特集③-2 タイにおける観光の高付加価値化と域外流出抑制の取り組み
〜持続的観光特別地域開発管理機構
〝DASTA〞とタイ国政府観光庁
〝TAT〞の取り組みに注目して〜
観光研究部 上席主任研究員
柿島あかね
1.本研究の背景と目的
世界の観光産業は、パンデミックを契機として大きなパラダイムシフトを迎えている。かつて主流であった観光客数を中心とした「量」を追求する観光は、オーバーツーリズムや環境負荷といった持続可能性の課題を顕在化させた。現在、多くの国や地域は、観光客一人当たりの消費額を高める、「高付加価値化」を戦略目標として掲げている。この「質」への転換を後押しするのが、Z世代やミレニアル世代と呼ばれる若年層や富裕層における価値観の変化である。彼らは旅行に「本物の体験」を求める傾向が強まっている。
加えて、上質な体験に対しては高い支払意向を持つことも各種調査から明らかになっている1。このことは、高付加価値化を目指す観光地にとって追い風となっている。
しかし、高付加価値化が観光地の経済効果に直結するとは限らない。国連環境計画(UNEP)および国連世界観光機関(UN Tourism2)は、観光の流出(Tourism Leakage)を長年にわたり指摘してきた(UNEP & UNWTO,2005)。これは、観光客の現地での支出が、国際的なOTA(Online Travel Agent)への手数料、外資系ホテルチェーンへのロイヤリティ、域外から調達された食材や飲料の対価として、その国・地域から流出してしまう現象である。特に開発途上国においては、観光収入の4〜5割が域外に流出しているとする推計もあり(UNCTAD,2010)、観光による経済効果が観光地に十分にもたらされていないことを示している。観光収入の域外流出を抑えることにより、地域内の生産者、事業者、雇用に直接還元されるだけでなく、域内に留まった資金がさらなる消費や投資を生み出し、経済効果が波及する。加えて、パンデミックや国際情勢の変動といった外部ショックに対する耐性の強化にもつながることが期待される。これらの世界的な動向を踏まえると、高付加価値旅行者の支出が、地域コミュニティ内で循環する仕組みを構築すること、すなわち「高付加価値化」と「域外流出の抑制」の同時実現が不可欠である。
こうした世界的な動向と課題解決のモデルとして、本稿ではタイの政策に着目したい。
タイでは2019年には約4000万人の外国人旅行者を受け入れ、国内外の旅行者による観光収入は約3兆バーツと推計され、名目GDPの約2割を占めた。一方で、タイ政府が2021年に国家アジェンダとして承認した「BCG経済モデル推進のための行動計画(2021‐2027)」(以下「B C G アクションプラン」)(BCG Model Implementation Committee, 2021)では、過去の経済発展が天然資源・生物資源の劣化や富の不均等な分配をもたらし、その結果として成長率が低迷し「中所得国の罠」からの脱却が難しくなっていると指摘する。観光分野についても、2019年の観光収入の8割がわずか8県に集中し、環境負荷や社会問題を招いているとしたうえで、二次都市や地域コミュニティへの観光・収入の分散と、自然・文化資源に科学技術やイノベーションを組み合わせた高付加価値な体験創出を通じて、持続的かつ包摂的な成長を図ることを打ち出している。これは、前述した「高付加価値化」と「域外流出の抑制」の同時実現を目指すものであり、注目すべきものである。
2.タイの観光推進体制
タイの観光推進体制において特筆すべきは、観光・スポーツ省(Ministry of Tourism and Sports:以下“MOTS”)の下に置かれた関係機関の役割分担が明確である点である。MOTS所管の国営企業であるタイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand:以下“TAT”)がマーケティングとプロモーションを担い、公的機関である持続的観光特別地域開発管理機構(Designated Areas for Sustainable Tourism Administration:以下“DASTA”)が、指定地域における地域資源の開発やコミュニティ・ベースド・ツーリズム(Community Based Tourism:以下“CBT”)の磨き上げを担っている。このほか、観光局(Department of Tourism:DOT)が観光ビジネスの開発・監督を、タイ国政府コンベンション&エキシビションビューロー(Thailand Convention and Exhibition Bureau:“TCEB”)が MICE 分野の振興をそれぞれ担い、連携している。本稿のテーマである観光の高付加価値化と域外流出抑制においては、DASTAとTATの連携が鍵となっているため(図1)、両機関の具体的な取り組みに着目し、既存の資料整理やヒアリング調査の結果を踏まえて考察する。

