No.183 「2026年度第1回温泉まちづくり研究会・総会」を開催しました(7月8日)
2026年度第1回研究会・総会を7月8日(水)に開催しました。開催概要は以下のとおりです。
【プログラム】
- 開会挨拶
- 温泉まちづくり研究会 代表(道後温泉旅館組合副理事長)宮﨑光彦氏
- 第1部 総会
- 第2部 研究会
- (1) 人材不足による影響調査
- (2) 外国人労働者等の状況及び中央省庁の取り組み
- (3) トークセッション(人材不足、観光財源)
- (4) 共同研究者からの発表
―梵まちつくり研究所 代表取締役 吉田 道郎氏 - (5) 各温泉地および共同研究者からの報告
研究会内容
開会に先立ち、宮﨑代表から、「人材不足に関するテーマの深掘りのほか、今後の温泉地の変遷を記録しておくこと、地域をどのように良くしていくかといった思想を学ぶことが重要である」とご挨拶を頂きました。
【第1部|総会】
2025年度に有馬温泉、ニセコ、東京で開催した研究会や、由布院温泉、嬉野温泉で実施した有志視察について報告しました。2026年度も「人材不足」を主テーマに掲げ、人口減少を前提とした人材確保の仕組みや先進事例を研究することが報告され、第2回研究会は道後温泉、第3回は沖縄県北谷町で開催することが確認されました。
その他、若手有志らによる視察調査では、昨年度に引き続き外部資本との関わり方、多文化共生を取り上げるとともに観光財源についても検討することを報告しました。
【第2部|研究会】
研究会では、はじめに各温泉地を対象とした人材不足調査の結果を報告しました。人材不足を感じる業種は宿泊施設が83.3%、飲食店が66.7%、イベント運営が50%となり、すべての回答地域で営業時間や営業日の短縮が生じていることが共有されました。
具体的な内容としては、調理師不足による一泊二食プランの提供制限や夜間に営業する飲食店の減少、湯めぐり施設の休業、客室の売り止めなどが挙げられました。また、旅館や商店の経営者が地域活動に参加できず、イベントの縮小や新たな取組の停滞につながるなど、人材不足が温泉地全体の魅力やコミュニティの維持にも影響していることが確認されました。

続いて、外国人労働者の増加と在留資格の厳格化について報告しました。外国人材の採用が進む一方、都市部への転職による定着の難しさや、受入事業者に求められる教育・生活支援の負担が課題として挙げられました。意見交換では、単なる「人数不足」ではなく、管理職や指導者の不足、接遇や旅館文化を継承する「人材教育不足」として捉える必要性も指摘されました。

トークセッションでは、鳥羽温泉郷の世古氏、由布院温泉の太田氏、黒川温泉の後藤氏、小林氏に登壇いただき、温泉地における人材不足と観光財源についてお話いただきました。
人材不足については、旅館運営への影響のほか、観光案内を行う人材の不足によって、地域のブランディングが毀損されていく懸念点など地域に与える影響が議論されました。また、観光財源については、徴収に係る懸念点のほか、「何に使うのか」「誰が使途を決めるのか」「誰が事業を実行するのか」という観点から議論しました。人材確保、住環境、防災、観光インフラ、DMO等の組織強化に財源を活用するとともに、雇用数、離職、売り止め、機会損失などのデータを継続的に把握し、施策の必要性と成果を行政や地域に示していくことの重要性が共有されました。

共同研究者の梵まちつくり研究所の吉田氏より、草津温泉の開発の歴史と開発状況について発表がなされ、草津温泉エリアがどのように変わってきたのか共有されました。その後、各温泉地や共同研究者の皆さまから報告および感想を述べ研究会は終了しました。


