2019年に発生した「COVID-19」(新型コロナウイルス感染症)は、瞬く間に世界中に拡散し、今もなお多くの国々が深刻な事態に見舞われています。そして、このコロナ禍により、日本をはじめ世界中の多くの観光関係者も、かつて経験したことのない未曾有の被害を受けることになりました。そうしたなか、前号246号(8月発行)では、「現場で語る持続可能な観光の本質〜コロナ禍における観光地の現状と課題〜」を特集テーマとして、我が国を代表する観光事業者からコロナ禍の厳しい時期に考えたことや学んだことを伺い議論し、持続可能な観光の本質について考えました。日本の社会・経済構造、国民生活は大きな変化と向き合うことになりましたが、いわゆる「新しい生活様式」での暮らしも定着し、夏以降、国、地方自治体による各種の復興支援策が講じられると、人々の往来も徐々に増え、観光地によっては復調の兆しを見せるところも出始めました。今回の247号では、コロナ禍における観光の実態、特に夏季を中心とした現場(地域)の実情、課題などを、当事者(行政、DMO、民間事業者等)に語っていただき、丁寧に意見交換を行いました。本号では、コロナ禍を生き抜くにあたり大切にしたい視点について探究を試みています。