">
<p style="text-align: center">図3:娯楽サービス費の購入者単価・購入率の経年推移（観光・レジャー目的）</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f3-2.png" alt="日本の観光地への訪問経験"><figcaption style="text-align: center"><cite>資料：「訪日外国人消費動向調査」（観光庁）より筆者作成</cite></figcaption></figure>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>訪日時の体験活動の実施率や消費の現状から考えられる活用の方向性</h3>
<p>続いて訪日時の体験活動の様子から、活用の方向性を考えてみたいと思います。訪日経験者を対象に訪日旅行で体験した活動の実施率（横軸）、購入率（縦軸）、購入者単価（バブルの大きさ）の関係（図4）から、実施率と購入率には弱い負の相関があり、全体的な傾向として、実施率が高い活動ほど、購入率が低くなる傾向があります。また、「自然や風景の見物」にように、実施率が高く、購入率が低い活動、「伝統工芸品の工房見学・体験」のように実施率が低く、購入率が高い活動もあり、活動ごとに特徴があることがうかがえます。この結果から、例えば、「伝統工芸品の工房見学・体験」は、幅広い層に訴求するコンテンツとして育てて、実施率（訪問率）向上を主目的としたコンテンツとして活用していくのか、ニッチ層に訴求する高品質（高単価）なコンテンツとして育て、消費促進コンテンツとして活用していくのか、活用のパターンは複数存在します。重要なことは、体験活動の特徴を捉え、体験活動ポートフォリオの中でどう活用していくのか、その方向性を決めていくことではないでしょうか。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center">図4：訪日旅行で体験した活動の実施率（上位20位）×購入率×購入者単価（n=3,349）</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f4-2.png" alt="訪日旅行で体験した活動のの関係"><br />
</figure>
<p>続いて、地方部の体験活動の実態から、地方部の体験活動の活用の方向性を考えてみたいと思います。当該体験活動を実施した人を100％とした場合の実施場所（地方部・都市部※）別の構成比を示したのが図5です。地方部での割合が高い（5割を越える）活動は、「雪景色鑑賞」、「アクティビティ（スノー／マリン／山／その他アウトドア）」、「自然や風景の見物」、「温泉への入浴」、「自然や資源を損なうことのないよう配慮されている観光地・観光ツアー」、「フルーツ狩り」と、今回聴取した31活動中6活動と2割程度に留まり、さらに自然資源を活用した体験活動が目立ちます。こうした状況から、シェアの拡大や幅広い資源活用という観点からも地方部での拡大余地があると考えられます。</p>
<p style="text-align: center">図5:訪日旅行で体験したこと×実施場所（地方部・都市部別）</p>
<figure>
    <img decoding="async" style="text-align: center" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f5-2.png" alt="実施場所"><figcaption style="text-align: center"><cite>資料：DBJ・JTBF  アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2024年度版より筆者作成</cite></figcaption></figure>
<p>図6は地方部・都市部※での購入率に有意差が確認された活動です。地方部での購入率が高い活動は、見物を主としていることが明らかになりました。これらの活動の実施割合は都市部の方が高いものの、購入率では地方部が高い結果となっています。都市部では建造物が集積しており、二次交通も発達しているため、これらの活動を実施することは容易です。事前に予定していなくても気軽に立ち寄ることができる環境とも言えます。一方で地方部では都市部ほど建造物は集積していない可能性が高く、アクセスも必ずしもよいとは言えません。それでも地方部で日本庭園や建造物を見物する人は、はっきりとした目的意識と期待を持って訪問している可能性が高いのではないでしょうか。それゆえ、価値を理解し、支出することを惜しまない傾向があるのではないかと推察します。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center">図6：訪日旅行で体験したこと×実施場所×購入率</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2024/10/kakishima_f6-2.png" alt="訪日旅行で体験したこと×実施場所×購入率"><figcaption style="text-align: center"><cite>資料：DBJ・JTBF  アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2024年度版より筆者作成</cite></figcaption></figure>
<h3>おわりに</h3>
