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	<title>菅野 正洋 | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
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		<title>百年前の古書にみる観光地経営の処方箋 [コラムvol.533]</title>
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		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 27 Oct 2025 02:00:02 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>戦前の観光学の古典に、現代のDMOの姿を見た 100年近く前のヨーロッパで書かれた観光学の学術書に、現代日本の観光地が直面する政策や課題が記されていたとしたら、驚かれるでしょうか。 筆者は、従来からの観光の調査研究を行う･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>戦前の観光学の古典に、現代のDMOの姿を見た</h3>
<p>100年近く前のヨーロッパで書かれた観光学の学術書に、現代日本の観光地が直面する政策や課題が記されていたとしたら、驚かれるでしょうか。</p>
<p>筆者は、従来からの観光の調査研究を行う研究員という立場に加え、2025年4月より旅の図書館の副館長を兼務しています。<br />
旅の図書館は当財団が公益事業として設置・運営する専門図書館です。蔵書として、観光関連の学術誌や観光統計資料の他、ガイドブック、時刻表、機内誌、観光研究の専門図書、財団の刊行物・出版物など、観光研究に資する図書約7万冊をとりそろえています。<br />
図書館の蔵書の中には「古書・稀覯書」として位置付けられるものも約3,300冊あり（当館では概ね戦前のものを古書と定義）、そこには観光学の古典と位置付けられるような学術書も含まれます。<br />
ここ数年、観光地を対象とする「マネジメント」や「ガバナンス」の研究動向を追ってきた立場から、改めて何冊かの古典を紐解いてみると、現代の研究や実務における課題の「源流」がそこにあることに気づきました。</p>
<p>例えば、観光経済学の先駆者として知られるイタリアのアンジェロ・マリオッティ（アンヂエロ･マリオッティ）が1927年頃に著した『観光経済学講義』では、観光統計やホテル事業などと並び、「受動的ツーリスト事業機関」という組織が解説されています。これは旅行会社のような「能動的ツーリスト事業機関」と区別して定義され、日本語訳で「保勝會」という言葉が当てられています。いわば景勝地の同業者組合、観光協会のような組織ですが、着目すべきはその財源です。この組織は、5日以上滞在する観光客に課税される「滞在税」によって活動し、その税収は市町村の一般会計とは区別して観光開発に充てられるべき、と述べられています。まさに、現代日本で導入が進む宿泊税と、それを財源とするDMOの姿に通底するものがあります。</p>
<p>また、マリオッティと並ぶ同時代の代表的な研究者である、ドイツのロバート・グリュックスマン（ローベルト・グリュックスマン）が1935年に著した『観光事業概論』では、観光が地域に与える社会的影響が論じられています。特に「観光客と観光地住民に対する影響」や「観光事業による利潤にあずからない一部住民の態度」といった記述からは、オーバーツーリズムが問題となる現代において、地域住民と観光の調和をいかに図るかという普遍的な問いが、当時においても真正面から向き合うべきイシューであった様子が伺えます。</p>
<h3>温故知新―古典はいわば観光学の「一般教養」</h3>
<p>当財団の機関誌『観光文化』では、2018年に「古書から学ぶ」と題する特集を組みました。これは、古書にはその時代に大きな影響を与え、現代にも通じる示唆を投げかけるものが多く、現在の観光研究や実務が学ぶべきことが多い、との認識から企画されたものです。</p>
<p>観光研究は経済学、経営学、社会学、地理学、工学など、多様な分野にまたがる学際的な学問です。ある分野の研究や実務に取り組む際、最新の論文を参照することはもちろん不可欠です。しかし同時に、その分野の「古典」に触れ、議論の源流を知ることは、物事の全体像を捉えるためのいわば「基礎科目」あるいは「一般教養」として、極めて重要になってくるのではないでしょうか。</p>
<h3>古典が教えてくれた、これからの観光研究の視点</h3>
<p>上記のような古典に触れる中で、もう二つ、改めて考えさせられたことがあります。</p>
<p>一つは、海外の先端的な知見をいち早く国内に紹介し、実践に繋げることの重要性です。前述した2冊の日本語訳版は、いずれも現地での発刊から数年という比較的早い段階で、当時の鉄道省の外局である国際観光局によって発刊されています。また、これら以外にも、『ツーリスト移動論』（オギルヴィエ、1934年）や『観光事業論』（A.J.ノーヴァル、1941年）など、国際観光局が発刊した日本語訳の学術書は複数あります。ここからは、海外の観光理論の最先端を学ぶことで、日本の観光をより高いレベルへ引き上げようという、国家としての強い意志が感じられます。私たちもこの精神を受け継ぎ、国内外の取り組みに学び、その知見を日本の観光地域づくりに還元していく必要があると感じます。</p>
<p>そしてもう一つは、こうした「知的財産」を共有財産（コモンズ）としてシェアし、未来へ継承していくことの重要性です。旅の図書館では、前述した約3,300冊の古書のデジタル化を進めています。デジタルデータは、現在は館内での閲覧に限られていますが、これらの学術的価値を、時間や場所の制約を超えて研究者や実務家が活用できるようにすること。そしてそこからさらに新しいネットワークと知見が生まれること。それこそが、古典から未来への処方箋を見出すための、私たちの重要な使命だと考えます。100年前の知性が現代に光を当てるように、現代の私たちの活動が、未来の観光を照らす礎となることを信じて、引き続き活動を進めていきたいと、改めて感じているところです。</p>
<h4>【参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) アンヂエロ･マリオッティ（1934）, 観光経済学講義, 国際観光局</li>
<li>2) A.J.ノーヴァル（1941年）, 観光事業論, 国際観光局</li>
<li>3) オギルヴィエ（1934年）, ツーリスト移動論, 国際観光局</li>
<li>4) ローベルト・グリュックスマン（1940）, 観光事業概論, 国際観光局</li>
<li>※いずれの資料も、日本語訳版が旅の図書館に所蔵されています。</li>
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			</item>
		<item>
		<title>観光研究における「あいだ」と「あわい」[コラムvol.517]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/between-overlap-tourism-research-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=between-overlap-tourism-research-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 09 Dec 2024 02:11:43 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>1．はじめに 当財団では今年度、各研究員がいわゆる「トップジャーナル」（被引用数が多く、社会的な影響力の大きい論文が掲載されているとの評価が高い国際学術雑誌）に掲載された論文から関心があるものを選び、レビューしたうえで、･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/between-overlap-tourism-research-kanno/">観光研究における「あいだ」と「あわい」[コラムvol.517]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>1．はじめに</h3>
<p>当財団では今年度、各研究員がいわゆる「トップジャーナル」（被引用数が多く、社会的な影響力の大きい論文が掲載されているとの評価が高い国際学術雑誌）に掲載された論文から関心があるものを選び、レビューしたうえで、研究員間でその内容を共有・議論するという取り組みを行っています。<br />
これは、観光研究の最先端で議論されている分野やテーマを把握することで、私たちの今後の研究活動にもその視点を活かしていきたいという意図で実施しているものです。<br />
筆者自身がレビューした論文のうち１編が、香港における「移民家事労働者：Migrant Domestic Workers」（以下、MDW）を対象とするものでした（Huang et al., 2024）。<br />
MDWとは、メイド、コック、乳母、看護師などの職務を必要とする家庭内で働くために、母国外で雇用される個人のことで、香港には約34万人存在するそうです。<br />
彼らは雇用主の家に住み込みで働いているのですが、週に1日休みを取ることが法律で義務付けられている中で、休日には家を出て終日公共スペース（公園や歩道橋など）で過ごすという行動特性があります。このため、この研究は、MDW、住民、観光客のそれぞれに対するインタビューを通じて、相互作用や衝突の発生原因を特定するとともに、各主体が公共空間で併存することが異文化理解を促進するかどうかを探る、ということを目的としていました。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>2．観光研究の対象としての「あいだ」と「あわい」</h3>
<p>私がこの論文に関心を持った理由はいくつかあります。一つはトップジャーナルではどちらかというと少数派と思われる定性的なアプローチ（インタビューで得られた言説にコードを付与して意味付けしていく研究手法）を取っていたこともありますが、一番大きな理由は、この研究がMDWという「観光客」（ゲスト）と「居住者」（ホスト）という既存の二元論的な分類とは異なる存在に着目していたことです。<br />
MDWは香港に特有の移民制度に基づく存在とも言えますが、見回してみると、観光分野でもこのような「既存の二元論的な分類とは異なる新しい存在」とも呼べる概念やセグメントが次々と現れています。<br />
例えば、「ビジネス旅行」とも「レクリエーション旅行」とも異なる「ワーケーション」「ブリ―ジャー」、あるいは「賃貸」とも「宿泊」とも異なる「民泊」「バケーションレンタル」などはその一例と言えるでしょう。<br />
日本語には「あいだ」と「あわい」という言葉があります。どちらも「間」という漢字で表されるのですが、両者の意味あいは少し違います。ＡとＢという異なる２種類のなにかがあったとして、「あいだ」はＡとＢの間に存在するＡともＢとも異なるもの、「あわい」とはＡとＢの両方にまたがる中間的なもの、という意味合いがあります。<br />
この言葉の意味に照らすと、冒頭で紹介したMDWは観光客とも居住者とも異なる「あいだ」にあたるのかと思います。一方、ワーケーションはビジネス旅行とレクリエーション旅行の中間領域ともいえる「あわい」、また、「民泊」も賃貸と宿泊の両方の性質を併せ持つという意味では同様でしょうか。<br />
「あいだ」はＡとＢの間にすでに多様性を持って存在していながらこれまで注目されていなかったもの、「あわい」はこれまで存在しなかったが、技術革新やイノベーションによってＡとＢの重なる部分で新しく存在するようになったもの、とも言えるかもしれません。<br />
いずれにしても、（これは観光に限った話ではありませんが）、このような「あいだ」と「あわい」のようなものは、今後もこの社会に次々と出現してくると思われます。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>3.観光研究の役割</h3>
<p>そして、我々が取り組む研究というものも、このようなまだ社会的には注目されていない「あいだ」や、まだ概念として存在しないが現れてくるであろう「あわい」のような分野に光を当て、その特性を記述していく行為と言えます。そしてそのことは、私たちの住むこの社会の細部をより高い解像度で見つめることにつながります。<br />
そのためには、特定の分野だけでなく、社会の様々な事象に感度高くアンテナを張る意識と、総合的な視野を持って取り組む姿勢が必要であると思われます。<br />
