蔵書の特徴

蔵書の特徴について

蔵書の特徴について

 開設以来、「旅の図書館」では、世界各国の旅行ガイドブックから観光研究の専門書・学術書まで、多様な利用者層に応えられる図書・資料を幅広く収集してきました。

 2016年、学術研究機関である公益財団法人日本交通公社本部との一体化を機に、これまで調査研究活動の中で収集してきた資料を統合しました。より観光の研究者や実務者向けの専門資料の充実を図り公開をするため、以下のような収蔵方針を定めています。

<収蔵方針>

  • 観光の研究・実務に資する図書・資料を重点的に収蔵。
  • 旅行及び観光地に関する資料は、最新の情報を得るとともに、過去をさかのぼった調査研究を行う上でのアーカイブ資料としての価値等を考慮し、厳選して収蔵。

 なお、観光学は、単一の学問ではなく、歴史学や地理学、社会学、人類学、心理学、経営学、経済学、統計学、都市計画学など、あらゆる既存の学問領域を使って観光の諸事象を分析・研究するもので、極めて学際的な性格をもっており、観光に関する研究図書も様々な領域に及んでいます。

 こうした多岐にわたる観光研究資料を分類する場合、一般的に用いられる日本十進分類法(NDC)では、第一次区分「6(産業)」→第二次区分「68(運輸・交通)」→第三次区分「689(観光事業)」と、第三次区分の一つに集約されてしまい、詳細な分類には適用できません。したがって、観光研究資料の分類には、それに対応した分類が必要ですが、わが国ではまだ観光学の体系が十分確立されていないことから、公益財団法人日本交通公社では約1年をかけ十進分類法を用いた観光研究資料に対する独自分類「T(Tourism)分類」を構築しました。

T分類(Tourism) 観光研究の専門図書・資料の特徴

 T分類では、T0~T9までの第一次区分(大分類)のもと、さらに第二次区分(中分類)を行い、より詳細な分類が必要なものについては第三次区分まで設定しています(表2)。今後は、運用を図りながら、必要に応じ適宜見直しを行っていく予定です。

 現在、これらT分類によって登録されている観光研究資料は約8,000冊。国内外の観光研究の専門書をはじめ、官公庁や公益財団法人日本交通公社を含む研究機関等の調査研究報告書等があります。以下、簡単に第一次区分別に、主な図書・資料の概要を紹介します。