<p>地方部の自然資源は都市部に比べて充実しており、自然資源を活用した体験活動も豊富です。また、調査結果が示すように（図5）、外国人旅行者の期待も大きいと言えるでしょう。そこで、例えば、実施率向上、地方部への訪問率向上を狙うコンテンツとしては、主に自然資源を活用した体験活動を位置づけるのもよいかもしれません。また、自然資源以外の地域資源を活用した活動については、明確な目的意識と高い期待を持った層が実施してくれる可能性があります。これに応えられるサービス、商品を提供し、消費単価向上を狙う手段とすることもできるかもしれません。</p>
<p>今回は「地方部」という大きな枠の中で体験活動を活用した訪問、消費促進の方向性を考えてみましたが、今後、体験活動を通じて、外国人旅行者の訪問・消費促進を狙う地域においても同様の検討ができると思います。まずは、自地域の地域資源を活用した体験活動の実施率、また、これによる消費の現状を網羅的に把握し、地域課題に合わせた活用を検討することが重要になるのではないでしょうか。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p>※「DBJ・JTBF  アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2024年度版」においては、「都市部」は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、「地方部」は都市部以外の道県とした。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-activity-kakishima/">インバウンドの地方部訪問・消費促進における体験活動の活用可能性 [コラムvol.516]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>コロナ禍前後で比較した訪日中国人観光客の旅行形態と消費動向の変化　[コラムvol.504]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound2023-china-kudo/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-inbound2023-china-kudo</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 22 Feb 2024 02:04:44 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=49980</guid>

					<description><![CDATA[<p>はじめに このコラムを執筆している2月中旬は、中華系の国々では春節（旧正月）の連休ということもあり、都内の街中や電車の中でも中華系外国人観光客の姿が目立ちます。メディア等でも、彼らの動向に着目した記事や報道を多く目にしま･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound2023-china-kudo/">コロナ禍前後で比較した訪日中国人観光客の旅行形態と消費動向の変化　[コラムvol.504]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>このコラムを執筆している2月中旬は、中華系の国々では春節（旧正月）の連休ということもあり、都内の街中や電車の中でも中華系外国人観光客の姿が目立ちます。メディア等でも、彼らの動向に着目した記事や報道を多く目にします。ただし、中国人観光客については、コロナ禍前は消費額ベースで見たインバウンド市場全体の3～4割を占めていたにもかかわらず、他の国々と比べて観光客の往来再開が遅れているという状況も続いています。国土交通省が公表している国際就航状況※1を見ると、2019年冬ダイヤでは192便／週であった中国との直行便は、2023年冬ダイヤでは99便／週と、約半数にとどまっています（図表1）。2024年の春節をきっかけに航空便数が復活していくことが期待されますが、完全にコロナ禍前の状況に戻るということではなく、客層や嗜好に変化が起きていることは必然であると考えられます。約4年間の間に、団体旅行から個人旅行へのさらなるシフトや、体験を重視する一方で「爆買い」は以前より控えめになっている、というような仮説もよく耳にします。</p>
<p>そこで、本コラムでは、観光庁による訪日外国人消費動向調査※2における「観光・レジャー目的」の訪日中国人旅行者の結果を用いて、コロナ禍前との変化を検証していきたいと思います。</p>
<p>なるべく直近のデータから中国人観光客の傾向を把握するため、観光庁による訪日外国人消費動向調査の公表結果のうち、2024年2月現在最新の公表データである、2023年10-12月期を分析対象とします。また、コロナ禍前の比較データとしては、季節変動による影響を考慮するため、2019年同期（10-12月期）を用います。</p>
<p>なお、消費単価を比較する際は、近年の円安の影響を考慮する必要があります。そのため、国際通貨基金（IMF）※3の月別為替レートデータから、2019年10-12月期を基準とし、為替変動による上昇分を差し引いた2023年10-12月期の消費単価を用いて比較します。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表1　中国から日本への直行便回復状況</span></h5>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter  504-image1" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image1.png" alt="図表1" width="475" height="598" /></p>