3.DASTAの持続可能な観光指定地域における高付加価値化と域外流出抑制の取り組み
1 開発の指針と体制
DASTAは、国家観光政策委員会(the National Tourism Policy Committec:NTPC)により承認された9つの「持続可能な観光指定地域3」(図2)において、観光商品の高付加価値化を推進している。その際、開発の指針として「3C」コンセプトを掲げている。これは、観光が地域住民に利益をもたらすこと(Community benefit)、受入環境やインフラを適切に整備すること(Convenience)、そして持続可能な開発目標(SDGs)や世界持続可能観光協議会(Global Sustainable Tourism Council 以下“GSTC”)等、国際基準へ適合すること(Compliance)を条件とするものである。この枠組みの中で、地域コミュニティは、「所有者・実行者」、DASTAは「支援者」という役割分担の下で協働している(DASTA, 2021)。
地域コミュニティの役割は、住民で構成される「CBTクラブ」等を組織し、観光客の受入方針や利益配分のルールの決定、地域資源を活用した体験プログラム化、ガイドや講師としての観光客のもてなし等が挙げられる。
一方、DASTAはGSTCの国際基準をベースに策定した、コミュニティ主導型観光のための国家開発基準「タイCBT基準4」(“Thailand CBT Standard”)(DASTA, 2019)を通じて、ガイドラインを提示する。また、地域資源の掘り起こしとストーリー化、適正価格の設定、デジタルマーケティング等、ワークショップを通じたスキル移転や、観光商品を市場へ流通させるための商談の機会等も提供している。

2 高付加価値商品の創出
このような体制のもと、地域資源を「本物の体験」へと磨き上げ、近年では、高い利便性、プライバシー、少人数制等の要素も追加された高付加価値商品を創出している。
例えば、バンコクの隣、サムットプラカーン県プラプラデーン郡に位置するバンカチャオ(Bang Kachao)は、6つのサブ地区から成る都市近郊グリーンベルトとして指定され、DASTA がコミュニティと協働しながら持続可能な観光エリアづくりを進めている(DASTA, 2024)。
バン・コブア(Bang Kobua)地区では、CBTクラブが組織され、ニッパヤシのトンネルやタイハーブといった地域資源を活かした「自然染色の絞り染め体験」や「ハーバルボール作り」などのワークショップが商品化されている(Travelife for Tour Operators & Tourlink Project Partners, 2024)。特に運河を巡るボートツアーでは、従来の遊覧に加え、ゴミ拾い等の環境保護活動や生活体験を組み込んでいる【写真1】。
また、ボートツアーは、予約制とし、運航隻数や乗船人数を管理することで、環境負荷と混雑の緩和に配慮した運営が行われている(DASTA, 2021)。

このような小規模・予約制の運航形態は、一般的なボートツアーと比べて一人当たりの単価が高くなりやすい一方で、アクセスの良さとプライベート感を両立させた高付加価値体験として、環境意識の高い旅行者層に訴求していると考えられる。こうした取り組みは国際的にも高く評価されており、国際認証団であるGreen Destinationsによる「世界の持続可能な観光地トップ100選」に選出されている。

また、ナーン県ボー・スアック(Bo Suak)村では、DASTAがデザイン専門家を派遣し、女性や高齢者の副業だった伝統的な織物や陶芸等を、現代のライフスタイルに合うデザインへと改良し、商品価値を高めた【写真2】。さらに重要なポイントは、「モノの販売」から「コト(体験)の販売」へと移行したことである。DASTAは職人やコミュニティと連携し、観光客が工房で陶芸やハーブコンプレスづくり等の技術を直接学ぶ体験プログラムの整備や、職人が案内役・インストラクターとして対応できるような研修・ワークショップを支援してきたとされる(DASTA, 2021; Travelife for Tour Operators & Tourlink Project Partners, 2024)。これにより、製品販売に加え、体験料という追加収益を得る構造が生まれ、訪問者の滞在時間の延伸や、地域への理解と愛着の醸成にもつながっていると考えられる。こうしたモデルを積み重ねた結果、同村はタイで初めてUN Tourismの「Best Tourism Villages」に認定され、その国際的なブランド価値は一段と高まったといえるだろう(UN Tourism, 2024)。
これらの取り組みは地域経済にも一定の効果をもたらしていると考えられる。DASTA支援地域全体の2022年の観光収入は対前年比10・52%増となり、収入分配を示すジニ係数5は0・214と比較的低い水準にある(DASTA, 2023)。これは、高付加価値化による収益が一部の事業者に偏らず、比較的広く分配されている可能性を示唆している。
