No.173 温泉まちづくり研究会有志が嬉野温泉を視察しました(1月29日・30日)
2026年1月29・30日、温泉まちづくり研究会の有志メンバー(草津温泉、由布院温泉)が嬉野温泉を訪問しました。
嬉野温泉では、温泉と地場産業である嬉野茶、肥前吉田焼を総合的にデザインした嬉野茶時プロジェクトや、旅館内にサテライトオフィスを開設する、日本語学校を開校するなど、近年、様々な取り組みが進んでいます。この視察は、嬉野温泉の研究に長年携わる当研究会相談役の岩崎比奈子武蔵野大学准教授の企画で実現し、今回は嬉野茶時プロジェクトと日本語学校に着目しました。実際に体験・見学した上で、取り組みの中核となる和多屋別荘代表 小原嘉元氏から、自らの大型旅館の経営モデルの転換、地域内外の多様な業種と協働など、これまでの経緯や今後の展望を伺いました。
写真:茶畑に作られたテラススタイルの茶室「坊主原茶室」
嬉野茶時プロジェクト
嬉野温泉、嬉野茶、肥前吉田焼という、地域内の業種を越えた連携が生み出す地域の魅力。お茶を「食す」「飲む」「買う」「観る」の4つの企画があり、今回は「飲む」を体験しました。
茶畑に作られたテラススタイルの茶室でお茶を味わうティーセレモニーは、茶農家が自ら育てたお茶を選び、茶葉の特徴を解説しながら、目の前でお茶を入れてくれます。
茶農家や窯元という地場産業を尊重する価格設定で、茶業の繁忙期は育成したインストラクターが対応します。
日本語学校
館内に入居したサテライトオフィスとのつながりで日本語学校の開校が実現。もともと宴会場だった場所を教室として使用しています。
今回は日本語学校の学生と交流する機会もあり、国を離れて日本語を勉強しようと思ったきっかけ、なぜ嬉野を選んだのか、日本語学校卒業後に就きたい仕事など、多くの質問に日本語で答えてくれました。
旅館内に日本語学校が開校することで、観光産業の人手不足の緩和や、地域のコミュニティ活動の担い手確保などが期待されます。
小原氏によるレクチャー
嬉野版三層ストラクチャーの中で一番大事なのは、第一層となる普遍的価値。1300年前から湧出する温泉、500年以上の歴史を誇る嬉野茶、400年前から受け継がれる肥前吉田焼、という3つの地域文化が共存するのは嬉野温泉だけで、この3つを守るために取り組んでいるとのこと。2016年、嬉野茶を観光コンテンツの軸にしたティーツーリズム「嬉野茶時」を開始、2019年オフィス事業を開始、2025年4月に日本語学校を開校し、1期生が入学しました。

嬉野温泉の取り組みを実際に経験し、見聞したことで、参加者一人一人に多くの気づきや学びがありました。この視察で得られたことを、温泉地の課題解決に向けて活かしてまいります。