当財団では、「我が国の観光分野における代表的な研究者集団」を目指して活動していますが、観光研究の一端を担う存在として、上記のような意識と姿勢を持って取り組んでいければと、今回の論文レビューを通じて改めて認識した次第です。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p>（参考文献）<br />
Huang, W. J., Li, M., He, J., &amp; Chan, W. K. (2024). Conflicts and interactions in urban tourism: Use of urban public space by residents, tourists, and migrant domestic workers in Hong Kong. Tourism Management, 105, 104960.</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/between-overlap-tourism-research-kanno/">観光研究における「あいだ」と「あわい」[コラムvol.517]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>スイスにおけるDMOの構造改革の取り組み　[コラムvol.503]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-switzerland-dmo-structure-reform-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-switzerland-dmo-structure-reform-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 29 Jan 2024 07:38:35 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>1.はじめに 我が国の観光地域づくりの舵取り役として期待される観光地域づくり法人（DMO）は、その活動対象とする区域の大きさに応じて「広域連携DMO」、「地域連携DMO」、「地域DMO」の3つに区分されている点が特徴です･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-switzerland-dmo-structure-reform-kanno/">スイスにおけるDMOの構造改革の取り組み　[コラムvol.503]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>1.はじめに</h3>
<p>我が国の観光地域づくりの舵取り役として期待される観光地域づくり法人（DMO）は、その活動対象とする区域の大きさに応じて「広域連携DMO」、「地域連携DMO」、「地域DMO」の3つに区分されている点が特徴です。</p>
<p>こうした重層的な仕組みのため、一部地域では、各区分のDMOが対象とする区域が重複しており、実施事業の重複などの非効率性も指摘されているところです。</p>
<p>上記の区分や活動範囲は行政区域によって決まるものですが、一方でマーケティング的視点からみれば、その活動範囲は旅行者の行動に即して設定されるべきとも言えます。</p>
<p>本稿では、スイスのグラウビュンデン州で2006年から2013年にかけて実施された「競争構造と任務分担（Wettbewerbsfähige Strukturen und Aufgabenteilung im Bündner Tourismus）」プロジェクトで実施された、上記の問題に関連する取組を紹介し、その特徴を考察します。</p>
<h3>2.「競争構造と任務分担」プロジェクトにおける「観光推進組織の再編」の取組概要</h3>
<p>グラウビュンデン州はサンモリッツやダヴォスといった山岳リゾートを有する州です。同州では、プロジェクトに先立つ10年間で宿泊者数が大幅に減少し、地域の雇用が失われ、国内総生産が著しく減少するという状況がありました。</p>
<p>スイスでは連邦制を取っており、国内に26ある州（カントン）と地方自治体が、それぞれ独立した行政権限を有しています。州政府としては、州の観光の停滞原因の一つが、連邦制に起因する「行政区域単位で行う観光地マーケティング」であると考えていました。つまり、数多くあるDMO的組織がそれぞれ観光地マーケティングを行うことで十分な予算が配分できず、結果として観光の目的地としてのプレゼンス低下につながっているという課題認識を持っていたわけです。</p>
<p>上記の課題を受けて、この「競争構造と任務分担」プロジェクトでは、州内の観光推進を担う組織に対して階層性を持たせつつ再編を行い、その階層ごとの役割を明確化する構造改革を実施しました。</p>
<p>プロジェクト終了時には、それまで地方自治体ごとに92あった組織が、<br />
     ①州全体を対象とする1つのDMO→観光地マーケティング<br />
     ②広域エリアを対象とする4つのDMO→観光地マーケティング<br />
     ③地域を対象とする11つの地域観光組織（ReTOと呼称される）→観光地マネジメント<br />
     ④地方を対象とする3つの地方観光組織（TOと呼称される）→観光地マネジメント<br />
    といったように、その役割と併せて再編（一部統合）されました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p style="text-align: center"><b>図　再編後の観光推進組織とその管轄区域</b></p>
<p><a href="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/503_image3.png" target="_blank" rel="noopener"><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-large wp-image-47803" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/503_image3.png" alt="" width="1043" height="804" /></a></p>
<p style="text-align: right"><small>出所）グラウビュンデン州経済観光局（2013）、「グラウビュンデン観光産業における競争構造と任務分担　観光改革2006-2013報告書」</small></p>
</p>
<p>これは、必ずしも「地域」や「地方」単位でのマーケティング活動が不要ということではなく、実際には③④の組織が、自組織が行うべきマーケティング活動を②のDMOに委託する仕組みとなっています。</p>
<p>そのため、②には、その任務を遂行できる人員体制と予算、③④には、②に業務委託をするための予算が確保できることがそれぞれ要件となっています。</p>
<p>我が国のDMO登録制度でも、観光庁によって<a href="https://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000049.html" target="_blank" rel="noopener">3つのDMOの類型それぞれに求める役割</a>が示されています。そのため、両制度は一見すると類似しているように見えますが、その内容は若干異なります。</p>
<p>我が国ではいずれの区分のDMOも「マーケティング」と「マネジメント」の両方を実施することになっているのに対して、グラウビュンデン州では、「地域」「地方」レベルの観光組織ではマーケティング活動は行わず、①②の「州」「広域エリア」レベルのDMOにその役割を集中させているという点で、より明確に活動の重複解消が意図されていることが特徴です。</p>
<h3>3.「競争構造と任務分担」プロジェクトにおける「観光振興財源の再編」の取組概要</h3>
<p>「競争構造と任務分担」プロジェクトでは、観光振興財源についても、「改革」の対象としています。</p>
<p>もともと、同州では観光振興財源として地方自治体が徴収する「宿泊税」と「観光振興税」の2種類がありました。</p>
<p>前者の「宿泊税」は宿泊客から徴収するもので、その使途は宿泊客の利便性向上につながる受け入れ環境整備など、また後者の「観光振興税」は事業者から観光からの受益の状況に応じて徴収するもので、その使途は事業者の利益につながるマーケティングやプロモーション、といったように、受益者負担の原則が明快になるよう、法的に使途が限定されていることが特徴です（参照：<a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-accommodation-tax-ezaki/" target="_blank" rel="noopener"> 江﨑副主任研究員コラム</a> ※紹介されているレンツ市はグラウビュンデン州の自治体）。</p>
<p>プロジェクト以前の状況として、本来投入できないはずのマーケティング活動に宿泊税が投入される、あるいは税収の申告漏れやその回収のためのコストがかかる、といった課題があったようです。</p>
<p>そのため、このプロジェクトでは、これらの2つの税を統合し、州政府が直接徴収する制度に改正しようと構想していました。</p>
<p>ただ、この改革案は議会では承認されたものの、最終的に住民投票で否決されたことで実現せず、現在も地方自治体が2つの税を直接徴収する形が継続しています。</p>
<p>※ちなみに、住民投票で反対票を投じたのは、すでに一定規模の観光振興財源の税収を持つ自治体や、一部の観光産業事業者（ホテル）だったようです。</p>
<h3>4.おわりに</h3>
<p>我が国のDMO政策においては、2016年の「明日の日本を支える観光ビジョン」で世界水準のDMOを100創出するという方針が示されて以降、変動はありつつも趨勢としては数の拡大が続いている状況があります。この間、2020年にはDMOの登録要件が見直され、また直近ではDMOの組織としての機能強化を検討する有識者会議が設立され、議論が進められているところです。</p>
<p>今後のDMOのあり方を検討する際には、紹介したような階層ごとの役割分担の明確化とその活動のための財源確保までを考慮に入れた、全体を見据えた最適化の観点も必要になってくるのではないでしょうか。</p>
<h4>参考資料</h4>
<ul>
<li>グラウビュンデン州経済観光局（2006）、「グラウビュンデン観光産業における競争構造と任務分担　実現コンセプト」</li>
<li>グラウビュンデン州経済観光局（2013）、「グラウビュンデン観光産業における競争構造と任務分担　観光改革2006-2013報告書」</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-switzerland-dmo-structure-reform-kanno/">スイスにおけるDMOの構造改革の取り組み　[コラムvol.503]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>観光の「エコ認証」の実効性を高めるには　[コラムvol.492]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-eco-label-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-eco-label-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 09 May 2023 01:59:03 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>1.旅行者の「サステナブル」さに対する意識変化 本稿は2023年5月8日に執筆していますが、ちょうど本日は新型コロナウイルス感染症（COVID19）の感染症法上の位置づけが、それまでの2類から季節性インフルエンザ等と同等･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-eco-label-kanno/">観光の「エコ認証」の実効性を高めるには　[コラムvol.492]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>1.旅行者の「サステナブル」さに対する意識変化</h3>
<p>本稿は2023年5月8日に執筆していますが、ちょうど本日は新型コロナウイルス感染症（COVID19）の感染症法上の位置づけが、それまでの2類から季節性インフルエンザ等と同等の5類に移行する日となりました。</p>
<p>我が国では2022年10月から外国人観光客の個人旅行が解禁され、併せてビザ免除の措置も再開されており、観光目的での入国についてはコロナ禍以前と同様の体制となっています。また、全国旅行支援の効果も相まって国内需要も旺盛な傾向が見られます。実際、この4月末から5月上旬の大型連休中の各地の観光地の状況を見ても、活況を呈していたようです。</p>
