活動紹介

No.162 ナパバレー&ラスベガスにおける観光地経営の状況について視察してきました

No.162 ナパバレー&ラスベガスにおける観光地経営の状況について視察してきました

2025年8月28日〜9月6日にかけて、カリフォルニア州ナパバレーおよびネバダ州ラスベガスを訪問し、観光財源の設計・配分・運用、ならびにデータ利活用の実態を調査いたしました。本視察には当財団から3名に加え、倶知安観光協会にも参加いただき、Visit Napa Valley、MGM、UNLV、LVCVA等の関係者の皆様との意見交換を実施いたしました。

ナパバレーでは、TOT(宿泊税13%)とTID(2%)を組み合わせた明確な財源構造により、観光振興と公共サービスの双方を支えるモデルを確認いたしました。TIDは宿泊事業者による自主拠出制であり、マーケティング、人材育成、体験価値向上施策などに戦略的に投資している点が特徴です。

一方、ラスベガスでは、宿泊税13.38%を基盤とする再投資サイクルによってMICE誘致を中心とした需要創出が行われており、稼働率と客単価の向上が税収増につながり、さらなる投資へと循環する仕組みを学びました。また、LVCVA Research Centerが管理する指標群と、KPIと責任部署を明確化するデータドリブンなガバナンス体制は、日本のDMOにおいても参考となる重要なポイントです。併せて、ラスベガスの観光地経営を考察する上で、ソーシャル・キャピタルを活用した人材基盤の地域内循環が、その成功の鍵となる重要な要素であると認識しました。

両地域に共通する成功要因として、①安定した財源、②専門人材、③統計データ基盤、④強固な意思決定と説明責任の4点を確認いたしました。日本の観光地経営におきましても、宿泊税の戦略的活用とデータに基づく透明性の高い運営体制の構築が、持続可能な観光地経営に向けて不可欠であると改めて認識いたしました。

冒頭写真:ベガスループ LVCC WEST STATION

Visit Napa Valey取材の様子 LVCVA Research Centerの皆さまと
LVCVAの皆さまと ラスベガス最新のエンタメ スフィア