活動報告第29回「たびとしょCafe」
「紙だからこその魅力〜旅好き女性を引き付ける旅行雑誌とは〜」を開催

 2022年9月26日(月)、「紙だからこその魅力〜旅好き女性を引き付ける旅行雑誌とは〜」をテーマに、第29回たびとしょCafeを開催しました。
 かつて、旅行の情報収集の主流だった旅行ガイドブック。近年のスマートフォンやSNSの発達によって紙離れが進み、旅行雑誌の発行部数も減少傾向にあります。そのような中で、今、求められている情報は何なのか、そして、紙とデジタルの併用、相乗効果を生む手法はないのか、さまざまな課題が生まれています。
 今回は、20〜30代女性を中心に人気を集める旅行ガイドブック『ことりっぷ』の編集長を務める中山優子氏をお招きし、旅行ガイドブックが持つ魅力や紙だからこその良さ、紙媒体・デジタル媒体それぞれの良さを生かした活用方法についてお話しいただきました。
 『ことりっぷ』では、「魅力の再発見」を大切にしており、それらをターゲットに伝えるための情報発信の方法や見せ方に工夫を凝らしています。また、地方自治体等とタイアップした抜き刷り冊子の配布やウェブサイト、SNSでの情報発信、旅行に役立つアイテムなどのコラボ商品開発にも取り組んでいます。紙媒体を大切にしながらも、紙媒体に留まらずに地域の新たな一面をアピールする旅行ガイドブックとしての現状・今後についても伺いました。

【第1部】話題提供

(1)はじめに

『ことりっぷ』とは

●『ことりっぷ』は、2008年に国内旅行ガイドブックを創刊し、2023年2月末に15年を迎える、旅するすべての女性を応援する旅メディア。旅先の情報を毎日発信する「WEB・アプリ」、旅先や地域の魅力を紹介する季刊誌「ことりっぷマガジン」、国内海外122タイトル、累計発行部数1800万部超の旅行ガイドブック「ことりっぷ」、イベント・ワークショップなど、さまざまな形で旅する女性をしあわせにする手伝いをしている。
● 旅行ガイドブック『ことりっぷ』は、働く女性が週末に行く小さな旅を提案する旅行ガイドブック。国内版69点、海外版44点、海外会話帖9点と幅広くガイドブックを制作(2022年9月26日時点)。
●『ことりっぷマガジン』は、街のいいところを見つける旅のきっかけマガジン。季節ごとに(年4回)発行し、それぞれの季節で行きたくなるすてきな街、旅のきっかけになるような幅広いテーマで、あたらしい旅先を紹介。
●『ことりっぷWEB』では、季節にあわせて最新のスポットや週末行きたい旅先を紹介。記事の多くは各地にいるライターが独自取材のもと制作しており、毎日4〜5記事を投稿。ウェブページ版とアプリ版の2種ある。アプリ版では、アプリでしか見られない記事を掲載しているほか、購入した書籍の電子書籍版をダウンロードできる機能、旅好きの読者が交流できる写真投稿機能を搭載。
● SNSにおいても、さまざまな旅の情報やことりっぷの最新ニュースなどを毎日発信。ほか旅メディアと比較しても圧倒的なフォロワー数を誇り、Twitter、Facebook、Instagram、あわせて100万人超。
● ことりっぷでは、女性の誘客に取り組む自治体や交通関連、流通関連、飲食店、女性向け商品のメーカーなど幅広い法人とのコラボレーションのほか、さまざまな媒体を持つ旅メディアブランドとして、媒体ごとの特色を生かした販促の手伝いをしている。様々な自治体や民間企業から小冊子を受注はしているが、自治体の中には、さらに多言語化に取り組む地域やふるさと納税の返礼品とする地域など、小冊子をうまく活用しているところが多くある。また、『ことりっぷマガジン』や『ことりっぷWEB』でもタイアップ記事を作成し、紙だけでなく、WEBの記事を流用する形で抜き刷り冊子の制作、マガジンの記事を流用するかたちで『ことりっぷWEB』へ掲載していることもあり、発信するメディアの特色を生かしたPR方法をあわせて提案し、発信している。
● このほか、2020年末にオープンした「ことりっぷオンラインストア」では、書籍やマガジン、オリジナル商品やコラボ商品の販売をしている。また、オリジナルカレンダーと『ことりっぷマガジン』をセットにした商品やことりっぷのサイズに合わせた専用のブックカバー等、ここでしか出会えない商品、日本のいいものをセレクトした食品や雑貨など、旅好きな人がオンラインストアをのぞくだけで旅した気分になる商品を多数展開している。

