自動運転車の観光利用に関する意識調査(2016-2017)

概要

自動運転車の観光利用に関する意識調査(2016-2017)

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調査の目的

運転に人間が関与しないいわゆる完全自動運転の普及迄には、まだまだ乗り越えるべき技術的課題が多い。しかし、完全自動運転車が十分に普及した社会になった場合、旅行市場へのインパクトは極めて大きいものと予想される。

旅行者は運転から解放され、車窓からの景色を楽しむも良し、家族とのコミュニケーションを取るも良し、仕事をしても良いし、泥酔しない程度にお酒を飲むこともできるだろう。週末の旅行では、金曜日の夜に出発して朝起きたら別荘の玄関に着いていて、土曜日の朝から日曜日の夕方まで観光地にゆっくり滞在しても、帰りの渋滞を気にする必要もない。旅行のスタイルは大きく替わり、結果として旅行需要の拡大に大きく貢献することになるだろう。

本調査は、自動運転車への消費者の態度を把握すること、及び自動運転利用へのニーズと活用場面のイメージを把握することを目的として実施したものである。調査結果は、自動運転が与える旅行市場への量的、質的なインパクトの大きさを予想させるものであり、観光地や観光産業の将来的な対応方向を考える上でのヒントにもなると考える。

調査票の作成に当たっては、「自動運転車の観光振興への利活用に関する研究会」のメンバーである首都大学東京都市環境学部の清水哲夫教授(座長)、群馬大学理工学部小木津武樹助教に助言を頂いた。記して感謝申し上げたい。

調査概要

■調査方法:インターネット調査
■調査時期:2017年2月
■調査対象

■抽出条件

■有効標本数:

■主な調査項目
 一次調査:

[自動車旅行についての設問]

[自動運転についての設問]

[属性]

二次調査:
[自動運転についての設問]

[旅行全般の傾向についての設問]

調査結果のポイント

1.消費者の自動運転への態度 [一次調査結果(標本数=9,838)]

  • 自動運転車を用いた旅行が普及することのメリットとの上位は、①「交通事故の減少」43.6%、②「渋滞運転でのストレス緩和」33.3%、③「高齢者が旅行しやすくなる」31.9%、④「運転から解放され時間を有効に使える」30.0%、⑤「遠い所に行くのが苦でなくなる」28.9%であった。
  • 自動運転普及への課題としては、自動運転車の価格や事故防止の技術は上位となった。
  • 自動運転車普及への態度は、「普及した方が良い」人が57.6%と過半数である。「どちらとも言えない」16.8%、「わからない」11.0%の計27.7%を除くと、普及に肯定的な人は約8割に上る。
  • 自動運転車の利用方法は、「マイカーとしての利用」が48.7%と約半数を占めた。「自宅から」または「旅行先で」レンタカーやカーシェアリングを利用したい人は24.4%となっている。

2.自動運転へのニーズと活用イメージ [ 二次調査結果(標本数=1,191)]

  • 自動運転車を利用した方が良いと思う場面としては、①「寝不足や疲れている時」59.9%、②「道路が渋滞している時」56.7%、③「旅先で疲れがたまった時」47.5%、④「夜間の運転」45.5%、⑤「雨天時の運転」39.6%、⑥「飲酒したい時」35.6%の順である。
  • 自動運転車を利用した観光活動は、①「温泉旅行」79.8%、②「自然観光」57.6%が上位となった。自動運転での訪問が増える観光地としては「北海道」との回答が目立った。
  • 自動運転車を利用した宿泊観光旅行の日程では、①「時間帯を気にしないで出発するようになる」39.1%、②「帰路に睡眠を取ることが増える」33.5%、③「往路で睡眠を取ることが増える」33.4%、④「夜間の出発が増える」28.2%、⑤「今までよりも出発時間が早くなる」27.4%といった回答が多く、旅行の時間帯が広がる傾向が読み取れる。
  • 旅行先での滞在時間が「延びる」との回答は合わせて74%に上った。
  • 旅行が増える時期としては、①「金曜出発の旅行」が35.7%と高く、「土曜出発の旅行」も14.9%を占め、金曜または土曜を挙げた人が45.4%に上った。
  • 季節では、「GW(ゴールデンウイーク)」13.7%、「紅葉シーズン」13.6%、「夏休み」11.1%、「年末年始」6.9%、「スキーシーズン」5.3%の順であった。
  • 自動運転車が普及した場合、宿泊観光旅行が「増える」との回答が70.6%を占めた。
  • 利用交通機関の変化については、「自動運転車を利用すると高速道路の利用距離が伸びる」が45.8%と最も多い。他の交通モードから自動運転への切り替えは合わせて32.5%に上る。
  • 利用したいサービスとしては、①「レンタカー会社所有の自動運転車のレンタルサービス」40.6%、②「快適に車中泊ができる自動運転車」36.4%、③「渋滞状況や満車情報等に対応した最適なモデルコースの提示」20.5%の順で多くなった。
  • マイカー購入の際に自動運転機能の装備に何万円くらい迄なら支払ってもよいかについて聞いたところ、「40万円以上50万円未満」との回答が20.2%と最も多い。
  • レンタカーについては、「2千円以上3千円未満」が16.0%と最も多くなった。