<div>
<p style="text-align: center"><small>出典：国土交通省「国際就航状況」※1より筆者作成</small></p>
<p style="text-align: left"><small>※1　国土交通省「国際線就航状況」<a href="https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr19_000005.html" target="_blank" rel="noopener">https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr19_000005.html</a><br />
※2　観光庁「訪日外国人消費動向調査」<a href="https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html" target="_blank" rel="noopener">https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html</a><br />
※3　国際通貨基金「Exchange Rate Change Archives by Month」<a href="https://www.imf.org/external/np/fin/data/param_rms_mth.aspx" target="_blank" rel="noopener">https://www.imf.org/external/np/fin/data/param_rms_mth.aspx</a></small></p>
</div>
<h3>訪日中国人観光客の旅行形態の変化</h3>
<p>まずは、訪日中国人観光客の基本的な属性や旅行形態の変化について見ていきます。図表2～6は、訪日中国人観光客の「居住地」「滞在日数」「日本への来訪回数」「同行者」「旅行手配方法」について、2019年10-12月期と2023年10-12月期の結果をそれぞれ比較したものです。</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表2　居住地【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image2 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image2.png" alt="図表2" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表3　滞在日数【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image3 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image3.png" alt="図表3" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表4　日本への来訪回数【観光・レジャー目的】</span></h5>
<div style="margin: 20px 20px"><img decoding="async" class="504-image4 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image4.png" alt="図表4" width="711" height="390" /></p>
<p style="align-items: center;text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
</div>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>居住地では、上海市の割合が約25％から約40％へと顕著に増加し、山東省や遼寧省の割合がやや減少しています（図表2）。都市部の割合が増えている理由については同調査の結果のみからは判断できませんが、日本への就航便が都市部から回復している等の理由が考えられます。</p>
<p>続いて、滞在日数をいくつかのカテゴリーに分けた分布を見ると、6日間以下の割合が減少し、7日間以上の割合が増加しています（図表3）。なお、平均泊数では、2019年10-12月期の5.6泊に対し、2023年10-12月期は6.8泊と、1.2泊増加しています。</p>
<p>日本への来訪回数は、2019年10-12月には約半数を占めていた「1回目（初めて）」の割合が約3割に減少し、その分リピーターの割合、特に6回目以上の割合が増加しています（図表4）。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表5　訪日旅行の同行者【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image5 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image5.png" alt="図表5" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表6　旅行手配方法【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image6 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image6.png" alt="図表6" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>訪日旅行の同行者では、「自分ひとり」の割合が約1割から約3割へ増加している一方で、2019年10-12月期では最も多かった「友人」の割合は約3割から約2割に減少しています（図表5）。</p>
