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	<title>観光資源 | (公財)日本交通公社</title>
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	<description>公益財団法人日本交通公社は、観光を専門とする実践的学術研究機関です。旅行・観光に関する学術的、実践的な調査研究を通して、わが国の観光文化の振興に寄与し、豊かな社会の実現を目指します。</description>
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		<title>地方観光地の人材不足にどう向き合うか　―地域単位で取り組む3温泉地の事例から―　[コラムvol.541]</title>
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		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 13 May 2026 04:06:59 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>はじめに 人口減少が進む中、日本各地の観光地で人材不足が深刻化している。観光地で働く人材が確保できないことには、来訪する観光客に対し質の高いサービスを提供できないどころか、施設や地域の存続そのものが危ぶまれる事態となる。･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourism-workforce-yamamoto/">地方観光地の人材不足にどう向き合うか　―地域単位で取り組む3温泉地の事例から―　[コラムvol.541]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>人口減少が進む中、日本各地の観光地で人材不足が深刻化している。観光地で働く人材が確保できないことには、来訪する観光客に対し質の高いサービスを提供できないどころか、施設や地域の存続そのものが危ぶまれる事態となる。</p>
<p>人材不足への対応には、大きく2つの側面があるということができる。新たな人材を地域に呼び込む「確保」と、人材を地域で育て、長く働き続けてもらうための「育成・定着」である。これらに個々の施設で取り組むことも可能だが、人手が限られる中で、施設規模も小さい事業者が単独で十分な対策を講じることは容易ではない。こうした課題には、個々の施設の経営努力に加え、地域として協力して取り組むことが有効と考えられる。</p>
<p>本コラムでは、地域として人材不足の課題に取り組んでいる3つの温泉地の事例を取り上げる。それぞれの取組から、地方観光地における人材確保・育成・定着のあり方を考えてみたい。（写真提供：熊本県観光連盟）</p>
<h3>事例① 黒川温泉　―地域として採用し、地域として育てる―</h3>
<p>熊本県阿蘇地域に位置する黒川温泉は、30軒の旅館が集まる小規模な温泉地である。黒川温泉観光旅館協同組合は、2020年以降、人材の確保と育成に組合全体として取り組む体制を整えてきた <sup>1)</sup>。</p>
<p>まず人材確保の面では、組合が取りまとめの役割を担っている。「黒川温泉おもてなし体験インターンシップ」<sup>2)　※2</sup>は、個々の旅館が単独で学生にアプローチするのではなく、温泉地全体としてインターンシップの募集を行う取組である。参加者は各旅館での仕事体験に加え、共通プログラムとして黒川温泉という地域そのものについて理解する時間を持つ。また採用面では、組合のウェブサイトに各旅館の採用情報が集約されており、複数旅館への応募も可能である。条件面ではなく、従業員の働き方や暮らし方、経営者の思いといった、その地域・その施設で働くことの意味が前面に出されており、「○○旅館で働きたい」という人だけでなく、「黒川温泉で働きたい」という人を受け入れられる仕組みになっている。</p>
<p>育成の面でも、組合は階層別のプログラムを用意している。新入社員が参加する「合同入社式」では、黒川温泉の歴史や地域資源に触れるワークショップを通じて、この地域で働く意義を感じてもらう。また中堅層向けには、次世代リーダー育成プログラム「黒川塾」を開催している。旅館の従業員にとどまらず、「地域の観光人材」としての視点や視座を養い、キャリア意識を醸成することを目的に、キャリアデザインの考え方、地域文化の理解、旅館の魅力づくり等に関連するカリキュラムを設定している。経営者層に対しても人材育成研修を実施し、各旅館での取組をサポートしている <sup>1)</sup>。</p>
<p>これらの取組の背景には、黒川温泉が長年大切にしてきた「黒川温泉一旅館」という考え方がある。温泉地全体を一つの旅館として捉える、地域一体での観光地づくりの思想である。料理やサービスといった個々の施設の競争領域は各旅館が切磋琢磨する一方、人材の採用・育成という、地域全体の持続性に関わる領域については、組合として面で取り組む。この役割分担が、黒川温泉の人材戦略の特徴といえる。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/05/column541_1.png" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>黒川塾の様子<sup>※1</sup></figcaption></div>
</figure>
<h3>事例② 嬉野温泉　―日本語学校が「嬉野で暮らす入口」になる―</h3>
<p>佐賀県の嬉野温泉では、温泉旅館の敷地内に日本語学校が開校するという、ユニークな取組が始まっている。</p>
<p>この取組を進めているのは、嬉野温泉の老舗旅館・和多屋別荘である。同館の敷地内に2024年4月に開校した「ICA国際会話学院 嬉野校」は、文部科学大臣が認可した日本語学校で、アジア・中央アジアを中心とする海外人材に向けた日本語教育を提供する。学校の運営は外部法人が担うが、教室には和多屋別荘の現在使われていない宴会場を活用しており、温泉旅館と日本語学校が文字通り隣り合って存在している。</p>
<p>ただし、この日本語学校は旅館の従業員養成を目指すものではない。生徒は嬉野での就職や旅館での就職を目指して入学したわけではなく、日本語を学ぶ場所がたまたま嬉野にあったにすぎない。しかし、嬉野で暮らす中で愛着を抱く学生、学業の傍ら旅館でアルバイトをすることで旅館での就職を視野に入れる学生も現れている。学生のアルバイトは目下の人材不足の解消にもつながっており、地域にとって現在と将来の双方に意義がある。</p>
<p>当初から「嬉野で働きたい」と思っている人を集めるのではなく、まずは「嬉野で暮らし、学ぶ」という入口を地域として用意することで、結果として地域に根づく人材が育つ可能性を広げるという嬉野温泉の取組は、海外人材との接点づくりにおける一つの新たな試みといえるだろう。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/05/column541_2.png" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>旅館の宴会場フロアを活用した日本語学校</figcaption></div>
</figure>
<h3>事例③ 草津温泉　―外国人材を「労働力」ではなく「同じ地域の住民」として迎える―</h3>
<p>群馬県の草津温泉は、人口約6,000人の規模で、年間約400万人の観光客を受け入れている、観光に特化した町である。その担い手として外国人材の存在感が年々大きくなっており、現在では町の人口の約1割以上を外国人が占めるとされている<sup>3)</sup>。</p>
<p>草津温泉観光協会DMOには、2016年に発足した人材育成部会がある。合同入社式、若手従業員と地元住民が交流する月例イベント「あつまらナイト！」、地域の観光要素や生活のヒントを盛り込んだ動画制作など、地域全体で人材を確保・育成・定着させるための取組を継続してきた。</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2026/05/column541_3.png" alt="研究員コラム" width="90%"></div>
<div style="text-align: center"><figcaption>あつまらナイト！の様子<sup>※3</sup></figcaption></div>
</figure>
<p>近年、人材育成部会が特に力を入れているのが、外国人材との共生である。職場での外国人スタッフの受入れは進む一方で、家族（特に日本語に触れる機会の少ない母親等）の地域への溶け込み、ごみ出しなどの生活ルールの共有、食文化の違いへの相互理解といった、暮らしの場面における課題が顕在化している。同部会会長の中澤牧子氏は、外国人材を「単なる労働力の補填ではなく、ともに地域を支え地域を作る仲間」として迎える必要があると述べている<sup>4)</sup>。</p>
<p>こうした認識のもと、2025年5月には地元の旅館を会場に、地域住民・旅館関係者・行政・外国人住民らが一堂に会する多文化共生イベント「多文化共生会議 in 草津温泉」が開催された<sup>5)</sup>。母国文化の紹介や食を通じた交流が行われ、「同じ地域に暮らす住民」として顔の見える関係を築く第一歩が踏み出されている。</p>
<h3>まとめ　―人材不足対応は地域全体の課題―</h3>
<p>地方観光地における人材の確保・育成・定着は、もはや個々の施設の経営課題にとどまらず、地域全体で取り組むべき課題であるといえる。3つの事例から見えてきた、地域として人材の課題に取り組む意義・メリットを以下に挙げる。</p>
<ul>
<li>確保：旅館単体での取組では訴求力に限界があり、地域としての入り口やきっかけの作成が効果を発揮し得る。（黒川温泉のインターン・採用サイト、嬉野温泉の日本語学校）</li>
<li>育成：個々の旅館を超えたコミュニティの中で、地域文化への理解を深め、自分なりのキャリアを描いていくことが、人材の長期的な成長と定着につながる。さらに、温泉地のように事業者がまちづくりに主体的に関与する地域では、こうした人材の育成は、地域そのものを担う人材の育成へとつながりうる。（黒川温泉の地域同期構想、黒川塾）</li>
<li>定着：職場の中だけでなく、暮らしの場面における課題への対応が欠かせない。これは施設単独では対応しきれない領域であり、地域を巻き込んだ取組によって初めて成り立つ。（草津温泉の多文化共生）</li>
</ul>
<p>これらの事例に共通するのは、人材を「事業者の従業員」としてだけでなく、「地域の担い手」「地域に暮らす住民」として迎え、育て、住み続けてもらうという考え方である。このように人材を地域全体で支えるという視点に立てば、長く働き、暮らす場としての魅力を、地域全体で高めていく必要があるといえる。</p>
<p>もっとも、これらの取組によって人材不足の解決に至れるかというと、課題は多い。地方の人口減少は今後さらに進み、加えて観光・宿泊業は人手不足が構造的な課題となっており、労働条件の改善も含めた対応が業界として問われている。このように地域単位の工夫だけでは解決し切れない問題も多く、より抜本的な改革や観点の転換が求められる側面もある。海外人材を地域の担い手として迎えるという発想についても、生活基盤を長期的に支え続けられるか、子の世代の教育・進路をどう保障するかなど、迎える側の責任は重い。これらの取組はまだ始まって間もなく、長期的な視点に立ち、課題と向き合いながら継続的に検討と改善を重ねていくことが求められる。</p>
<h4>【参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1)	黒川温泉観光旅館協同組合「キャリアサポート」黒川温泉採用情報サイト，<br /><cite>https://www.kurokawaonsen.or.jp/recruit/support/</cite></li>
<li>2)	黒川温泉観光旅館協同組合「黒川温泉おもてなし体験インターンシップ」SMOUT,<br /><cite>https://smout.jp/plans/17810</cite></li>
<li>3)	全国27市区町村で外国人住民が1割超　群馬県は大泉で21.3％、草津で10.5％　工業や観光の担い手に, 上毛新聞, 2025/11/7, 上毛新聞電子版,<br /><cite>https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/803545</cite></li>
<li>4)	公益財団法人日本交通公社（2025）：「温泉まちづくり研究会2024年総括レポート」，pp.9-12,38-39.</li>
<li>5)	JICA東京高崎分室「多文化共生会議 in 草津温泉が開催されました！」JICA, 2025/6/5,<br /><cite>https://www.jica.go.jp/domestic/tokyo/information/topics/2025/1570042_67054.html</cite></li>
<li>※1 黒川温泉観光旅館協同組合より写真提供</li>
<li>※2 2025年度は「黒川温泉オープンカンパニー」として実施。</li>
<li>※3 草津温泉観光協会より写真提供</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-tourism-workforce-yamamoto/">地方観光地の人材不足にどう向き合うか　―地域単位で取り組む3温泉地の事例から―　[コラムvol.541]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>百年先を見据え続ける道後温泉のまちづくり　[コラムvol.527]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dogo-hotspring-yamamoto/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-dogo-hotspring-yamamoto</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 25 Jun 2025 13:00:44 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>はじめに 2024年7月、道後温泉本館は保存修理工事を経て約5年半ぶりに全館営業を再開した。保存修理工事中の宿泊者数を見ると、コロナの影響はあったものの工事自体の影響は最小限に抑えることができたと言える。そして工事が終了･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dogo-hotspring-yamamoto/">百年先を見据え続ける道後温泉のまちづくり　[コラムvol.527]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>2024年7月、道後温泉本館は保存修理工事を経て約5年半ぶりに全館営業を再開した。保存修理工事中の宿泊者数を見ると、コロナの影響はあったものの工事自体の影響は最小限に抑えることができたと言える。そして工事が終了した現在は多くの人が道後を訪れている。</p>
<p>道後が賑わい続けている背景には、先人の偉業、そしてそれを引き継ぎ発展させてきた地元の取組がある。ここでは先人である伊佐庭如矢の功績と、近年の道後のまちづくりを主導している「道後温泉誇れるまちづくり推進協議会」の取組について述べる。（写真 所蔵：松山市）</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>伊佐庭如矢により築かれた道後温泉まちづくりの基盤</h3>
<p>「日本最古の湯」として知られる道後温泉は、多くの人の営みにより築き上げられてきた。中でも現在の道後の礎を作るにあたり大きな功績を遺した人物の一人が、初代道後湯之町町長の伊佐庭如矢である。彼の功績の一つに、道後温泉本館の改築が挙げられる。公衆浴場として長らく利用されてきた道後温泉本館は当時老朽化が進んでおり、伊佐庭は本館の改築、霊の湯、又新殿の竣工を行い、結果1894年、本館は木造三階建ての立派な建築物となった。多額の費用がかかる工事に対しては多くの反対意見もあったが、伊佐庭は「100年後までも他所が真似できないものを作ってこそ、初めて物をいう。人が集まってくると町が潤い、子々孫々までの利益になる。」と説得し、改築を実現した。その言葉通り、道後温泉本館は多くの人が訪れる道後温泉のシンボルとなり、100年後の平成6年に国の重要文化財に指定された。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>道後温泉誇れるまちづくり推進協議会の設立経緯</h3>