【表2】
第1次区分第2次区分備考(T番号は第3次区分)
T0.観光原論・概論T00. 概論・総論観光論・観光学全般、観光用語 等
T01. 観光の概念観光の概念・定義・意義、旅、余暇・レジャー 等
T02. 観光の歴史T020. 概論・総論  T021. 観光の日本史  T022. 観光の世界史
T03. 観光と文芸観光に関わる文学・紀行・作家 等
T04. 観光理論・研究観光理論、観光研究組織 等
T09. 観光原論・概論その他 
T1.観光者・観光活動(Ⅰ)T10. 概論・総論観光者の分類・特性、観光(旅行)の形態 等
T11. 観光者の行動・心理観光発生論、観光欲求・観光動機、観光行動論 等
T12. 観光活動全般観光対象と活動の分類(種類)、観光活動の動向 等
T13. 自然・スポーツ・レクリエーション登山、海水浴、スキー、キャンプ 等
T14. 歴史・文化文化と観光、社寺巡り、巡礼(遍路)、宗教とツーリズム、祭り、芸術、サブカルチャー 等
T15. 遊戯・娯楽・趣味遊び、遊園地、ゲーム、ギャンブル 等
T16. 飲食・買い物フードツーリズム、買い物・ショッピング 等
T19. 観光活動その他健康と観光(ヘルスツーリズム) 、マルチハビテーション 等
T2.観光者・観光活動(Ⅱ)T20. 旅行者動向(概論・総論)旅行者動向全般、余暇需要 等
T21. 日本人の旅行(国内旅行)日本人の国内旅行市場動向 等
T22. 日本人の旅行(海外旅行)日本人の海外旅行市場動向 等
T23. 訪日外国人の旅行(インバウンド)訪日外国人旅行市場動向、誘客・インバウンドの戦略 等
T24. 国際的な旅行者動向 
T25. 海外(各国)の旅行者動向 
T29. 観光者・観光活動その他一般的な消費者(市場)動向 等
T3.観光地・観光資源(Ⅰ)T30. 概論・総論観光地理学、観光地の分類・特性、観光地の成立・発展形態 等
T31. 自然観光地景勝地、自然公園、エコツーリズム、ジオパーク、自然観光地の保護と開発 等
T32. 歴史観光地歴史・町並み観光地、歴史的町並みの保存と再生 等 
T33. 温泉観光地温泉学、温泉地の歴史、温泉地の再生・活性化 等
T34. 島嶼観光地島嶼地域の課題、離島と観光振興 等
T35. 都市観光地都市の魅力、都市観光・アーバンツーリズム、都市開発・市街地の活性化 等
T36. 農山漁村・過疎地域グリーンツーリズム、農家民宿、里地・里山の保全、農村景観、農村・過疎地域の活性化 等
T37. リゾートバカンス、リゾートの概念、保養地、リゾート法、リゾート計画論、リゾート開発 等
T4.観光地・観光資源(Ⅱ)T40. 観光資源論観光資源の概念・分類、観光資源評価(手法)、観光資源の保護と開発 等
T41. 世界遺産世界遺産と観光、世界遺産登録地の動向・課題 等
T42. 産業遺産・産業観光産業遺産と観光(ヘリテージツーリズム)、産業観光 等
T43. 認定地域その他世界農業遺産、無形文化遺産、日本遺産 等
T44 観光インフラ(全般)社会基盤全般 等
T45. 観光インフラ(土木・建築)道路、河川、運河、橋梁、ダム、建築 等
T46. 観光インフラ(公園緑地・環境)公園、都市緑地、水辺空間 等
T47. 観光インフラ(情報)情報技術、情報媒体、観光案内所、観光標識 等
T49. 観光地・観光資源その他 
T5.観光産業T50. 概論・総論観光産業全般、観光業界の動向、観光事業論・観光ビジネス 等
T51. 旅行業旅行業の歴史、旅行ビジネス、旅行業の動向 等
T52. 運輸(交通)業T520.概論・総論  T521.航空業  T522.鉄道業  T523.船舶・海運業  T524.自動車産業  T529.その他
T53. 宿泊業宿泊業の諸形態、宿泊業の歴史、旅館業法、宿泊施設の計画・開発・経営 等
T54. 飲食・土産物業T540.概論・総論  T541.飲食業  T542.土産物業
T55. MICE産業ミーティング・インセンティブ産業、イベント産業、コンベンション産業、展示会産業 等
T56. 観光レクリエーション事業T560.概論・総論  T561.観光施設  T562.商業施設  T563.スポーツ&レジャー(全般)  T564.ウィンタースポーツ  T565.アウトドア  T566.エンターテーメント  T567.ギャンブル  T569.その他
T57. ガイド業通訳ガイド、地域ガイド 等
T59. 観光産業その他 
T6.観光計画・開発T60. 概論・総論観光計画全般、観光開発と計画 等
T61. 観光調査観光調査、観光地診断・観光地評価、観光の需要予測 等
T62. 観光地計画観光計画・観光地づくりの手法、広域・都道府県・市町村の観光計画 等
T63. 観光レクリエーション施設計画観光レクリエーション施設・観光交流拠点の計画 等
T64. 観光交通計画交通需要調査、観光交通計画、観光ルート開発、観光街道 等
T65. 観光地の景観計画景観論・風景論、観光地の景観・風景計画、景観とまちづくり 等
T66. 観光開発観光開発史、観光開発の手法、観光開発と保護 等
T67. 観光地づくり観光地の活性化・再生、着地型観光、観光まちづくり 等
T69. 観光計画・開発その他 
T7.観光政策T70. 概論・総論観光政策全般
T71. 日本の観光政策T710.概論・総論  T711.観光政策(国土交通省・観光庁)  T712.観光政策(総務省)  T713.観光政策(経済産業省)  T714.観光政策(文部科学省)  T715.観光政策(環境省)  T716.観光政策(農林水産省)  T719.観光政策(その他)
T72. 都道府県・市町村の観光行政市町村の観光施策、ディスティネーションキャンペーン(DC)、地域間交流 等
T73. 国際観光政策国際観光の問題、国際レベルの観光政策、国際観光協定・条約、国連開発、国際協力 等
T74. 海外(各国)の観光政策各国の観光政策・諸制度等 発展途上国の観光政策 等
T75. 国際交流国際観光交流 等
T79. 観光政策その他 
T8.観光経営・経済T80. 概論・総論 
T81. 観光経営(全般)観光経営(観光ビジネス)全般 等
T82. 観光マーケティングマーケティング論、ホスピタリティとマーケティング、観光(誘客)宣伝・PR、観光のブランディング 等
T83. 観光事業の経営サービスのマネジメント、観光事業の労務・財務 等
T84. 観光人材・組織T840.総論・概論  T841.観光人材の育成  T842.観光組織  T849.その他
T85. 観光地経営観光地経営論、観光地マネジメントの手法、観光地ブランディング、観光財源、官民協働 等
T86. 観光経済(全般)観光産業・観光ビジネスと経済、国際旅行収支、雇用と所得、観光金融・観光投資 等
T87. 観光統計・経済波及効果観光統計手法、観光消費額、観光の経済波及効果 等
T89. 観光経営・経済その他 
T9.観光と社会・文化・環境T90. 概論・総論地域社会全般 等
T91. 観光と地域社会・文化観光人類学・観光民俗学(風俗・風習、民俗芸能、伝統産業、郷土料理等)、地域(地元)学、エコミュージアム 等
T92. ユニバーサルツーリズム障害者・高齢者と旅行、観光のバリアフリー、ユニバーサルツーリズム 等
T93. 観光とボランティア観光とボランティア、ボランティア・ツーリズム、社会貢献活動、メセナ 等
T94. 災害と観光復興震災と観光復興、ダークツーリズム 等
T95. 観光と環境持続可能な観光、環境負荷の低減、環境指標、自然再生エネルギー 等
T99. 観光と社会・文化・環境その他 

