“スローツーリズム”が観光の原点を呼び戻す?!(第13回 旅行動向シンポジウム) 2003年度

2003.11.16

~“スローツーリズム”が観光の原点を呼び戻す?!~
~2004年の旅行動向見通し~

ご案内
“スローツーリズム”とは何か? “スローツーリズム”が観光地に及ぼす影響とは?

近年、“スローフード”“スローライフ”など“スロー”が語頭となる言葉が様々な分野で用いられています。なぜスピード重視の現代に“スロー”という言葉がもてはやされているのでしょうか?また、旅行・観光分野に関連のある“スローツーリズム”とはどのようなもので、それは観光地にどのような影響をもたらすのでしょうか?現状ではこの言葉の意味がはっきりしていないため、具体的なイメージが沸きにくいのではないかと思います。
今回のシンポジウムでは、“スローツーリズム”をキーワードとして、スローツーリズムの考え方、スローツーリズムの実現に向けた具体的な取り組み、そのための観光地のあり方等について検証していきたいと考えております。
また、観光産業を代表する方々へのアンケート結果などの分析から、2004年の旅行見通しを探るとともに、全国約2,000サンプルのアンケート調査に基づいて、現在の旅行市場の特徴や旅行者の志向についても分析します。
当シンポジウムを今後の皆様のビジネスにお役立て頂けますよう、多数の方々のご参加をお待ちしております。

プログラム

第1部 財団報告
「2004年の旅行動向見通し」 (財)日本交通公社 研究調査部 市場分析グループ
2003年の旅行市場は良かったのか悪かったのか、そして2004年はどのような局面を迎えるのかについて、当財団がこれまで16年間継続実施してきた「観光業界を代表する方に聞く旅行の見通しアンケート」や、四半期ごとに実施する「全国観光地動向調査」、また全国の消費者約2,000人に聞いた旅行意識調査の結果などに基づいて解説します。
第2部 パネルディスカッション
「『スロー・イズ・ビューティフル』な時代がやってきた!」
これまでの急速な技術革新や産業発展等により、人々の生活レベルや利便性は向上しましたが、均質化や画一化も進み、季節感や時間差をも感じさせない世界が出現しています。その結果、個人や地域のアイデンティティは急速に失われつつあります。これは人間や地域に本来備わっているはずの価値の否定・損失といえるのではないでしょうか。
このような状況に対する危機感からか、最近では本来の人間性を取り戻すことを目的とした “スローライフ”、地域特有の食材を活用し地元で味わってもらうことを目的とした“スローフード”等が注目されています。“スロー”という言葉の中には、文字通りの意味である単に“ゆっくり○○する”というだけでなく、異なる時間の流れを体験することによる“本来の姿を取り戻す(回復する)”というニュアンスも含まれているのです。この考え方は、“旅行の本来の姿” と言われている“スローツーリズム”にも当てはまるはずです。
今後の旅行には+αの付加価値が求められています。自然に触れあい自然について学ぶ “エコツーリズム”や温泉を活用し健康増進を図る“ウエルネスツーリズム”(昨年度の本シンポジウムで取り上げたテーマ)などは付加価値を取り込んだツーリズムであり、地域の魅力の1つである“食=スローフード”を味わうことを目的としたツーリズムも同様に付加価値を有するものと捉えることができます。これらには共通して、“滞在=日常とは異なる時間・空間で過ごす”という時間軸があるように感じられます。
今回は、『スロー・イズ・ビューティフル』(株式会社平凡社)の著者で、スローツーリズムに精通されている辻氏、南紀で地域づくりに従事されている橋川氏、長野県飯田市にて農業を通じたスローツーリズムに取り組まれている井上氏をお招きし、多面的な議論を展開していきます。

◎パネリスト
◆辻 信一 氏 
(明治学院大学国際学部教授)
1952年東京生まれ。専攻は文化人類学。環境活動も展開しており、1999年に環境=文化運動「ナマケモノ倶楽部」(http://sloth.gr.jp/)を設立し世話人を務める。また、「スロー社」など環境共生型ビジネスに取り組むほか、複数のNPOやNGOにも参加している。
主な著書に、『スロー・イズ・ビューティフル』の他、『ヒア・アンド・ゼア』(思想の科学社)、『ブラックミュージックさえあれば』(青弓社)、『常世の舟を漕ぎて-水俣病私史』(世織書房)などがある。

◆橋川 史宏 氏 (紀南振興プロデューサー)
1957年生まれ。1980年4月に(財)松下政経塾入塾(第一期生)。卒業後、1985年に(株)赤福入社、企画室主任、(有)伊勢福商品開発室係長、同商品開発部部長を歴任し、約11年間にわたり「おかげ横丁」の企画立案から管理運営にまでたずさわる。平成11年に(財)松下政経塾に入職、平成14年に退職した後、現職に着任。

◆井上 弘司 氏 (飯田市産業経済部農政課農政係長)
1952年長野県伊那郡上郷町生まれ。1971年に上郷町立高松病院に勤務、1975年に上郷役場に移り、建設課、産業課を歴任。1993年7月、飯田市との合併に伴い、飯田市役所農村整備課に配属。1997年に産業経済部農政課配属となり、1999年より現職。
南信州あぐり大学院の設立に関わり、「食と農」をテーマに「総合的な学習の時間」づくりが出来る人材の育成に取り組んでいる。「他地域に先駆けて無償ボランティアでのワーキングホリデーを企画し、本当の農家の家族のように素朴で温かな田舎の生活が体験できるという新しい観光の形を示した」との理由により、2002年度に開催された『観光カリスマ百選』第2回委員会において、観光カリスマに選定された。

◎コーディネーター
◆小林 英俊 
((財)日本交通公社 理事・観光マーケティング部長)
東京大学農学部卒業後、(株)日本交通公社入社。1985年には(財)地域活性化センターに情報サービス課長として出向。1991年JTB経営企画室調査役(業界活動担当)、1993年海外旅行虎ノ門支店長を経て、1999年2月(財)日本交通公社観光マーケティング部長、2003年6月より現職。
「自然ガイドによる地域誘致戦略に関する調査委員会」委員(国土交通省)、「国家的課題としての観光調査委員会」専門委員(日本経済調査協議会)、「自律的観光の総合的研究」共同研究員(国立民族学博物館)、「日本エコツーリズム協会」理事、「健康と温泉フォーラム」理事。
著書に、『エコツーリズム教本』(訳書、平凡社)。

開催日 2003年12月24日(水) 13:30~17:20
募集人数 200名
参加費 一般 15,000円  賛助会員 13,500円(いずれも消費税込み)
なお、2名以上でご参加の場合、2人目からは10,000円(賛助会員9,000円)でご参加いただけます。
この場合「旅行年報2003」「2004年旅行の見通し」は付きません。
レポートを人数分ご希望の場合は通常の参加費となります。
会場 東京・大手町/経団連会館 11階 国際会議場 [地図]
東京都千代田区大手町1-9-4
(地下鉄大手町駅下車1分)
TEL:03-3279-1411(代表)
主催 財団法人日本交通公社
お問合せ 財団法人日本交通公社 観光文化振興基金事務局 古川・渡邉・久保田

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