セミナー・シンポジウム

平成16年度 観光基礎講座

2004年6月17日(木)・18日(金)

~地域に根ざした観光振興~

平成15年度は、小泉総理自らが海外へ向けて訪日を呼びかけるなど、国を挙げて「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が展開されました。国内外からより多くの来訪者を迎える観光地では、これまで以上に地域の魅力の向上、おもてなしの心の磨き上げが求められているといえましょう。

その一方で国内の観光地の多くは低迷しており、その打開に向けて観光関係者が取り組むべき課題は多岐にわたり、また複雑化しています。こうした時こそ、観光の基礎的な知識の裏付けのもとに、明確な地域の将来ビジョンを持ち、地域振興や観光振興を進める人材が求められています。

当財団は旅行・観光を専門とするシンクタンク、コンサルティング集団として、全国各地で観光振興のお手伝いをしてまいりました。本講座は、これまでの経験とノウハウを活かして独自の視点と切り口で構成されており、観光・地域振興・リゾート関連事業に新たに従事される自治体や業界の方々、地域の観光振興の担い手の方々の人材育成の一助として平成8年度に開講以来、今回で10回目の開催となります。

観光をめぐる基礎的な知識の習得はもちろんのこと、民間セクターとの連携や専門的な実践ノウハウ、ヒントといった実用情報も盛り込んだ、観光担当者にとっては日々の業務に役立つ講座です。行政のご担当者のみならず、施設経営や地域づくりに取り組まれる観光業界の方々も、この機会に是非ご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

概要

テーマ ~地域に根ざした観光振興~
開催日時 2004年6月17日(木))~18日(金)
会場 第一鉄鋼ビル会議室
東京都千代田区丸の内1-8-2 第一鉄鋼ビル 地下1階
JR東京駅 八重洲北口 徒歩3分
地下鉄大手町駅 B10出口 徒歩1分
主催 財団法人日本交通公社

スケジュール

■6月17日 (木)

10:00 オリエンテーション
10:30 講義1 : 旅行マーケットの現状と変化
-今誰をターゲットにするのか?-

観光部門を担当するにあたり、地域への来訪者の概要を把握することが、まず第一に必要です。当財団が実施している旅行・観光マーケットに関する調査を用いながら、旅行マーケット全体の現状・変化と、それぞれの地域でのデスティネーション・マーケティングの進め方について解説いたします。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 久保田 美穂子

12:45 講義2 : 地域とエージェントの協働による商品づくり
-旅行会社からみた温泉地の旅行商品化-

ターゲットとするマーケットが見えてきたら、そのマーケットからどのように誘客するかが次のポイントです。昨今、エージェントの独断による旅行商品づくりには、ある種の限界が生じてきています。最も地域をよく知る現場の人々との協働によって、ヒット商品「小野川温泉 湯あみ旅情」「癒しの秘湯郷秋の宮温泉」を世に出した旅行会社営業マンから、旅行商品化の手法と成功の秘訣を伝授いたします。

講師:(株)JTB営業企画本部経営企画室 小林 裕和 氏

14:15 講義3 : 外国人の訪日旅行の現状と変化
-地域で考える「訪日外国人旅行」のあり方-

海外からの旅行者を1千万人に倍増させるためのグローバル観光戦略の一環として、国では平成15年度から「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開しています。地域の観光振興を、海外からの来訪者を含めてやや広い視点から捉え直し、受け入れ態勢の整備について解説します。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 林 俊介

15:45 講義4 : 地域における人材の発掘・育成
-地域の将来を考えられる人づくりとは?-

今日、元気がいい地域には、目を輝かせて活躍している人々が存在します。観光地を取り巻く厳しい状況はいずこも同じであるにもかかわらず、こうした人々がどのようにして観光地づくりに力を発揮し、その結果、地域の魅力が高まってきたのでしょうか。本講座では、長期的視野に立ち、観光地の将来を考え、プランを実行に移す“リーダー”の発掘と育成について解説いたします。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 朝倉 はるみ

17:10 受講者自己紹介/意見交換会

■6月18日 (金)

9:30 講義5 : 自治体における観光の経済波及効果推計システム
-地域における観光経済の大きさとは?-

地域経済に対する観光産業のインパクトは、観光部門担当者にとって大きな関心事です。推計が難しい経済波及効果について、自治体レベルでも取り組むことのできる、最新の推計システム(国土交通省観光部からの受託調査)の概要を、わかりやすく解説いたします。

講師:(財)日本交通公社 主任研究員 山田 雄一

11:00 講義6 : 温泉観光地再生へのヒント
-地域で始まった、最近の取り組み事例から-

日本各地の温泉観光地は旅館の経営悪化とともに、地域全体が不振にあえいでいます。本講座では、こうした厳しい状況を、地域の魅力の再発掘という作業を通じて、新しいアクションを起こす良いチャンスに変えつつある温泉観光地の取り組みをご紹介します。

講師:(財)日本交通公社 研究員 岩崎 比奈子

13:15 講義7 : 自然を活かした誘客戦略づくり
-ありふれた地域資源が感動を生む-

地域の魅力を地元の人々が来訪者に伝える、体験型観光やエコツーリズムが注目を集めています。身近にある、何気ない地域資源に着目した誘客戦略のもとに、観光振興を図るための取り組みについて解説いたします。

講師:(財)日本交通公社 研究員 堀木 美告

14:45 講義8 : 都市観光の視点からの地域振興
-住んでよし、訪れてよしの地域づくり-

人々が訪れたいと感じるまちには、安らぎと歩く楽しさ、それに地域ならではの食と土産の魅力があります。域外から人が訪れたくなるまちとは、地域住民にとって誇りを感じられる故郷にもつながります。地域づくりを都市観光の視点から捉える手法について、ご理解いただける講座です。

講師:(財)日本交通公社 研究調査部次長 梅川 智也

16:00 総括:観光はまちづくりの総仕上げ
8つの講義に対する総括と参加者の皆様の諸課題に対し、アドバイスをいただきます。

講師:東京工業大学名誉教授 鈴木 忠義 氏
アンケート記入

※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。その節はどうぞご了承下さい。

地域における観光振興のフレーム

本講座を受講していただくことにより、観光について総合的に理解を深めることができます。