■観光原論・概論〈T0〉

 観光学に関する原論・概論(観光用語や事典等を含む)、観光・余暇・レジャーの概念や本質に関するもの、国内外の旅・観光の歴史や文芸(紀行・文学など)、観光の理論など、観光学の基本となる資料群で構成しています。

■観光者・観光活動〈T1・T2〉

 観光者(旅行者)の視点から分類したもので、「T1(観光者・観光活動(Ⅰ))」では観光者の行動・心理や各種観光活動、「T2(観光者・観光活動(Ⅱ))」では日本人の国内旅行・海外旅行、訪日外国人の旅行(インバウンド)、海外(各国)の旅行者動向など、主に旅行市場の動向に関するものを扱っています。

 なお、T2では、旅行市場の動向分析などを行った研究資料を主としており、統計的なデータや資料については、「F分類(F2:統計・白書)」で扱っています。

■観光地・観光資源〈T3・T4〉

 観光地・観光資源に関する資料について、2つの第一次区分を用いて分類しています。「T3(観光地・観光資源(Ⅰ))」では、特に観光地理学的な視点から自然観光地、歴史観光地、温泉地、島嶼、都市、農山漁村・過疎地域などの観光地タイプに分類し、リゾートを加えました。ここでは、各観光地タイプの発展過程や観光地としての諸課題、観光地づくり等に関する図書・資料を集め、自然資源、歴史・文化資源、温泉資源といった観光資源についても、関係の深い観光地タイプの中で扱っています。

 また、エコツーリズム、アーバンツーリズム(都市観光)、グリーンツーリズムといった観光の潮流として登場してきた各種テーマのツーリズムについても、関係の深い観光地タイプの中に含めています。

 「T4(観光地・観光資源(Ⅱ))」では、観光資源論のほか、世界遺産や産業遺産などの認定地域、及び土木・建築、公園緑地・環境、情報などの観光基盤(インフラ)に関するものを扱っています。

■観光産業〈T5〉

 旅行業、運輸(交通)業、宿泊業、飲食・土産物業、MICE産業、観光レクリエーション事業、ガイド業等の観光産業の業種別に、各産業の特性や歴史、業界動向、関連制度、事業・ビジネス等に関するものを扱っており、最も多い蔵書があります。

