観光地経営講座講義録

平成24年度観光実践講座講義録

平成24年度観光実践講座講義録

※転載はご遠慮ください

 観光による地域振興を志す方々を対象とした当財団主催の観光実践講座の講義録です。講師陣は各地の現場で活躍している実践家ばかり。成功につながるビジョンや考え方、具体的な課題解決策について、熱のこもった言葉を再現しながら、わかりがすく編集しています。

人を活かし、まちを活かす観光の考え方~見えない価値を見せる「まち歩き」の実践
 今回は、各地で人気の「まち歩き」に着目しました。平成18(2006)年の「長崎さるく博」のあと「まち歩き」に取り組む自治体が増加し、一種の社会現象のようになっているからです。驚くことに長崎では、平成22(2010)年、参加者数が博覧会後の減少からV字回復を見せ、イベント時を上回るまでになっています。
 そこで「長崎さるく博」の総合プロデューサーを務めた茶谷幸治氏をメイン講師に招き、「まち歩き」を始めるためのノウハウ伝授にとどまらず、茶谷流「まち歩き」の思想と哲学をしっかり学びました(平成24年11月8日~9日東京にて開催)。
 また講座企画と併せて各地で人気の「まち歩き」10コースほどに参加し実体験を重ねながら「現在の観光における『まち歩き』の意味とは」「人々(旅行者)が『まち歩き』に見出している(観光的)価値とは」をテーマに研究を進め、その成果を講座で発表(講座1と講座5)、さらに本書の中で「まち歩きから学ぶ価値と意味」としてまとめました。
 わかったのは、従来のボランティアガイドが正史(歴史的な史実)を扱うのに対し、今、求められる「まち歩き」では名も無き庶民の生活史(稗史)が重要であること、そしてそれを伝えるガイドさんの「まちをどのように見ているか」という“視座”と、地域に根ざした“個人性”が魅力の源になっていること。さらに、市民主体の「まち歩き」の成功は、観光インフラの一つになるだけでなく、まちをアクティブで能動的なものへと変える大きな可能性を持っていたことです。
 本書の巻末には、地域の「考え方」を商品に込めて発信し、道の駅「四万十とおわ」を目的地として成功させた(株)四万十ドラマの畦地履正氏の講義をあわせて収録しています(6月に開催した観光基礎講座の基調講演)

発行年月
2013年03月発行
判型・ページ数
A4判 140ページ
価格
定価3,300円(本体3,000円 + 税)

※本書は当サイトでの販売は行っておりません。

掲載内容

    講義1 講座のねらい ~時代が求める「まち歩き」の意味と可能性
      (公財)日本交通公社 常務理事 小林 英俊

    講義2 基調講演 「まち歩き」の思想 ~なぜ「長崎さるく」は成功したのか
      プロデューサー 茶谷 幸治 氏

    講義3 市民プロデューサーが語る、「市民主体」はこうして実現した!
      NPO法人 長崎コンプラドール 副理事長 川良 真理 氏

    体感・実践講座:まちは“生きてる”から面白い!
      ◎体感案内人 川良 真理 氏/◎ゆさぶり案内人 茶谷 幸治 氏

    講義4 「まち歩き」のしかけ方 ~「大阪あそ歩」で大阪を変える!
      プロデューサー 茶谷 幸治 氏

    講義5 各地の「まち歩き」体験取材から学んだヒント ~長崎、新潟、弘前などの取り組み
      (公財)日本交通公社 主任研究員 久保田 美穂子

    講義6 新潟市のまち歩きとまちづくり ~観光とまちづくりはどう融合できるか
      新潟市都市政策部次長 池田 博俊 氏

    特別講演:リアルなまち歩きが人気番組に ~“ダラダラ感”が受ける「ブラタモリ」
      ◎サプライズゲスト NHK 制作局 第2制作センター エンターテインメント番組部
      チーフ・プロデューサー尾関 憲一 氏

    総括・みんなで長談義
      ◎登壇者 茶谷 幸治 氏/川良 真理 氏/池田 博俊 氏
      ◎コーディネーター 小林 英俊/久保田 美穂子

    モデル実演:「わたしのまちを案内します!」 ~受講生にやってもらいました

    講座のふりかえり~茶谷流「まち歩き」から学ぶ価値と意味

    観光基礎講座:(株)四万十ドラマの発展プロセスに学ぶ ~商品と交流イベントに込めた「考え方」が外の人の共感を呼び、大きな循環を起こす
      (株)四万十ドラマ 代表取締役 社長 畦地 履正 氏
      (平成24年6月開催の「観光基礎講座」基調講演)

    ※講師の所属・役職は講座開催時のものです。