“つなぐ”“つながる” が生む 地域の新しい魅力 ~高校生レストランのまち多気町に学ぶ
今回の観光実践講座のテーマは、「“つなぐ”“つながる”が生む地域の新しい魅力」。多気町では各セクターがつながることでスパークが起き、その結果、創出された新しい“動き”や“仕組み”が観光的魅力になっています。なぜ多気町では新しい魅力が次々と生み出され続けているのか、その背景や経緯を深く理解するために、東京を離れて初めて現場で本講座を開催いたしました。
本講座では、町内の各講師から、ご自身の体験を通して“つなぐ”“つながる”ことによって起こったスパーク、新しく創造されたモノやコトを中心にお話しいただきました。また、外部講師としてお招きした若松様からは、愛媛県双海町(現・伊予市)の“夕日を活かしたゼロからのまちおこし”についてご講義いただき、今回のテーマに関する理解をより深めました。さらに、本講座では知識に加えて体験からも感じていただくことを重視し、現地視察や体験を講義の合間に組み込む構成といたしました。
各講師のお話や視察・体験から共通して得たことは、「共有できる夢を描く」「実現できる道筋を見せる」「自らが明るく楽しく本気で取り組むことで、皆を巻き込む」「“継続”を最初から考える」ということでした。こうした“住民の未来へ託す想いや気持ち”が来訪者にも伝わり、その気持ちの連鎖が人を引きつけていたのです。
本書の巻末には、「妖怪」をモチーフに次々と関連のイベントを仕掛け、商店もそのモチーフから独自の取り組みを展開している境港市のまちおこしの事例もあわせて収録しています(6月に開催した観光基礎講座の基調講演)。
今回の講義録にも、素晴らしい講師からの熱意に満ちたメッセージが多く込められています。地域主体の観光を進めたいと考える各地の皆様が、これをきっかけに具体的な行動を起こしていただければ幸いです。
※講師の所属・役職は講座開催時のものです。