 このうち、運輸(交通)業、飲食・土産物業、観光レクリエーション事業については、第3次区分により詳細分類を行っています。

■観光計画・開発〈T6〉

 観光の調査・計画・開発に関する資料群で、公益財団法人日本交通公社が長年関わってきた観光地の調査・計画や観光地づくりなどの調査研究活動の中で収集してきた資料をはじめ、観光交通計画や景観計画に関する資料があります。

 「観光地計画(T62)」には、観光計画の手法や計画論に関する資料のほか、都道府県や広域、市町村等が策定した観光振興計画資料(報告書)もあります。「観光地づくり(T67)」には、観光地の活性化や観光まちづくり等に関する様々な施策や取り組み事例等に関する資料も多く、観光地の実務の参考としてご利用いただけます。

■観光政策〈T7〉

 日本の観光政策、都道府県・市町村の観光行政、国際レベルや海外各国の観光政策等に関する資料を扱っています。

 特に日本の観光政策については、我が国の観光の基本的な政策に関する各種資料を集めるとともに、省庁別に政策や調査報告書などを分類し、各象徴の観光に関する施策の動きがわかるようにしています。

■観光経営・経済〈T8〉

 観光(観光事業)の経営や経済に関する資料を扱っています。

 このうち、観光経営については、マーケティングや観光事業・観光ビジネスの経営、観光人材・組織等により分類しています。また観光地を対象としたマネジメントやマーケティング手法、ブランディング等に関する資料は、「観光地経営(T85)」として扱っています。

 観光経済に関しては、観光経済全般と観光統計・経済波及効果に関するものに区別して分類しています。

■観光と社会・文化・環境〈T9〉

 ここでは観光と関わる社会の諸事象として、観光と地域社会・文化、ユニバーサル・ツーリズム、ボランティア、災害と観光復興、環境等を扱っています。

 「観光と地域社会・文化(T91)」は、観光人類学・民俗学的な視点から、風俗・風習や祭り・伝統行事などを通した観光と地域社会・文化との関わりについての資料を集めています。

地域研究資料

地域研究資料

 地域研究資料は、国内・海外の個別の国や地域・観光地に関する図書や資料で、観光研究資料(T分類)と地域を理解するための基礎文献(NDC分類)とで構成しています。

 これらの資料には、国立公園をはじめとする自然観光地や世界遺産地域、温泉地、都市や農山漁村地域等の観光地づくりや地域の活性化など、公益財団法人日本交通公社の調査研究活動を通して収集してきた地域資料や海外各国の調査資料等があります。

F分類(Foundation) 公益財団法人日本交通公社の特徴的なコレクション資料の特徴

 公益財団法人日本交通公社の刊行物・出版物や調査研究報告書、古書・稀覯書など、公益財団法人日本交通公社の所蔵する特徴的な資料を集め、「F(Foundation)分類」として分類・整理しています(表3)。F分類には、主に次のような資料があります。
【表3】