<p>伊佐庭が遺したものはハードだけではない。そのまちづくりの精神も道後の人々に引き継がれた。バブル崩壊後の1992年、今のままでは先人が築き上げてきた偉業・遺産を食いつぶすという危機感より、地域の企業・団体・個人が立場や業種を超え、長期的視点に立って地域主導の特別のまちづくりを行う主体として、道後温泉誇れるまちづくり推進協議会（以下、まち協）が設立された。まち協は任意のまちづくり団体ではあるものの、地元企業、金融機関、町内会、愛媛大学、松山大学、松山市等、地元住民や大学、自治体等多くの主体が構成員となり、幅広い合意形成の場となっている。</p>
<p>また、まち協が作成したまちづくり計画と行政のまちづくりが紐づく形で行われてきたというのも、重要な特徴の一つである。以下、まち協が作成した計画とそれらと行政計画の関連性、実施された施策等について記述する。
</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>1994年：第1次道後グランドデザイン「クラシックスパ道後」</h3>
<p>まち協は設立当初、①道後温泉本館への依存、②希薄な歴史の視認性、③競争の中での地域力低下、④観光事業者と住民の合意形成、⑤入湯税の適切な目的税化、等といった課題を抱えていた。これらの課題を踏まえて最初に作られたのが本計画である。この計画の下で実現した施策には、宿泊者以外も使用できる足湯を宿泊施設の玄関に設置するなど、各地域事業者が主体的に動いたものも含まれる。</p>
<p>一方で、1997年には松山市都市景観形成基本計画、1998年には道後温泉本館周辺景観整備計画が松山市により定められ、道後温泉本館周辺の道路の拡幅やバイパス整備等の動線整備の基本計画が示されたりと、この期間には行政と連動した施策も進められた。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>2002年：第2次道後グランドデザイン「DO! GO! 21～クラシック＆モダン道後をめざして～」</h3>
<p>第1次グランドデザインが状況変化に伴って見直しが必要になったため、また町に対する誇りと危機感を改めて共有するために、第2次グランドデザインが作成された。</p>
<p>このグランドデザインには、後につながる重要な施策の提言が複数明記された。本館以外の歴史を感じられる外湯を生み出すための「第3の外湯」建設構想（後の飛鳥乃温泉）、沿道の建築物の老朽化が目立っていた上人坂の整備構想等が代表例である。</p>
<p>また、まち協に望まれる機能として「景観規定の遵守状況の監視と違反広告等の撤去依頼」との記載がある。2006年にまち協により「ファサード整備協定書」「景観まちづくりデザインガイドライン」が作成されたが、それにつながる記述だったと思われる。</p>
<p>この時期の行政による施策としては、歩車分離を主な目的とした本館周辺の道路付け替え工事が開始されたのが大きなポイントである。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>2006年：「道後温泉歴史漂う景観まちづくり宣言『道後百年の景』」</h3>
<p>美しく文化的に豊かなまちの環境、つまり景観が発展の土台になるという考えから、景観づくりの具体的な方向性を示すために「道後百年の景」は作成された。この計画の元で、今まで構想されてきた多くの事業が実現した。</p>
<p>まち協としては、「道後上人坂再生整備協議会」を設置し再生整備の検討を行ったこと、「ファサード整備協定運営委員会」を設置し、新たに看板を設置する際は委員会の許可を得た後に松山市に申請するという仕組みを作ったこと等がハード関連の功績である。</p>
<p>松山市の動きとしては、2010年に作成された松山市景観計画で本館周辺は景観形成重点区域に指定され、建物の新築や外壁などの変更の際には届け出提出が義務付けられたり、2015年に作成された道後温泉活性化計画で外湯の新館（飛鳥乃温泉）建設、宝厳寺再建と上人坂エリア整備、本館修復と冠山整備等に関して具体的なロードマップが示され、実際に施策が進められた。</p>
<p>また、まち協主体で進められた取組としてもう一つ、2014年に開始された道後オンセナートがある。本館改築120周年を記念して、また本館保存修理工事中に新たな魅力を作ろうという目的で始まったアートイベント・道後オンセナートは継続的に実施され、本館保存修理工事終了後の2025年も「道後アート2025」として実施される予定である。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>2024年：「道後温泉2050ビジョン」</h3>
<p>まち協が設立30年を迎えるということで、これまでの取組を振り返りつつ次の30年を見据えて作られた計画である。</p>
<p>本計画には、これまでのまち協としての取組の経緯が大変詳しく記載されており、また道後が引き継いできたまちづくりの精神もあちこちに散りばめられている。</p>
<p>次の30年を見据えた計画としては、DX、回遊ルート整備、防災、ゼロカーボン、人材育成、財源確保等、これまでも実施してきた取組を改めて計画の中に位置づけてさらに大きく展開していく他、道後温泉歴史ミュージアムの整備、第4の外湯建設、道後公園湯築城跡の活用等、さらに地域全体としての厚みを増していくための新たな計画が記載されている。</p>
<p>本計画の位置づけとしては以下のような記載があり、道後を次代につなぐためにこれらの新たな計画が作られたことが読み取れる。</p>
<blockquote><p><i>「伝統は革新のたゆまぬ積み重ねである」という認識のもと、先人から受け継いだ「日本最古の温泉地」「おもてなしの心と歴史文化に溢れる湯のまち道後」の歴史を次代につなぎつつ、敢えて「温泉だけに依存することなく持続可能な温泉地」という視座に立って来し方行く末を展望する</i></p></blockquote>
<p style="margin-top: 4em">
<p style="text-align: center">道後温泉誇れるまちづくり推進協議会設立以後の計画・事業</p>
<p><a href=""></a></p>
<div class="scroll-box">
<div>
<img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/07/yamamoto-column527-timeline.jpg" alt="公益財団法人日本交通公社　コラム">
</div>
</div>
<figure><figcaption style="text-align: right"><cite>（道後温泉2050ビジョンを参照し筆者作成）</cite></figcaption></figure>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>まとめ　―百年先の輝きへの期待―</h3>
<p>このように道後温泉では、先人の教えを踏まえ、まち協主導で数々の取組が行われてきた。これらを踏まえ、道後温泉のまちづくりにおいて特筆すべき事項を3点述べたい。</p>
<p>まず、上記のように地域のまちづくりの取組が行政計画と連動して前進してきた点である。まち協の計画に記載された事業のうち大規模なものや法整備が必要なものは、行政によって具体化・実現され、それを受けてまち協は自分たちの施策を推進してきた。まち協と行政の連携により、都市計画レベルから観光がデザインされてきたと言えよう。</p>
<p>次に、まち協の強い牽引力を支える地元事業者の存在である。まち協には様々な主体が関与しているが、まち協の会長は代々道後温泉の宿泊施設関係者が務めており、幅広い主体の中でも特に彼らが中心となりまち協の取組を牽引してきたと言える。道後温泉は、複数の源泉の湯を分湯場においてブレンドして各施設に配湯している。湯を共同の資源としてきたという地域特性が、地元事業者が協力してまちづくりを進める姿勢につながったのかもしれない。</p>
<p>最後に、彼らにより進められてきた百年先を見据えたまちづくりである。百年先まで続く地域であるために、まち協は本館に、そして温泉にまでも依存しないまちづくりを掲げている。確かに道後では自然災害により温泉湧出が止まったことが過去に何度もあり、今後も湧出が止まる可能性がないとは言い切れない。そのため彼らは、幅広い角度からまちづくりに取り組み、本館・温泉に頼らない地域としての地力を強化してきた。</p>
<p>伊佐庭が築いた本館は百年先まで引き継がれたが、それだけでなく彼の精神も、百年先まで引き継がれてきた。その精神を体現しているのが、道後温泉誇れるまちづくり推進協議会の活動である。次の世代にも、そして今から百年先にも、道後を誇りに思い、さらに百年先まで続けたいという思いが引き継がれることを願っている。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h4>【参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会（2002）：第2次道後グランドデザイン「DO! GO! 21～クラシック＆モダン道後をめざして～」</li>
<li>2) 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会（2006）：「道後温泉歴史漂う景観まちづくり宣言『道後百年の景』」</li>
<li>3) 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会（2024）：道後温泉2050ビジョン</li>
<li>4) 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会（2024）：道後温泉誇れるまちづくり推進協議会 31年の歩み（抄）</li>
<li>5) 道後温泉誇れるまちづくり推進協議会：「道後温泉歴史漂う景観まちづくり」</li>
<li>6) 松山市（2015）：道後温泉活性化計画</li>
<li>7) 松山アーバンデザインセンター（2022）：「松山の都市形成史2020」，2.道後温泉_2.3外湯文化の再生.</li>
<li>8) 公益財団法人日本交通公社（2014）：「温泉地における不易流行を考える―温泉地、温泉旅館の課題と展望」，『観光文化』，第223号，pp.22-23.</li>
<li>9) 公益財団法人日本交通公社（2020）：『温泉まちづくり研究会2020年総括レポート』，pp.19-28.</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-dogo-hotspring-yamamoto/">百年先を見据え続ける道後温泉のまちづくり　[コラムvol.527]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>地域の歴史・生活文化の活用に対する一考察　[コラムvol.526]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-chiikibunka-usage-makino/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-chiikibunka-usage-makino</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 02 Jun 2025 01:23:59 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=54971</guid>

					<description><![CDATA[<p>歴史文化・文化芸術への注目 観光といえば、かつては自然および社寺仏閣などの名所・旧跡などを見て回り、宿泊施設や温泉、地域の食を楽しむという周遊観光、スノースポーツやマリンスポーツ、登山などを楽しむアクティビティが中心でし･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-chiikibunka-usage-makino/">地域の歴史・生活文化の活用に対する一考察　[コラムvol.526]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>歴史文化・文化芸術への注目</h3>
<p>観光といえば、かつては自然および社寺仏閣などの名所・旧跡などを見て回り、宿泊施設や温泉、地域の食を楽しむという周遊観光、スノースポーツやマリンスポーツ、登山などを楽しむアクティビティが中心でした。近年では、地域の自然や文化を学んだり体験したりする体験型観光に注目が集まっていますが、ボリューム的に限られているのが現状です。</p>
<p>観光客が地域の自然や文化を深く学ぶことは、容易ではありません。一部の著名な観光資源を除くと、資源の名称を知らない（聞いたことがない）、あるいは名称を聞いたことはあるがその内容は分からない、という程度の認識レベルではないかと思われます。なかでも、地理的条件や歴史の変遷により生まれる地域ならではの歴史文化や生活文化の特性をしっかりと理解・認識することは、研究や趣味などの興味を抱いている人でなければ困難と思われます。</p>
<p>歴史文化や生活文化に興味を抱いてもらえるような取り組みを行っている地域は、相応にあると思われます。その目的は、文化の保存・復活・継承、地域活性化、観光振興など様々ですが、共通するのは地域の文化を多くの人に知ってもらいたいという強い想いではないでしょうか。</p>
<p>ここでは、地域の歴史文化・生活文化をより深く知ってもらい、地域活性化や観光振興につなげるような取り組みを行っている事例を見ていきたいと思います。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>事例①　文化芸術を活用した地域活性化</h3>
<p>アートを活用する芸術祭は、今や全国各地で様々な形で実施されています。その嚆矢である「大地の芸術祭　越後妻有アートトリエンナーレ」（新潟県）は、2000年に第1回が開催され、これまでに9回行われました。この地で開催される背景には、越後妻有地域が日本有数の豪雪地であり、過疎化・高齢化が急速に進んでいることがあげられます。人々が農業を通じてこれまでに培ってきた「里山」文化を残し後世に伝えることを目指し、田畑や空き家、廃校などを利用して現代アートを分散展示しています。そこに地元の人と観光客が集うことにより、地域活性化や観光振興にもつなげています。</p>
<p>また、今年は「瀬戸内国際芸術祭」（香川県、岡山県など）の開催年です。こちらは「大地の芸術祭」とは地理的条件が異なり、瀬戸内海の島々が舞台となっていますが、その背景は似通っています。かつて瀬戸内地域は、農業や漁業が盛んで、船が行き交い賑わいをみせていましたが、産業は衰退し過疎化が進み、賑わいは次第に失われていきました。そこでかつての賑わいを取り戻すべく、島同士が結び付き、島の生活・文化をアピールすることを目指し、2010年から「瀬戸内国際芸術祭」を展開しています（これまでに5回開催）。これにより、島々を訪れる観光客と住民との交流が盛んになっていき、島を離れた出身者が再び島に戻り生活をはじめるという状況も現れました。また、この芸術祭の特徴の一つとして、海外から観光客としてだけでなく芸術祭のスタッフとして訪れる人が多いということがあげられます。今年は大阪・夢洲にて「日本万国博覧会」が開催されているため、相乗効果に期待がかかります。</p>
<p>これらはいずれも、地域の歴史文化や生活文化を伝え、地域の活性化を目指すうえで、アートという文化芸術を用いています。従来、著名な観光資源（名所旧跡、有名旅館・ホテル、ご当地の食など）がないと観光振興につながらないという考え方が強く根付いていましたが、文化芸術というどちらかといえば一般の人になかなか浸透しにくかった要素が用いられ、地域活性化や観光振興の役割を果たしているという点が注目に値します。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>事例②　コンテンツづくりを通した歴史文化への理解促進</h3>
