No.150 「2024年度第1回温泉まちづくり研究会」を開催しました(7月8日・9日)
2024年度第1回研究会を2024年7月8日(月)・9日(火)の2日間に渡り、草津温泉で実施しました。概要は以下のとおりです。
1日目/ 研究会
【開会挨拶】
温泉まちづくり研究会 代表(道後温泉旅館協同組合 副理事長) 宮﨑光彦氏
温泉まちづくり研究会 地域代表(草津温泉旅館協同組合 理事長)黒岩裕喜男氏
【第1部】 総会
【第2部】 研究会
(1)草津温泉の取り組み
1) 発表1 「草津温泉の環境対策」
草津温泉旅館協同組合 理事/ 温泉まちづくり研究会 副代表 湯本晃久氏
2) 発表2 「草津温泉の人材対策」
草津温泉観光協会 DMO人材育成部会長 中澤牧子氏
3) 講演 「草津温泉百年の計」
草津町長 黒岩信忠氏
(2)各温泉地の情報共有
2日目/現地視察
西の河原露天風呂、湯畑周辺、温泉基地、温泉中和工場、裏草津地蔵、草津温泉スキー場など
1日目第1部の総会では、第6ステージの3年目にあたる今年度は、前年度に続いて温泉地の環境対策について調査・議論を行うとともに、23年度の第3回研究会で話題に上がった人材問題についても、サブテーマとして研究を行うことが決定されました。
宮﨑代表は「3年間研究を続けてきた温泉地の環境対策について、成果をどう発表するかが大きな課題。業界を超えた国全体、世界に向けて発信するため、宿泊施設や地域の思いを宣言として広く周知できれば」とコメントしました。
第2部の研究会では草津温泉の取り組みについて、当協会副代表で草津温泉旅館協同組合 理事の湯本晃久氏、草津温泉観光協会 DMO人材育成部会長の中澤牧子氏の2名から発表が行われました。湯本氏は、温度が高く強酸性という泉質の草津温泉ならでの環境対策について発表を行いました。水道水を温泉熱で温めて宿泊施設や家庭に供給する熱交換システムを紹介。「各戸は電気温水器やボイラーを設置する必要がなく、蛇口をひねればお湯が出る形で、年間1万5500tのCO2排出量削減を実現」と述べました。このほか、強酸性の温泉水を川に排出するための中和事業についても紹介されました。
人材問題について発表した中澤氏は外国人材が草津温泉でも増加しているとして、「地元住民と互いに理解する機会が必要では。彼らの国民性や文化を知り、単に労働力の補填ではなく、いかに地域を作る仲間として受け入れていけるか」が問われている、「いろいろな国籍の方にとって第二の故郷となるよう深い絆を作り、『来て良し』から『生きて良し』のまちづくりにトライして行きたい」と述べました。
続いて、草津町長の黒岩信忠氏の講演が行われ、湯畑周辺を中心に、観光客が歩いて楽しめるまちづくりを実現するため、これまで行ってきた様々な取り組みを振り返りました。黒岩町長は「まちが綺麗になれば、民間もそれに呼応して修景を行うようになる」と述べ、「とことん市場調査を行い、投資効果の高いところに優先して投資を行ってきた。行政もビジネスという発想が必要」と明言し、参加者からは次々に感銘の声が上がりました。夕食後は、2023年10月に完成した最新の観光スポット、温泉門と湯畑周辺を視察しました。
2日目は、近年作られた新スポットや環境関連の施設を中心に、温泉街の視察が行われました。2021年に整備事業が完了した裏草津地蔵エリアや、2023年に新設された草津温泉スキー場の「パルスゴンドラ天狗」と展望レストラン「クリスタル天(そら)」、湯本氏の発表にあった熱交換システムが行われている「温泉基地」や、温泉水に石灰石を混ぜる中和工場などを見学しました。