セミナー・シンポジウム

平成26年度 観光地経営講座

2014年6月26日(木)・27日(金)
平成26年度 観光地経営講座

6月26・27日の2日間にわたって『平成26年度・観光地経営講座』を開催しました。この講座は、これまで当財団が観光行政の方々に向け1997年から17年間開催してきました『観光基礎講座』と2003年から11年間開催してきました『観光実践講座』を統合した研修会です。テキストとして、昨年12月に発刊した『観光地経営の視点と実践』(丸善出版)を使用しました。

写真は、「組織を見直して実行力を高める!」をテーマにした総括ディスカッションの様子です。パネリストには講義をお願いした(一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメントの小林昭治氏、富士河口湖町観光課の久保拓夫氏、そしてコメンテーターとして当財団観光政策研究部長の梅川、司会進行を当財団主席研究員の吉澤が務めました。

2日間を通じたキーワードは、「“合意形成”を如何に図るか・・・」。2時間以上にわたり、観光ビジョン策定の手法から広域連携の難しさ、観光推進組織の役割、人材不足・雇用問題まで幅広い議論が熱く交わされました。

詳細は後日、ホームページ、報告書で公開します。

書籍『観光地経営の視点と実践』(発行:丸善出版)

(2014/7/7 梅川智也)

平成26年度 観光地経営講座の概要

テーマ 観光地経営の“8つの視点”と実践 
~組織を見直して実行力を高める!~
開催日時 2014年6月26日(木)~27日(金)
会場 公益財団法人 日本交通公社 大会議室
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル17階
03-5255-6074
JR東京駅 日本橋口から徒歩2分
東京メトロ 大手町駅 日本橋寄りB6出口から徒歩1分
主な対象者 観光による地域振興に携わる地方自治体のご担当者
観光関連事業・商工会議所などのご関係者
主催 公益財団法人日本交通公社
協力 一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント、富士河口湖町
お問い合わせ 公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 吉澤・福永・後藤
〒100-0004 東京都大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル17階
 電話:03-5255-6074、FAX:03-5255-6077
 E-mail:jtbfseminar@jtb.or.jp

スケジュール

■6月26日 (木)

10:00 開場
10:10

◆講義1.観光地の視点と実践~8つの視点を概観する
本講義では、まず観光地の現状と課題から「観光地経営」の必要性について考え、「観光地経営」を定義します。また、観光地経営の目的と経営指標についてお話しします。その後、観光地経営を行うための一連の組織的活動「方針(ビジョンづくり)」、「持続的な発展に資する付加価値づくり」、「一連の活動を可能とする組織づくり・人づくり」、「持続性を担保する条件づくり」を展開するために重要な視点として、8つの視点((1)状況把握、(2)戦略策定、(3)市場創出、(4)滞在促進、(5)保存・活用、(6)組織・人材、(7)ブランド形成、(8)財源確保)の概要をお話しします。

○講師:公益財団法人日本交通公社 理事・観光政策研究部長 梅川 智也
新潟県出身。1981年筑波大学社会工学類都市・地域計画専攻卒業。同年財団法人日本交通公社入社。現在、理事・観光政策研究部長。課題解決型から個性創造型のビジョンづくり、プランづくりを心掛け、常に新しい形の「計画」の姿を追求。技術士(建設部門/都市及び地方計画)、日本観光研究学会副会長、立教大学兼任講師ほか。

10:40 休憩
10:50

◆講義2.国内旅行・訪日旅行市場の動向と展望~市場の動向を理解する
本講義では、本講座の受講に際しご理解いただきたい国内旅行市場、訪日旅行市場の長期動向を総覧し、展望します。国内旅行市場の長期動向について、観光統計や経済統計を基に総覧するとともに、今後の市場動向を予想します。また、質的にみた市場の変化方向について、国内旅行市場の中核を担うオピニオンリーダー層へのアンケート調査結果(第7回)を中心にご紹介します。
さらに、震災による減少から回復し、拡大を続ける訪日旅行市場の動向と今後の展望について統計データや各種調査結果を基に解説します。

○講師:公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 次長 塩谷 英生
公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 主任研究員 相澤 美穂子