<p>事例①の芸術祭のような大規模なものではありませんが、沖縄県では琉球時代から続く歴史文化資源（伝統芸能、伝統工芸、伝統行事など）を広く世の中に伝えるとともに後世に残すことを目的に、事業者が資源にまつわるコンテンツを作成し活用する「琉球歴史文化コンテンツ創出支援事業」を2022年から実施しています。最大2年間にわたり県が文化芸術団体や文化関連事業者の活動を支援するもので、2024年度までの3年間に14の新規事業が採択されました。コンテンツのテーマは、服飾（紅型、琉装など）、路次楽(るじがく)・御座楽(うざがく)(いずれも琉球宮廷楽)、首里城、組踊、三線、琉球古武道、琉歌、エイサー、泡盛、民謡酒場、発酵食品、琉球漆器など多岐にわたります。活用方法も、冊子・記事、映像、演劇（オペラ・お笑いなど）、ユニークベニュー、プロジェクションマッピング、VR、アバター、キャラクター、テレビドラマ、ラジオ番組、バスツアーなど様々です。</p>
<p>そして、本事業の目的の一つが「支援終了後の自走化」です。自走化できなければ、せっかく作ったコンテンツがムダになってしまう恐れがありますが、本事業では既にいくつかのコンテンツが自走化を実現しています。例えば、「路次楽(るじがく)・御座楽(うざがく)」はイベントなどでの演奏依頼が多く、「沖縄の服飾文化」を題材にしたお笑い演劇は一般公演のみならず、文化を楽しく学べることから、学校からのオファーが寄せられているとのことです。「三線」については「三線レンジャー」というキャラクターが人気で、お祭りやイベントなどでの出演が増えています。</p>
<p>このように、地域に根付いた歴史文化をコンテンツ化することで、貴重な琉球の歴史文化資源に対する理解を促したり身近に感じたりすることができます。そしてこれらを観光資源として捉え、将来的に多くの人がそのコンテンツを目的に沖縄を訪れるようになれば理想的です。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>事例③　こだわりのあるツアーでの体験を通した地域学習</h3>
<p>近年、観光分野において注目を集めているものの一つに「アドベンチャートラベル」があります。国際的な業界団体「Adventure Travel Trade Association（ATTA）」では、「アクティビティ」「自然」「文化体験」の3要素のうち2つ以上が含まれる旅行をアドベンチャートラベルと定義しています。歴史文化や生活文化は「文化体験」に含まれ、地域にまつわる社寺仏閣や祭りなどの行事、食文化、生活習慣・風習などその地域ならではの文化に触れることが醍醐味となっています。</p>
<p>単に文化コンテンツを見たり聞いたりするだけでなく、例えば祭りであれば動作や演奏、食事であれば収穫から調理に至るまで体験することで、より深く地域を理解することができます。そこでは既に多くの人が訪れているような著名な観光資源はそれほど求められず、逆に地域の人しか知らないようなものを活用・提供することで旅行者に特別感を与えることに主眼が置かれます。そのため、いかにして地域の固有性を前面に出せるか、そしてそこから導かれる地域らしさをいかにうまく伝えていくかが問われることとなります。</p>
<p>既に日本各地で様々な取り組みが進められており、海外の人も日本のアドベンチャートラベルに対する興味が高まっています。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<h3>歴史文化・生活文化のさらなる活用に向けて</h3>
<p>今回は、地域の歴史文化や生活文化を伝え、地域活性化や観光振興につなげるための一手法として、文化芸術や歴史・生活にまつわるコンテンツの活用について紹介いたしました。地域をより深く理解してもらうためにもこれらの文化資源の活用は効果的であり、利活用が進むようになれば資源の維持・保存や次世代への継承につながりやすくなることが期待されます。今後も、各地域の文化に注目が集まることを願っています。</p>
<h4>【参考資料】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1)（株）JTB総合研究所「『文化芸術と観光振興～文化芸術を地域活性化に活かす～』JTB総研・旅行トレンドLIVEより」<br /><cite>https://www.tourism.jp/tourism-database/column/2022/04/art-and-tourism/</cite></li>
<li>2) 「令和7年度琉球歴史文化コンテンツ創出支援事業」ホームページ<br /><cite>https://okinawa-jtb.co.jp/ryukyu-rekibun/</cite></li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-chiikibunka-usage-makino/">地域の歴史・生活文化の活用に対する一考察　[コラムvol.526]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>市場志向の力点－まちづくりと観光事業⑰　[コラムvol.522]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi17-goto/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-machi17-goto</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkamitomo]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 21 Mar 2025 01:58:30 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>住民の暮らしや環境と観光利用との調和が問われ、誘導と規制を効果的に組み合わせて対策を検討することが求められる場面が多くなっている。そのような現代だからこそ、市場や顧客に正面から向き合い、ニーズに応える具体的なアクションが･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi17-goto/">市場志向の力点－まちづくりと観光事業⑰　[コラムvol.522]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>住民の暮らしや環境と観光利用との調和が問われ、誘導と規制を効果的に組み合わせて対策を検討することが求められる場面が多くなっている。そのような現代だからこそ、市場や顧客に正面から向き合い、ニーズに応える具体的なアクションが一層重要と考える。今回のコラムでは、尾瀬国立公園の一例に、市場志向の戦略と合意について少しお話したい。</p>
<h3>自然と調和した利用－需要調整を図る際の視点</h3>
<p>福島県、栃木県、群馬県、新潟県の4県にまたがる尾瀬国立公園は、日本最大の山岳湿原である尾瀬ヶ原の湿原と尾瀬沼〔写真1〕の壮大な自然の美しさで知られている。総延長65kmに及ぶ木道は、尾瀬を連想させる風景の一つにもなっている。また、尾瀬は日本における自然保護運動の発祥地として象徴的な地域でもある<sup>(1)</sup>。尾瀬は、これまで自然保護の観点から、過剰利用（オーバーユース）の問題に長年取り組んできた。尾瀬では、1996年に尾瀬の入山者数が過去最高の64万人〔図1〕に達したことを受けて、入山適正化に向けて、適正利用のあり方の検討を行った。検討結果として、入山総量規制は今後の課題とし、入山者の集中に着目し、これを緩和する手段（抑制と分散）を摂ることが提案された。具体的には、1日1万人を目安とする特定日における入山抑制が提言され、その後、マイカー規制など各種対策が行われることになった。2000年に入ってからは収容力調査も行われた<sup>3)</sup>。<br />
その後、2007年に、尾瀬は日光国立公園から独立し、尾瀬国立公園が新たに誕生した。尾瀬では、「尾瀬ビジョン」（現在は「新・尾瀬ビジョン」）にもとづく協働型管理運営が行われている。現在、尾瀬の自然を享受できるのは、先人たちの努力の賜物であり、現在もその自然を守り、利用環境を維持管理する人々の尽力の結果である。</p>
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/03/goto-k-522-1.png" alt="写真1"><figcaption style="text-align: center">写真1　尾瀬の風景（左：尾瀬ヶ原、右：尾瀬沼）<br />
    </figcaption></figure>
<p style="margin-top: 2em">
<p>ただ、その後、尾瀬を含む日本国内の観光地の抑制の取り組みをデマーケティング<sup>(2)</sup>という観点から研究した小原（2015）は、「本稿では、いわゆる規制をデマーケティングとして扱ったが、規制は本来の意味でのデマーケティングではない」と述べ、マーケティング的発想の需要調整ではなく規制が中心となっていること、顧客志向で需要調整を図る視点が十分でないことを指摘した。顧客との呼応の違いに着目したものとも見える。<br />
さて、その後の尾瀬国立公園の入山者数は、高速バスツアーの廃止など外的な環境変化の影響もあるが、減少傾向にあった〔図1〕。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/03/goto-k-522-2.png" alt="図1" width="90%"></div><figcaption style="text-align: center">図1　尾瀬国立公園の入山者数の推移<br />出典：参考文献<sup>1)</sup>および<sup>2)</sup>より作成</figcaption></figure>
<h3>市場志向の行動へ</h3>
<p>新型コロナウイルス感染症の発生に伴う環境の変化により、入山者数が大幅に減少した結果、尾瀬では地域が担ってきた利用施設の維持管理が一部で困難となる事態が生じた。このままでは尾瀬全体の管理水準が著しく低下し、適正な利用環境を提供することが難しくなることが懸念された。そこで、尾瀬は、利用状況を改めて調査し、課題を分析・整理した上で、その課題解決を試みた。こうして2024年に策定されたのが、「尾瀬国立公園利用アクションプラン」（以下、利用AP）である。利用APは、3年にわたり多種の利用者調査を積み重ね、その結果をもとに検討・検証を行い策定されたものである。<br />
利用APの特徴の一つは、楽しむ活動と守る活動の相乗効果を図る戦略（通称：尾瀬ファンベース戦略）を実現するために、利用者をビギナー、リピーター、ファンの3つの層に分け、それぞれに応じた取り組みやプログラムを実施している点である。各プログラムにおいては、これら3つの利用者層からさらに具体的なターゲットを定めて、取組を試行実施しながら作成が行われた。<br />
では、尾瀬はなぜこのような戦略を採ったのか。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<figure>
    <img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/03/goto-k-522-3.png" alt="図2"><figcaption style="text-align: center">図2　尾瀬利用APおよび尾瀬ファンベース戦略の概要<br />出典：参考文献<sup>5)</sup>のp.44,46より作成</figcaption></figure>
<p>尾瀬は、利用者（顧客）のリピート率が高く、満足度も再来訪意向も高い水準にあることが、これまでの調査や策定期間中に実施された調査で明らかになっている（利用AP参照）<sup>(3)</sup>。しかし、コロナ禍前から利用者数はずっと減少傾向にある。全国を対象とした「JTBF旅行意識調査」結果〔表1〕によると、市場全体での尾瀬の認知度、来訪経験率、(再)来訪意向は、約20年間で見ると下がっており、年代別にみると、数値が時間の経過とともにスライドしているのが一部で確認できる。また、他地域との比較として、全国の34公園と比べると、尾瀬は利用者の年齢層が高いことも確認される〔表2〕。利用者の高齢化が他の公園より進んでおり、このまま10年経過すると、利用者数のさらなる減少が見込まれる。それを回避するために、潜在層にもアプローチし新規来訪者を確保する取組が必須であった。</p>
<p style="margin-top: 2em">
<p style="text-align: center">表1　尾瀬の認知度、来訪経験率、(再)来訪意向</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/03/goto-k-522-4.png" alt="表1" width="80%"></div><figcaption style="text-align: center">注：上記では、無回答を除いて集計している。20代には18,19歳を含む。<br />出典：「JTBF旅行意識調査」((公財)日本交通公社)より作成</figcaption></figure>
<p style="margin-top: 5em">
<p style="text-align: center">表2　年間国内利用者数（年代別）</p>
<figure>
<div style="text-align: center"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2025/03/goto-k-522-5.png" alt="表1" width="80%"></div><figcaption style="text-align: center">注：位置情報ビッグデータを用いた推計結果<br />出典：参考文献<sup>5)</sup>のp.11より作成</figcaption></figure>
<p>こうした利用分析やマーケティングのSTPの重要性は、今さら言うまでもないことだが、尾瀬で耳にした印象深い言葉をここでは伝えておきたい。</p>
<p>「尾瀬はこれまでも利用者調査を行ってきたものの、それは <u>自然保護をするための利用者調査で、利用者ニーズに応えるための利用者調査でなかった</u>のではないか」（下線は筆者）。</p>
<p>これはコロナ禍に、長年、現地で自然保護と利用に携わってきた関係者が、自戒を込めて語った言葉である。</p>
<p>各地域において、「尾瀬ビジョン」のような地域計画の枠組みの中で、観光の役割を総合的見地から再確認することや、分野間調整等を図ることは重要である。しかしながら、それと同時に、市場志向<sup>(4)</sup>の戦略とその合意形成を観光計画の中核に据えること <sup>12)</sup>が観光で地域存続を図る上では求められる。昨今においては、オーバーツーリズムや観光が与える、住民の暮らしや環境など内側に掛かる負荷軽減を目的に、誘導と規制を効果的に組み合わせた抑制策を検討する場面も増えてきている。ただ、その際にも、そして、いずれかは待ち受ける外側（需要側）の変化に対応するためにも、市場、顧客に常に正面から向き合い、ニーズに応える具体的なアクションにつなげていくことが重要、と筆者は考える。</p>
<h4>【注】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>(1) (公財)日本自然保護協会の前身である「尾瀬保存期成同盟」は1949年に設立された。</li>
<li>(2) デマーケティングとは、Kotler,P.とlevy,S.j.によって1971年に発表された需要を抑制するマーケティング手法で、「一般的デマーケティング」「選択的デマーケティング」「表面的デマーケティング」「無意識のデマーケティング」の4つ分けられる。小原（2015）によると、コトラーが観光地のデマーケティングの例としてバリ島の事例をあげていたことが紹介されている。</li>
<li>(3) 参考文献<sup>8)</sup>の調査結果と比較すると、例えば、リピート率は、尾瀬が高いとは言えない。</li>
<li>(4) 「市場志向」は、マーケティングを実施する上で重視される志向の一つで、①顧客志向、②競争志向、③職能横断的統合志向の３つに区分される。類似した概念である「顧客主導」との違いは、潜在的な顧客にも能動的に提案し、新たな価値を創造することに主眼を置くことにある。
<li>出典：恩蔵直人（2010）：市場志向 [market orientation],<br />時事用語事典　<cite>https://imidas.jp/genre/detail/A-125-0062.html</cite></li>
</ul>