3 域外流出抑制に関する取り組み
DASTAでは、域外流出に関する詳細なデータ収集は行われていない。
流出の原因を特定するよりも、地域コミュニティに対して「可能な限り地域内の資源を選択する」よう行動変容を促すことを優先しているためである。
ただし、地域内で生産できない必需品については外部調達を認めるなど、各地域の状況に合わせた現実的な運用を行っている。
こうした柔軟な運用を基本とする一方で、地域経済の自立性を担保するため、域外流出を防ぐ仕組みと、対外的な販路を拡大する支援の両面からアプローチしている。
域外流出を防ぐ仕組み
① 調達における「優先順位」の確立
「タイCBT基準」に基づき、観光活動に必要な資源(食材、資材、人材)の調達において、地域コミュニティ内のCBTクラブメンバーを最優先し、次いで、コミュニティ内の非メンバー住民、近隣のコミュニティ(同郡・同県内)、外部事業者と、調達における優先順位を定めている。
② 地域雇用と権利の保護
外部資本による搾取を防ぐため、各コミュニティや企業内では、作業部会や管理職を地元住民に限定するほか、地域市場の出店者を、コミュニティ内外の近隣住民に限定し、外部業者の参入を制限する「販売権の保護」等、規則を設けている。
③ 交渉力の強化
技能を持つグループの組織化や、近隣コミュニティとの連携ネットワーク構築を通じて、外部の投資家や運営者に対する地元住民の交渉力を高め、不当な干渉を防いでいる。
対外的な販路を拡大する支援
① サプライヤー情報の管理
地域住民は、既に地元の誰が何を売っているかを把握しているため、一般的な物品・資材に関する「地域サプライヤー名簿」は作成していない。一方で、ツアーオペレーター向けの「観光商品」に関しては、データベースである“CBT Thailand”6や冊子である“Creative Tourism Catalogue”7 、SNSを通じて積極的に情報を公開している。
② ビジネスマッチング(DASTA Travel Mart)
地域産品やツアーの販路を確保するため、年に一度、CBTコミュニティとツアーオペレーターをマッチングさせるオンライン商談会“DASTA Travel Mart”の開催や、ITB(ベルリン)やPATA(太平洋アジア観光協会)等のイベントにコミュニティが参加し、直接的な取引機会を提供している。
4.TATによるプロモーション・販売支援
TATでは、DASTAの支援を得て創出された観光商品を国内外の市場へ効果的に送り出すため、主に「ブランド化」「販路拡大」「サステナビリティ関連キャンペーン」の側面から支援を行っている。
第一に、観光商品の「ブランド化」である。TAT主催の「Thailand Tourism Awards(Kinnaree Awards)」は、観光産業における品質と卓越性を示す指標であり、受賞者はキンナリー像およびロゴを「品質保証」のシンボルとしてプロモーションに活用することができる(TAT Newsroom, 2023)。こうした表彰制度は、審査基準を通じて商品・サービスの改善方向を示すとともに、コミュニティや事業者がブランド力の向上に取り組むためのインセンティブとして機能していると考えられる。また、TATはDASTAが開発支援を行った地域が、UNESCO創造都市ネットワーク(UCCN)やUN Tourismの「Best Tourism Villages」等の国際認定を取得できるよう国際的なプロモーションを展開している。これにより、地域固有の文化を「世界基準の観光資産」として市場に認知させる役割を担っている。
第二に、「販路拡大」である。タイ最大のB2B商談会「TTM+(Thailand Travel Mart Plus)」では、TATが全国からホテルやツアーオペレーターに加え、CBTやエコツーリズムを含む多様な観光事業者を集め、海外バイヤーとのB2B商談の場を提供している(TAT Newsroom, 2024)。実際、日タイ観光ワーキンググループの報告によれば、タキアンティア(Takhian Tia)コミュニティ等の事例において、DASTAが支援した地域の商品をTAT がFAM トリップ等のプロモーションに組み込み、国内外での販路開拓やツアー造成につなげている(JTTRI, 2024)。
第三に、TAT が推進する「サステナビリティ関連キャンペーン」への統合が挙げられる。その具体例が、DASTAが中心となって低炭素観光の取り組みを進めてきたコ・マーク島(Ko Mak)である。同島は、地域のステークホルダーによる「The Ko Mak Low-carbon Destination Declaration」(2012年)を経て、タイ初の低炭素観光地のモデルケースとして位置づけられている(TAT Newsroom,2022)。TATは全国プロモーションにおいて同島の低炭素型の取り組みを前面に掲げることで、環境負荷の小さい滞在を重視する高付加価値旅行者層への訴求に活用していると考えられる。