<p>このように「再起動」した観光ですが、コロナ禍前とは若干異なる変化が生じている点もあります。その一つが旅行者の「サステナブル」な取り組みに対する意識の高まりです。</p>
<p>当財団が日本政策投資銀行と共同で実施している調査でも、欧米豪の高収入層、Z世代と呼ばれる若年層を中心に、海外旅行の際の訪問先や滞在施設を検討する際にサステナブルな取り組みを重視する傾向が強いことが示されています。</p>
<p>国内外の観光地では「サステナブルツーリズム」として各種の対応を進めており、当財団でも機関誌『観光文化』254号の特集や2022年10月に開催した旅行動向シンポジウムにおいて、その概念の整理と再構築、あるいは取り組み事例の収集・紹介を行ってきているところです。</p>
<h3>2.観光地や観光産業のサステナブルさを可視化する「エコ認証」</h3>
<p>観光地や観光産業が取り組む「サステナブル」な取り組みは、旅行者の意識変化や、社会的な要請に応じるために必要なものである一方で、実際の内容やその水準を客観的に判別するのは一般的には難しいのが現状です。</p>
<p>このため、取り組みの内容や水準を一定の基準に照らして評価し認証する、いわゆる「エコ認証」（エコラベル）と呼ばれる制度が注目されています。</p>
<p>観光地や観光産業の取り組みのサステナブルさを認証する制度自体はそれほど新しいものではなく、2000年代初頭から各種制度が構築されてきており、その「認証の対象（サービス／事業者／地域（観光地））」や「認証制度の運営主体（国／NGO／業界団体）」も様々です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p style="text-align: center"><b>主たる国際的な「エコ認証」制度</b></p>
<p><a href="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2-953x600.png" rel="noopener" target="_blank"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2-953x600.png" alt="" width="953" height="600" class="aligncenter size-large wp-image-47803" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2-953x600.png 953w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2-635x400.png 635w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2-768x484.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/05/image492_2.png 1032w" sizes="(max-width: 953px) 100vw, 953px" /></a></p>
<ul><small></p>
<p style="text-align:right">出所）各制度のウェブサイトや各種資料より筆者作成</p>
</ul>
<p></small></p>
<h3>3.評価が分かれる「エコ認証」の選択要因としての効果</h3>
<p>この「エコ認証」の観光における主な機能は、「市場におけるメカニズム、つまり消費者の選択のための要素」（Buckley, 2002）とされています。</p>
<p>このことから、観光研究の分野では「エコ認証が旅行者の観光サービスや訪問地の選択要因となりうるのか」という観点から数多くの研究が行われていますが、評価が分かれているようです。</p>
<p>一例として、いわゆる「サービスマーケティング」の分野では、例えばBaumeisterら（2022）は、エコラベルを航空乗客に提示することは予約行動の変化につながり、環境配慮意識の高い乗客でよりその傾向が強いことを示しています。</p>
<p>また、エコツーリズムの目的地では、環境に関する知識、あるいは環境に配慮した製品やサービスの購入に関心を持つ観光客を引き付けることが示されています（Mihalic, 2000 ; Tseng et al., 2019）。同様に、PerkinsとBrown（2012）も、エコツーリストが環境に配慮した製品やサービスの購入を検討する可能性が高いことを示しています。</p>
<p>一方で、KarlssonとDolnicar（2016）の研究のように、エコラベルは一般的な観光客の需要に大きな影響を与えないが、ニッチな市場が存在し、代替の観光業者の中から選択する際にエコラベルの影響を受ける、といったように条件付きで正の影響を認めているものも見られます。</p>
<p>また、観光地を対象とする「観光地マーケティング（デスティネーションマーケティング）」の分野でも、例えばビーチやマリーナなどを認証の対象とする「ブルーフラッグ（Blue Flag）」制度の効果について検証する研究が複数見られます。この一連の研究でも、例えばCapacciら（2015）が、ブルーフラッグが将来的な国際観光の流れに正の影響を与えることを主張している一方で、McKennaら（2011）は観光客の選択にわずかな影響しか及ぼさないと結論づけているなど、やはり評価は分かれているようです。</p>
<h3>4.「エコ認証」制度のさらなる実効性向上のために</h3>
<p>我が国でも各地で「エコ認証」の取得や構築を目指す動きが見られ、実際に認証を取得した例も見られるようになっています。</p>
<p>その際、「第三者等による評価」や、「認証プロセスの透明化」などによって、認証制度そのものの客観性・信頼性を確保することが重要であることは言うまでもありませんが、上記の既往研究の結果を踏まえれば、例えば</p>
</p>
<p>　・業界団体や広域的な立場の行政（国や都道府県等）と連携した、認証制度の社会的な認知度向上<br />
　・現実的かつ実用的な評価項目の設定（認証取得に取り組むことで、無理なく自然に事業者や地域の取り組みのレベルが向上する仕組みとすることで、事業者や地域の認証制度の活用意欲を促す）<br />
　・認証観光地や認証事業者（施設）の利用喚起方策の実施（クーポン等によるインセンティブ付与　等）</p>
<p>等の取り組みが現在以上に必要になってくるものと思われます。</p>
<p>いずれにしても、認証取得や制度の維持はあくまで手段でしかなく、真の目的はよりよい観光地や観光産業としてのあり方を目指すこと、さらには、それを選択時の参考情報となるよう、わかりやすく旅行者に示すことなのではないでしょうか。</p>
<h4>参考資料</h4>
<ul>
<li>Baumeister, S., Zeng, C., &amp; Hoffendahl, A. (2022). The effect of an eco-label on the booking decisions of air passengers. Transport Policy, 124, 175-182.</li>
<li>Buckley, R. (2002). Tourism ecolabels. Annals of tourism research, 29(1), 183-208.</li>
<li>Capacci, S., Scorcu, A. E., &amp; Vici, L. (2015). Seaside tourism and eco-labels: The economic impact of Blue Flags. Tourism Management, 47, 88-96.</li>
</li>
<li>Mihalič, T. (2000). Environmental management of a tourist destination: A factor of tourism competitiveness. Tourism management, 21(1), 65-78.</li>
<li>McKenna, J., Williams, A. T., &amp; Cooper, J. A. G. (2011). Blue Flag or Red Herring: Do beach awards encourage the public to visit beaches?. Tourism Management, 32(3), 576-588.</li>
<li>Perkins, H. E., &amp; Brown, P. R. (2012). Environmental values and the so-called true ecotourist. Journal of Travel Research, 51(6), 793-803.</li>
<li>Tseng, M. L., Lin, C., Lin, C. W. R., Wu, K. J., &amp; Sriphon, T. (2019). Ecotourism development in Thailand: Community participation leads to the value of attractions using linguistic preferences. Journal of cleaner production, 231, 1319-1329.</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-eco-label-kanno/">観光の「エコ認証」の実効性を高めるには　[コラムvol.492]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>国際的な往来の開放に影響する要因とは？　[コラムvol.473]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-oxcgrt-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-oxcgrt-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 19 Jul 2022 01:00:05 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>1.はじめに 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が世界的にまん延したことで、観光が前提としている人の移動・接触、交流は大きな制限を受け、我が国のインバウンドを含む観光全般の活動も停滞を余儀なくされました。 その･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>1.はじめに</h3>
<p>新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が世界的にまん延したことで、観光が前提としている人の移動・接触、交流は大きな制限を受け、我が国のインバウンドを含む観光全般の活動も停滞を余儀なくされました。</p>
<p>その後、現在までに、世界的にワクチン接種が進展し、それに応じて段階的に各種制限を緩和し、直近ではより踏み込んで観光活動を再開させようとする動きが見られています。</p>
<p>今回は、英国のオックスフォード大学が行っているプロジェクト「Oxford Covid-19 Government Response Tracker（略称：OxCGRT）」の公開データを元に、諸外国のCOVID-19に関する政策のうち、特に入国時の制限等に関するものに着目し、世界と我が国を比較しながらその全体的な動向を見ていきます。</p>
<p>このプロジェクトでは、2020年1月1日以降、世界の187か国をカバーし、各国の政府がCOVID-19に関して講じている政策の体系的な情報、具体的には「封じ込めと閉鎖に関する政策」「経済政策」「医療システム政策」「ワクチン政策」の4分野における計24の指標を日単位で収集、記録しています。また、合わせて、収集された指標をもとに、「全体的な政府の反応指数」「封じ込めと健康指数」「厳格度指数」「経済支援指数」「開放性指数のリスク」といた各種の指数も算出されています。</p>
<h3>2.地域別に見た「国際的な渡航に関する管理」指標の割合の推移</h3>
<p>ここでは、収集されている指標のうち、「封じ込めと閉鎖に関する政策」に含まれる「国際的な渡航に関する管理（C8_International travel controls）」指標に着目します。</p>
<p>この指標は、下記のような順序尺度でコード化されています。</p>
<fieldset style="border: 2px solid #dddddd; font-size: 100%;padding: 5px;">　0：制限なし<br />
　1：到着者に対するスクリーニング<br />