<h4>【参考資料】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) 環境省関東地方環境事務所：報道発表資料 2024年 尾瀬国立公園の入山者数について<br /><cite>https://kanto.env.go.jp/press_00099.html</cite></li>
<li>2) (公財)尾瀬保護財団：尾瀬の入山者数推移<br /><cite>https://oze-fnd.or.jp/oza/a-sg/nbp/</cite></li>
<li>3) (財)尾瀬保護財団（2005）：利用体験から見た尾瀬の収容力に関する総合報告書</li>
<li>4) (公財)尾瀬保護財団（2024）：尾瀬保護レポート 令和5年度版<br /><cite>https://oze-fnd.or.jp/wp4/wp-content/uploads/2024/03/c0e2a128b444b3559cf8824550c4162a.pdf</cite></li>
<li>5) 尾瀬国立公園利用アクションプラン検討小委員会（2024）：尾瀬国立公園利用アクションプラン<br /><cite>https://kanto.env.go.jp/content/000209146.pdf</cite></li>
<li>6)  環境省 尾瀬国立公園 各種資料 尾瀬国立公園における利用の適正化 尾瀬国立公園協議会<br /><cite>https://www.env.go.jp/park/oze/data/council.html</cite></li>
<li>7) 小原満春（2015）：デスティネーション・デマーケティングの類型に関する考察～尾瀬国立公園の事例～, 産業総合研究, vol.23, pp.29-46</li>
<li>8) 観光庁観光地域振興部 観光地域振興課（2010）：観光地の魅力向上に向けた評価手法調査事業報告書</li>
<li>9) 佐藤尚之（2018）：ファンベース─支持され、愛され、長く売れ続けるために, 筑摩書房</li>
<li>10) 芹澤連（2022）：“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?, 日経BP</li>
<li>11) 本田哲也（2022）：パーセプション 市場をつくる新発想, 日経BP</li>
<li>12) 後藤健太郎（2019）：7.大分県由布市, 観光学全集, 第8巻, pp.90-101</li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi17-goto/">市場志向の力点－まちづくりと観光事業⑰　[コラムvol.522]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>旅行先の選択とそこでの過ごし方～感動体験を提供する旅行先としてのハワイ～　[コラムvol.513]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-experience-hawaii-iwano/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-destination-experience-hawaii-iwano</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkakishima]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 27 Aug 2024 08:41:34 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>はじめに みなさんは、旅行をする時、どのような観点で旅行先を選び、そこでの過ごし方を決めていますか？このお店に行ってこれが食べたいとか、綺麗な海を眺めながらぼーっとしたいとか、山をバックに湖畔でキャンプしたいとか、何気な･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-experience-hawaii-iwano/">旅行先の選択とそこでの過ごし方～感動体験を提供する旅行先としてのハワイ～　[コラムvol.513]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>みなさんは、旅行をする時、どのような観点で旅行先を選び、そこでの過ごし方を決めていますか？このお店に行ってこれが食べたいとか、綺麗な海を眺めながらぼーっとしたいとか、山をバックに湖畔でキャンプしたいとか、何気なく見ていたテレビ番組や雑誌、SNS等による情報から決めることもあると思います。私自身の最近の旅行は専ら家族旅行なので、子供の興味関心や体験させたいことから行先や内容を考えることが多いです。</p>
<p>今回のコラムでは、旅行先の選択とそこでの過ごし方について、感動体験ができる旅行先ハワイについて考えたいと思います。</p>
<h3>旅行先の選択</h3>
<p>私は学生の頃にハワイに魅了され、それからずっとハワイファンとなりリピーターです。ハワイの魅力は、気候のよさや自然環境の美しさもありますが、ワイキキという空間であったり、文化の見せ方、サービス提供といった部分で工夫が施されており、そこでの体験に満足できるということが大きいです。また、ハワイは日本からの直行便が多く運航されているため、アクセスがしやすいというのも理由の一つです。</p>
<p>ライフステージが変わっても、何年かに一度はハワイに行くことを目標にしていますが、最近の円安や物価高によりハワイだけでなく海外への旅行はかなり厳しくなっていますよね。さらに家族を連れての旅行となると旅費や滞在費もかさむので、ハワイはやめてアジアのリゾートに行くという声を度々聞くことがあり、旅行先の選択も社会の変化によって変わってきているのではないかと感じています。</p>
<h3>どこで何をするか</h3>
<p>ハワイには、自然や文化、街並み、食事等たくさんの魅力があります。</p>
<h4>【ビーチ】</h4>
<p>ホテル前のワイキキビーチやワイキキからちょっと足を延ばして“天国の海”と呼ばれるラニカイビーチなど、たくさん綺麗なビーチがあるので、ホテルでビーチタオルを借りて海に出かけます。観光客の多いビーチにはライフガードが配置されていたり、ほとんどの公共ビーチには、屋外シャワーとトイレが設置されています。公共ビーチ周辺には駐車場が整備されているので、車でのアクセスもしやすくなっています。このように、観光客や地元住民が快適に過ごせるようにインフラが整備されているので、家族連れでも安心して楽しく過ごせます。また、サンセットを見るだけでも感動的な瞬間を体験できます。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter wp-image-52860 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image2-533x400.png" alt="" width="533" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image2-533x400.png 533w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image2-768x576.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image2.png 800w" sizes="(max-width: 533px) 100vw, 533px" /></p>
<h4>【文化や景色】</h4>
<p>ワイキキのメイン通りを歩いているだけで、ハワイアンミュージックや地元のラジオ、フラのパフォーマンスなどを体験できます。また、時季によって変わるデコレーション（例えば秋はハロウィーン、冬はクリスマス）は、異国を感じさせてくれます。これらは、訪れる人々に「ハワイらしさ」を感じさせ、特別な空間を作り出しています。旅行者の目の前で、その土地ならではの文化に触れる機会が提供されており、思い出に残るようにデザインされています。</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter wp-image-52861 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image3-533x400.png" alt="" width="533" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image3-533x400.png 533w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image3-768x576.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image3.png 800w" sizes="(max-width: 533px) 100vw, 533px" /></p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter wp-image-52862 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image4-300x400.png" alt="" width="300" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image4-300x400.png 300w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image4-450x600.png 450w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image4.png 600w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /></p>
<h4>【食事】</h4>
<p>旅行先で何をするかということと同じくらい、どこで何を食べるかは旅行の楽しみの一つですよね。 ハワイでは「これを食べよう」という食文化がしっかりと共有されていることも、地域側の取り組みが行き届いている証です。例えば、マラサダやガーリックシュリンプは、ハワイに行ったら必ず食べたい一品として定着しており、これも地域の魅力を高めています。</p>
<p>サービスにおいては、レストランで子供たちが待ち時間に塗り絵を楽しめるようにする配慮があり、旅行者がリラックスできる環境を提供しているといえます。 また、レストランで誕生日のお祝いをした時は、デザートにロウソクを立てて提供され、周りのお客さんと一緒にハッピーバースデーを歌って祝う雰囲気は、ただの食事以上の感動をもたらしてくれました。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter wp-image-52863 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image5-533x400.png" alt="" width="533" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image5-533x400.png 533w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image5-768x576.png 768w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image5.png 800w" sizes="auto, (max-width: 533px) 100vw, 533px" /></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter wp-image-52864 size-medium" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image6-300x400.png" alt="" width="300" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image6-300x400.png 300w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image6-450x600.png 450w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/08/513_image6.png 600w" sizes="auto, (max-width: 300px) 100vw, 300px" /></p>
<h3>まとめ</h3>
<p>旅行先の選択肢となる地域には、旅行者がその場所で特別な時間を過ごすことができるようにする「空間の演出」、快適で便利な環境を整備する「インフラ整備」、そして心に響くおもてなしや文化体験を提供する「サービス」の三位一体が必要です。これらの要素が調和することで、旅行者にとって忘れられない思い出となる体験が生まれるのです。</p>
<p>みなさんは、次はどこに旅行に行きますか？何をして過ごしますか？</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-experience-hawaii-iwano/">旅行先の選択とそこでの過ごし方～感動体験を提供する旅行先としてのハワイ～　[コラムvol.513]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>草津温泉　―多くの人を惹きつけ続けるまちづくり　[コラムvol.511]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-kusatsu-hotspring-yamamoto/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-kusatsu-hotspring-yamamoto</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkakishima]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Jul 2024 07:20:54 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>草津温泉は、今勢いのある温泉地の一つと言えるだろう。2023年には過去最高の来訪者数を記録し、また観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」では21年連続1位を獲得している。実際にまちなかを見渡しても、浴衣を着てそぞろ･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="container">
<p>草津温泉は、今勢いのある温泉地の一つと言えるだろう。2023年には過去最高の来訪者数を記録し、また観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」では21年連続1位を獲得している。実際にまちなかを見渡しても、浴衣を着てそぞろ歩きをする若者で昼夜問わず賑わっている。なぜ草津温泉はこれほどまでに多くの人を惹きつけ続けるのだろうか。草津温泉に関する書籍や考察は数多く存在し、全てを語ることはできないが、ここでは草津温泉のまちづくりの変遷を概観し、その魅力の理由を考察する。</p>
<h3>湯治場としての草津温泉</h3>
<p>草津は、強酸性で殺菌力の強い特殊な泉質が「万病に吉」とされ、療養泉・湯治場として長らく人気を誇ってきた。草津の地名が記録に現れるのは1472年の本願寺蓮如の湯治記事が最初と言われている。その後江戸時代に入ると草津は徳川幕府の天領となり、「天下泰平」により多くの平民が湯治として草津を訪れ、湯屋や湯宿が整備された。その評判ゆえに遠隔地からも湯治客が訪れたという記録が残っている。</p>
<p>明治期以降、多くの日本の温泉は都市住民の保養の場、慰安の場としての機能も持つようになっていった。しかし草津ではその泉質が病気の治療に有効だとされていたことやアクセスの悪さ等が要因となり、引き続き湯治場としての特性が保たれていた。</p>
<h3>ベルツによりもたらされた「保養地」という概念</h3>