さらに、両機関の連携はプロモーションのみに留まらない。先述の通り、TATはFAM トリップを実施し、主要観光地とDASTA 指定地域を結ぶ体験ルートや商品コンセプトの検証・改善を図っている。こうしたプロセスの中で、両機関が周遊ルートや体験設計を共同で検討するケースも報告されている(DASTA, 2023; JTTRI,2024)。このように、TATのマーケティング基盤を通じて、DASTAが支援した地域の「本物」を体験できる観光商品が適正価格で流通する枠組みが形成されつつある。
5.まとめ―
高付加価値化と域外流出抑制から見たタイの観光施策―
本調査から、タイの「高付加価値化」と「域外流出抑制」に向けた観光施策の特徴を総括すると、以下の3点に集約される。
第一に、国の中期国家開発計画である「第13次国家経済社会開発計画(2023‐2027)」において、所得・資産格差および地域間格差の縮小が主要な目標として掲げられていること(NESDC, 2022)からも分かるように、観光は「主要都市と地方部の格差是正に資する手段」の一つとして位置づけられている点である。1990年代から導入されたCBTは、観光収入を大都市や外資系企業から地域コミュニティへ循環させることで、所得再分配に寄与する仕組みとして活用されてきた。実際に、国家レベルの計画や観光セクターの戦略におけるKPIには、観光収入の総額だけでなく、主要都市以外の地域が獲得する観光収入の比率(NESDC, 2022)や、中小企業の競争力強化・支援状況および観光産業における雇用創出(Ministry of Tourism and Sports, 2023)など、分配や包摂性に関わる指標も含まれている。
第二に、国家アジェンダである「BCGアクションプラン」を背景に、観光分野で「量」から「質」への転換が明確に打ち出されている点である。BCGモデルでは、観光産業をグリーンかつ高付加価値な観光へと転換し、二次都市の振興を通じて不平等の縮小と持続可能性の両立を図ること、そして自然・文化資本と地域アイデンティティを活用することが強調されている(BCG Model Implementation Committee,2021)。こうした方針に基づき、DASTA 等の実施機関は、地域資源に根ざしたコミュニティ主体の観光を基盤とし、より高い体験価値と価格を備えた商品開発を進めている。本稿で取り上げたバンカチャオやボー・スアック村等の事例は、この方向性を具体化した取り組みといえるだろう。
第三に、「戦略から実践まで一体的に実施」される点である。「第3次国家観光開発計画(2023‐2027)」では、観光エコシステムの構築が掲げられており、これが「制度」と「現場」をつなぐ枠組みとして位置づけられている(Ministry of Tourism and Sports, 2023)。この文脈のもとで、全国的な認証制度やガイドラインとして「タイCBT基準」やホテルの環境認証制度(例:Green Hotel / Green Hotel Plus8)等が、現場のオペレーション改善の指針として機能している。さらに、コミュニティ主体の観光商品を「開発する」DASTAと、それを国内外市場に「販売・プロモーションする」TATという役割分担が明確化されており(DASTA, 2023; JTTRI,2024)、政策が現場レベルまで浸透しやすい構造となっている。
以上の考察から、タイの観光政策は、高付加価値化と域外流出抑制をトレードオフの関係ではなく、相互に補完し合うシステムを構築した点に本質的な価値があり、持続可能な観光を目指す世界中のデスティネーションにとって、示唆に富むモデルといえるだろう。
また、日本とタイでは政治・社会背景が異なるため、形式的な導入は現実的ではないものの、高付加価値化と域外流出抑制の両立という課題は共通している。そのため、タイの観光施策から学び得るヒントも少なくない。日本では、地域資源の開発や評価指標の設計において、国際的な基準や指標が十分に活用されているとは言い難い。したがって、タイのように地域資源の開発プロセスに国際的な視点(国際基準)を組み込み、評価指標に「地域内調達率」のような経済循環の視点を明示的に取り入れることは、日本の観光施策にとっても有益な示唆となるだろう。
【謝辞】
本研究の遂行にあたり、貴重な資料のご提供ならびにヒアリングにご協力いただきました、持続的観光特別地域開発管理機構(DASTA)およびタイ国政府観光庁(TAT)の皆様に深く感謝申し上げます。
I would like to express my sincere gratitude to DASTA and TAT for their invaluable support and cooperation in this research.