第1次区分 第2次区分 分類に含まれる内容(キーワード例)
F0.財団(JTBF)関係資料 F00. 財団(JTBF)経営資料 社史、経営関係資料
F01. 機関誌・定期刊行物  財団刊行物(『観光文化』『旅行年報』等)
F02. 財団出版物 財団出版物(『美しき日本』『観光読本』等)
F03. 外部出版物(財団関連) 財団研究員が執筆に関わった外部出版物
F07. 財団主要調査資料 財団の主要調査資料
F08. 調査研究報告書 自主研究報告書・受託調査報告書
F09. 保存資料  
F1.JTB関係資料 F10. 経営資料 社史(グループ会社含む)、経営関係資料
F11. 営業資料 営業関係資料(JTBニュースリリース等)
F18. JTB関係資料(その他)  
F19. 保存資料  
F2.統計・白書 F20. 観光統計全般 国内・海外の観光に関する統計・白書・年鑑
F21. 統計(旅行業) 旅行業に関する統計・白書・年鑑
F22. 統計(運輸・交通) 運輸・交通に関する統計・白書・年鑑
F23. 統計(宿泊) 宿泊に関する統計・白書・年鑑
F24. 統計(観光施設) スポーツ施設を含む
F25. 都道府県観光統計 都道府県別の観光入込統計
F29. 統計(その他) 社会統計 等
F3.ガイドブック F30. ガイドブック(テーマ別) テーマ別ガイドブック
F31. ガイドブック(国内) 国内ガイドブック(るるぶ情報版等)
F32. ガイドブック(ジャパン) 外国人向けの日本紹介ガイドブック
F33. ガイドブック(海外) 海外ガイドブック:ロンリープラネット、地球の歩き方 等
F34. 観光地パンフレット・地図 主要観光地のパンフレット、地図
F39. ガイドブック(その他)  
F4.旅行商品パンフレット   旅行商品パンフレット(JTB「エース」「ルック」等)
F5.時刻表・機内誌 F50. 時刻表 時刻表(バックナンバー)
F51. 機内誌 主要航空会社機内誌(バックナンバー)
F6.古書・貴重資料  F60. 古書・稀覯書 観光産業・政策・観光事業、ガイドブック等
F61. ツーリスト・旅 『ツーリスト』、『旅』原書・合本
F69. 保存資料  
F7.映像・デジタル資料 F70. 映像資料 映像資料、デジタルアーカイブ資料 等
F71. 録音資料  
F72. 写真  
F79. その他デジタル資料  
F8.    
F9.非公開資料    

■財団(JTBF)関係資料〈F0〉

一度は読みたい観光研究書&実務書100冊

 公益財団法人日本交通公社の社史や刊行物・出版物、調査研究報告書等です。

 機関誌『観光文化』は、1976(昭和51)年12月の創刊以来、毎号、各時代の観光のトピックを特集テーマに据え、各テーマに造詣の深い有識者の方々に執筆依頼し、多様で深奥な知見が凝縮された冊子として評価をいただいてきたものです。215号(2012年10月発刊)からは、観光研究分野における研究活動の発表の場として内容を刷新し、研究員による執筆と外部専門家の方々からの寄稿による観光文化振興のための問題提起、情報提供、交流の場となっています。また、『旅行年報』(1981(昭和56)年から刊行)は、前年度の観光を取り巻く旅行市場や観光産業、観光地、観光政策などに関する各種統計資料および公益財団法人日本交通公社独自調査の結果をもとに、およそ一年間の動向を概観するものです。各年の旅行・観光を取り巻く動きを捉えるとともに、経年で見ていただくことで、時代の変化を読み解くこともでき、旅行・観光の動向分析やアーカイブとしても活用いただける資料です。2014年度版からは、旅行者の実態や意識調査(公益財団法人日本交通公社の独自調査)やアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(日本政策投資銀行との共同調査)などの結果も加え、内容の充実を図っています。

 その他、公益財団法人日本交通公社が50年余りに及ぶ各種調査・研究活動の中で成果として取りまとめた報告書も数多く、自主研究を中心に公開可能な調査報告書について、観光の研究や観光政策・観光地づくり等の実践の場での参考として活用いただけるよう公開しています。公益財団法人日本交通公社の代表的な出版物については、機関誌「観光文化」231号(2016年10月)「特集3:公益財団法人日本交通公社がお薦めする「一度は読みたい観光研究書&実務書100冊」の中で合わせてご紹介しています。

■JTB関係資料〈F1〉

JTB関係資料

 公益財団法人日本交通公社を設立母体とする旅行会社JTBの社史や各種発行物、ニュース資料などがあります。わが国の旅行業の歴史や歩みなどを知る上で参考になります。

■統計・白書〈F2〉

 国内外の主要な観光統計をはじめ、旅行業、運輸・交通、宿泊、観光施設等観光に関連する各種統計・白書・年鑑約3000冊を揃えています。各分野別の主な統計資料は、表4の通りです。

 わが国では、継続的にデータを捉えることのできる観光統計が少ないことが課題です。『観光白書』、『観光の実態と志向』、『大都市住民の観光レクリエーション』、『レジャー白書』等は30~50年継続して観光されている刊行物で、長期的なスパンで観光の政策の動きや統計データを捉える貴重な資料といえます。