<p>草津に影響を与えた人物として無視できないのが、1876年に来日したドイツ人医学者・ベルツ博士である。ベルツは東京医学校（現東京大学医学部）にて勤務していたが、草津温泉の泉質や「時間湯」を始めとする入湯法による医学的有効性、また周囲の豊かな自然環境に惹かれ、度々草津を訪れることとなる。草津の周辺部に新たな保養地を作るというベルツの計画は彼の帰国により途絶えたが、「温泉保養地」「リゾート」という概念をもたらしたという点で、ベルツ博士は草津に大きな影響を及ぼしたということができる。</p>
<p>またこの時期、草津温泉では「まちづくり」の芽生えともいえる動きが生じる。1887年に温泉改良会が発足したが、その際に集められた意見書には、草津の改良には村民一致の協力体制が不可欠だと記載されており、村民がまちづくりに関わる重要性が唱えられていると言える。</p>
<h3>スキー場開発・高原開発</h3>
<p>日本にスキー技術が伝えられたのは1911年だが、草津ではその4年後にあたる1915年にスキークラブが誕生した。その後1931年には日本初のスキー学校が草津に誕生し、1948年には地元スキークラブの有志により天狗山スキー場に日本最初のリフトが造られ、昭和40年代中頃までには草津全山にわたってスキー場が開かれた。このようなスキー場開発により、草津の客層は湯治客から観光客へと変化していくこととなる。</p>
<p>また、スキーの人気向上に伴う観光客増加に対応するため、昭和35(1960)年には高台の開拓・別荘地化の方針が記載された「草津高原都市構想」が発表された。その後昭和43(1968)年には地元資本により草津初の本格的リゾートホテルが誕生し、1970年代を中心に草津外の企業による別荘地開拓も積極的に行われた。石油危機を機に一旦土地開発は沈静化したものの、昭和50年代に入ると草津内外の企業によりリゾートマンションの開発が進められた。</p>
<h3>中心部の再開発・町並み環境保全開始</h3>
<p>周辺部で進むリゾート開発の一方で旧態依然としていた中心部の再開発が、昭和50年代頃より一気に進められた。昭和50(1975)年には、岡本太郎の設計により湯畑が再整備された。また、昭和43(1968)年には「時間湯」を行っていた熱乃湯が湯もみショーの場に生まれ変わる、昭和58(1983)年には共同湯「大滝の湯」が設置される等、中心部に着目した大規模な開発が行われた。</p>
<p>その一方で、昭和63(1988)年に「歴史と伝統を守る会和風村」が組織され、住民を中心としたまちづくりも進んだ。会は旧来の伝統的町並み景観や温泉情緒の大切さを認識した旅館により構成され、まずは湯畑に近い滝下通りにおいて電柱の移設や沿道の緑化、旧来の建築様式の再現などが行われた。</p>
<h3>低迷期における方針の再確認</h3>
<p>平成9～11年にかけて「草津温泉ブラッシュアップ計画」が策定された。バブル経済崩壊による低迷期を経てもう一度草津温泉の魅力をブラッシュアップしよう、という計画である。3年間かけて策定された本計画では、培ってきた温泉文化を見直し現代に新たな湯治場を再現するとされている。</p>
<p>また平成13年にはスキー需要の低迷に伴い、冬の誘客を再検討するために旅館組合を中心に「草津の冬を考える会」が発足した。議論の末、「草津は季節を問わず、売りは温泉そのもの」という結論にまとまり、「泉質主義」宣言が発表された。この宣言は、現在でも草津において大きく掲げられている。</p>
<p>その後平成15年には「草津温泉歩きたくなる観光地づくり」に向けた調査が行われ、ワークショップ等には数百人が参加する等、住民のまちづくりへの参画は継続して行われた。</p>
<h3>「街づくり協定」に基づく官民によるまちづくりの推進</h3>
<p>草津町は平成21(2009)年に景観行政団体となり、国土交通省の「街なみ環境整備事業」に基づいて景観づくりを推進する方針を定めた。「街なみ環境整備事業」を活用して補助金を受けるためには、まず地権者の2/3以上の合意を得て「街づくり協定」を締結する必要がある。そのため平成21(2009)年から各地区において順次勉強会やまち歩きを行い、街づくり協定を作成・締結した。その結果始まった「街なみ環境整備事業」には、行政による景観事業と、住民が行う修景事業が含まれる。前者については、湯畑に隣接する駐車場を撤去して共同浴場「御座之湯」建設（2013年完成）と賑わいを創出する「湯路広場」整備（2014年完成）を行う、「熱の湯」を再建する（2015年完成）等、湯畑を中心に大規模な事業が多数行われた。後者の修景事業については、行政による景観整備の効果が出始めると申請件数が増加していった。なお、修景の申請は地元により構成される「まちづくり協議会」にて審査される。住民が自ら、ルールに則った修景であるかをチェックするのである。低迷していた草津温泉の入込客数はこの頃から増加し始め、2023年の過去最高入込客数更新に至る。</p>
<p><img decoding="async" class="alignright" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/07/511-image2.png" alt="草津温泉開発" width="300"></p>
<p>その後、西の河原公園整備（2018年完成）、BAN ZIP TENGUのオープン（2019年）と天狗山スキー場の通年営業開始、「裏草津地蔵」整備（2021年完成）、草津温泉入口付近の「温泉門」整備（2023年完成）、天狗山スキー場におけるパルスゴンドラと飲食店整備（2023年完成）等と、行政による整備は次々と行われており、それに伴い民間の新たな投資も見受けられる。今後はバスターミナルの改修やスキー場におけるレストハウス建設も予定されており、草津温泉はまだまだ進化していくと予想される。</p>
<h3>これからの草津温泉</h3>
<p>草津温泉のまちづくりの歴史はこれだけでは語りつくすことができないが、上記の概観を踏まえてポイントを2点挙げる。まず草津温泉のまちづくりは、長い時間軸で進められてきた。泉質や豊かな自然環境、雪山、古い町並み等といった地域特性を活用しながら、時代の潮流に合わせて魅せるものや魅せ方を絶え間なく更新し、進化してきている。また、官民双方が主体的に取組を行ってきたという点も重要である。行政はまちづくりの骨格形成やハード更新を担い、また住民主体の取組が草津温泉のまちづくりを前に推し進めている。</p>
<p>ポストコロナの今、日本の多くの観光地は大きな環境変化に直面している。前代未聞の人材不足により、今後従業員のみならず民間事業者の後継者やまちづくりを担う人材も減少することが懸念されている。草津町も例外ではなく、人口減少が進んでいる。また行政によるハード整備の推進や観光客数の増加を受けて外部からの投資が行われている一方で、地元に根付いた事業者の体力低下も生じている。そういった状況を解決するためには、「サステナブル」「DX」等とも紐づいた抜本的な改革が必要なのではという声も聞かれる。また今までまちづくりを担ってきた世代が交代するタイミングで、外部参入者も含め次の世代にその精神を引き継げるかどうかも重要なポイントかと思われる。</p>
<p>様々な時代の変化を乗り越えてきた草津温泉が、今後またどのように危機を乗り越えていくのか、引き続き着目し続けたい。</p>
<h3>【参考文献・引用】</h3>
<ul>
<li>木暮金太夫・中沢晁編著(1990)：『ベルツ博士と群馬の温泉』 上毛新聞社</li>
<li>山村順次(1992)：『草津温泉観光発達史』，草津町役場</li>
<li>黒岩裕喜男(2012)：「泉質主義」を貫き時代を紡ぐ草津温泉，『観光文化』，第215号，pp.13-18</li>
<li>公益財団法人日本交通公社(2014)：<a href="https://www.jtb.or.jp/book/onmachi-report/onmachi-report-2013/">『温泉まちづくり研究会2013年度総括レポート』</a>，pp.29-76</li>
<li>写真（湯畑）：草津温泉観光協会写真ギャラリーより引用</li>
</ul>
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		<title>地域のブレンド力を磨く―まちづくりと観光事業⑯　[コラムvol.506]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi16-goto/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-machi16-goto</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 05 Apr 2024 06:48:24 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>世界観光機関（UN Tourism）によると、2023年の国際観光客到着数は、強力な繰越需要に支えられ、パンデミック前のレベルの88%に回復。2024年にはパンデミック前の水準に完全に回復すると予想されており、2019年･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi16-goto/">地域のブレンド力を磨く―まちづくりと観光事業⑯　[コラムvol.506]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>世界観光機関（UN Tourism）によると、2023年の国際観光客到着数は、強力な繰越需要に支えられ、パンデミック前のレベルの88%に回復。2024年にはパンデミック前の水準に完全に回復すると予想されており、2019年の水準を2%上回る成長が示されている<sup>1)</sup>。<br />
約3年にわたったコロナ禍。現在は一定の収束を見せているが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置解除明けに観光地の現場で見た旅行者の明るく喜びに満ちた表情は、今後どのような環境変化があろうとも、観光に携わる仕事をする者の根源にある喜びとして胸に刻んでおきたい。</p>
<p></br></p>
<figure>
   <img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/506-image1.jpg" alt="コロナ禍に調査員として旅行者に接した尾瀬鳩待峠登山口でのアンケート調査現場" width="800" class="aligncenter" /><figcaption style="text-align:center">写真1 コロナ禍に調査員として旅行者に接した尾瀬鳩待峠登山口でのアンケート調査現場</figcaption></figure>
<p></br></p>
<p>さて、今回はこれからの観光社会において求められるであろう視点の一つ、地域の「ブレンド力」についてお話する。</p>
<p>「ブランド力」の打ち間違い？</p>
<p>そうではない。地域の「ブレンド力」である。厳選し合組（ブレンド）することで、単一で醸し出せる風味とは異なる重層的な味わいが生まれるのである。品種の選定や配合調整を試行し、そこから生み出される最適な配合比率は研究の結果であり、配合は技術そのものである。</p>
<p>こうしたブレンド行為を観光地に当て嵌めて考えてみたとき、今の我が国の観光地は、どのくらいの「ブレンド力」を有しているだろうか。ブレンドする主体は一義には地域である。地域では、どのような観光客に訪問して欲しいか、観光客像は明確だろうか。観光客にどのように過ごしてもらうことで地域でブレンドを図るのか。滞在の仕方、過ごし方、交流の仕組み・仕掛けは準備されているだろうか。複数ある客層間の配分、地域住民と観光客のバランスも意識する必要があるだろう。観光地に置き換えて考えれば、こんなところだろうか。<br />
新型コロナによるパンデミックが落ち着き、観光需要が回復傾向にある中で、果たして今日本の観光地で上手くブレンドできている、と言える観光地は幾つあるだろうか。</p>
<p>無論、そんな簡単な事ではない。実社会の中での試行錯誤無きに最適なブレンド、配合など見いだせない。そのための時間もそしてテクノロジーの力も必要である。ただ、常に観光と向き合う社会が眼前に在る今、「なぜ自分たちは観光客という‟外からの糧″を受け入れ、どのような暮らしの味わいある地域を創ろうとしているのか」は、これからの未来に向けて強く意識する必要があると観光プランナーである筆者は考える。</p>
<h3>■観光地の新陳代謝、呼吸作用―外に開き、何を取り入れるのか</h3>
<p>「地域のブレンド力」という言葉は、由布院温泉（大分県）のまちづくりのリーダー中谷健太郎氏の言葉である<sup>2)</sup>。1970年代より「生活観光地」を掲げてきた由布院は、90年代以降「花咲くよりも、根を肥やせ」と生活の充実を一層図っていくと同時に、地域の中と外との“望ましい関係”を手探ってきた。観光地としての発展とともに地域外資本による参入・開発など様々な問題を抱える中で、1990年には、潤いのあるまちづくり条例の制定や由布院観光総合事務所の設立(1)など、その後行う「観光地の成長管理」の基盤を構築。その中で最も目を向けるべきは、その根底にある思想の重心転換である。<br />
70年代後半に生まれたフレーズ「最も住みよい町こそ優れた観光地である」が町勢要覧(1990)で大きく謳われると同時に、「由布院観光の長期ビジョン」として「市場(バザール)のある温泉のある温泉リゾート村・構想」が1990年に打ち出された。「市場(バザール)があるから、文・物が移出し、ムラが世界につながる。それがムラの消費文化を豊かにし、生産文化を活性する」と、地域外からの活力を受け入れ、暮らしを活性することが模索された。<br />詳しくは、参考文献<sup>3)</sup>に譲るが、中谷氏は、外の人との交流をまちの呼吸作用と捉え、外の人を支持、応援を得てまちの新陳代謝を図ろうとしていた(1)。</p>
<p>昨今、オーバーツーリズムの再燃を懸念する声が聞かれる。その中には観光に対する批判も少なくない。しかし、「観光客の来訪を通じて何を取り入れ、どのようなまちの方向を目指すのか」。来訪なしで、まちの新陳代謝を図れるのか。現状、観光客の消費のみに着目し経済的利益を求めるあまり、機会損失をしていないか、などを一度考えてみてほしい。</p>
<h3>■住民と観光客－町づくりの同標</h3>
<p>地域でのブレンドとは、観光においては、地域住民と観光客の共生のあり方そのものを考えることである。先ほど紹介した中谷氏は、「由布院観光の長期ビジョン」を打ち出す時期に、「よそ者か、地元か」といった平地の戦術的発想ではなく、自地域が輝き続けるためには、他の地域にとって「自分たちがナニモノであるか」を問うこと。遠近を問わず引力の関係で見ることが重要だと述べている<sup>5)</sup>。<br />
オーバーツーリズムの再燃が懸念される中、ややもすると、観光による負の影響だけが取り上げられ、住民生活の擁護策に目が向けられがちである。もちろん、それは急務であり即応が求められる。しかしながら、中長期的には、住民、観光客の望ましい共生のあり方、クロスオーバーする未来像を描けなければ、新たな文化の創造も生まれないだろう。未来像なしには、(観光客を含めて)具体的に地域の外から何をどのように取り込むか、交換するのかは決められまい。我が国の湯治場がそうであるように、住民、観光客、両者を捉える複眼が今こそ必要なのである。</p>
<p>さて、我が国の戦後の観光史を辿ると、高度成長期に観光公害が問題視されていた京都市の観光にも両者を捉える視点が垣間見れる。例えば、1971年の『10年後の京都の観光ビジョン』（京都観光会議）では、まちの特性や資源、住民だけでなく観光、観光客に正面から向き合う意識が確認される（以下、前半だけでなく後半までを一つに捉えることが重要）。</p>
<blockquote><p>「京都は文化観光都市ではあるが，観光都市としてつくられた街ではない。文化観光都市の意味は，文化都市に徹することによって，おのずから観光都市になることであろう。<b>もちろんこれは観光客の受入体制をないがしろにしてよいということにはならない。むしろ，積極的に観光客の受入体制をつくる</b>ことによって，文化都市としての機能を発揮できる面が大きい。」（太字及び傍点は筆者加筆）<sup>6)</sup></p></blockquote>
<p>そして同提言では、以下の3つが今後の観光行政上の基本政策とされた。1,2に留まらず、訪れた観光客が「本当に来て良かったな」という気持をいだかせるような、観光の質的な側面を重視した方針に変えていくことが必要という認識であった。</p>
<p>1. 京都の良さを守り育てること<br />
