No.186 「TIM-JTBF Joint Research Meeting 2026」を開催しました
2026年9月14日(月)、ハワイ大学マノア校において「TIM-JTBF Joint Research Meeting 2026」を開催しました。本会は、2025年12月にハワイ大学と当財団が締結した研究協力に関する覚書(MOU)に基づく取り組みとして、同大学のSchool of Travel Industry Management(以下、TIM)と共催したものです。MOU締結後初の合同研究会として、連携初年度の研究成果を共有するとともに、今後の共同研究や研究者交流に向けた関係づくりを目的に開催しました。
当日は、両機関の研究者6名が、3つのテーマに沿って研究発表を行いました。「共同研究」のセッションでは、TIMに客員研究員として滞在中の当財団研究員が、ホテルに配置された「カルチュラル・アドバイザー」の役割とハワイ州の宿泊税(TAT)に関する研究を報告し、TIMからはホテル関係者等へのインタビューをもとに、「リジェネラティブ・ホスピタリティ」のあり方について発表がありました。
「地域とホスピタリティ」のセッションでは、当財団より日本の温泉地で旅館経営者が担ってきた観光地マネジメントの役割について、TIMからはハワイで住民の観光への評価が低下している現状を踏まえ、「リジェネラティブ・ツーリズム」への転換について発表がありました。
「観光地経営と住民の生活の質」のセッションでは、当財団よりアムステルダムとマウイ島の事例をもとに観光地の成長管理とオーバーツーリズム対策について、TIMからはソウルの北村韓屋村を対象に、観光に起因する住民のストレスと生活の質の関係について発表がありました。
各セッション後の質疑応答では、日本の温泉地では旅館の所有と経営の一体性が失われつつある一方、ハワイのホテルではすでに所有と経営の分離が進み、投資会社による所有が一般的となっていることや、バケーションレンタルの増加が州内の住宅価格の高騰を招き、住民の負担感につながっていることなど、ハワイと日本に共通する課題について意見が交わされました。また、住民意識に関する調査を日本やハワイでも実施し、国際比較を行う可能性についても話題にのぼりました。研究会の後には交流会を開催し、TIMの教員・学生と互いの研究テーマについて意見を交わしました。
今回の研究会は、ハワイと日本それぞれの経験や研究の視点を持ち寄って学び合う有意義な機会となりました。今後も積極的な研究交流を通じ信頼関係を深め、両地域の観光の発展・課題解決に貢献してまいります。