読者層

● 創刊時(2008年)は、20〜30代の働く未婚の女性をターゲットとして意識していた。現在も女性が9割以上を占めており、20〜30代は6割を超えている。
● 読者アンケートで、どんな旅がしたいか尋ねたところ「癒やされる旅」「非日常を感じる旅」を求めている読者が多く、具体的には「自然の絶景」「グルメ」「宿」「寺社仏閣」「アート」「温泉」などを目当てに旅する方が多い傾向。また、『ことりっぷ』の好きなところについては、特徴的な「サイズ」や「誌面デザイン」が主にあげられ、編集のこだわりが反映された結果となった。

(2)旅行ガイドブックを作るうえでの工夫

持ち歩きやすいデザイン

●『ことりっぷ』のこだわりは表紙。表紙柄には、そのエリアをイメージさせるような柄を入れているのが特徴である。他誌のように華やかで「いかにも旅行しています」と自分からPRするようなものではなく、旅行中であることを感じさせない、落ち着いた色と柄で表現している。
● 表紙の絵柄はその土地をイメージしたものにしており、分かりやすいモチーフから考えさせられるモチーフまである。イラストの方向性は多岐にわたるが、創刊当時のそのエリアの織物をモチーフにした柄から、今では箸置きや寄せ木、たまねぎなどご当地の特産品や工芸品もモチーフとなっている。また、表紙の帯写真も合わせて検討している。この帯を付け、表紙の絵柄を合わせることで編集者がイメージしているエリア像を示している。帯を外すことも想定しているので、外した場合と付けた場合の両方を考え、絵柄と写真のバランスなどを編集部全体で検討している。
● サイズが小さく、女性がよく持つ小さめのバッグに収納しやすいことが特徴。持っているとタイトルを隠すこともでき、ノートや手帳のように見えるので、旅先で歩きながら、また、おしゃれなカフェで見ていても周囲にマッチするガイドブックとなっている。

現実的な2泊3日のプラン

●『ことりっぷ』の語源となる「小さな旅(co-Trip)」は、働く女性が週末に2泊3日で行く旅を想定しているため、必ず2泊3日のモデルプランを掲載している。読者には旅行の計画や地図を見ることが苦手で、友人と旅行の計画を立てるときも自分の意見を主張しづらいという女性が多い。『ことりっぷ』愛読者の場合、このプランをそのままなぞって実際に旅行する方が多いと聞いている。そのため時間配分など細かい部分にも気を遣ってプランを組んでいる。
● 地域の特性を見極め、どこに行きたいか目標設定ができるように、誌面上の掲載件数をある程度絞っている。また、読者の行きたい場所を入れることはもちろん、実現可能なプランで、みどころ・休憩をはさみながら、編集者が読者に対して今行ってほしい地域の魅力を感じられる場所を独自目線で提案している。
● 地域のことが視覚的にわかる目次機能を入れており、写真とチェックリストを入れることで、旅の目的を定めやすくしている。ページネーションは編集者の意図や地域の特性によってさまざまである。地域ごとに章立てしているものもあるが、例えば、いわて版の場合は、ことりっぷ読者にいま行ってほしい場所の記事を前にする、一般的なガイドブックではあまり掲載していない特別な場所や体験を紹介する、定番観光地の紹介の仕方にこだわる(岩手県の場合、盛岡三大麺より宮沢賢治、まちの風景を切り取った写真コラムを活用するなど)といった構成にしており、編集者がその地で何を見せたいかが垣間見えるような構成にしている。