   2. 市民生活の擁護<br />
   3. 京都の真のよさを味わえるように対処すること
</p>
<p>また、観光客の多寡等に関わらず半世紀にわたって一貫して「観光都市ではない」「観光目的でない」と発してきた近江八幡（滋賀県）のまちづくりのリーダー川端五兵衞氏は、「真の観光」は何よりも重要であり、住民だけでなく観光客の“本態性ニーズ”を捉えることの重要性も問うている<sup>7),8)</sup>。</p>
<p>実は、当財団では、観光公害が問題視されていた1970年代に用語「住民＋観光者」を用いて自主研究を行った。それは、1960年代の住民への観光によるインパクト、負荷を軽減する配慮的・問題除去的な対応に留まるのではなく、「住民＋観光者」、両者を捉えた望ましい地域社会像を描くという点において従前とはやや異なるとも言えよう。<br />
1975年度、当財団では観光分野で「町づくり」という用語を用いて、当時観光公害に悩む津和野町（島根県）にて自主研究を行った<sup>9)</sup>。そして、同時期、草津町（群馬県）からの要請を受けて観光計画より上位の総合的な「社会開発計画」を町づくりの視点から作成、提案した<sup>10)</sup>。同開発計画では、「“住民を満足させ得る”と同時に“観光客をも満足させ得る”ことを町づくりの同標として心がけなければならないのは、観光地としての責務」とし、「定住人口＋観光客」という観点から「観光地という特殊性の故に、定住人口に観光客を上乗せして生活環境水準を考える」モデル地域として、魅力ある温泉街の再開発と住民にとって豊かで住みよい“町づくり”の方向性を描いた。「人々(観光者)がもたらす情報、様式をいかに草津の文化育成に活用するか」（括弧は筆者が加筆）という問題意識のもと、住民と観光客とのコミュニケーション（接触、対話）を施策に掲げ、「リゾートをも志向する以上、住民生活環境の向上」がその前提となると考えていた。</p>
<p>観光を取り巻く環境変化は加速し転換期にある今、観光を地域政策の柱に据えて歩むのであれば、単に住民を射程範囲に収めるだけではなく、住民、観光客の本質的なニーズに同時に正対する姿勢のもとで長期ビジョンを描くことが重要ではなかろうか。ある一時の考え、視点で終わらせることなく、また拙速を排しながら、関係者と対話を積み重ね大局的な方向を描くことが遠回りかもしれないがよりよき観光地域を形成する近道と考える。</p>
<p>最後に、当財団が観光文化を冠した基金「観光文化振興基金」を設置して50年を迎えた(1974年3月に各種基金等を再編)。同じ50年後に未来を生きる世代から豊かな観光文化の振興、醸成に資する研究であったと言ってもらえるよう、日々の業務・研究にこれからも地道に取り組んでいきたい。</p>
<h4>【注】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>(1) 参考文献<sup>4)</sup>「由布市観光基本計画」（2011）では、由布院のまちづくりの特性を踏まえて基本理念の一つに、以下の一節がある。<br />
      「今後も、今日まで受け継がれてきた古き良き風習や慣習、まちの佇まい、醸し出される暮らしぶりなどを大切にしつつ、内と外との交流を通じて新しい“空気”（人脈、情報、芸術・文化、新たな価値観、刺激、感動、活力、、、）を取り入れることで、地域内外に新しき“風”を起こしていく。」</li>
</ul>
<h4>【引用・参考文献】</h4>
<ul style="list-style-type: none">
<li>1) UN Tourism Barometer<a href="https://www.unwto.org/un-tourism-world-tourism-barometer-data" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://www.unwto.org/un-tourism-world-tourism-barometer-data)</a></li>
<li>2) 中谷健太郎（2006）：地域のブランド力と地域のブレンド力，『由布院に吹く風』，岩波書店，pp.32-33</li>
<li>3) 中谷健太郎（2024）：地域のブレンド力を磨く―この土地に運ばれたものを暮らしに編み込む由布院温泉（大分県），『観光文化』260号，pp.52-59<a href="https://www.jtb.or.jp/tourism-culture/bunka260/260-18/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://www.jtb.or.jp/tourism-culture/bunka260/260-18/)</a></li>
<li>4) 由布市（2011）：由布市観光基本計画</li>
<li>5) 中谷健太郎（1990）：「幻視ゆふいん&#8217;90―何かが道をやってくる」、『風の計画』、湯布院企画室「西方館」、p.32</li>
<li>6) 京都観光会議（1971）：10年後の京都の観光ビジョン－呼び込み観光との訣別，『京都観光会議報告書』，pp.1-31</li>
<li>7) 川端五兵衞(2019)：観光は終の栖の内覧会－死に甲斐のある終の栖のまちづくり－（巻頭言），『観光文化』240号，p.1<a href="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/01/bunka240-02.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2019/01/bunka240-02.pdf)</a></li>
<li>8) 後藤健太郎（2021）：地域におけるまちづくりと観光の関係に関する研究～近江八幡における川端五兵衞氏の観光に関する言説を通じて～，『観光研究』，Vol.33(1)，pp.49-62<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/jitr/33/1/33_49/_pdf/-char/ja" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jitr/33/1/33_49/_pdf/-char/ja)</a></li>
<li>9) 財団法人日本交通公社（1976）：津和野 保存と町づくり（昭和50年度観光文化振興基金調査報告書）</li>
<li>10) 財団法人日本交通公社観光計画室（1977）：草津町社会開発計画</li>
<li>11) 渡邉一成（2006）：新連載 第6回 町民の、町民による、町民のための草津　東京工業大学 名誉教授　鈴木忠義先生，土木学会誌，vol.91，no.9，pp.86-87<a href="https://committees.jsce.or.jp/engineers/node/15" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://committees.jsce.or.jp/engineers/node/15)</a></li>
<li>12) (公財)日本交通公社(2017)：観光地づくりオーラルヒストリー＜観光計画・観光地づくりの要諦を探る＞<a href="https://www.jtb.or.jp/book/category/tourism-oral-history/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">(https://www.jtb.or.jp/book/category/tourism-oral-history/)</a></li>
</ul><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-machi16-goto/">地域のブレンド力を磨く―まちづくりと観光事業⑯　[コラムvol.506]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>旅とお土産　[コラムvol.501]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-craft-kadowaki/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-craft-kadowaki</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkakishima]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 27 Dec 2023 06:34:23 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>はじめに 旅の楽しみのひとつは、お土産を探すことではないでしょうか。家族、会社の同僚、友達、そして自分自身のために、これこそは！という逸品を探し求める時間は、この上なく楽しいひと時です。 今回のコラムでは、最近の私自身の･･･</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p>旅の楽しみのひとつは、お土産を探すことではないでしょうか。家族、会社の同僚、友達、そして自分自身のために、これこそは！という逸品を探し求める時間は、この上なく楽しいひと時です。<br /> 今回のコラムでは、最近の私自身の旅を振り返りながら、魅力的なお土産とは何かについて考えてみます。</p>
<h3>兵庫県・丹波篠山</h3>
<p>兵庫県の西部に位置する丹波篠山市の立杭（たちくい）地区は、日本六古窯のひとつ丹波焼（立杭焼）の生産地です。南北約4kmある丹波焼の郷には40を超える窯元が点在し、それぞれ個性的な焼きものを生み出しています。</p>
<p>約1年前、出張で丹波篠山を訪れた際に宿泊した一棟貸切の宿には、個性豊かな丹波焼の食器類が備え付けられていました。その翌日にランチを食べたイタリアンレストランでも、丹波焼の器が使われていました。ぽってりとした有機的なフォルムからは、大量生産品にはない手仕事のあたたかさが伝わり、食卓にもあたたかな表情を与えていました。以前はお土産にお菓子を選ぶことが多かったのですが、この丹波篠山での経験をきっかけに器のおもしろさに目覚め、最近は自分自身へのお土産として器を手に取ることが増えました。</p>
<p>丹波焼の郷のちょうど中間あたりには、全ての窯元の焼きものを一か所に集めて展示販売する施設があります。地元タクシーの運転手さんの話では、まずそこに立ち寄って自分好みの焼きものに目星をつけてから、実際に窯元を訪れるのがおすすめとのこと。たくさんの窯元の、たくさんの種類の中から絞り込むのも一苦労。さらに、同じ商品でも1点1点表情が異なるので、その中から自分に一番しっくりくるものを選び出すのにも一苦労。結局1時間以上かかって、白いしのぎのマグカップを購入しました。購入してから1年以上経ちますが、日々のコーヒータイムに欠かせない存在となっています。</p>
<p><div id="attachment_49207" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-49207" class="size-full wp-image-49207" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image2.jpg" alt="丹波焼最古の登窯" width="800" height="600" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image2.jpg 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image2-533x400.jpg 533w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image2-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-49207" class="wp-caption-text">丹波焼最古の登窯</p></div> <br /><div id="attachment_49208" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-49208" class="size-full wp-image-49208" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image3.jpg" alt="愛用の丹波焼マグカップ" width="800" height="533" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image3.jpg 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image3-600x400.jpg 600w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image3-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-49208" class="wp-caption-text">愛用の丹波焼マグカップ</p></div></p>
<h3>長野県・松本</h3>
<p>長野県のほぼ中央に位置する松本市は、松本藩の城下町として栄えた古いまちです。城下町時代から和家具の生産が盛んだった松本ですが、戦争により生産は休止状態に。そこへ柳宗悦らにより提唱された民藝運動の影響を受け、松本民芸家具と呼ばれる家具作りが盛んになったそうです。現在の松本はクラフトのまちとしても知られ、焼きもの、木工製品、紙モノなど、様々なクラフト作家の店が点在しています。</p>
<p>松本を訪れたのは2023年9月初旬のこと。この時は紫檀（ローズウッド）製のスプーンを購入しました。店内には木のスプーンだけで何種類もあるなか、手に持った時に妙にしっくりくる1本に出会いました。値段をみるとなんと5,000円！一度頭を冷やそうとお店を出て他にも数件巡りましたが、やっぱり何とも言えずしっくりくる感じが忘れられません。清水の舞台から飛び降りるつもりで購入した思い出の一品です。</p>
<div id="attachment_49209" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-49209" class="size-full wp-image-49209" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image4.jpg" alt="ほぼ毎日使っている木製のスプーン。亜麻仁油で定期的にお手入れ中" width="800" height="533" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image4.jpg 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image4-600x400.jpg 600w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image4-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-49209" class="wp-caption-text">ほぼ毎日使っている木製のスプーン。亜麻仁油で定期的にお手入れ中</p></div>
<h3>沖縄県・那覇</h3>
<p>つい最近は、沖縄県・那覇市でやちむん（注：「やちむん」とは沖縄の言葉で焼きもののこと）のお皿を購入しました。国際通りから商店街を抜けて少し歩いたところある壺屋やちむん通りには、個性豊かな陶芸工房や直売店、ギャラリーが軒を連ねています。最近では、ずっしりと力強さを感じさせる伝統的なものから、爽やかで軽やかなもの、ポップなもの、鮮やかな色合いのものまで、商品のバリエーションも格段に増えたように感じます。</p>
<p>ここでは少し冒険して、沖縄らしい紫色の個性的な器を購入しました。色あいのインパクトが大きいので、何を盛り付けても美味しく見えそうと思ったことが購入の決め手です。こちらは、使い始める時期を見計らっているところです。</p>
