No.158 「2025年度第1回温泉まちづくり研究会」を開催しました(7月30日・31日)

2025年度第1回研究会を、2025年7月30日(水)・31日(木)の2日間、有馬温泉で開催しました。概要は以下のとおりです。
1日目/総会・研究会
【開会挨拶】
温泉まちづくり研究会 代表(道後温泉旅館組合 副理事長)
宮﨑 光彦氏
温泉まちづくり研究会 副代表(有馬温泉旅館協同組合 理事長)
下浦 伸一氏
【第1部】総会
【第2部】研究会
- 有馬温泉の取り組み
- 各温泉地、共同研究者の情報共有
(1)「有馬温泉の観光的視点から見た現状」 有馬温泉旅館協同組合 理事長 下浦 伸一氏
(2)「有馬温泉の『推し』を創る」 有馬温泉観光協会 理事 弓削 次郎氏
(3)「有馬温泉のまちづくりの取組」 有馬温泉まちづくり実行委員会
(4)「有馬温泉のまちづくりの取組」 有馬温泉観光協会 会長 金井啓修氏
2日目/現地視察
金の湯、有馬玩具博物館、コイントイレ、妬泉源(うわなりせんげん)、銀の湯、湯屋松風、Coccinelle、花小宿、御所坊、御所別墅
1日目
開催に先立ち、宮﨑代表が「第6ステージが昨年度無事に終わり、第7ステージに入る。環境から人材関係にテーマを変えて、年3回の研究会のみならず、若手メンバー中心の研究調査などにも取り組みたい」と挨拶しました。
第1部の総会では、はじめに2024年度の事業内容と7温泉地の宿泊施設の従業員・経営者を対象に行ったアンケート調査の結果が報告され、つづいて2025年度の事業計画として、第7ステージは「人材不足対応」について研究するとともに、第6ステージの「温泉地における環境対策」を副テーマとすることが決まりました。また、第7ステージ初年度にあたる今年度はインプット中心の1年間とし、各温泉地の人材に関する現状を把握して第3回研究会で報告すること、そして、通常の研究会とは別に有志グループでの視察を考えていることが共有されました。
第2部の研究会では、有馬温泉の現状と取り組みが発表されました。
下浦氏は、有馬温泉の観光的視点から見た現状として、インバウンド観光の拡大と課題、今年4月にスタートした神戸空港国際線チャーター便と開催中の大阪・関西万博の状況について紹介し、「有馬温泉は大阪や京都との周遊で来る人が多く、その影響を大きく受ける温泉地。インバウンドは、兵庫県として、あるいは他府県と協力しながら地域の魅力を発信していき、神戸空港はインフラ整備を含め、就航地への情報発信が大切だと考えている」と述べました。
次に、弓削氏が「有馬温泉の『推し』を作る」というテーマで、「有馬温泉湯けむり大学」「有馬節分会」「温泉むすめ」「アニメやゲームとのコラボレーション」を紹介しました。いずれも若い世代への有馬温泉の認知度向上を目指した取り組みで、弓削氏は「ファンを作るというのは、単なる話題づくりではなく、若い世代が関与し、共感し、そして関係性を持つことが大事だと考えている。それにより観光地との距離が縮まり、まるで自分の庭のように感じて、長期的・継続的に魅力を発信してくれるようになる」と述べました。
続いて、有馬温泉まちづくり実行委員会増田委員長が、「まちづくり委員会は下支えと住民サービスを第一に取り組んでいる」と挨拶したあと、浅井氏、弓削氏、門出氏が、それぞれの部会が取り組む、雇用問題と防災対策、歩行者天国、有馬川親水広場の看板整備と児童預かりサービス事業について紹介しました。
最後は、金井氏より、観光協会青年部が43年ほど前にできたことやこれまでの有馬温泉での動きについて、話がありました。金井氏は、現在の有馬の課題として「温泉の持続的な湧出」「街並み景観の維持」「観光基盤の整備」「伝統文化の継承」「有馬として守るべきエリア」を挙げ、これらの解決にむけて自身の考えを紹介しました。
2日目
有馬温泉観光協会金井会長の案内で、金の湯、有馬玩具博物館、コイントイレ、妬泉源(うわなりせんげん)、銀の湯、湯屋松風、Coccinelle、花小宿、御所坊、御所別墅を見学しました。見学後、2日間のまとめとして参加者一人一人が感想を述べ、研究会は終了しました。