写真にこだわる

● 写真を効果的に使うことで、編集者の伝えたいことの半分以上が伝わると考えている。写真は、証明写真のようなものではなく、場所の空気感や雰囲気を伝えるようなものを掲載している。
●『ことりっぷ』の写真の特徴は、①自然光②切り取る③過剰な演出はしないことである。自然光でその場の雰囲気を伝えることはもちろんだが、背景の映し方やぼかし方など、カメラマンとの協力・意思疎通も大切である。また、読者が実際に現地に行ったときに同じように撮影できるように色味補正は過剰にせず、一人旅・友達との旅をイメージしやすいように大量の料理を並べないなどを意識している。

「かわいく」「やさしく」「やわらかく」

●『ことりっぷ』の特徴は「かわいく」「やさしく」「やわらかく」の3つ。これはデザインだけでなく、文章や掲載箇所選びなど、すべてに言えることである。誰もがかわいいと思うお店を選び、やさしい・やわらかい雰囲気の写真や誌面、言葉遣いなど、特に意識して作り込んでいる。
● この3つにあわせて、非日常やときめき、癒やし、地域性や普遍的なものをそっと伝え、読者がガイドブックや雑誌を眺めるだけで旅した気分になってほしい。

(3)それぞれの媒体の良さを生かした活用方法と課題

WEBと雑誌の使い分け

●『ことりっぷWEB』は、読者の嗜好によって読ませる記事より写真で見せる記事が多いが、『ことりっぷマガジン』ではストーリーを深掘りして紹介する記事を書いている。そして、ウェブではページビューを意識し記事にすることをためらうような記事(例えば、2022年秋号の『ことりっぷマガジン』では防災グッズなどの旅とライフスタイルがつながるような企画記事)を実験的に掲載している。

ウェブを活用するにあたっての課題

●『ことりっぷWEB』では、毎日4〜5記事を配信しており、既に書籍で掲載した記事の流用や企業や自治体とタイアップした記事、新たに取材をした記事など多様なライフスタイルに合わせた情報を提供している。ただし、記事内の情報は毎日公開した時点で劣化していくと感じている。ウェブ記事の鮮度は配信直後が一番新鮮で、1日〜2週間程度で劣化してしまうと考えている。
● ウェブ記事は長文になると読んでもらえなくなる。そのため、季節やテーマをピンポイントで決定しなければならず、エリア全体の紹介などの複数のテーマの記事は1つの記事にまとめることが難しい。
● ウェブ記事のレイアウトは他社を含めて平均化されており、他メディアとの差別化が難しく、『ことりっぷWEB』の特徴を出しづらい。
● ウェブのメリット・デメリットであるが、分単位で記事へのアクセス数がわかるため、読者の立場からどのような記事が好まれるのかがわかる。そのため、他社やSNS等の動向を注視し、読者に人気のテーマや好まれる・必要とされている情報を集める必要がある。ウェブでは自分たちが書きたい記事を出し続けられるわけではなく、そのような流行している情報を集め、記事として公開することでアクセス数の増加につなげている。結果的にタイアップや広告としての効果もあるが『ことりっぷ』の個性が出しづらく、らしさをどう提案するか常に模索し続けるとともに、課題だと感じている。

