部門長からのメッセージ

寺崎竜雄 理事・観光地域研究部長

寺崎 竜雄常務理事・観光地域研究部長

“タフ”であれ

 わたしたちのコンセプトは「実践的な学術研究者」。

 内外の研究が伝える知見を、観光地という現場にもちこみ、地元の人たちとの協働作業に活かしていく。逆に、観光地づくりの中で得られたデータや経験の中で気づいた法則性を、学会や各種の研究会で報告する。たくさんの本を読み、多くの方と話し、データを収集し、それらを分析して自分の考えをとりまとめ、伝えること。

 わたしたちの仕事は、この繰り返しです。

 この過程で大切にしていることは、現地に出向いて、見て、聞いて、感じて、自ら判断すること。ネットを検索すればさまざまな情報を得ることができますが、本当に価値があるのは自分の足で得た情報と、その経験の蓄積です。

 わたしは若手研究員に、どんどん出て行けと言っています。出張好きな人は喜びそうな話題ですが、年間100日以上も出歩くとなると結構大変です。机に向かう仕事も増えますから。

 ですから、当財団の研究員に大切な資質は、“タフ”であることだと思います。

チャレンジし続ける「実践的学術研究機関」として

 現在、我々は農業革命、産業革命に続く情報革命の真っ只中を生きています。この情報革命においては、モノではなくコト、サービスが経済の根幹的な価値を作り上げていくことになります。

 その中でも、地域に密着し、人と人の交流が付加価値を生み出していく観光・ホスピタリティ産業は、今の時代に対応した地域振興策として、世界中の人々が注目するようになっています。

 しかしながら、2020年に全世界を直撃したCOVID-19、いわゆる新型コロナは、人々の移動や交流を抑制し、様々な問題を生じさせ、従来の常識的な枠組み「パラダイム」を大きく変化させています。全世界の「観光」がリセットボタンを押された今、新しい時代に対応していく「競争」がスタートしています。

 この「競争」に対応していくには、マーケティングやブランディングといった経営学的な分野だけでなく、都市計画や土木、建築、交通、自然環境と言った空間・ハード・コミュニティの世界、さらには文化論や心理学といった多様な知見の総合的な活用が求められます。

 まさに、総力戦であり、その地平は国際的な社会経済の変化によって、常に変化し続けゴールはありません。

 「実践的学術研究機関」として、よりよい観光地とは、観光産業、観光行動とは何か?という問いにチャレンジし続けるのが公益財団法人日本交通公社という組織です。

 世界が注目する「観光」の地平を、一緒に切り開いていこうという志をもった仲間を求めています。

山田雄一 観光政策研究部長

山田 雄一観光政策研究部長

吉澤清良 観光文化情報センター長 旅の図書館長 企画室長

吉澤 清良観光文化振興部長・旅の図書館長

図書館という“書斎”をどう活かすか

 当財団は公益事業の一環で1978年より「旅の図書館」を運営し、2016年には「観光の研究や実務に役立つ図書館」として移転・リニューアルオープンしました。約6万冊の観光関連資料を体系立てて配架する独自分類の導入や、専門性・稀少性の高い蔵書の公開、書架のある空間で研究交流を行う「たびとしょCafe」の開催など、観光に関する情報や人のネットワーク拠点となる「観光研究プラットフォーム」の構築に向けて、様々な取り組みを行っているところです。

 観光・旅行を研究テーマとして活動する研究員にとっては、地域の現状や課題を肌で感じることに加えて、様々な情報や知識をインプットし、多様な立場の研究者や実務者とコミュニケーションを図りながら自身の分析力、提案力を高めていくことがとても重要となります。

 自身の研究テーマを深めたい時、新しい分野の調査や研究にチャレンジしたい時、地域が抱える課題を解決するためのヒントが欲しい時、「旅の図書館」はきっと拠りどころになることでしょう。

 旅の図書館は、観光研究者の皆さんの“書斎”でありたいと考えています。この“書斎”を多くの皆さんと共有できることは、大変喜ばしいことです。

 是非、ご活用ください!