「2018年度第3回温泉まちづくり研究会」を開催しました(3月1日)

2019.07.04

 8つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。2018年度第3回研究会を3月1日(金)、当財団の地下ライブラリー会議室で開催しました。概要は以下のとおりです。

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【開催挨拶】
 大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表)
 山田雄一 (温泉まちづくり研究会 事務局長)

【第1部】
(1)会員温泉地の取り組み報告(発言順)

 阿寒湖温泉: 山下晋一氏(阿寒観光協会まちづくり推進機構 専務理事)
  草津温泉: 中澤敬氏(草津温泉観光協会 会長)
 鳥羽温泉郷: 吉川勝也氏(鳥羽市温泉振興会 会長)
  有馬温泉: 金井啓修氏(有馬温泉観光協会 会長)
  道後温泉: 宮﨑光彦氏(道後温泉旅館協同組合 副理事長)

(2)これまでの研究会活動の総括と今後の活動方針について

【第2部】
(1)講演「我が国の観光政策と宿泊業への外国人労働者受入れ施策」

 観光庁 参事官(観光人材政策) 田村寿浩氏

(2)質疑応答・ディスカッション

 議事進行:岩崎比奈子(温泉まちづくり研究会 事務局次長)

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 温泉まちづくり研究会の活動は、来年度から12年目に入ろうとしています。冒頭の挨拶で、大西雅之代表は「本当に長く続いた活動で、発足のきっかけは観光まちづくりの財源確保だったが、これについては一定の成果があったのでは。会員間に醸成された仲間意識を今後も大切にしていきたい」と評価し、「一方で対外的な提言力が弱かったという反省点もある。そうしたことを踏まえ、来年度からは新たなステップを踏むべきだと思う」と述べました。

温泉まちづくり研究会代表 大西雅之氏 

 続いて、山田雄一事務局長は「事務局を務める我々、公益財団法人日本交通公社は実践的な学術研究機関を目指し、地域の方々とのコミュニケーションを通じてよりよい地域づくりに貢献するというビジョンを持っている。この研究会はその重要な柱の一つを担っており、今後も地域の方々と現場の課題感を共有しながら議論を重ねていきたい」と述べました。

 第1部では、会員温泉地の取り組み報告に続き、研究会の11年間に渡る活動の総括と今後の活動方針の共有が行われました。
 岩崎比奈子事務局次長は「今日の観光財源の議論の先駆けになった入湯税の有効活用の検討をはじめ、さまざまな議論が行われてきた。過去に行われた議論についても再度振り返り、テーマを開拓したい」と述べました。
 また、活動の大きな成果である会員温泉地間の交流については「引き続き深化させつつ、会員温泉地以外の国内外地域への訪問・研究も検討する」とし、冒頭で大西会長が触れた提言力不足については「提言書の作成などにより、研究会活動の成果の発信に鋭意取り組みたい」と述べました。
 2019年度以降の活動については「訪日客の増加に伴う温泉に対する関心の高まりに比べ、“温泉旅館”や“温泉地”については必ずしもそうなってはいない」として、世界に向けた「温泉地」のブランディングと発信強化を目指すとともに、インバウンドに関する会員温泉地共通のマーケティング調査も検討したいという方向性が示されました。

 第2部は、観光庁の田村寿浩参事官による講演が行われました。
 講演内容は、1.日本の観光の現状、2.観光政策の概要、3.観光産業における人材育成の3部で構成され、第3部において宿泊産業の現状について「平成29年度の宿泊業の有効求人倍率は6.15倍と、他産業に比べて高水準。既に約3万人の人手が不足しており、5年後までに10万人程度に拡大する見込み」と田村氏は述べました。

 こうした状況を背景に、出入国管理及び難民認定法の改正により今年4月から制度開始が予定されている、新たな在留資格として創設される「特定技能」という資格(最長5年間在留可)についても説明がありました。受入先として、宿泊業を含む14業種が対象となっています。
 宿泊業における人材の確保・定着・育成の問題と外国人材の受け入れは、各会員温泉地にとって大きな関心事であり継続的に議論してきたテーマとあって、講演後には多くの質問が寄せられました。これに対して田村参事官は一つひとつの問いに非常に丁寧にご回答下さり、会員温泉地にとって非常に有意義な機会となりました。

観光庁 参事官(観光人材政策) 田村寿浩氏 会場の様子