本研究の一部はJSPS科研費(JP23K11631)の助成を受けて実施した。
<注>
1…「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」によると、「高付加価値旅行者」および「若年層」において、観光資源・施設の混雑緩和や保護のため金銭負担への賛成率が高い傾向にある。消費額別(2025年度版):
着地消費100万円以上の層は87%が賛成し、100万円未満の層(68%)を大きく上回る。
世代別(2024年度版 スピンアウトレポート): Z世代(76%)、ミレニアル世代(72%)、X世代(60%)、
ベビーブーマー世代(47%)と、若年層ほど割合が高い。
2…国連世界観光機関(United Nations World Tourism Organization: UNWTO)は、2024年1月に機関名を「UN Tourism」に変更した。
本稿では、名称変更前に公表された文献等については当時の名称である「UNWTO」、名称変更後の文献等については新名称である「UN Tourism」と表記する。
3…DASTAは、王令により指定された以下の9つの特別地域において、重点的な観光開発を行っている。
これらの地域は、自然環境、歴史遺産、地域文化などそれぞれ異なる観光資源を有しており、
持続可能な開発目標(SDGs)やCBTの実践モデル地域として位置づけられている。
チャーン島および周辺地域(トラート県):海洋資源と低炭素観光のモデル、パタヤ市および周辺地域(チョンブリー県):
ファミリー向け・MICEへの転換、スコータイ歴史公園および周辺地域(スコータイ県・カムペーンペット県):世界遺産と歴史文化、
ルーイ県:メコン川流域の自然と地域文化、ナーン県旧市街および周辺地域:伝統文化とソフトパワーの活用、
ウートーン古代都市(スパンブリー県):歴史教育と創造的観光、
ソンクラー湖流域(ソンクラー県・パッタルン県・ナコーンシータマラート県等):生態系保全と農業観光、
チャオプラヤー川流域(アユタヤ県等):河川文化と世界遺産
※指定範囲は特定のエリアに限る、チェンライ県(チェンセーン等):
北部文化と国境観光※指定地域は行政区画全体ではなく、特定のエリアやクラスターとして定義される場合がある。
4…コミュニティが持続可能な運営を行うための「開発指針」として機能する。
評価項目は、①組織管理(利益配分の透明性)、②社会・経済(地域雇用の創出・地産地消)、③文化(真正性の維持)、
④環境(資源管理)、⑤サービス・安全(衛生・安全対策)の5分野から成る。
5…所得分配の不平等さを測る指標で、0から1の間の値をとり、0に近いほど格差が少なく平等であることを示す。
6…DASTAが運営する、タイ全国のCBT情報を網羅した検索ポータルサイト。
各コミュニティで体験できるアクティビティ(織物、料理、農業体験等)や宿泊施設、および現地の予約コーディネーターの連絡先が掲載されている。
自前のウェブサイトを持てない小規模なコミュニティでも、本データベースに登録されることで、
国内外の旅行会社や個人旅行者からのアクセスが可能となり、商品の販売を支えるインフラとして機能している。
(URL: https://cbtthailand.dasta.or.th/webapp)
7…DASTAが発行する、高付加価値な体験商品をテーマ別(クリエイティブ観光、低炭素観光等)にまとめたガイドブック。
特に「Jai Jai Booklet」等は、
地域の職人(ローカル・アーティスト)の想いや歴史的背景を「物語(ストーリー)」として高品質なビジュアルで紹介している点が特徴である。
これらは旅行博において旅行会社(バイヤー)へ配布されるなど、ツアー造成のための商品カタログとして活用されている。
8…タイ政府が認定する環境配慮型宿泊施設の認証制度。
資源の効率的利用や環境管理体制を評価する「Green Hotel」に加え、
近年では国際的なサステナビリティ基準との整合性を高めた上位区分として「Green Hotel Plus」が設けられ、
観光産業全体の環境対応レベルの引き上げが図られている。
<参考文献>
1.UNEP & UNWTO (2005). Making tourism more sustainable: a guide for policy makers.