<p>旅行手配方法は、2019年10-12月では約3割ほどであった団体ツアーへの参加割合が激減し、2023年10-12月期では95％以上が個別手配での旅行となっています（図表6）。旅行スタイルへの好みが変化したことも考えられますが、図表1で示したように、便数（座席数）が限られることで団体旅行の数が減っている可能性も考えられます。</p>
<h3>訪日中国人観光客の消費動向の変化</h3>
<p>続いて、訪日中国人観光客の、コロナ禍前と比較した消費動向の変化について見ていきたいと思います。</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表7　費目別購入率【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image7 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image7.png" alt="図表7" width="661" height="363" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表8　娯楽等サービス費の購入率【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image8 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image8.png" alt="図表8" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>図表7は、費目別購入率の変化を示したものです。宿泊費、飲食費、交通費については、2019年10-12月期から2023年10-12月期にかけて増加し、購入率が9割を超えるようになっています。これは、2019年では団体旅行へのパッケージツアー代金として支払っていた費目が、個別手配へのシフトにより、費目別の料金として計上されるようになったためではないかと推察されます。</p>
<p>また、娯楽等サービス費については、約4割から約5割へと増加しています。図表8でさらに細かい費目別に見てみると、「テーマパーク」「舞台・音楽鑑賞」「美術館・博物館・動植物園・水族館」で、購入率が大きく増加していることがわかります。</p>
<h5 style="text-align: center"><span style="font-size: 12pt">図表9　費目別購入者単価【観光・レジャー目的】</span></h5>
<p><img decoding="async" class="504-image9 aligncenter" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/02/504-image9.png" alt="図表9" width="730" /></p>
<p style="text-align: center"><small>出典：観光庁「訪日外国人消費動向調査」※2の結果より筆者作成</small></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>続いて、費目別の購入者単価を見てみると、宿泊費、飲食費は増加、交通費はやや増加しています（図表9）。これらの費目は滞在日数と連動する費目であることから、図表2で示したように、滞在日数全体が増加していることが影響していると考えられます。<br />
また、購入率では2019年から増加傾向が見られた娯楽等サービス費については、購入者単価には変化は見られませんでした。買い物代については、観光・レジャー目的の訪日外国人全体の購入者単価が約6万円であることを考えると、中国人観光客の単価は高い水準ではありますが、コロナ禍前と比較するとやや減少傾向にあると言えそうです。</p>
<h3>まとめ</h3>
<p>訪日中国人観光客の属性や行動は、図表2～6で示したどの項目を見ても、コロナ禍前と比較して明らかに変化していることがわかりました。また、これらの客層の変化は、消費動向の変化にも、当然影響しているものと考えられます。特に、娯楽等サービス費の購入率が上がっていることから、体験への関心が高まっている傾向は見られますが、まだ消費単価の増加には至っていないことがわかりました。また、買い物代は高い水準ではあるものの、やや減少傾向であることが確認できました。</p>
<p>本コラムでは、直近のデータから中国人観光客の傾向を検証するため、10-12月期のデータのみを用いて比較を行いましたが、春節が含まれる1-3月期や、夏休みである7-9月期にはまた違った傾向となったり、航空便数がコロナ禍前の水準に戻ることで団体旅行が復活する等、さらに変化する可能性もあるため、引き続き今後の各期の動向にも注視していきたいと思います。</p>