　2：特定もしくは全ての地域からの来訪に対する検疫<br />
　3：特定の地域からの来訪の禁止<br />
　4：全ての地域からの来訪禁止もしくは国境封鎖</fieldset>
<p>対象国187か国を、IATAの世界地域区分等を参考に「アフリカ」「南北アメリカ」「アジア・太平洋」「欧州」「中東」の5地域に区分し、上記の「国際的な渡航に関する管理」指標の2020年1月1日から2022年6月30日までの割合の推移を表現したものが下記の5つのグラフです。</p>
<p style="text-align:center">図　地域別に見た「国際的な渡航に関する管理」指標の割合の推移</p>
<p><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image1-800x337.png" alt="" width="800" height="337" class="aligncenter size-medium wp-image-45445" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image1-800x337.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image1-768x324.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image1.png 1008w" sizes="(max-width: 800px) 100vw, 800px" /><br />
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image2-800x337.png" alt="" width="800" height="337" class="aligncenter size-medium wp-image-45446" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image2-800x337.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image2-768x324.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image2.png 1008w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><br />
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image3-800x337.png" alt="" width="800" height="337" class="aligncenter size-medium wp-image-45447" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image3-800x337.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image3-768x324.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image3.png 1008w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><br />
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image4-800x337.png" alt="" width="800" height="337" class="aligncenter size-medium wp-image-45448" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image4-800x337.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image4-768x324.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image4.png 1008w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><br />
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image5-800x337.png" alt="" width="800" height="337" class="aligncenter size-medium wp-image-45449" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image5-800x337.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image5-768x324.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image5.png 1008w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /></p>
<p style="text-align:right">出所）Oxford Covid-19 Government Response Tracker（OxCGRT）データより（公財）日本交通公社作成</p>
<p>これらの5つのグラフから、主として2022年に入ってからの直近の動向を見ると、特に「欧州」地域で国際的な渡航を制限なく開放する対応が早い時期に始まり、かつ広範に広がっているのに対して、「アジア・太平洋」地域では欧州地域等と比較するとより慎重な傾向にあることが伺えます。</p>
<h3>3.日本の「国際的な渡航に関する管理」指標の推移</h3>
<p>では、世界的に見るとより慎重な地域である「アジア・太平洋」に属する日本はどのような状況なのでしょうか。</p>
<p>2019年の国際観光旅客の到着数の上位10か国（フランス、スペイン、米国、中国、イタリア、トルコ、メキシコ、タイ、ドイツ、英国）と日本（2019年の順位は12位）について、同じく「国際的な渡航に関する管理」指標がどのように推移しているかを示したのが下記のグラフです。</p>
<p style="text-align:center">図　「国際的な渡航に関する管理」指標の推移<br />（2019年の国際観光旅客の到着数の上位10か国と日本）</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6-800x334.png" alt="" width="800" height="334" class="aligncenter size-medium wp-image-45461" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6-800x334.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6-1200x501.png 1200w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6-768x321.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6-1536x642.png 1536w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2022/07/473_image6.png 1862w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /></p>
<p style="text-align:right">出所）Oxford Covid-19 Government Response Tracker（OxCGRT）データより（公財）日本交通公社作成</p>
<p>これを見ると、日本は2022年6月に添乗員付きのパッケージツアーでの外国人観光客の受け入れが開始されたことで直近では「2：特定もしくは全ての地域からの来訪に対する検疫」となっていますが、2021年1月付近から以降は、ほぼすべての期間でもっとも厳格な対応である「4：全ての地域からの来訪禁止もしくは国境封鎖」として評価されており、コロナ禍前の世界の”観光立国”と比較しても、やはり慎重な姿勢を取っていたと言えそうです。</p>
<h3>4.考察</h3>
<p>データからもわかるように、「国際的な渡航に関する管理」の政策的な姿勢については、地域あるいは国ごとに特徴が見られますが、これは、それぞれの地域や国の直近の感染状況の他にも、様々な要因が影響していると考えられます。</p>
<p>例えば、一般的に「欧米」の国は個人の自由を重んじる「個人主義」が強いのに対し、「アジア」の国は（個人の自由が抑制されたとしても）社会全体の安定や安全を重んじる「集団主義」の傾向がより強いことが指摘されています（Hofstedeほか,2013　など）。もし地域ごとに国民にそういった傾向があるとすれば、観光政策の決定や実行にも影響を与えていることは十分考えられ、今回見てきたデータとも合致するように思います。</p>
<p>また、地続きで国境を接する国が多い「欧米」地域と島嶼国が多い「アジア・太平洋」地域という地理的な特性の違い（そこに起因する国外との往来に対する意識の違い）、あるいは、その国の経済が観光にどれだけ頼っているか（いたか）という依存度（観光活動を再開することへの期待度）の違いといったものも影響しているかもしれません。例えば、WTTCのデータから観光がGDPに占める割合を見てみると、比較的早期に条件付きながら観光活動を再開させ、直近では「0：制限なし」となっているタイは2019年で約20％、一方で日本は約7％と推計されており、大きな差があります。</p>
<h3>5.おわりに</h3>
<p>今回の考察はあくまで政策としてたち現れた結果に着目したものですが、その背後にある要因やその寄与、またそこにどのような議論や検討の過程があり、配慮された事項があったのかをより細かく把握、整理することで、我が国の今後の対応にあたって参考にすることができると思われます。</p>
<p>当財団としても上記のような研究を進めることで、我が国の観光「再始動」に向けて寄与できるよう、知見を蓄えていきたいと考えているところです。</p>
<h4>参考資料</h4>
<ul>
<li>Oxford Covid-19 Government Response Tracker（OxCGRT）<br />
<a href="https://www.bsg.ox.ac.uk/research/research-projects/covid-19-government-response-tracker" rel="noopener" target="_blank">https://www.bsg.ox.ac.uk/research/research-projects/covid-19-government-response-tracker</a></li>
<li>
<p>Geert Hofstede, Gert Jan Hofstede, and Michael Minkov. (2013). Cultures and Organizations: Software of the Mind (3rd ed.).『多文化世界 [原書第３版] 違いを学び未来への道を探る』．岩井八郎・岩井紀子 訳．有斐閣．</li>
<li>World Travel &#038; Tourism Council　Economic Impact Reports<br />
<a href="https://wttc.org/Research/Economic-Impact" rel="noopener" target="_blank">https://wttc.org/Research/Economic-Impact</a></li><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-oxcgrt-kanno/">国際的な往来の開放に影響する要因とは？　[コラムvol.473]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「ラケット理論」の検証（インバウンド編）　[コラムvol.454]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-racket-inbound-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-racket-inbound-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[mktvadmin]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 13 Sep 2021 03:30:45 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>背景 観光研究の分野では、観光地（デスティネーション）の範囲や大きさが、旅行者にどのように認知され、規定されるのかを表現する概念として、「ラケット理論」がよく知られています。これは、「出発地となる居住地（自宅）から観光対･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-racket-inbound-kanno/">「ラケット理論」の検証（インバウンド編）　[コラムvol.454]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>背景</h3>