https://www.unep.org/resources/report/making-tourism-more-sustainable-guide-policy-makers
2.United Nations Conference on Trade and Development. (2010). The contribution of tourism to trade and development.
https://unctad.org/system/files/official-document/cid8_en.pdf
3.BCG Model Implementation Committee (2021). Bio-Circular-Green Economy 2021‒2027
Action Plan (BCG Action Plan). BCG Model Implementation Committee.
https://www.bcg.in.th/eng/wp-content/uploads/2022/07/BCG_Action_Plan_-Eng_Small.pdf
4.DASTA (2021). DASTA CBT INTEGRATED CURRICULUM.
https://www.dasta.or.th/uploads/file/202111/1636082384_4b360a749747d4bce30a.pdf
5.DASTA (2019). Criteria for Thailand’s Community-Based Tourism Development.
https://www.dasta.or.th/uploads/file/202108/1629368685_b2ddd72914e81812b5ee.pdf
6.DASTA (2024). Khung Bang Kachao Travel Guide in Thai and English.
https://www.dasta.or.th/en/article/4493
7.Travelife for Tour Operators, & Tourlink Project Partners (2024).
30 inspiring community based tourism experiences around Thailand.
https://asia.travelife.info/wp-content/uploads/2024/02/Thai-CBT-Directory-for-ITB-2024-v2.pdf
8.DASTA (2021). Kung Bang Krachao and Damnoen Saduak Canal ‒ Destinations You Cannot Miss.
https://www.dasta.or.th/en/article/333
9.DASTA (2021). Nan ‒ A City of Lanna Handicrafts and a Member of the UNESCO Creative Cities Network.
https://www.dasta.or.th/en/article/270
10.UN Tourism (2024). Best Tourism Villages by UN Tourism: Bo Suak, Thailand.
https://tourism-villages.unwto.org/en/villages/bo-suak-thailand/
11.DASTA (2023). ANNUAL REPORT 2022.
https://www.dasta.or.th/uploads/files/202307/1690267361_b99a54bd84dab34d83ea.pdf
12.TAT Newsroom (2023). 14th Thailand Tourism Awards Results. Tourism Authority of Thailand.
https://www.tatnews.org/2023/09/hrh-princess-ubolratana-confers-14th-thailand-tourism-awards/
13.TAT Newsroom (2024). TTM+ 2024 welcomes global players with “Amazing Thailand: Your Stories Never End” theme.
Tourism Authority of Thailand.
https://www.tatnews.org/2024/06/ttm-2024-welcomes-global-players-with-amazing-thailand-your-stories-never-end-theme/
14.JTTRI (2024). 3rd meeting of Tourism Working Group between Thailand and Japan
(第3回日タイ観光ワーキンググループ会合議事要旨).
https://www.jttri.or.jp/tourism-wg/20240827_summary_en.pdf
15.TAT Newsroom (2022). Ko Mak moving ever closer to becoming Thailand’s first ‘Low-carbon Destination’.
Tourism Authority of Thailand.
https://www.tatnews.org/2022/10/ko-mak-moving-ever-closer-to-becoming-thailands-first-low-carbon-destination/
16.DASTA (2023). Strategic Plan 2023-2027
https://www.dasta.or.th/uploads/files/202403/1709714364_5f7c262ad136c0f7cfaa.pdf
17.NESDC (2022). 第13次国家経済社会開発計画(2023-2027)
(The Thirteenth Plan The National Economic and Social Development Plan 2023-2027).
https://www.nesdc.go.th/en/the-national-economic-and-social-development-plan/the-thirteenth-plan-2023-2027/
18.Ministry of Tourism and Sports (2023). 第3次国家観光開発計画(2023-2027)
(The Third National Tourism Development Plan 2023-2027).
https://www.chonburimots.go.th/th/ข่าวสาร/ข่าวสารการท่องเที่ยว/1023-แผนพัฒนาการท่องเที่ยวแห่งชาติฉบับที่-3-พ-ศ-2566-2570.html