<p>2024年の春節をきっかけに中国との往来が回復し、訪日旅行市場全体がさらに活気づくことを期待したいです。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound2023-china-kudo/">コロナ禍前後で比較した訪日中国人観光客の旅行形態と消費動向の変化　[コラムvol.504]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>日本の果物を外国人観光客のお土産に　－食料品の免税に思うこと 　[コラムvol.233]</title>
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		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 05 Dec 2014 09:00:01 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光経済]]></category>
		<category><![CDATA[インバウンド]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　今年10月1日より外国人旅行者向け消費税免税制度が改正されました。当財団でも、制度改正が与える影響について考察するレポートを公開しています（→こちら） 　今回のコラムでは、特に新たに免税対象品目となった食料品の可能性と･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tax-free-nishikawa/">日本の果物を外国人観光客のお土産に　－食料品の免税に思うこと 　[コラムvol.233]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>　今年10月1日より外国人旅行者向け消費税免税制度が改正されました。当財団でも、制度改正が与える影響について考察するレポートを公開しています（→<a href="https://www.jtb.or.jp/research-2/theme/inbound/inbound-tax-free/">こちら</a>）</p>
<p>　今回のコラムでは、特に新たに免税対象品目となった食料品の可能性と課題について述べたいと思います。</p>
<h3>食料品が免税対象品目となった意義</h3>
<p>　今回の免税制度改正によって消耗品についても一定の条件を満たすことで免税の対象になりました。前述のレポートでも述べられている通り、今回の免税制度改正を通じて「地方の免税店増加が促進され、地方を訪問して各地が誇る名産品の数々を買う楽しみを外国人旅行者に知ってもらう」ことが期待されます。これまでは免税対象品が都市部のデパートや家電量販店などで販売されていた商品に限られていましたが、今回の改正によって食品類や飲料類が免税対象に加わりました。したがって、例えば地方の特産品である野菜や果物といったものについても、観光地の土産店などが免税店であれば、免税の対象になります。</p>
<p>　私はここ数年、訪日外国人の動向に関する調査に携わってきており、その関係で全国の空港で外国人観光客の買い物の様子を見てきました。とある地方空港で、イチゴや桃などのパックを箱単位で購入して持ち帰る外国人観光客の様子を幾度となく目にしてきました。地方には、都市部に出回っていない新鮮な果物などが数多くあり、日本人旅行者にとっても魅力の1つです。今回の免税制度改正が追い風となって、果物などが地方の魅力の1つとして海外からの観光客にも訴求されることが期待されます。</p>
<table class="cntTable noborder">
<tbody>
<tr>
<td style="text-align: center"><img decoding="async" class="alignnone" title="写真" alt="写真" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/SN041_L.jpg" /></td>
<td><img decoding="async" class="aligncenter" title="写真" alt="写真" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/SN018_L.jpg" /></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h3>購入しても自国に持って帰れない？</h3>
<p>　一方、海外に果物などを持ち出す場合、持ち込み先の国や地域の法律に従う必要があります。異国の果物などを持ちこむことを制限して、自国の生態系が崩れることを防いだり病気や有害な害虫の自国での蔓延を防いだりするためです。農林水産省植物防疫所の資料をもとに、訪日外国人の多い国・地域に持ちだすことのできる・できない主な果物などを整理すると、次の表の通りになります（品目は、植物防疫所が発表している早見表（携帯品編）のうち、果物とコメ（精米）、緑茶（製茶）を抜粋しました。）</p>
<div id="attachment_9758" style="width: 771px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-9758" class="size-full wp-image-9758" alt="表　諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件（※1）" src="/wp-content/uploads/2014/12/tax-free-quarantine2.jpg" width="761" height="678" /><p id="caption-attachment-9758" class="wp-caption-text">表　諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件</br>※1　平成26年9月3日現在の情報に基づく。また、貨物や郵便物として輸出する場合の条件とは異なる。詳しくはhttp://www.maff.go.jp/pps/j/search/exp_index.htmlを確認されたい。</p></div>