【第2部】意見交換

参加者…『ことりっぷ 京都』を拝見し、とても感覚的なガイドブックだと思った。今日の話を伺い、中山氏の一貫した理念や哲学が感じられ、読者の感覚に訴えることに重きを置いているように感じた。そのような理解であっているか。
中山氏…ぱっと見たときの「かわいい」という感覚は大事だと感じている。その感覚でまず人を引き付け、より知識を深掘りしたいと思わせるような仕掛けを作っていきたいと考えている。
参加者…それは、創刊時のターゲットを若い女性に定めたからなのか。
中山氏…創刊時から携わってはいないが、「かわいい」が重要であることは、創刊当初から認識されていたと思う。その後、『ことりっぷマガジン』の創刊や『ことりっぷWEB』の公開が始まったことで、これまで以上に「かわいい」に磨きがかかってきている。
参加者…お話を聞いて、取材を丁寧にされていると感じた。写真も撮りおろしと聞いたが、採算が取れているのか。
中山氏…採算はなんとか取れている状況である。コロナ禍前までは、海外版ガイドブックの売れ行きも良かったが、現状は厳しい状況が続いている。しかしながら、このような中でも、各自治体の宣伝をしたいという意欲は今まで以上に高まってきている。『ことりっぷ』にもタイアップの受注が増えていて、そのおかげで収益が保たれている状況だ。そのため、タイアップでは、その地域について深掘りしたものを掲載するように努めており、小冊子を作る場合は、次年度以降再版してもらえるようなものを目指している。
 一方で、紙代が値上がりしていることから、『ことりっぷ』や『ことりっぷマガジン』も値上げをせざるを得ない。今まで手に取りやすい価格だったものがそうでなくなっていくのではないかという懸念がある。
参加者…『ことりっぷ』の特徴である小さなサイズがコラボのコンセプトになることが多いとのことだったが、その点について詳しく聞きたい。
中山氏…創刊時もどれくらいの大きさが女性のバッグに入る大きさなのか、ただ小さすぎてもガイドブックとしての情報量が足りないなど、書籍のサイズについて検討していた。A5判よりやや小さい『ことりっぷ』のサイズは、バッグに入る大きさと掲載するべき情報量の両方を兼ね備えている。旅行時にトラベル用のバッグを新調する女性は多いので、バッグに『ことりっぷ』がすっぽり入るようなサイズのポケットを付けるなどの工夫を凝らした商品を販売することは『ことりっぷ』とのコラボでしかできない。ガイドブックが大きいと、バッグも大きくなってしまうので、女性向けに特化した小さなサイズは多くのコラボ商品が生まれる要因ではないかと考えている。
参加者…ウェブの場合はページビュー数(以下、PV)が稼げるようなテーマに集中しやすい一方で、ガイドブックの場合は編集者の意図を反映させやすいとのお話があったが、そのような違いがより出てくるのはなぜか。
中山氏…ウェブの場合は、1本記事単位でPV数が測れてしまう。PV数が多い方が広告等のメリットがあるので、ウェブ全体のPV数の底上げを図っていかなければならない。そのため、より読者に読まれる記事を作っていくようになっている。タイアップ時にはPV保証をしているため、保証されている数値に到達しなければならない。そのために、広告を出すなどの対策をしている。しかしながら、対策をする前に、たくさんの読者に楽しんでもらうためにはどのような記事を作ればよいのかを、今までの経験値から考え導き出している。
 書籍においても、当然売り上げを気にしている。しかしながら、書籍では、全体的に1冊の本としてまとまっていたら問題ないという考えもあるため、新しい魅力を紹介したいといった編集者の意図を汲んだ記事を作ることができる。
参加者…今後も紙媒体の低迷が続くことが予想されるが、ウェブにさらに力を入れていくという考えはあるのか。
中山氏…まさにそれを今見極めている段階かもしれない。元々は紙の編集をしているので、紙に対する編集目線をウェブに入れ込み、紙とウェブの融合に取り組んでいる。ウェブ広告の売り上げが大きな収益になった場合には、ウェブへシフトする可能性はあると思う。実際に、ウェブは行政からの関心も高い。これは、世間的にウェブを重視しているということの現れだと思う。
参加者…ダウンロードできる書籍についてだが、現状見開き1ページに1つのテーマと伺ったが、スマートフォンの縦型画面の大きさに合わせると半ページしか見られなくなってしまう。ウェブでの公開に向けて、見開き半ページに1つのテーマにする方針は検討していないか。
中山氏…今後、新刊を出す際には検討していくべきことだと思う。ただし、現状としては書籍をそのまま持ち運べるという点を重視しているので、今すぐにスマートフォン対応の縦型構成は考えていない。書籍ではなく記事になるが、『ことりっぷアプリ』内の「WEBマガジン」では、スクロールを使用して記事を読むことができる。東京さんぽや旅行時のヘアアレンジなどを特集し、『ことりっぷ』だけのスタイルを確立していっている。
参加者…誌面に掲載されていたカフェや料理、風景などが素敵な写真で、食べてみたい、行ってみたいという印象は受けたが、従業員など現地で対応してくれる方の姿にはあまりフォーカスされていないと感じた。それはなぜなのか。
中山氏…撮影の際に、枠内に人を入れても顔を出さない・目線を外すなど、人気(ひとけ)を感じる誌面作りを積極的にしていないからだ。しかし、テーマに合いつつ、こだわりを持っている方や新たな取り組みをしている方の一部は、編集者の意図で顔出しをしてもらうことがある。また、読者が20〜40代であるため、同年代が共感を持てるような方にお願いすることが多い。
参加者…どのように記事のネタを拾っているのか。また、どのような方(例えば専属のライターや地元の方)に書いてもらっているのか。どのようなネットワークで記事を作られているのかを知りたい。
中山氏…各地に数名ずつライターがいる。京都を取り上げる場合は、京都のライターに相談するが、相談しつつ、編集者自身もSNSやさまざまな情報収集を通じて、ありとあらゆるテーマにひも付くものを発掘しようとしている。外からの目線もとても重要だと思っているためだ。テーマ設定という脈絡では、まず、「○○が買えるところはないかな」「こんなところがあったらいいな」といった想像や仮定を自分の中で思い描いてまちを歩く。想像を膨らませながら新たなものも見つけ、自分の理想となる台割をイメージしている。想定しているものが違った方向のものであれば方向転換し、想定していたものがなければ探し直しもする。
 編集者自身が探す、ライターと意見交換をする、更に想像を膨らませ新たに仮定し見つけていくといった3つを意識し、丁寧に取材をしながら記事の内容を検討している。
参加者…「あまりディープになりすぎないように」とのことだったが、その線引きは編集長の中山氏が担っているのか。
中山氏…そのエリアを担当する編集者とライターで意見交換、その後、編集者の意見を確認し、外部の目線として私からアドバイスを伝え意見交換をしながら、最終のページネーションを決定、線引きをしている。
 ガイドブックには読者が行きたいと思っている場所と新しい場所・ものを掛け合わせることで、新しいものに興味が移ると考えている。そのため、個人的にはそのバランスに気をつけ、深すぎる内容にならないよう心がけている。『ことりっぷマガジン』では、ストーリーを紹介できる本文も掲載できるため、読者がちょっと知った気分になってもらえる程度の内容を心がけている。旅は癒やしを感じるものだと考えているため、深すぎる内容は旅から遠のいてしまう。