<div id="attachment_49205" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-49205" class="size-full wp-image-49205" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image5.jpg" alt="まるで紅芋のような色合いのやちむんのお皿" width="800" height="533" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image5.jpg 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image5-600x400.jpg 600w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/12/501_image5-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-49205" class="wp-caption-text">まるで紅芋のような色合いのやちむんのお皿</p></div>
<h3>おわりに</h3>
<p>大学３年生の時に受けた博物館資料論の授業では、「博物館や美術館のミュージアムショップは展示室の延長。優れたミュージアムグッズとは、所蔵資料の価値を伝える教育的効果の高いものである」と教わりました。これを旅に置き換えれば、「お土産は旅行の延長。優れたお土産とは、その土地の個性を効果的に伝えるものである」となるでしょう。</p>
<p>出張先や旅行先では、時に、包装紙を差し替えただけで中身は他の地域でも売られているものと同じお菓子、民芸品調でありながら「海外製」の表記が刻まれたもの等、残念に思うお土産を目にすることもあります。</p>
<p>地域に根付き、地域に育まれた商品の販売は、単に消費単価をあげるだけでなく、地域内の経済循環向上につながります。なにより、旅人が日常生活に戻った後も、日々の暮らしにそっと寄り添いうるおいを与えながら、地域の魅力や品格を伝え続けることができます。まさに、お土産は旅行の延長なのです。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-craft-kadowaki/">旅とお土産　[コラムvol.501]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
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		<title>地域ならではのサステナビリティの見せ方　[コラムvol.497]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-sustainable-yamamoto/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-destination-sustainable-yamamoto</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkakishima]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 24 Oct 2023 12:29:56 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>コロナ禍が明けた今、サステナブルであることは旅行先として選んでもらう上で大切な条件となりつつあります。では、地域がサステナブルな取組をしているということを、どのように観光客に伝えればよいのでしょうか。 例えば太陽光発電を･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-sustainable-yamamoto/">地域ならではのサステナビリティの見せ方　[コラムvol.497]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>コロナ禍が明けた今、サステナブルであることは旅行先として選んでもらう上で大切な条件となりつつあります。では、地域がサステナブルな取組をしているということを、どのように観光客に伝えればよいのでしょうか。</p>
<p>例えば太陽光発電を導入する、再生素材で作られた歯ブラシを販売する、等と、古いシステムを刷新したり新たな取組を始めるというのも重要な手法の一つです。しかしそれだけではなく、地域で長らく続けられてきた取組をサステナブルなものとして捉え、見せていくというやり方も有効です。</p>
<p>当財団は「温泉まちづくり研究会」という、全国の7つの温泉地が集まり、共通の課題について解決の方向性を探り各地の温泉地の活性化に資することを目指す研究会を運営しています（<a href="https://www.jtb.or.jp/project/non-profit/network/onmachi/" target="_blank" rel="noopener">https://www.jtb.or.jp/project/non-profit/network/onmachi/</a>）。研究会に参加する地域の取組の中から、地域ならではサステナビリティを発信している事例をご紹介します。</p>
<h3>海とのつながりを発信する鳥羽温泉郷</h3>
<p>鳥羽の観光にとっては、海の恵みは欠かせない資源です。伊勢海老、アワビ等の海産物に加え、海女、真珠養殖等鳥羽の文化も重要な観光資源となっています。しかし近年は海の環境変化により漁獲量減少が続いていたり、漁業者や海女の人口が減少していたりと、鳥羽の海とそこで育まれてきた文化は危機にさらされています。鳥羽市では、それらを守るための取組が以前から数多く行われてきました。</p>
<ul>
<li>海の植林活動<br />
海産物の生育には海藻が不可欠ですが、鳥羽の近隣の海では、磯焼けと呼ばれる藻場の減少が進んでいます。そのような状況を受け、海に藻場を造成する取組が長年にわたり行われています。当初は水産関係者の手により行われていましたが、現在は様々な主体を交えて取組が続けられています。</li>
<li>漁業と観光の連携促進事業　 ―漁観連携<br />
漁業が直面する様々な課題を踏まえ、鳥羽市観光協会、市、鳥羽磯部漁業協同組合による連携が2014年より開始されました。鳥羽の海産物の情報発信、地産地消、海を舞台にした体験、海女さんや食文化の保全、漁業の活性化を戦略分野とし、多岐にわたる活動を行っています。</li>
<li>海女の支援活動<br />
海女の支援を目的に、2015年に鳥羽市観光協会内に「海女さん応援基金」が設立されました。一部の宿泊プラン料金の１％や、宿泊施設等に海女が訪れてトークをするプログラムの料金の一部を基金として積み立てます。積み立てた資金は、海女さんの応援事業や海の環境保護、水産資源の保護に活用されます。</li>
</ul>
<p>海や、海で育まれてきた文化を守るこれらの活動は、サステナブルなものとして捉えられるでしょう。近年は、これらを観光客に改めて発信する取組が行われています。鳥羽市役所は教育旅行や企業研修旅行を見据え、鳥羽で今まで行われてきた取組をSDGsに当てはめてまとめています。また鳥羽温泉振興会では、「海藻」「海女」というテーマにフォーカスして、鳥羽が大切にしてきた資源やそれにまつわる思いを観光客にPRしています。</p>
<div style="width: 576px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-48871 size-full" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image1.png" alt="「鳥羽のSDGsまなブック」" width="566" height="800" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image1.png 566w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image1-283x400.png 283w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image1-425x600.png 425w" sizes="auto, (max-width: 566px) 100vw, 566px" /><p class="wp-caption-text">図　「鳥羽のSDGsまなブック」</p></div>
<p>&nbsp;</p>
<div id="attachment_48872" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-48872" class="size-full wp-image-48872" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image2.png" alt="鳥羽温泉郷HPの海女PRページ" width="800" height="471" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image2.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image2-679x400.png 679w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image2-768x452.png 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-48872" class="wp-caption-text">図　鳥羽温泉郷HPの海女PRページ</p></div>
<h3>”循環“型温泉地を目指す黒川温泉</h3>
<p>黒川温泉は1986年以降、入湯手形の導入、景観づくり活動、共同資源の活用に取り組んできました。活動を開始した当時から、それらは今でいう「サステナブル」な考えに基づいたものだったと言うことができます。入湯手形は地元の杉を活用して作成され、利益は地元の老人会に還元されます。また景観づくりにおいては累計2万本に及ぶ植林を行っていました。その後現在にいたるまで黒川温泉では、地元の自然や経済に寄与する様々な取組が行われてきました。</p>
<ul>
<li style="list-style-type: none;">
<ul>
<li>湯あかり<br />
放置竹林から地域の環境や景観を守るために、竹の間伐・再生活動の一環として2012年より「湯あかり」の取組が始まりました。竹で作られた灯籠を、自然の景観に溶け込むように配置して点灯させる湯あかりは、毎年好評を得ている冬のイベントです。</p>
<p><div id="attachment_48868" style="width: 810px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-48868" class="wp-image-48868 size-full" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image3.jpg" alt="図　黒川温泉の湯あかり" width="800" height="600" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image3.jpg 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image3-533x400.jpg 533w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image3-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /><p id="caption-attachment-48868" class="wp-caption-text">図　黒川温泉の湯あかり</p></div>
</li>
<li>野焼き<br />
阿蘇の草原は、何百年もの間野焼きによって保たれてきました。毎年黒川牧野組合の組合員が総出で行う野焼きは、早春の風物詩となっています。</li>
<li>Farm to Tableプロジェクト<br />
地産地消への取組を深めるために、熊本県立大学、南小国町と連携して、地域独自の食文化を調査するプロジェクトです。調査により得られた南小国町独自の食の文化を、宿の食事に活かします。</li>
</ul>
</li>
</ul>
<p>このように黒川温泉は、以前から地域の自然や文化の持続性を意識した取組を行ってきましたが、熊本地震やコロナ禍という危機を受けて、地域の持続可能性の向上のために何を行うべきかを改めて検討し、地域資源の”循環”という新たな理念を掲げるにいたりました。その理念のもと、入湯手形の売上の一部を環境に還元する取組、旅館の生ごみを利用して堆肥を作るコンポストプロジェクト、地元・南小国町で育てたあか牛を旅館で提供することで草原や農法の継承を目指す「あか牛”つぐも”プロジェクト」等、今までの活動を基盤としつつ新たな取組を開始しました。このような長年をかけて培ってきた黒川温泉ならではのサステナブルなスタイルを、観光客だけでなく、企業・行政・大学等、様々な主体にも発信し、ブランディングを行っています。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-48869" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image4.png" alt="" width="800" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image4.png 800w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image4-768x384.png 768w" sizes="auto, (max-width: 800px) 100vw, 800px" /></p>
<div id="attachment_48870" style="width: 581px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-48870" class="size-full wp-image-48870" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image5.jpg" alt="図　黒川温泉2030年ビジョン" width="571" height="800" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image5.jpg 571w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image5-286x400.jpg 286w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/497_image5-428x600.jpg 428w" sizes="auto, (max-width: 571px) 100vw, 571px" /><p id="caption-attachment-48870" class="wp-caption-text">図　黒川温泉2030年ビジョン</p></div>
<h3>まとめ</h3>
<p>鳥羽と黒川の取組は、地域で受け継がれてきた考えや取組を「サステナブル」「SDGs」といった視点から切り取って、外部にわかりやすく、地域の魅力として発信しようとしているものと言えます。</p>
<p>温泉まちづくり研究会では引き続き、こういった会員温泉地の取組を注視しつつ、全国の温泉地や観光地の活性化に資する取組や発信を行うことを目指していきたいと思います。</p><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-destination-sustainable-yamamoto/">地域ならではのサステナビリティの見せ方　[コラムvol.497]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
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		<title>不変ならざる自然の見せ方 &#8211; チューリヒ近郊の森林公園にて　[コラムvol.496]</title>