<p>　国籍別にみると、香港やシンガポール、マレーシアでは上記の品目については全て「植物検疫証明書なしで輸出可能」となっています。一方、台湾や米国（本土）ではほとんどの果物に対して「相手国が輸出を原則として禁止」しているため、日本で購入しても自国に持ちこむことができません。タイやインドネシアでは多くの品目で「植物検疫証明書を添付すれば輸出可能」となっています。植物検疫証明書は、植物防疫所あるいは「NACCS植物検疫関連業務（APS）」を通じて申請することが可能です。</p>
<p>　中国やベトナム、オーストラリアについては、各国の検疫条件が未設定のため、自国への持ち出しが可能か不可能か、分からない状況です （※2）。</p>
<p>　品目別に輸出許可可否の状況を見ると、コメ（精米）や緑茶（製茶）については多くの国籍・地域で「植物検疫証明書なしで輸出可能」となっています。果物については、桃で「相手国が輸出を原則として禁止」している国や地域が多く、キウイフルーツでは少ないという特徴があります。</p>
<h3>より楽しいショッピングを楽しんでいただくために</h3>
<p>　せっかく日本を旅行で訪れて、免税制度を活用して果物などのショッピングを楽しんだのに、購入したものを自国に持ち込むことができない、しかし消費税免税を受けているため、日本滞在中に消費するわけにもいかないとなると、観光客はきっと大きく失望したり、あるいは「持ち込めないのに、なぜ売ったのか」と怒りを覚えることすら考えられます。</p>
<p>　原則的には、購入者の責任となるのでしょうが、免税品の販売事業者には購入者の国籍等を確認する義務があるため、その際に各国で定められている果物などの持ち出し制限の情報を提供することも必要かもしれません。あるいは、出国時に空港の植物防疫所を立ち寄るよう案内するなどの工夫ができれば、外国人観光客も安心して果物などのショッピングを楽しめることでしょう。こういった細かい部分にも目配りの利いた日本らしい一歩進んだ「おもてなし」を提供したいものです。</p>
<p>　訪日外国人観光客数の増加は、国際的な交流の増加を意味します。それは国際理解の促進などをもたらす一方で、リスクも与えることになります。果物という土産品１つにしても、植物の病害虫は時として大きな被害を及ぼします。旅行者だけでなく、観光に携わるもの全てが、その危機意識を共有しつつ、国境を越えて病害虫が侵入・まん延するのを防ぐためにできる手立てをすることが真の意味での「持続的な国際交流」に繋がるのではないでしょうか。</p>
<p>　――――――――――――――</p>
<p>　※2　輸出相手国の輸入許可に関する照会・手続については、現地輸入者等の関係者を通じて輸入国の農業担当当局または植物検疫当局に確認するか、あるいは対象国の在日大使館に問い合わせること。</p>
<p>　〔補足〕植物検疫所へのヒアリングによると、果物などを国外へ持ち出す本人以外が代理（例えば販売業者など）で植物検疫証明書の申請をすることは可能です。しかし、持ち出す国籍が未定の場合には証明書の発効ができないこと、および証明書の期限が2週間程度であることから、販売事業者等で予め植物検疫証明書を取得した果物類を販売するのは困難であり、原則として外国人旅行者が出国時に空港の植物検疫所に立ち寄る必要があります。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tax-free-nishikawa/">日本の果物を外国人観光客のお土産に　－食料品の免税に思うこと 　[コラムvol.233]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>外国人旅行者から学ぶ日本の魅力　[コラムvol.194]</title>
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		<dc:creator><![CDATA[jtb]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 11 Jul 2013 15:54:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[インバウンド]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　先日台北出張の際に利用した成田空港は多くの外国人で混雑していました。まだ梅雨が明けていない時期にも関わらずこれだけの賑わいを見せていたのはやはり円安の影響でしょうか。円安の恩恵を受けてか旅行者の財布の紐も緩んでいるよう･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-traveler-shopping-aizawa/">外国人旅行者から学ぶ日本の魅力　[コラムvol.194]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p class="mB30">