 また、公益財団法人日本交通公社では、調査研究活動の一貫で、各都道府県が独自に取りまとめている観光統計資料についても収集してきており、ほかにはない統計資料の一つです。旅の図書館では、これら資料のうち公開可能な資料をご覧いただくことができます。
【表4】

国内の観光統計全般 ・『観光白書』国土交通省・観光庁
・『観光の実態と志向』(公財)日本観光振興協会
・『大都市住民の観光レクリエーション』(公財)日本観光振興協会
・『レジャー白書』(公財)日本生産性本部
日本人の海外旅行
訪日外国人旅行
・『出入国管理統計』法務省大臣官房司法法制部
・『日本人と国際線の旅 海外旅行者調査 ON JAPANESE OVERSEAS AIR TRAVELLERS』毎日新聞社
・『JNTO 訪日外客訪問地調査』日本政府観光局
・『日本の国際観光統計』日本政府観光局
・『JNTO国際観光白書』日本政府観光局
・『JNTO 訪日旅行誘致ハンドブック』日本政府観光局
特殊マーケットの旅行 ・『修学旅行のすべて』・『教育旅行白書』(公財)日本修学旅行協会
・『ロングステイ調査統計』ロングステイ財団
・『ウィンターレジャー白書』ウィンターレジャーリーグ
国際的な観光動向 ・『COMPENDIUM OF TOURISM STATISTICS』UNWTO
・『YEARBOOK OF TOURISM STATISTICS』UNWTO
・『世界観光統計資料集』アジア太平洋観光交流センター
旅行業 ・『数字が語る旅行業』(一社)日本旅行業協会
運輸・交通 ・『交通年鑑』・『新交通年鑑』交通協力会・交通新聞社
・『鉄道要覧』(株)電気車研究会・鉄道図書刊行会
・『鉄道統計年報』国土交通省鉄道局
・『航空輸送統計年報』国土交通省
・『航空統計要覧』(一財)日本航空協会
宿泊 ・『宿泊旅行統計調査報告』観光庁
観光施設 ・『特定サービス産業実態調査』経済産業省
・『レジャーランド&レクパーク総覧』総合ユニコム(株)
都道府県の観光統計 ・『全国観光動向(都道府県別観光地入り込み客統計)』(公社)日本観光振興協会
・各都道府県が独自に取りまとめている観光入込統計(一部非公開)
その他 ・国民の生活や観光に関する世論調査等

■ガイドブック〈F3〉

ガイドブック

 ガイドブックは、「旅の図書館」の特徴的な蔵書の一つです。
近年のガイドブックについては、国内では『るるぶ情報版』(JTB)、海外では『ロンリープラネット』、『地球の歩き方』などに限定して収蔵しています。『るるぶ情報版』は概ね2000年以降の全てを収蔵しており、『ロンリープラネット』、『地球の歩き方』は5年ごとに保存しています。これらのガイドブックは、最新の旅行情報源としてだけでなく、掲載情報(テーマ、キーワード、写真など)から観光地や観光の変化を捉えるなど観光研究のアーカイブ資料としても活用いただけます。

 また外国人向けに日本を紹介するガイドブックについては、「ガイドブック(ジャパン)」として分類し配架しており、インバウンドを研究する上でも参考にしていただけます。

 なお、戦前の国内外のガイドブックも数多く所蔵しており、特に戦前のジャパン・ツーリスト・ビューローの時代のガイドブックなどからは、ガイドブックの歴史や変遷を見ることができます(古書・貴重資料〈F6〉参照)。

■旅行商品パンフレット〈F3〉

 (株)JTBの代表的旅行商品『エースJTB(国内)』『ルックJTB(海外)』について、1990年代以降のツアーパンフレットを取り揃えています。時代とともに変化する旅行テーマや旅行スタイル、観光地の変化などが、旅行商品を通して見ることができます。

■時刻表・機内誌〈F5〉

時刻表

 時刻表は特徴的な蔵書の一つです。最も古い時刻表は1872(明治5)年「品川横浜館鉄道列車出発時刻及び賃金表」。(株)JTBが発行する時刻表は1973(昭和48)年1月号以降は全て所蔵しています。古い時刻表は閉架資料で、申請によって閲覧いただけます。