おわりに

 参加者の皆様からは、「メディアの着眼点を聞けたことが大変良かった」、「『ことりっぷ』の特徴や編集の工夫について分かりやすい説明があり、大変参考になった。主たるターゲットは若い女性とのことだが、男性にとっても役に立つ旅行誌と感じた」といったご感想が聞かれました。
 今回のお話から、紙媒体は、内容が流行やPV数に左右されるウェブと違って編集者のこだわりを見せることができ、地域を深掘りして伝えるツールとしてまだまだ活用できると感じました。そして、見せ方にもたくさんの工夫がされていて、ドキドキ・ワクワクする、旅をしたくなる気持ちにさせることが人気の秘訣なのだと強く思いました。
 「旅する人に小さなしあわせを届けたい」という思いから情報を発信している『ことりっぷ』。誌面を作る中でも、地域の方々の思いに真摯に向き合い、魅力の磨き上げに尽力されていることが感じられたことがとても印象的でした。『ことりっぷ』が持つかわいらしさの秘訣や編集者の思いがたくさん詰まった時間となりました。
(文:観光文化振興部 企画室研究員 仲 七重)


Guest speaker
中山優子氏(なかやま・ゆうこ)
岩手県久慈市出身。立正大学文学部地理学科(当時)を卒業後、昭文社に入社し、地図・ガイドブック制作のノウハウや技術力を生かした、各企業・自治体のパンフレット・ノベルティグッズなどのオリジナルツールの企画編集を担当。2015年、ことりっぷ編集チームに異動後は、ことりっぷ書籍・ことりっぷWEB・ことりっぷマガジンの編集、コラボ商品の監修などを行う。2018年より『ことりっぷマガジン』編集長、2020年より『ことりっぷ』編集長。