<p>観光研究の分野では、観光地（デスティネーション）の範囲や大きさが、旅行者にどのように認知され、規定されるのかを表現する概念として、「ラケット理論」がよく知られています。これは、「出発地となる居住地（自宅）から観光対象地域までの距離（基本距離）が長いと、観光する範囲が拡大される」（鈴木，1966）とするもので、その後複数の既往研究において成立することが確認されています（Plog，1974；Wall，1978；Mings &amp;McHugh，1992；滝波，1994；Oppermann，1995；橋本，1997；Dredge，1999；Plog，2001；Watanabe，2013；杉本・小池，2015）。</p>
<p>2019年、筆者らはこの「ラケット理論」に着目した研究を行い、当該理論が実際に成立するのかを再度確認するとともに、旅行実施に対するハードル（旅行者の経済力、旅行日数、旅行頻度）や旅行目的（旅行先での行動、来訪回数）等によってその作用が変わるのか、といった点を検証しています（菅野他、2019）。</p>
<p>当時の研究は当財団が自主研究として毎年実施している「JTBF旅行実態調査」のデータを活用し、国内旅行者について検証したものでした。</p>
<p>そこで、本稿では、コロナ禍以前の訪日外国人観光客の行動に関するデータを用いて、この「ラケット理論」が外国人旅行者に対しても成立するのかを検証してみました。</p>
<h3>分析方法</h3>
<p>本稿では国土交通省が作成している2017年のFF-Data（Flow of Foreigners-Data）を利用しました。FF-Dataは、日本を訪れる外国人を対象として同省および観光庁が実施している2つの調査（訪日外国人消費動向調査、国際航空旅客動態調査）から、共通する内容を統合して作成されています。前者は、四半期ごとに17空港で、また後者は8月及び11月に31空港で、それぞれ出国する外国人旅客を無作為抽出し、調査員による聞き取りもしくは調査紙への自記入によって行われるものです。</p>
<p>FF-Dataは被調査者の国籍、旅行目的、日本への来訪回数、旅行の手配方法（個人もしくは団体）、旅行日数、入国・出国空港名、立ち寄った都道府県名などの情報を含みます。本稿の分析では、国籍（20カ国：プロモーション対象として設定された重点市場）が明確に把握でき、かつ観光・レジャーを目的とする29,777の標本を使用しました。</p>
<p>旅行範囲のサイズは、訪問地点数（ここでは立ち寄った都道府県数）で表すこととしました。また旅行距離は欧州委員会（European Commission）が提供しているDistance Calculatorを利用し、それぞれの国籍が示す国や地域の首都と東京との間の距離（キロメートル）を算出して分析に用いました。</p>
<h3>結果</h3>
<p>国籍別に訪問地点数の平均値に対して検定（Kruskal-Wallis test）を行ったところ、統計的に有意な差が確認されました（p&lt;.001）。次に旅行距離の順に多重比較（Dunn-Bonferroni test）を行ったところ、11の国籍間で統計的に有意な差が確認されました（表1）。これら11の国の旅行距離と訪問地点数の平均値についてPearsonの相関係数を算出したところ、0.65となりました（p&lt;.05）。このことから、旅行距離と訪問地点数の間には正の相関関係が認められる結果となり、いわゆる「ラケット理論」が外国人旅行者に対しても成立することがわかりました。</p>
<h3><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-medium wp-image-41535" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2021/09/454_image1-534x400.jpg" alt="" width="534" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2021/09/454_image1-534x400.jpg 534w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2021/09/454_image1.jpg 628w" sizes="auto, (max-width: 534px) 100vw, 534px" />考察</h3>
<p>検証の結果、国内旅行者のみならず、訪日外国人旅行者についても、その旅行距離によって行動範囲のサイズが異なることがわかりました。</p>
<p>我が国の観光地域づくりの舵取り役として期待される観光地域づくり法人（DMO）は、その活動対象とする区域の大きさに応じて「広域連携DMO」、「地域連携DMO」、「地域DMO」の3つに区分されている点が特徴です。</p>
<p>こうした重層的な仕組みのため、一部地域では、広域連携、地域連携、地域の各区分のDMOが対象とする区域が重複している現状があり、実施する事業に重複が生じているなど、非効率性も指摘されているところです。</p>
<p>上記の区分は政策的な要因（行政区域の区分）で決定されているものですが、一方でマーケティング的な視点からみれば、旅行者が実際に訪れている観光地の範囲（デスティネーション・サイズ）に即して活動対象とする範囲が設定されることが望ましいとも言えます。</p>
<p>現在、コロナ禍によって訪日外国人旅行者の需要は実質的に消失している状況ですが、いずれ「ウィズコロナ時代のインバウンド振興」を再構築していく必要性が生じます。そうした局面においては、今回着目した「ラケット理論」のような各種理論も踏まえつつ、DMOについても、より実効性のある対象市場の設定を行うことが望まれます。</p>
<p>それに資するような今後の研究としては、旅行日数、来訪回数、旅行手配方法、旅行者の経済力や目的とする行動など、他の様々な要因によっても旅行範囲のサイズに変化があるのかを検証し、その活動範囲のサイズに合致するような市場セグメントを見つけ出すなどの方向性が考えられます。</p>
<h4>参考文献</h4>
<ul>
<li>菅野正洋・山田雄一（2019）「ラケット理論からみたデスティネーション・サイズに関する考察」『日本国際観光学会論文集』26, pp.7-13、日本国際観光学会</li>
<li>杉本興運・小池拓矢（2015）「富士山麓地域における観光行動の特徴」『地学雑誌』124（6）、pp.1015－1031、東京地学協会</li>
<li>鈴木忠義（1966）「観光開発の意味と観光の原理」『観光』9、pp.29－32、日本観光協会</li>
<li>滝波章弘（1994）「ツーリズム空間の同心円性と関係距離の抽出」『人文地理』46（2）、pp.121－143、人文地理学会</li>
<li>橋本俊哉（1997）「観光回遊論：観光行動の社会工学的研究」風間書房、pp.106－11</li>
<li>Dredge, D. (1999) “Destination place planning and design”, Annals of tourism research 26(4), 772-791.</li>
<li>Mings, R. C., &amp; McHugh, K. E. (1992) “The spatial configuration of travel to Yellowstone National Park”, Journal of travel research 30(4), 38-46.</li>
<li>Oppermann, M. (1995) “A model of travel itineraries”, Journal of Travel Research 33(4), pp.57-61.</li>
<li>Plog, S. C. (1974) “Why destination areas rise and fall in popularity”, Cornell hotel and restaurant administration quarterly 14(4), 55-58.</li>
<li>Plog, S. (2001). “Why destination areas rise and fall in popularity: An update of a Cornell Quarterly classic”, Cornell hotel and restaurant administration quarterly 42(3), 13-24.</li>
<li>Wall, G. (1978) “Competition and complementarity: a study in park visitation”, International Journal of Environmental Studies 13(1), 35-41.</li>
<li>Watanabe, Y. (2013) “Rediscovering the ‘Racket Theory’ -The Relation between the Trunk Transportation Distance and the Tourist’s Touring Area- “, International Journal of Culture and Tourism Research 6(1), 57-66.</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-racket-inbound-kanno/">「ラケット理論」の検証（インバウンド編）　[コラムvol.454]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「ステイケーション」を通して考えたこと［Vol.435］</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/staycation-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=staycation-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 07 Dec 2020 05:08:43 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=36434</guid>

					<description><![CDATA[<p>例年と違った夏休みの家族旅行 個人的な話題で恐縮ですが、筆者はここ数年ほど、夏休みは家族で国内外の観光地に旅行してきており、家族の中では毎年の一種のルーティンとなっています。 ただ、今年は新型コロナウィルス感染症（COV･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>例年と違った夏休みの家族旅行</h3>
<p>個人的な話題で恐縮ですが、筆者はここ数年ほど、夏休みは家族で国内外の観光地に旅行してきており、家族の中では毎年の一種のルーティンとなっています。<br />
ただ、今年は新型コロナウィルス感染症（COVID-19）の流行拡大により、公共交通機関や目的地で「感染させられるリスク」、また無自覚に他人を「感染させてしまうリスク」、また地方での「（特に東京からの観光客に対する）住民感情に対する懸念」といったものもあり、例年のような家族旅行を行うべきか、といった点は大いに悩んだところでした。</p>
<p>そのような中、筆者の家族がとった選択は「普段は気軽に泊まれないちょっと高級なホテルに泊まる」ということでした。<br />
時期としては8月末、Go toトラベルキャンペーンが開始され、社会的には自粛ムードが緩和されつつあったタイミングでした。通常よりも割安な金額で泊まれるホテルが見つかったこともありましたが、何より、それまでの半年に及ぶ自粛生活から少しの間でも解放されたいという家族の気持ちが、筆者の躊躇する気持ちを上回った状況がありました。</p>
<h3>「ステイケーション」市場への対応の動き</h3>
<p>このような「ホテルに泊まること」そのものを目的とする旅行スタイルは「ステイケーション」（ステイ＋バケーションの造語）と呼ばれ、特に都市部を中心とした宿泊施設でも、それに対応した宿泊プランを提供する動きが見られるようになっています。</p>
