コロナ禍収束後、世界中で観光客の移動が再開・活発化するなかで、日本においても訪日外国人旅行者数がコロナ禍以前の水準を上回り、2024年の暦年値は過去最高を更新した。
これにともない、世界の観光地では、観光客の来訪に起因する混雑や交通渋滞など、住民の生活環境に負の影響を与えるような状況が発生している。「オーバーツーリズム」である。
 今号では、オーバーツーリズム対策を行うバルセロナやヴェネツィアなどの人気観光都市を取り上げ、欧州におけるオーバーツーリズムの現況と最新の対応策を報告するとともに、観光と住民生活とのリバランスに焦点を当てて、その考え方や戦略的対応について考察する。