セミナー・シンポジウム

平成15年度 観光基礎講座

2003年6月19日(木)・20日 (金)

~次代のカリスマを育てる~

観光は、平成15年1月の小泉首相の施政方針演説での言及、「観光立国懇談会」「観光カリスマ100選」事業の推進などで、国や地域の重要な政策テーマとして今まさに注目されています。こうした時こそ、観光の基礎的な知識の裏付けのもとに、明確な地域の将来ビジョンを持ち、地域振興や観光振興を進める人材が求められています。当財団は旅行・観光を専門とするシンクタンク、コンサルティング集団としての経験とノウハウをいかし、独自の視点と切り口から今年度も観光・地域振興・リゾート関連事業に新たに従事される自治体や業界の方々、地域の観光振興の担い手を対象としたセミナーを開催することにいたしました。

観光をめぐる基礎的な知識の習得はもちろんのこと、民間セクターとの連携や専門的な実践ノウハウ、ヒントといった実用情報も盛り込んだ、観光担当者にとっては日々の業務に役立つ講座です。行政のご担当者のみならず、施設経営や地域づくりに取り組まれる観光業界の方々も、この機会に是非ご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

概要

テーマ ~次代のカリスマを育てる~
開催日時 2003年6月19日(木)~20日 (金)

スケジュール

■6月19日 (木)

10:00 オリエンテーション
10:30 講義1 : 旅行マーケットの現状と変化
-誰をターゲットにするのか?-

観光部門を担当するにあたり、地域に来てくれる旅行者、交流人口の内容を把握することがまず、第一に必要になってきます。当財団で調査している旅行、観光マーケットのデータは各方面で活用されています。ここではそうしたデータ分析を担当する専門家が全般的な旅行マーケットの現状や変化を解説し、それぞれの地域でのマーケティングの進め方について理解を深めていただきます。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 久保田 美穂子

12:45 講義2 : エージェントとの連携による旅行商品化とPR
-小野川温泉、秋ノ宮温泉の事例から-

ターゲットとするマーケットが見えてきたら、そのマーケットをどう誘客するかが次のポイントです。旅行商品化はPR、誘客の効果的な手段にもなります。地域とJR、JTBの共同商品企画により大きな成果の上がった山形県小野川温泉キャンペーンなどに参画したり、当財団で地域密着型の資源の掘り起こしとPR、旅行商品化の実績を持つ研究員が講師を務め、中立的な立場からエージェント等とのつきあい方を伝授します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 吉澤 清良

14:15 講義3 : 地域における国際観光振興
-ビジット・ジャパン・キャンペーンを地域でどう受け止めるか?-

小泉首相の施政方針演説では2010年に海外からの観光客を一千万人に倍増との目標が打ち出されました。これを受けて、国では「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタートしていますが、観光地や地域などの現場では、国際観光に対する意識も方策も弱いのが現状です。ここでは、国際観光の現状から地域での具体的な取り組み方について解説します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 巻山 隆

15:45 講義4 : 公的宿泊施設等の事業改革に向けて
-魅力づくりと変化への対応-

第三セクター、あるいは公的宿泊施設は、経営不振、民間への委託、施設移譲、また市町村合併を視野に入れた今後の展開など、多くの課題を抱えています。ここでは、こうした公的宿泊施設の課題への対応と共に、個人客対応や泊食分離など民間を含めた宿泊施設全般を取り巻くニーズの変化への対応等、具体的な事業改革につながる方策について解説します。

講師:(財)日本交通公社 宿泊産業室長 大野 正人

17:00 受講者自己紹介/意見交換会

■6月20日 (金)

9:30 講義5 : 自治体による観光計画策定
-観光を総合的にとらえ、ビジョンを策定する-

イベントと観光プロモーションのみが観光担当者の仕事ではありません。長期的展望のもとに短・中期的な事業を推進していく、そのもととなる「ビジョン-観光計画」の必要性と策定手法について体系的にご説明します。観光は、様々な施策を総合的に横断的に組み合わせることで実効性のあるものになります。この講義を通して、観光担当者自身が広い視野を持って観光施策に取り組むことが大切だということをご理解下さい。

講師:流通科学大学 教授 小久保 恵三 氏

11:00 講義6 : 観光地におけるIT戦略
-ホームページによる情報発信から顧客管理まで-

デジタル機器の普及により、観光情報提供はダイナミックな展開が可能になりました。マーケット側から直接観光地や宿泊施設の情報を主体的に得ることができますが、地域側が単なるパンフレット置き場としてのみホームページを考えていてはいけません。
マーケティング、顧客獲得、ファンづくり等、賢いIT活用の考え方と方策についてわかりやすく説明します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 山田 雄一

13:15 講義7 : 観光を取り巻く最近の話題から
最近の観光地整備のあり方を考える上で、特に話題性のあるテーマについて解説します。当財団が取り組んだ各地の事例から参加者の地域に役立つ情報として、今回は観光の経済効果と観光地における環境問題について説明します。

観光による地域の経済波及効果:(財)日本交通公社 研究員 川口 明子
観光客と観光地の「環境」をめぐるミスマッチ:(財)日本交通公社 環境デザイン室長 大隅 一志

14:45 講義8 : 地域資源を活用した観光プログラムづくり
-ありふれた資源が宝の山に-

新たな観光の潮流としてエコツーリズムや体験型観光の手法が各地で注目され、実践に至っています。これらの手法により、地域に目立った観光資源がなくても、身近にある何気ない地域資源を活用し、観光振興をすることが可能です。ここでは、こうした地域資源を活用し、総合的学習等の教育的な側面もあわせ持つ観光プログラムづくりを行い、地域で取り組む新しい観光ビジネスの可能性について解説します。

講師:(財)日本交通公社 市場調査室長 寺崎 竜雄

16:00 総括:観光はまちづくりの総仕上げ
8つの講義に対する総括と参加者の皆様の諸課題に対し、アドバイスをいただきます。

講師:東京工業大学名誉教授 鈴木 忠義 氏
アンケート記入

※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。その節はどうぞご了承下さい。

地域における観光振興のフレーム

本講座を受講していただくことにより、観光について総合的に理解を深めることができます。