		<link>https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-zurich-nasu/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=column-zurich-nasu</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[webkakishima]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 01 Oct 2023 01:00:18 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://www.jtb.or.jp/?post_type=column&#038;p=48611</guid>

					<description><![CDATA[<p>2023年09月中旬、欧州方面への出張中にスイスを訪問する機会を得た。その際に訪れたシルヴァルト自然発見公園について、現地の写真を中心に紹介する。 なお、本稿で取り上げる施設や制度等の名称は、スイス公用語以外による表記が･･･</p>
<p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-zurich-nasu/">不変ならざる自然の見せ方 – チューリヒ近郊の森林公園にて　[コラムvol.496]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>2023年09月中旬、欧州方面への出張中にスイスを訪問する機会を得た。その際に訪れた<u>シルヴァルト自然発見公園</u>について、現地の写真を中心に紹介する。<br />
なお、本稿で取り上げる施設や制度等の名称は、スイス公用語以外による表記が確立されていないものが多い。文中における日本語での表記は、筆者による仮訳を含む点に留意されたい。上記の「シルヴァルト自然発見公園」のように、文中で下線を付した語については、<a href="#496hosoku">本稿の末尾</a>に訳出前の表記一覧を掲載する。</p>
<h4>概要</h4>
<p>シルヴァルト自然発見公園は、スイスの北部チューリヒ州内に位置する公園施設である。同州の州都であるチューリヒ中心部から、鉄道または自家用車により30分程度でアクセスが可能である。幹線道路に沿って流れるジル川の両岸を公園用地として、森林を中心としたフィールドが整備されている。<br />
同公園は近隣にある<u>ランゲンベルグ野生動物公園</u>とともに、2010年にスイス連邦から「<u>チューリヒ・シルヴァルト自然公園</u>」として、<u>郊外自然公園</u>の認定を受けた。郊外自然公園は、連邦政府が所管する公園制度である<u>国家重要公園</u>の一類型であり、都市住民のQOLの向上、自然学習の提供、緩衝地帯の確保等を目的として運営される。</p>
<div id="attachment_48615" style="width: 266px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-48615" class="wp-image-48615 size-full" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_01.png" alt="" width="256" height="400" srcset="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_01.png 512w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_01-256x400.png 256w, https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_01-384x600.png 384w" sizes="auto, (max-width: 256px) 100vw, 256px" /><p id="caption-attachment-48615" class="wp-caption-text">シルヴァルト自然発見公園 位置図（openstreetmapを元に筆者作成）</p></div>
<p>チューリヒ方面に接続する鉄道駅の周辺に、駐車場、ビジターセンター、野外遊具、カフェ等が集約され、利用拠点として整備されている。駐輪場の利用も見られ、自転車で訪れる人も多いようだ。</p>
<div style="display:flex; flex-wrap:wrap; gap:2px;">
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_02.png" alt="" width="400"/><br />
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_03.png" alt="" width="400"/><br />
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_04.png" alt="" width="400"/><br />
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_05.png" alt="" width="400"/>
</div>
<p>拠点周辺ではピットを利用すれば火の使用も認められており、訪問当日にもピクニック的に、焚き火をする人々の姿が見られた。なお訪問日は土曜日で、園内各所には家族連れを中心にそれなりの人出が見られたが、混雑は感じられなかった。</p>
<div style="display:flex; flex-wrap:wrap; gap:2px;">
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_06.png" alt="" width="400" /><br />
<img decoding="async" src="https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2023/10/496_image_07.png" alt="" width="400" />
</div>
<h4>園内散策路の様子</h4>
<p>拠点エリアから出発し、園内に設定された3kmほどのコースを徒歩で散策した。森林内の周遊ルートは一部にアップダウンがあるものの、全体として歩きやすく整備されている。倒木を完全に撤去するのではなく、一部を残して「森らしく」整えている場所などは、いかにも楽しげである。</p>
<div style="display:flex; flex-wrap:wrap; gap:2px;">
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<p>ルート上にはいくつかの地点に標識が設置されており、併設された簡易な設備を使用して、それぞれの地点の環境に応じた自然体験ができるようになっている。</p>
<p>例えば下記写真の標識では腐朽した樹木に棲む昆虫についての説明があり、隣にある緑の筒を覗くと、枯死した立木や倒木の腐朽した部分を見ることができる、という仕掛けが用意されている。標識はドイツ語と英語の2言語表記だが、英語の説明には専門的な用語はなく、（英語ぼちぼち程度の筆者が、その場で読んでも引っかかることなく理解できるレベルの）平易な文章で書かれていた。緑の筒の横には踏み台が用意されていることからも、自然体験のターゲットとして、かなり低い年齢までが想定されていることが伺える。</p>
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<p>ある地点では林床（森林内の地面）付近から萌芽する特徴的な植物の様子を観察できるように、植生の密度が高めで暗い森林に木道が整備されていた。また別の地点では、樹木の更新によって生じたギャップ（倒木等により光を遮っていた葉がなくなり、一時的に林床まで光が届くようになった箇所）や、倒れた立木の根などがルート上から観察できる状態で置かれていた。</p>
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<h4>直線的なトウヒの木立</h4>
<p>以上のように、シルヴァルト自然発見公園は森林レクリエーションの場として、また自然体験・自然教育の場として、洗練された整備がなされていると感じた。その中でも、特に印象に残った箇所を一つ紹介したい。</p>
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<p>この区画ではトウヒの人工林が再現されており、ほぼ同じ樹齢の立木が列状に植栽されている。標識では同じ種類の樹木しか生育していないことや、林床に生えている植物の違いについて触れ、他の地点とは林内の様子が異なることに意識を向けさせている。</p>
<p>日本の国土面積の約7割は森林であり、世界中でも屈指の森林国家である。幼少期からの経験の中で、実体としての森に触れる、木材や香料などの産物に触れる、あるいは物語などのメディアを通じて「森」の像に触れる機会は多く、人々は大小それぞれの奥行きを持った、森林のイメージを獲得していることと思う。</p>
<p>しかしながら、我々がそうして想起する「日本の森林」の中に人工林は含まれているだろうか。日本で「人工林」と聞いてもっとも多く想起されるのは恐らく「花粉」であろうが、それ以外のイメージは非常に希薄であるようにも思われる。国土の約7割を占める森林のうちの4割、すなわち日本の3割弱を人工林が占めるにもかかわらず、その諸相に触れる機会はかなり限定されているのではないか。</p>
<p>やや極端な意見かもしれないが、とりわけ初等教育から中等教育にかけて触れる「森」や「自然」、「生き物」といったトピックにおいて、人工林の要素は丁重に遠ざけられているようにも見える。そのような印象を抱いていた筆者の目から見て、自然性の高い森林の隣に人工林区画を造成してその対比を観察させるという設計は新鮮であり、自然教育の場としても有効であると感じた。</p>
<h4>変化する自然を見せること</h4>
<p>出発から帰着まで2時間ほどの散策を終えて、筆者は「人間の時間的・空間的スケールからは乖離しているとしても、自然はその姿を変えながら、成長・変化するものだ」といった印象、あるいはメッセージのようなものを感じた。</p>
<p>学問的には森林の相観、攪乱と更新、植生遷移などの言葉を用いて高等教育の段階で学ぶ分野であるが、これらを直感的に、かつ子どもにも分かるように伝えることは難しいだろう。シルヴァルト自然発見公園では、場所に応じてさまざまに様相を変える樹木や植生の様子を並べて提示することで、そういったテーマへのアプローチを試みていたように思われた。もっとも、このような教育的な要素を抜きにしても、変化に富む森林内の散策コースは、レクリエーションとして五感を楽しませてくれる。</p>
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<p>今回の往訪ではチューリヒを含むスイス・オーストリア国内の数ヶ所を訪れたが、いわゆる「アルプスの風景」とも言えるような、風光明媚な景観が各地で見られた。これらを特徴づける草原や疎林は二次的自然であり、多かれ少なかれ人為的な管理がなされている。都市域においても、個々の住人や所有者による手入れを通じて、統一感をもった景観が維持されている。気候的な条件が穏やかな欧州において、要求される管理の度合いはアジア圏とは異なるものの、それでも人々はかなりの労力と時間をかけて、好ましい風景を維持しているように思われた。</p>
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<p>そういった慣習的な行動の背景にはさまざまな要素が関係すると考えられるが、一つの社会通念的な要因として、「そもそも自然とは放っておくと変化し、人間社会にとって有益な状態から離れていく。だから手入れをして、有益な状態を維持しなければならない」といった共通認識があるのかもしれない。</p>
<p>物理的な実体としての風景は、極端に原生的な例を除けば、自然と人間との相互作用の産物である。このうち自然の側から働く作用は、人間の日常的な尺度を超えた空間的・時間的なスケールを有することは論を俟たない。であるからこそ、ひとたび失われれば元には戻らないという前提をもって、保護的な手法が採用される。<br />
一方で人間の側から働く作用は、一般的にはそれが有効に機能するシステムを明らかにし、ビジョンや計画、手引きやガイドラインといった規範的な手法を用いて駆動させれば、数年ないし数十年のうちには望ましい状態を確立できる（可能性がある）という前提を置くのではないか。しかしながら、美しい風景の担い手となる無名の彼ら彼女らが、幼少期からのさまざまな自然体験を通じて前述のような暗黙知を獲得しているのだとすれば、それは数年ないし数十年といった時間軸の問題ではなくなる。少なくとも、幾つかの世代を跨ぐ程度の時間的スケールは想定する必要がありそうだ。</p>
<h4 id="496hosoku">補足：施設・制度等の名称</h4>
<p>スイス国内の情報は、基本的にドイツ語、フランス語、イタリア語のうちの一つないし複数で提供されている。英語の情報は提供されている場合と、されていない場合がある。以下、日本語（筆者による仮訳を含む）および訳出前の表記（英 / 仏 / 独 / 伊のうち、公的な情報源から表記が入手可能なもの）一覧を掲載する。</p>
<table style="width: 100%; border-collapse: separate; border-color: #a9a9a9;" border="medium">
<tbody>
<tr>
<td style="width: 40%; vertical-align: top;">シルヴァルト自然発見公園</td>
<td style="width: 60%;">英 Sihlwald Nature Discovery Park /<br />
独 Naturerlebnispark Sihlwald</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 40%;">ランゲンベルグ野生生物公園</td>
<td style="width: 60%;">英 Langenberg Wildlife Park /<br />
独 Tierpark Langenberg</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 40%;">チューリヒ・シルヴァルト自然公園</td>
<td style="width: 60%;">Wildnispark Zurich Sihlwald (英・独・仏・伊いずれも）</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 40%;">郊外自然公園</td>
<td style="width: 60%;">
<p>仏 parcs naturels periurbains /<br />
独 Naturerlebnisparke / <br />
伊 parchi naturali periurbani</p>
</td>
</tr>
<tr>
<td style="width: 40%;">国家重要公園</td>
<td style="width: 60%;">仏 Parcs d&#8217;importance nationale /<br />
独 Parke von nationaler Bedeutung /<br />
伊 Parchi d&#8217;importanza nazionale</td>
</tr>
</tbody>
</table><p>The post <a href="https://www.jtb.or.jp/researchers/column/column-zurich-nasu/">不変ならざる自然の見せ方 – チューリヒ近郊の森林公園にて　[コラムvol.496]</a> first appeared on <a href="https://www.jtb.or.jp">(公財)日本交通公社</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
	</channel>
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