<div id="caption-attachment-31718" style="width: 1010px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-caption-attachment-31718" class="size-full" src="/wp-content/uploads/2020/12/435_image1.jpg" alt="" width="1000" height="509" /><p id="caption-caption-attachment-31718" class="wp-caption-text">都内の宿泊施設における「ステイケーション」向けプランの例</p></div>
<p>2020年8月にはエクスペディアがサイト内にステイケーションに適した宿泊施設を紹介するページを開設したり（※１）、女性向けの情報誌（OZ magazine）で特集が組まれたりするなど（※２）、コロナ禍における新しい旅行のスタイルとして関心が高まっているようです。</p>
<h3>ステイケーションのさらなる定着のために</h3>
<p>今回のステイケーションは、言ってみれば消去法によるものではありましたが、筆者・家族ともに、よい夏休みの思い出となり、高い満足度が得られる結果となりました。<br />
ここでは、自ら実践してみて感じた、ステイケーションのさらなる定着のためのいくつかの視点を述べてみたいと思います。</p>
<h4>①「非日常」の積極的な提案</h4>
<p>「普段は気軽に泊まれないちょっと高級なホテルに泊まる」という時点で、既に「非日常」ではあるわけですが、その中でも、「自宅ではできない過ごし方」を提案することで、さらに宿泊の動機づけとなるのでは感じました。<br />
実際、各宿泊施設の提案しているプランを見ても、「家庭型ロボットと部屋で過ごす」「プロに着付けてもらって浴衣で過ごす（オプション）」「部屋で重箱に詰めた会席・フランス料理を楽しむ」など、提案している過ごし方は様々です。</p>
<p>ちなみに、筆者は今回の滞在中、自宅マンションの室内では自由に飛ばすことのできないドローンを、思う存分飛ばして楽しみました（写真）。同様に「好きな楽器を持ち込んで演奏し放題」とか、「持ち込んだゲーム機を大画面につないでプレイし放題」といった過ごし方も面白いかもしれません（そのための設備投資が必要にはなりますが）。</p>
<h4>②地域と連携した消費機会の創出</h4>
<p>ステイケーションはその性質上、消費が宿泊施設内に限定される傾向があります。実際、筆者も今回の滞在中は基本的に部屋の中で過ごし、夕食・朝食もルームサービスで済ませました（ルームサービスも一種の「非日常」として楽しみにしていた面もありましたが）。<br />
ただ、観光地に立地する宿泊施設では、ステイケーションをベースとしつつも、施設単体の取り組みとするのではなく地域とも連携することで、地域への経済効果波及はもちろん、相互の消費機会の拡大につなげることができると思います。</p>
<p>例えば、地域全体で十分に感染防止対策を講じることが前提となりますが、「地域での飲食やアクティビティへ誘導するような施設内での情報発信」、あるいは逆に「地域の飲食やアクティビティの施設内への「出前」」といった取り組みを行うことなども考えられます。</p>
<h4>③交通手段も含めた感染防止対策のアピール</h4>
<p>今回筆者は公共交通機関の利用過程で感染する／させるリスクも考えて近場での「ステイケーション」を選択したわけでですが、それでもホテルへの往復には公共交通機関（地下鉄）を利用する事になりました。</p>
<p>当財団が5月に実施した旅行意識調査の結果からも、「公衆衛生の徹底」や「密の回避」といった取り組みは、旅行者が今後旅行先を選ぶ際のいわば「必要条件」となることが示唆されています（※３）。そのような中では、施設での滞在中のみならず、その行き帰りの交通機関も含めて「公衆衛生の徹底」や「密の回避」の方策を講じ、それを組み込んだプランとすることで、「旅行はしたいが感染リスクが心配」で出控えを行っている層に訴求することができるのではないでしょうか。これについて、例えば先に挙げた事例の中では「都内へタクシーで「お送り」もしくは「お迎え」」「マイカー利用者のために駐車場料金を無料」としている例があり、参考になると思います。</p>
<div id="attachment_36844" style="width: 310px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-36844" class="wp-image-36844 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-300x400.jpeg" alt="" width="300" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-300x400.jpeg 300w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-450x600.jpeg 450w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-768x1024.jpeg 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-1152x1536.jpeg 1152w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-1536x2048.jpeg 1536w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-1000x1333.jpeg 1000w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/434_image3-scaled.jpeg 1920w" sizes="auto, (max-width: 300px) 100vw, 300px" /><p id="caption-attachment-36844" class="wp-caption-text">朝夕の食事はルームサービスで</p></div>
<h3>おわりに</h3>
<p>コロナ禍の中で、旅行市場が従前のような状況まで回復するには相応の時間が必要と思われます。そのような環境で（あるいはそのような環境だからこそ生じる）新たな旅行のスタイルや市場に着目し、それを積極的に取り込もうとする取り組みは必要かつ有効と考えます。当財団としても、そのような動きについて着目し、引き続き情報収集や整理、公表を行っていければと考えています。</p>
<h4>参考資料</h4>
<ul>
<li>※１：<a href="https://www.expedia.co.jp/gmp/16373">エクスペディア「気軽に旅へ」ページ</a></li>
<li>※２：<a href="https://www.ozmall.co.jp/ozmagazine/article/26088/">オズマガジン 2020年12月号「今こそホテルへ」</a></li>
<li>※３：<a href="/wp-content/uploads/2020/08/covid-19-japanese-tourists-4_JTBF20200730.pdf">新型コロナウィルス感染症流行下の日本人旅行者の動向（その４）</a>（12ページ）</li>
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			</item>
		<item>
		<title>宿泊税の支払い意思を高める一つの視点　[コラムvol.417]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-accommodation-tax-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-accommodation-tax-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 16 Mar 2020 04:15:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光地経営]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?p=29257</guid>

					<description><![CDATA[<p>ザンクト・ガレン（スイス）の公共交通機関乗り放題カード 2019年の9月末から10月初旬にかけて、スイスとイタリアに1週間ほど出張した際、スイス東部にある地方都市ザンクト・ガレン（St.Gallen）に宿泊する機会があり･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-accommodation-tax-kanno/">宿泊税の支払い意思を高める一つの視点　[コラムvol.417]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>ザンクト・ガレン（スイス）の公共交通機関乗り放題カード</h3>
<p>2019年の9月末から10月初旬にかけて、スイスとイタリアに1週間ほど出張した際、スイス東部にある地方都市ザンクト・ガレン（St.Gallen）に宿泊する機会がありました。<br />
ホテルに宿泊した際、レセプションの方から「Mobility Ticket」と記された名刺大のカードを渡されました。<br />
聞けば、以下のようなことでした。</p>
<ul>
<li>このカードを提示することで、ザンクト・ガレンから近隣の観光地であるボーデン湖に至る周辺エリアのバスや路面電車、鉄道といった公共交通機関が乗り放題になる。</li>
<li>カードシステムの運営には宿泊客から徴収する宿泊税の一部が使われている。このため、ザンクト・ガレンに1泊以上宿泊するすべての宿泊客はこのカードを受け取れる。</li>
</ul>
<p>出張中はレンタカーで移動していた上に、ザンクト・ガレンでの滞在時間も短く、私自身は残念ながら実際にそのカードを使う機会はなかったのですが、自分の交通手段を持たない個人旅行者にとっては、この公共交通機関乗り放題という条件は、支払う宿泊税の金額（1泊4スイスフラン：CHF。1CHF＝110円として440円）と比較して大きなメリットを感じるように思います。</p>
<table class="list_table cntTable noborder">
<tr>
<td><b><div id="attachment_29277" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-29277" src="/wp-content/uploads/2020/03/417_image2.jpg" alt="" width="500" height="" class="size-full wp-image-29277" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/03/417_image2.jpg 1280w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/03/417_image2-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 1280px) 100vw, 1280px" /><p id="caption-attachment-29277" class="wp-caption-text">ザンクト・ガレン市内を走る路面電車</p></div></b></td>
<td><b><div id="attachment_29276" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-29276" src="/wp-content/uploads/2020/03/417_image3.jpg" alt="" width="500" height="" class="size-full wp-image-29276" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/03/417_image3.jpg 1280w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2020/03/417_image3-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 1280px) 100vw, 1280px" /><p id="caption-attachment-29276" class="wp-caption-text">観光地ボーデン湖畔の鉄道駅</p></div></b></td>