(塩谷英生)茨城県出身。1989年筑波大学大学院経営政策科学研究科修了。同年財団法人日本交通公社入社。現在、観光政策研究部 次長。国や日本各地の観光統計作成や経済効果推計、観光財源の研究等に携わる。また訪日統計の整備や地域観光政策の研究など新しい分野の調査研究に取り組む。琉球大学非常勤講師、立教大学兼任講師ほか。
(相澤美穂子)1998年北海道大学大学院理学研究科修了、2006年筑波大学大学院芸術研究科世界遺産専攻修了。同年財団法人日本交通公社入社。現在、観光政策研究部 主任研究員。旅行マーケット分析、観光統計の作成等に携わる。データ分析ばかりではなく、常にアンテナを張り巡らせ自分の目や耳でマーケットの“今”を捉えることを信条に、調査研究に取り組む。琉球大学非常勤講師ほか。

12:30 昼食休憩
13:30

◆自己紹介タイム~自らの地域の課題を再確認し、受講者間で共有する
受講者には、講座受講前に「自己紹介シート」(所属団体/役職/観光に関わっている期間/現在の課題・問題意識/当講座への期待(最も学びたいこと、期待する講義など)等)にご記入いただきます。お一人ずつ簡単にお話しいただき自らの地域の課題を再確認するとともに、受講者間で共有することで、課題解決のヒントを見いだす一助とします。

○進行:公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 主席研究員 吉澤 清良
埼玉県出身。1992立教大学社会学部観光学科卒業。同年財団法人日本交通公社入社。現在、観光政策研究部 主席研究員。地域の皆さんとともに学び行動する気持ちを常に持ち、魅力的な観光地づくり、観光・交流による地域活性化に取り組む。八ヶ岳南麓、富士北麓地域の観光振興にも関わる。立教大学兼任講師、杏林大学非常勤講師ほか。

14:30 休憩
14:40

◆講義3.北海道釧路市阿寒湖温泉~観光地経営に適した組織づくり
【視点との対応、キーワード等】(2)戦略策定、(6)組織・人材、民間主導、NPO、旅行業取得 等

本講義では、時代の変化に対応し柔軟に組織体制を構築してきたNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の取り組みを紹介します。具体的には、阿寒湖温泉の中核的組織である阿寒観光協会(現阿寒観光協会まちづくり推進機構)を対象とし、長期計画に基づいて当財団とともに観光まちづくりを進めてきた2000年から2010年の10年間の組織の発展段階ごとに4段階に分け、事業内容、予算、体制、人材、体制等の視点から段階ごとの組織の特徴・課題を分析し、現在同組織が抱えている課題や地域のマネジメント組織としての役割について紹介します。

○講師:公益財団法人日本交通公社 理事・観光政策研究部長 梅川 智也

16:10 休憩
16:20

◆講義4.三重県鳥羽市鳥羽温泉郷~既存観光地におけるイノベーションの取り組み
【視点との対応、キーワード等】(4)滞在促進、(8)財源確保、官民協働、体験プログラム、観光振興基金 等

団体旅行から個人旅行への推移や、余暇活動の多様化による旅行回数の減少など日本の旅行形態は年々変化しています。こうした中、歴史ある観光地は様々な変化を求められながら、観光地としてのあり方を模索しています。
本講義では、伊勢志摩の宿泊拠点である鳥羽市において、既存観光地が「量」から「質」の追求へと転換していく現在進行形の取り組み、具体的には「食」をはじめとする恵まれた地域資源を地域主導型で発掘、商品化していったプロセスを紹介します。

○講師:公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 研究員 福永 香織
2006年筑波大学大学院環境科学研究科環境科学専攻修了。同年財団法人日本交通公社入社。現在、観光政策研究部 研究員。地域資源を活かした観光まちづくりを専門とし、地域の方々の想いを大切にし、実践もふまえた適切な解決策を提案。学芸員、立教大学兼任講師ほか。

18:00 意見交換・交流会(~19:30まで)

■6月27日 (金)

9:00 開場
9:10

◆講義5.大分県由布市由布院温泉~百年先を見越した観光地経営の実践
【視点との対応、キーワード等】(2)戦略策定、(7)ブランド形成、民間主導、市町村合併 等

由布院温泉の約40年に及ぶまちづくりは、次世代にも語り継ぐべき多くの知恵を有しています。時間をかけて導き出された本質的な考え方や目指すべき方向は、地域の旗印として存在し続けています。
本講座では、現在から過去の取り組みを振り返り、由布院の各種活動に共通してみられる考え方とその手法の要点を、1.世代を超えたビジョンの形成、2.地域の環境を守り育てる仕組みの構築、3.継続的な地域外との交流と外部要素の取り込みによる価値の“再構築”、4.地域の一体性と個性、多様性と階層性の確保、機能の継承、5.観光における公平性を超えた戦略の実行、に分けて紹介します。

