地域主体の観光~身近な里海・里山で活きる
今回のテーマも引き続き「地域が主体となった観光づくり」です。全国各地で実践されている多彩な講師の方々から、地域住民が主役となった地域の魅力づくりとその観光への展開について体験に基づいたお話をお聞きし、共に考えました。特に、地域の身近な環境である里山や里海と人々がどのように付き合い生活しているのかその生活の有り様を身近な資源としてどのように観光に活かせばよいのか、をサブテーマにしました。
講義内容は、いずれも地域の生業を、生業に携わる人たちと協同しながら魅力あるプログラムへと発展させた観光実践論で、有益なヒントやエピソードが詰まっています。各講義に共通していたのは、目標は「地域の元気を取り戻す」ことであって観光客誘致そのものではない、ということ。また成功例は、行政職員であれ民間事業者であれ、地域への個人の"想いや志"に裏打ちされたものであることも重要な共通点でした。なお本書には、長崎・平戸での新しい観光協会づくりと着地型旅行への意欲的な取り組み事例も併せて収録しています。
※講義7は09年6月開催の「観光基礎講座」基調講演です。
※講師の所属・役職は講座開催時のものです。