</tr>
</table>
<h3>ザンクト・ガレンの宿泊税の導入経緯・仕組み</h3>
<p>調べてみると、ザンクト・ガレンの宿泊税には以下のような導入経緯・仕組みがあるようです。</p>
<ul>
<li>もともと宿泊税は1泊1人あたり2.5CHFであったが、地域の観光推進組織とホテル協会がザンクト・ガレン市に対し、Mobility Ticket導入を目的として1.5CHFを「かさ上げ」して4CHFとすることを要望した。</li>
<li>増税はいったん市議会で否決されたものの、観光推進組織が市内の宿泊施設に対して独自にアンケートを行ったところ、過半数の支持を得た。その結果をもとに再度要望し、2017年に宿泊税の増税とカードシステムの導入が実現した。</li>
<li>かさ上げ分の1.5CHFのうち、1.48CHFはカードシステムの運営会社へ、0.02CHFは観光推進組織の運営費に充当される。カードシステム運営会社は1.48CHFのうち1.32CHFを地域のバスや鉄道、船舶を運行する企業で構成される協同組合に支払い、残る0.16CHFを支部の運営やマーケティング、その他の活動に使う。</li>
</ul>
<p>ちなみに、ザンクト・ガレンの宿泊客数は年間約20万人泊とのことなので、ざっと計算してみると、宿泊税の税収約8,800万円からカードシステムの運営に約3,300万円が充当されていることになります。</p>
<p>このような、交通機関や観光施設のチケットをすべて込みにしたカードシステムの例はスイス国内の他の観光地やオーストリアなどでも例があるようですが、その原資に宿泊税を充当している例は珍しいようです。</p>
<h3>宿泊税の「支払い意思」を高める要因とは</h3>
<p>当財団の池知研究員は、沖縄県・恩納村において実施した宿泊施設の宿泊客に対するアンケートをもとに、宿泊税の支払い意思がどのような要因によって影響を受けるかを分析しています（2019年6月に開催されたTravel and Tourism Research Association：TTRAの年次国際カンファレンスにて発表済み）。<br />
その研究では、宿泊客の「当該地域に対するロイヤルティ」と「過去の宿泊税の支払い経験」が「知覚される公平性」を介して支払い意思に有意に影響する一方で、支払った宿泊税が何に使われるかという「使途の提示」の影響は有意ではない、という結果だったようです。<br />
ただ、もし今回のザンクト・ガレンの例のように、宿泊税を支払おうとする宿泊客が「使途」（例：公共交通機関乗り放題カードシステムの運営）を提示され、なおかつ「その場」で「メリット」（乗り放題カードを受け取ること）を享受できたとすれば、支払い意思への影響は上記の研究結果とはまた異なるものになるのではないかと思います。</p>
<p>現在、我が国でも「デスティネーション・マネジメント」のための独自財源として宿泊税が着目されており、導入に向けた検討を行う自治体の動きが盛んです。<br />
ただ、地域の関係者の中には、宿泊客の負担が増すことで、その満足度などに影響が生じることを懸念する向きも多く、それが導入に向けた地域での合意形成を難しくしている要因の一つであると思われます。<br />
今回のMobility Ticketの例を参考にすれば、宿泊税の「使途」を示した上で、その「メリット」が「その場」で宿泊客に還元されるような仕組みを取り入れることで、支払い意思の向上が期待できるのではないでしょうか。<br />
なお、その際には、観光地としてどのような姿（ザンクト・ガレンの例で言えば、観光客が自由に地域内を移動できる利便性の高い観光地）を目指すのかというビジョンがまず先にあるべきであり、宿泊税はあくまでそれを実現するための手段として捉えるべきことは言うまでもありません。</p>
<h3>（付記）</h3>
<p>今回のスイスとイタリアへの出張の目的は、2018年度から科学研究費を活用して取り組んでいる「観光地のガバナンス」に関する研究の一環として、観光地の関係者へのインタビューや現地調査、また同テーマに取り組む研究者との意見交換を行うことにありました。この「観光地のガバナンス」については2020年4月発刊の「観光文化」245号でも特集を予定しています。ご期待ください。</p>
<h4>参考</h4>
<ul>
<li>ザンクト・ガレン－ボーデン湖観光協会（St.Gallen-Bodensee Tourismus）ウェブサイト：<br />
<a href="https://st.gallen-bodensee.ch/en/informationen/guest-pass.html">https://st.gallen-bodensee.ch/en/informationen/guest-pass.html</a></li>
<li>ザンクト・ガレン－ボーデン湖観光協会（St.Gallen-Bodensee Tourismus）2016年および2017年年次報告書【PDF】：
<ul>
<li><a href="https://st.gallen-bodensee.ch/de/ueber-uns.html?file=files/st.gallen-bodensee.ch/Downloads/Jahresberichte/jahresbericht-2016.pdf">https://st.gallen-bodensee.ch/de/ueber-uns.html?file=files/st.gallen-bodensee.ch/Downloads/Jahresberichte/jahresbericht-2016.pdf</a></li>
<li><a href="https://st.gallen-bodensee.ch/de/ueber-uns.html?file=files/st.gallen-bodensee.ch/Downloads/Jahresberichte/jahresbericht-2017.pdf">https://st.gallen-bodensee.ch/de/ueber-uns.html?file=files/st.gallen-bodensee.ch/Downloads/Jahresberichte/jahresbericht-2017.pdf</a></li>
</ul>
</li>
<li>ザンクト・ガレン市議会ウェブサイト【PDF】：<a href="http://ftp.sg.oca.ch/stadtparlament/ee3b3429c8de4429b81a36c74b24147c-332.pdf">http://ftp.sg.oca.ch/stadtparlament/ee3b3429c8de4429b81a36c74b24147c-332.pdf</a></li><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-accommodation-tax-kanno/">宿泊税の支払い意思を高める一つの視点　[コラムvol.417]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>観光ビジョン推進の現状～観光庁への派遣を終えて～　[コラムvol.394]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-kanko-vision-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-kanko-vision-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 22 Apr 2019 08:03:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光政策]]></category>
		<category><![CDATA[インバウンド]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?p=25917</guid>

					<description><![CDATA[<p>はじめに 2018年4月から観光庁に出向していましたが、このたび1年間の任期を終えて（公財）日本交通公社に帰任しました。改めてよろしくお願いいたします。 出向中は、観光戦略課に配属され、主として「明日の日本を支える観光ビ･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-kanko-vision-kanno/">観光ビジョン推進の現状～観光庁への派遣を終えて～　[コラムvol.394]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>2018年4月から観光庁に出向していましたが、このたび1年間の任期を終えて（公財）日本交通公社に帰任しました。改めてよろしくお願いいたします。</p>
<p>出向中は、観光戦略課に配属され、主として「明日の日本を支える観光ビジョン」（以下、観光ビジョン）の推進業務に携わりました。このコラムをお読みの皆様の中でも、「観光ビジョン」という名称、あるいは国が掲げている 「2020年までに訪日外国人観光客数4000万人」という数値目標についてはご存じと思いますが、その最前線の現状というのはあまりイメージがないのではと思います。</p>
<p>その意味で、短い期間ではありましたが、「中の人」として得難い経験をすることができました。今回は、1年間の経験の中から、観光ビジョンの推進の現状に関わるトピックを何点かご紹介したいと思います。</p>
<h3>観光ビジョンの実行推進体制の「格上げ」</h3>
<p>観光ビジョンは、内閣総理大臣を議長とし、関係閣僚が構成員として参画する「観光ビジョン推進構想会議」で2016年3月に策定されました。</p>
<p>つまり、策定は「閣僚級」の意思決定によってなされたわけですが、その後の実行推進は各省の「局長級」で構成される「観光戦略実行推進タスクフォース」（以下、タスクフォース）が月1回程度の頻度で開催されていました。この会議は、設置要項上は内閣官房副長官補が議長となっていますが、実際には毎回内閣官房長官が出席していたことが特徴です。</p>
<p>その後2018年8月、「観光戦略実行推進会議」が設置されました。この会議は内閣官房長官を議長として全閣僚が構成員となっており、タスクフォースを「閣僚級」に格上げした形となっています。</p>
<p>政府としては、観光ビジョンの目標年次である2020年まで折り返し地点を迎えたことを踏まえ、目標の確実な達成に向けて重点的に取り組むべき課題を明確にし、タスクフォースにおいて推進を図ってきた施策等の一層の推進を図ることを意図していると思われます。</p>
<p>タスクフォースと同様に月1回程度の頻度で開催され、議題は基本的に観光ビジョンに記載された各分野に即して設定されますが、昨年夏に自然災害が多発した際には、落ち込んだ需要の回復等も議題になっています。なお、観光庁は同会議の事務局を内閣官房と共同で担い、観光戦略課はその担当課となっています。</p>
<table class="list_table cntTable noborder">
<tbody>
<tr>
<td><div style="width: 906px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-25918" src="/wp-content/uploads/2019/04/394_1.jpg" alt="" width="896" height="550" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/04/394_1.jpg 896w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/04/394_1-768x471.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 896px) 100vw, 896px" /><p class="wp-caption-text"><strong>観光ビジョンの策定・実行推進体制の変遷</strong></p></div></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<h3>観光ビジョン実行推進における有識者の位置づけ</h3>
<p>観光ビジョン関係の政策推進に当たっては、観光の現場で様々な経験や知見を有する有識者の意見が重要視されていることが特徴です。「観光戦略実行推進会議」でも、各回の議事に応じて様々な有識者が招聘され、意見聴取が行われます。会議での有識者の提言や発言はその後の各省庁における政策立案や遂行に大きな影響力を与えます。</p>
<p>実際に、タスクフォースの時代には、古民家を活用した宿泊事業を展開する有識者の発言を踏まえ、そのことを検討するためのタスクフォース（歴史的資源を活用した観光まちづくりタスクフォース）が別途設置され、そこでの議論のとりまとめ結果を受けて、旅館業法の改正等の規制緩和につながった例があります。</p>
