第31回 旅行動向シンポジウム
2021年10月28日(木)・29日(金)の2日間にわたり、第31回旅行動向シンポジウムを開催しました。
昨年度に引き続き、当財団が継続的に実施しているJTBF独自調査の結果などをもとに「コロナ禍における世界・日本の観光のいま」を解説するとともに、当財団が今年度から新たに取り組んでいる研究の中から、「ポストコロナ社会において注目したい観光の変化」に関する研究報告もあわせて行いました。
1日目前半の「コロナ禍における世界・インバウンドの観光のいま」では、各国のコロナ感染状況とそれに応じた観光業界の動きについて解説したのち、「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2020年度 新型コロナ影響度 特別調査)」の結果を中心にインバウンド市場について報告しました。
後半の「ポストコロナ社会において注目したい観光の変化1」では、働き方の変化が旅行にもたらす影響について韓国・中国・台湾を対象に調査した研究報告と、多様性に配慮した旅行のあり方について慢性疾患と性的マイノリティを対象に調査した研究報告を行いました。
2日目前半の「コロナ禍における日本の観光のいま」では、グーグルアラートによる収集データや「観光政策に関するアンケート調査」に基づき我が国のコロナ禍の動向を振り返ったのち、「JTBF旅行者調査(旅行実態調査・旅行意識調査)」の結果から日本人旅行市場について報告しました。つづいて、一般社団法人那須塩原市観光局 局長の西須 紀昭氏と、津久見市観光協会 事務局長の紺田 猛氏をお招きし、「観光地が創る、安心・安全・楽しめる観光」をテーマに意見交換を行いました。
後半の「ポストコロナ社会において注目したい観光の変化2」では、脱炭素社会をテーマに長期的な観点から今後の観光地のあり方に関する研究報告を行いました。
※第31回旅行動向シンポジウムのプログラム・発表資料は本ページ下部のスケジュールをご覧ください。
※『旅行年報2021』はこちらをご覧ください。
※当財団がこれまでに実施したコロナ関連調査データはこちらをご覧ください。
概要
テーマ | コロナ禍における世界・日本の観光のいま ポストコロナ社会において注目したい観光の変化 |
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趣旨 | 2021年も新型コロナウイルス感染症の流行が続いていますが、諸外国ではワクチン接種を契機として急速に観光市場が動きつつあります。 今年度のシンポジウムでは、当財団が継続的に実施しているJTBF独自調査の結果などをもとに「コロナ禍における世界・日本の観光のいま」を解説します。さらに、中長期的な視点での社会や観光における変化に着目し、今年度から当財団が新たに取り組んでいる研究の中から、「ポストコロナ社会において注目したい観光の変化」に関する研究報告もあわせて行います。 |
開催日時 | 2021年10月28日(木)14:00-16:40 2021年10月29日(金)14:00-17:00 |
会場 | オンライン開催 ※YouTubeでの配信を予定しています。 |
主催 | 公益財団法人日本交通公社 |
お問い合わせ | お問合せ 公益財団法人日本交通公社 観光文化振興部 (門脇・五木田) TEL:03-5770-8360(10:00~17:00) E-mail:jtbfseminar@jtb.or.jp |
スケジュール
※青文字部分をクリックすると当日の発表資料がご覧になれます。
■10月28日(木)14:00-16:40
<コロナ禍における世界・インバウンドの観光のいま>
1.コロナ禍における世界の観光動向【担当:社会・マネジメント室長/上席主任研究員 菅野 正洋】
各国のコロナ感染の感染状況やワクチン接種率の推移、またそれに応じた各種規制の緩和の動向について解説します。
2.コロナ禍におけるインバウンド市場の動向・意識【担当:主任研究員 柿島 あかね】
コロナ禍における外国人旅行者の訪日旅行に対する意識について、「DBJ・JTBF アジア・欧⽶豪 訪⽇外国⼈旅⾏者の意向調査(2020年度 新型コロナ影響度 特別調査)」をもとに解説するとともに、市場が再開するまでの地方公共団体や事業者の取組のヒントもあわせて紹介します。
<ポストコロナ社会において注目したい観光の変化1>
3.働き方と旅行のあり方【担当:地域戦略室長/上席主任研究員 守屋 邦彦】
今後の訪日市場においても大きな割合を占めると思われる韓国、中国、台湾の、コロナ禍による働き方の変化と旅行への影響について概説するとともに、台湾の有識者インタビュー結果を元に、今後のワーケーションの可能性について考えます。
※インタビュー協力:天主教輔仁大学 民生学院/餐旅管理学系 特別研究教授 蘇 哲仁氏
4.誰もが楽しめる旅行のあり方【担当:上席主任研究員 相澤 美穂子、社会・マネジメント室長/上席主任研究員 菅野 正洋】
社会における「多様性」への関心の高まりを受けて、ポストコロナ時代を迎える観光地・観光産業としても、顧客(旅行者)や産業(従業員)が内包する「多様性」について、理解・対応をさらに深めていくことが求められています。今年度、「多様性」の中の「慢性疾患」「性的マイノリティ」に注目して行っている当財団の研究から、その成果の一端を報告します。
※インタビュー協力:株式会社エフネス 取締役 荒井 達也氏
■10月29日(金)14:00-17:00
<コロナ禍における日本の観光のいま>
1.コロナ禍における日本の観光動向【担当:社会・マネジメント室長/上席主任研究員 菅野 正洋】
我が国のコロナ禍における社会的動向を振り返りつつ、国や地方自治体、地域の事業者の観光分野における対応状況について解説します。
2.コロナ禍における日本人旅行者の動向・意識【担当:企画室長/上席主任研究員 五木田 玲子】
コロナ禍における日本人旅行者の国内旅行の実態及び旅行意識について、「JTBF旅行実態調査」「JTBF旅行意識調査」をもとに解説するとともに、日本人旅行市場における変わらないこと・変わることを考えます。
3.観光地が創る、安心・安全・楽しめる観光【担当:活性化推進室長/上席主任研究員 中野 文彦、まちづくり室長/主任研究員 吉谷地 裕】
コロナ禍にあって、官民一体となったコロナ対策で日本一安心な観光地を目指している栃木県那須塩原市、住民需要を高めながら新しい魅力づくりに挑戦している大分県津久見市における具体的な取組の紹介や意見交換を通して、コロナ禍・コロナ後の変化に対応する地域、特に観光協会が果たすべき役割について考えます。
①導入
②ゲスト講演
一般社団法人那須塩原市観光局 局長 西須 紀昭氏
津久見市観光協会 事務局長 紺田 猛氏
③ゲストとの対談・質疑
<ポストコロナ社会において注目したい観光の変化2>
4.脱炭素社会における観光地のあり方-コロナ下で見つけた2030年の芽-【担当:環境計画室長/上席主任研究員 中島 泰】
当財団では2050年の脱炭素社会の実現からバックキャストする視点での観光地のあり方を示すことを目標に、環境対応に係る国内外の最新の動向を把握してきました。その中から特徴的な事例を、世界で見つけた2030年の芽(ヨーロッパ/アメリカ/オセアニアからの報告)として紹介した上で、2030年の観光地のあり方について、仮説とキーワードを提示します。
総括【観光政策研究部長/主席研究員 山田 雄一】
※プログラムはやむを得ず変更となる場合もございますので、ご了承ください。