 機内誌については、JAL、ANA、エールフランスなど国内及び日本に就航している海外航空会社より寄贈いただいている機内誌(約40誌)を取り揃えています。
海外航空会社の機内誌の日本紹介記事などからは、外国人旅行者に日本がどのように紹介されているかを知る上で手がかりともなり、インバウンドの研究にも役立ちます。

■古書・貴重資料〈F6〉

古書・貴重資料

【古書・稀覯書】
 主に戦前(概ね1940年代以前)を中心にした観光に関する貴重な文献コレクション約2,300冊を所蔵しています。わが国で最初の外客誘致・斡旋機関として発足したジャパン・ツーリスト・ビューロー(公益財団法人日本交通公社及びジェイ・ティー・ビーの前身)の生みの親である木下淑夫氏が収集した国内外の貴重な資料(木下コレクション)約90冊をはじめ、1880年代から1940年代の文献からは、戦前のわが国の観光産業やインバウンドをはじめとした観光政策、観光事業等の動きがわかります(表5)。

 古書・稀覯書は閉架資料のため、申請によって閲覧いただけます。

【『ツーリスト』『旅』】
 1913(大正2)年に創刊し、1942(昭和17)年まで刊行された『ツーリスト(Tourist)』は、ジャパン・ツーリスト・ビューローの雑誌で、邦文・英文併記の特徴を持ち、戦前のインバウンドに対するわが国の取り組みの動きがわかる貴重な資料の一つです。

 また『旅』は、1924(大正13)年に発刊され、日本で最も長く続いた旅行雑誌であり、わが国の観光の時代変化を伺うことができます。

 これら2誌は、創刊号から、前者は終刊まで、また後者は2004(平成16)年1月号(924号)まで図書館内で「デジタルコレクション」として閲覧することができます。
【表5】※分類はF分類(F60)を第3次区分したもの

分類  蔵書の概要
F600 観光産業・政策・観光事業 観光産業、観光政策、観光事業、観光論
【蔵書例】『國際観光』『日本鉄道史』『日本ホテル略史』など
F601 地誌・観光地事情 地理、地誌、風俗風習、地域の全般的な紹介(社会情勢、生活)
【蔵書例】『日本名勝地誌』『國立公園』『日本風景論』など
F602 ガイドブック・旅行案内 ガイドブック、観光地案内、旅行案内、時刻表
【蔵書例】Baedeker’s Handbook、Cook’s Traveller’s Handbook、『日本案内記』
『鐵道旅行案内』『旅程と費用概算』など
F603 地図・パンフレット 地図、パンフレットなど
【蔵書例】「Map of JAPAN」『日本全国パノラマ地図』など
F604 旅行記・エッセイ 紀行、旅行記、エッセイ、旅行雑誌など
【蔵書例】『日本アルプス』『特命全権大使米欧回覧実記』など
F605 文化・芸術 文化、芸術
【蔵書例】『Tourist Library』『英文武士道』など
F606 その他 【蔵書例】『故木下淑夫君年譜』『志賀重昴全集』など

NDC分類 旅行・観光研究の参考となる基礎的文献の特徴

 旅の歴史、民俗学、観光・旅行産業関係社史など旅行・観光の研究の参考となる基礎文献資料があります(雑誌の合本を含む)

学術誌

学術誌

 学術誌については、国内の主要な観光・ツーリズム関連学会の学会誌(約20誌)をはじめ、観光に関する学部や学科等を有する国内の主要な大学や研究機関の紀要(約50誌)を収蔵しています。海外学術誌は、海外電子ジャーナル(4誌)を館内で閲覧可能です。

雑誌

雑誌

 研究雑誌、観光関係団体等の情報誌、旅行雑誌、一般情報誌、地域情報誌など約120タイトルを閲覧いただけます。『トラベルジャーナル』、『観光とまちづくり(前誌:観光)』、『月刊ホテル旅館』、『レジャー産業』、『地域開発』、『地域づくり』など観光に関わる主要雑誌については、バックナンバーを合本して保存しており、観光関連産業や観光業界の動きや歩みを振り返ることができます。

蔵書検索

検索ボックスにキーワード(著者、出版社名)を入力し検索してください。

詳細検索はこちら