<h3>観光ビジョン実現プログラム</h3>
<p>「観光ビジョン実現プログラム」は、観光ビジョンに基づく政府の1年間を目途とした行動計画として、観光戦略実行推進会議における有識者の意見等を踏まえて策定されるもので、観光庁観光戦略課にて取りまとめを担当しています。</p>
<p>毎年3～4月に各省からの施策登録が始まり、調整を踏まえて6月ごろに取りまとめ、公表されます。また、夏には中間フォローアップと併せて各省の次年度予算要求状況が集約され、翌年1月には次年度の当初予算取りまとめも行われます。さらに、年明け2～3月にかけて年間のフォローアップが行われ、その内容は5～6月に公表される観光白書のうち、「前年に講じた施策」のパートに反映されるというスケジュールで年間のサイクルが進みます。</p>
<p>同プログラムの内容は「未来投資戦略」や「経済財政運営と改革の基本方針（いわゆる骨太の方針）」にも反映されるなど、我が国の観光政策のアクションプランとして位置づけられています。</p>
<h3>おわりに</h3>
<p>観光ビジョンは計画期間5年間の折り返し地点を過ぎ、2018年の訪日外国人旅行者数は3,119万人となりました。やや伸びが鈍化しつつも、4,000万人という目標達成が視野に入ってきた状況と言えます。その中で、政府では訪日外国人観光消費額8兆円という目標の達成が目下の最重点課題となっています。</p>
<p>今回紹介した「観光戦略実行推進会議」の資料や議事要旨はいずれも首相官邸のウェブサイト（<a href="https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/</a>）で公開されています。</p>
<p>こちらで議論されている内容を参照することで、観光ビジョンの目標達成に向け、今後どういった取組が重点になりそうか、ある程度推しはかることができると思われますので、定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-kanko-vision-kanno/">観光ビジョン推進の現状～観光庁への派遣を終えて～　[コラムvol.394]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「内なるインバウンド」の可能性　[コラムvol.356]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-fujisato-kanno/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-inbound-fujisato-kanno</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 30 Oct 2017 09:26:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[NEWS・新着情報]]></category>
		<category><![CDATA[観光地経営]]></category>
		<category><![CDATA[観光資源の保全と活用]]></category>
		<category><![CDATA[インバウンド]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?p=21639</guid>

					<description><![CDATA[<p>藤里町の魅力を楽しむツアー 　10月中旬、秋田県藤里町を、国際教養大学（秋田市）に学ぶ日本人と外国人留学生の学生グループ10名が訪れました。留学生の出身はイギリス、オーストラリア、アメリカ、エストニアなど様々で、いずれも･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-fujisato-kanno/">「内なるインバウンド」の可能性　[コラムvol.356]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>藤里町の魅力を楽しむツアー</h3>
<p>　10月中旬、秋田県藤里町を、国際教養大学（秋田市）に学ぶ日本人と外国人留学生の学生グループ10名が訪れました。留学生の出身はイギリス、オーストラリア、アメリカ、エストニアなど様々で、いずれも来日して2ヶ月ほどの皆さんです。</p>
<p>　一行は白神山地で田苗代湿原の見頃真っ盛りの紅葉や岳岱のブナ林を楽しんだあと、町内粕毛地区のまちづくり協議会のメンバーの皆さんと、秋田の名物「きりたんぽ」をはじめとする郷土料理づくりを体験しました。また、その日の夜は同地区で始まった「民泊」システムを利用して一般家庭に宿泊しました。特に留学生の皆さんはホスト家庭とのコミュニケーションに苦労しながらも、日本の一般家庭の生活の様子をかいま見ることができたようです。</p>
<table class="list_table cntTable noborder">
<tbody>
<tr>
<td><img loading="lazy" decoding="async" src="/wp-content/uploads/2017/10/photo1-kanno356.jpg" alt="photo1-kanno356" width="640" height="426" class="size-full wp-image-21642" /> </td>
<td><img loading="lazy" decoding="async" src="/wp-content/uploads/2017/10/photo2-kanno356.jpg" alt="photo2-kanno356" width="640" height="437" class="size-full wp-image-21643" /></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<table class="list_table cntTable noborder">
<tbody>
<tr>
<td><img loading="lazy" decoding="async" src="/wp-content/uploads/2017/10/photo3-kanno356.jpg" alt="photo3-kanno356" width="640" height="426" class="size-full wp-image-21644" /> </td>
<td><img loading="lazy" decoding="async" src="/wp-content/uploads/2017/10/photo4-kanno356.jpg" alt="photo4-kanno356" width="640" height="437" class="size-full wp-image-21645" /></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p style="text-align: center"><strong>写真　ツアーの様子</strong></p>
<h3>ツアー実施の効果</h3>
<p>　このようなツアーは、藤里町が事務局となっている藤里町ツーリズム協議会と国際教養大学が連携して2016年度から実施しているもので、2016年度は7月と10月の2回の日帰り、今年度は1泊2日の行程で実施されました、<br />
国際教養大学では、世界の180を超える提携大学などから数多くの留学生が学んでおり、新入生は全員入学からの1年間を大学敷地内にある学生寮で生活することになっています。また学生寮のほかにも学生宿舎があり、寮生活を終えた学生や留学生が入居し共同生活を送っています。</p>
<p>　同大学ではこの寮生活・宿舎生活もリベラルアーツ教育の舞台として位置づけ、日本人学生と留学生が特定のテーマに基づいて活動する「テーマ別ハウス」を導入していることが特徴です。藤里町のツアーに参加した学生は、いずれも、日本の自然や文化について学ぶ「日本自然文化ハウス」のメンバーです。</p>
<p>　一方の藤里町にとっては、訪日外国人を想定した観光客の受け入れ体制づくりの機会としての意味合いもあります。</p>
<p>　実際に、昨年度の2回のツアーで郷土料理体験の受け入れを行った住民グループからは、当初「海外からの留学生ということで、通常とは異なる対応にかなり気を遣った。言葉の問題があり、言いたいことが言えなかった」というコメントがあったものが、「初めて受け入れた際には不安の方が大きかったが、2回目は気持ちとしても慣れたため、それほど難しいことではないと思えるようになった」と、受け入れ側の意識も大きく変わってきています。</p>
<p>　私自身、藤里町、国際教養大学との3者による共同研究という形で、2016年度からいずれのツアーにも同行させていただいていますが、回を重ねる毎に内容が少しずつ「バージョンアップ」しているのを感じます。</p>
<p>　現在、各地では、外国人観光客の誘致を想定し、地域の魅力や受入体制について意見を聴取するための「モニターツアー」を企画・実施する機会も多いと思います。</p>
<p>　その際、藤里町のように地域の大学等と連携し、外国人留学生の協力を得て取り組みを進めることは、外国からモニターを招聘するよりも事業実施のハードルが低く、外国人観光客を受け入れる体制づくりの手段の第一歩としては有効ではないかと思います。</p>
<p>　また、留学生にとっても地域をよりよく知るための機会となりますし、本国の知人友人にSNS等を通じて情報発信してもらうなどの効果も期待できます。</p>
<h3>日本在住外国人の国内観光</h3>
<p>　留学生とともにもう一つ注目したいのが、日本在住の外国人です。</p>
<p>　2017年1月に発刊した当財団の機関誌「観光文化」232号では、「地方創生時代における農山村と観光」と題して特集テーマを設定し、地方自治体へのアンケート調査や先進事例へのヒアリング調査などから、農山村が観光に取り組む意味と効果の検証を試み、農山村の価値を高める方法やその際に留意すべきことなどを考察しました。<br />
その際に巻頭言をお寄せいただいたダニエル・カール氏からは、インタビュー時に下記のようなご意見をいただいています。</p>
<p>　「日本に住んでいる外国人は、いろいろな田舎に出掛けてSNSで発信している。海外の観光客への影響力も大きいからもっと、日本の田舎の魅力を、もっと在日外国人を通じて発信するといいのではないか」（p34）<br />
実際、2016年度に山梨県が富士登山に訪れた外国人を対象として行った調査では、その人数の4割強が国外から来訪した観光客ではなく、日本在住の外国人だったという結果もあります。</p>
<p>　現状では富士山のように可視化されたデータが少なく実状は不明ですが、国内の観光地に日本在住の外国人が訪れているといったケースは存外多いと思われます。</p>
<h3>「内なるインバウンド」の可能性</h3>
<p>　2016年3月30日に「明日の日本を支える観光ビジョン」が策定され、インバウンドに大きく傾注した目標が掲げられる中、地方部においても、外国人観光客を対象としたプロモーションや環境整備、受入体制づくりといった諸施策が講じられています。</p>
<p>　現在は、国外から来訪する「インバウンド」に強く焦点が当たっていますが、それと合わせて、上記で見てきたような「留学生」や「国内在住の外国人」といった、いわば「内なるインバウンド」にも目を向けて取り組みを進める必要があると思われます。</p>
<h4>注</h4>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="/wp-content/uploads/2017/10/zu1-kanno356.jpg" alt="zu1-kanno356" width="397" height="400" class="alignright size-full wp-image-21647" /><br />
<strong>秋田県藤里町の概要</strong><br />
人口：3,405人<br />
（2017年9月現在、藤里町資料）<br />
観光客数：17,283人<br />
（2016年度、平成28年秋田県観光統計）<br />
主な観光資源：<br />
白神山地世界自然遺産センター、岳岱自然観察教育林、小岳、藤里駒ヶ岳、田苗代湿原、臥龍大滝親水公園などの自然体験<br />
湯元和みの湯、「白神の恵」体験工房、清水岱山林体験交流施設などの観光施設</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-inbound-fujisato-kanno/">「内なるインバウンド」の可能性　[コラムvol.356]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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