○講師:公益財団法人日本交通公社 研究員 後藤 健太郎
岐阜県出身。2008年東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻修了。同年財団法人日本交通公社入社。現在、観光政策研究部 研究員。観光まちづくり、観光計画、都市計画を専門とし、人々の暮らしに資する、地域の個性を活かす観光のあり方を常に模索しながら、業務に邁進。立教大学兼任講師ほか。

10:40 休憩
10:50

◆講義6.八ヶ岳観光圏(山梨県・長野県)~観光地域づくりプラットフォームの役割とは
【キーワード】民間主導、観光圏、広域連携、プラットフォーム 等

八ヶ岳南麓では、2005年に観光・宿泊施設の支配人から構成される「八ヶ岳南麓やとわれ支配人会」が中心となり、各種イベントの開催や八ヶ岳高原リゾートバスの運行など、様々な取り組みが行われてきました。2010年、山梨県北杜市、長野県富士見町、原村の「八ヶ岳観光圏」認定後は、同会が母体となり立ち上げた「一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント」が、同観光圏のプラットフォームとして機能し、「1,000mの天空リゾート八ヶ岳」の実現を目指し、各種の事業を展開しています。
本講義では、八ヶ岳観光圏の取り組みから、プラットフォームの役割等について考えます。

○講師:一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント 代表理事 小林 昭治 氏
山梨県出身。一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント代表理事を務める。“八ヶ岳ならではの本物“を創出、地域の人々が魅力を感じ、その魅力を情報発信することが重要であると、八ヶ岳南麓の観光振興にかかわるソフト事業の開発・整備や観光人材の育成に積極的に取り組み、観光業界の振興発展のために尽力。総合レジャー施設「株式会社清里丘の公園」代表取締役社長。

11:50 休憩
12:00

◆講義7.山梨県富士河口湖町~行政主導から行政、観光事業者、住民、三者協働のまちづくりへ
【キーワード】行政主導、観光条例、観光計画、計画管理 等

富士河口湖町は、富士山や河口湖などの大自然に恵まれ、その歴史・文化、地域に根ざした生活や人そのものが魅力的な資源となっています。同町は早くから観光立町を標榜し、観光の基盤整備、エコツーリズムやインバウンドへの対応、誘客プロモーションなど、様々な事業を行ってきました。
本講義では、富士河口湖町の観光まちづくりの変遷をご紹介いただきます。特に観光立町条例により策定された「観光立町推進基本計画」(2009年3月)に基づき展開中の行政主導から“行政、観光事業者、町民、三者協働のまちづくり”についてお話しいただき、行政の位置づけ、役割等を考えます。

○講師:山梨県 富士河口湖町 観光課観光振興係 係長 久保 拓夫 氏
茨城県出身。1992年立教大学社会学部観光学科卒業後、民間の観光コンサルタント会社を経て、富士河口湖町入庁。一貫して観光行政に携わる。観光計画の専門家としての知見も有し、思慮深く冷静沈着な言動で町内外からの信頼も厚い。富士北麓地域(富士吉田市・西桂町・忍野村・山中湖村・富士河口湖町・鳴沢村)でもリーダー的な存在として、広域観光を強力に牽引している。

13:00 昼食休憩
14:00

◆講義8.総括ディスカッション
観光地は立地環境も経営資源も人材や組織も様々で、それぞれが個性を持っています。その経営手法も観光地により異なりますが、そこにはいくつかの共通する「視点」があるはずです。
本講義では、まず受講者の関心事を念頭におきつつ、2日間の講義のポイントを振り返ります。その上で、講義を通して見えてきた観光まちづくりの重要なテーマ(例えば、真の住民主体、行政の役割、官民協働のあり方、観光とまちづくりの融合、継続のための仕組みづくり等)について、講師陣と一緒に議論し、深掘りします。受講者からの質問や意見を聞きながら、Q&A方式で進めます。

○パネリスト:一般社団法人八ヶ岳ツーリズムマネジメント 代表理事 小林 昭治 氏
         山梨県 富士河口湖町 観光課観光振興係 係長 久保 拓夫 氏

○総括:公益財団法人日本交通公社 理事・観光政策研究部長 梅川 智也
○進行:公益財団法人日本交通公社 観光政策研究部 主席研究員 吉澤 清良

16:20 アンケート記入(~16:30まで)
16:30 閉講

※講義内容・講師は、やむを得ず変更となる場合がございます。その節はご了承ください。