　先日台北出張の際に利用した成田空港は多くの外国人で混雑していました。まだ梅雨が明けていない時期にも関わらずこれだけの賑わいを見せていたのはやはり円安の影響でしょうか。円安の恩恵を受けてか旅行者の財布の紐も緩んでいるようで、両手に大きな買い物袋を提げている姿が目立ちます。震災後しばらく目にすることのなかった炊飯器の箱も久しぶりに見かけることとなりました。
</p>
<h3>■空港の免税店では菓子売り場が大混雑</h3>
<p>
　空港の売店では菓子の箱をたくさん抱えたアジア系の旅行者が長蛇の列を作っているのが目立っていました。売り場は多くの外国人であふれかえっており、みな５箱、１０箱と手に取ってレジ待ちの列に向かって行きます。商品の補充が追い付かないほどの売れ行きで、品切れの商品も目につきました。<br />
　レジ待ちの人々に目を向けると、菓子を抱えているのはみなアジア系。特に目立ったのはタイ人旅行者で、大量の菓子箱を持っています。一方、欧米人の姿は日本酒のコーナーではちらほら目にするものの、菓子類を手にする姿はあまり見かけません。<br />
　こうした傾向はデータからも確認することができます。観光庁が実施している訪日外国人消費動向調査の商品購入率ランキングを見ると、アジア諸国の１位はすべて「菓子類」（平成24暦年）。一方で、アジア以外の国の１位はすべて「その他食料品・飲料・酒・たばこ」、つまり旅行中の飲食費で、菓子類は２位以下となっています。アジア圏の旅行者の菓子を好む傾向がデータからも読み取れます。
</p>
<h3>■アジアに共通する土産の習慣</h3>
<p>
　どうやら購買傾向の違いは各国の土産文化や習慣の違いに由来するようです。周りにいる外国人にどんな土産を誰に配るのかインタビューしたところ、アジアの人は親族だけか友人や同僚まで含めるかの違いはあるものの、旅行土産を配る習慣があるとのこと。土産の種類の中でも菓子類は一般的だそうです。<br />
　一方、欧米系の人に話を聞くと、旅行中に買う土産は自分のためのものが多く、親族や会社に土産を持って配ることはないという答えが返ってきました。私も以前いた米国の職場はみな出張の機会が多くありましたが、旅行土産をもらうということはなかったと記憶しています。<br />
　日本はというと言うまでもなく、周囲の人へ旅行土産を配る習慣は年齢や場所を問わず定着しています。神崎宣武著『おみやげ　贈答と旅の日本文化』によると、旅みやげが発達した背景にはイエやムラへの帰属意識の強さが関係していたそうです。欧米ではこうした帰属意識がどうなっているのかまでは調べきれませんでしたが、中国や韓国では親族との関係が密だということはよく耳にします。アジアならではの帰属意識の強さが土産を配る習慣に影響しているのかもしれません。
</p>
<h3>■日本特有の土産文化</h3>
<p>
　それにしても目を引くのは売り場に並ぶ菓子製品のラインナップ。ここはどこかと思うほど全国各地を代表する菓子が並んでいます。都道府県単位、さらには市町村単位で名物があると言っても過言ではありません。ここまで地方銘菓が発達した国は日本だけではないでしょうか。<br />
　なぜここまで各地の菓子が発達したのか、それは「土産」という言葉の起源をたどると見えてくるようです。『おみやげ　贈答と旅の日本文化』には、「ミヤゲの語源については、いくとおりかの説がある。そのひとつが「宮笥（みやけ）」説。（中略）神社から授かるしるし、と解釈することもできよう」とあり、また「必要なのは、行った先を確実に表すしるしである。つまり、見送ってくれた人たちの誰もが認める地名や寺社名が大事なのである。（中略）饅頭そのものに地名や寺社、温泉などを表す焼印が押してある例も少なくない。それは、世界でも稀なる表示例、といわなくてはならないのである。」と書かれています。旅行に行ったことを報告するために各地ならではの土産が求められるようになり、時を同じくして砂糖の普及によって饅頭等の菓子が庶民にまで浸透した結果、旅土産として菓子を配る文化が生まれたようです。<br />
　欧米で売られている日本のガイドブックの買い物に関する項で紹介されているのは伝統工芸品や着物、電化製品等で、菓子は登場しません。ガイドブック自体も買い物に関しての記述は少なく、日本の文化や見どころに多くのページが割かれていて、欧米の旅行者の関心は日本の文化に集まっていることがわかります。ですから、日本の菓子土産はショッピングの対象としてよりも、日本独特の文化として紹介する方が欧米の旅行者の関心を惹くのかもしれません。
</p>
<h3>■外国人旅行者が気づかせてくれる</h3>
<p>
　菓子土産に外国人が殺到している様子に興味を持ち、外国人に話を聞いたり習慣や由来を調べたりすることで初めて日本の土産文化が独特ということに気付く機会を得た今回でしたが、こうした機会がなければおそらく当たり前のこととして見過ごしていたでしょう。<br />
　こうした私たちが気づいていない魅力は、自分の身の回りにまだまだたくさん眠っているに違いありません。そしてそんな当たり前のものが外国人旅行者にとっては大きな魅力なのです。これからも外国人旅行者を街や空港で見かけたら、どんなものに興味を示すのか、何を買うのか観察を続けてみようと思っています。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-traveler-shopping-aizawa/">外国人旅行者から学ぶ日本の魅力　[コラムvol.194]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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