調査結果

1.消費者の自動運転への態度 [一次調査結果(標本数=9,838)]

1)自動運転のメリット ~ 交通事故の減少、渋滞ストレス緩和が上位

自動運転車を用いた旅行が普及することのメリットとして、最も多くの回答を集めた選択肢は①「交通事故の減少」43.6%であった。これに、②「渋滞運転でのストレス緩和」が33.3%、③「高齢者が旅行しやすくなる」31.9%、④「運転から解放され時間を有効に使える」30.0%、⑤「遠い所に行くのが苦でなくなる」28.9%といった回答が続いている。

この他、⑥「知らない土地でも安心して訪問できる」26.8%、⑦「飲酒運転による事故が減る」24.0%、⑧「交通違反の心配が要らない」20.5%、⑨「体調不良や寝不足の時でも旅行しやすい」20.4%等も20%以上の回答を集めた。

上位の回答は、運転に伴う事故のリスクの回避、渋滞等による精神的・肉体的負担感の緩和、旅行時間の有効利用などに分散している。

「燃費の向上」は14.7%に留まっているが、自動運転車が普及段階に入り、費用抑制の効果が十分に向上した段階で一般に認識されていくものとも考えられる。同様に「通信技術を使った新たなサービスが増える」10.5%も、普及過程で各種サービスが可視化されてくると、一般にも浸透していくと想定される。

なお、自動車旅行で自分が運転するか否かの別でみると、「運転する人」の方が各メリットに対する回答率が高くなっている。「運転する人」の回答率が、「運転しない人」のそれの1.5倍以上と特に高かった項目は、「渋滞運転でのストレス緩和」「交通違反の心配が要らない」「燃費の向上」「通信技術を使った新たなサービスが増える」「運転が滑らかになり車酔いする人が減る」である。

図表1-1 自動運転車による旅行が普及した場合のメリット(複数回答)

図表1-1 自動運転車による旅行が普及した場合のメリット(複数回答)
上図:回答者全体 下図:自動車旅行での運転の有無別
※ここで自動運転車とは、ドライバーが一切運転をしない車。観光地での自動運転によるバスやタクシーの普及も含む。

2)自動運転普及への課題 ~ 自動運転車の価格や事故防止技術が障害

自動運転の普及が、自動車旅行に様々な効果をもたらす一方で、自動運転の普及までには様々な障害が想定される。ここでは、自動運転車での旅行が普及するための課題について選択肢から選んでもらった。

最も回答率が高かった課題は、①「自動運転車の価格の抑制」49.0%である。

以下、②「自動運転車同士の事故防止技術の進歩」46.8%、③「自動運転車以外の車との事故防止技術の進歩」43.2%、④「交通事故の責任の明確化」41.1%、⑤「自動車・歩行者間の事故防止技術の進歩」39.4%などが上位に挙がっている。2位から4位は、事故防止と事故責任の明確化に関するものである。

普及への課題に関しても、自動車旅行で自分が運転するか否かの別でみた場合、「運転する人」の方が全般に回答率が高くなっている。「運転する人」の回答率が、「運転しない人」のそれの1.5倍以上と特に高かった項目は、「交通インフラなどへの公共投資の財源確保」と「自分で運転したいという人が多い」である。「特に課題はない」と「わからない」は、「運転しない人」の方が回答率が高くなっている。

図表1-2 自動運転車での旅行が普及するための課題(複数回答)

図表1-2 自動運転車での旅行が普及するための課題(複数回答)
上図:回答者全体 下図:自動車旅行での運転の有無別
※ここで自動運転車とは、ドライバーが一切運転をしない車。観光地での自動運転によるバスやタクシーの普及も含む。

3)自動運転車普及への態度 ~ 普及した方が良い人が57.6%

自動運転車の普及に対する消費者の考え方について聞いた。

「これからの日本の社会や経済を考えた時、自動運転車は普及した方が良いと思いますか」という質問に対して、「普及した方が良い」26.7%、「どちらかというと普及した方が良い」31.0%、「どちらかと言うと普及しない方が良い」8.4%、「普及しない方が良い」6.2%という回答状況となっている。“どちらかというと”を含めた「普及した方が良い」人の比率は57.6%となっている。

また、「どちらとも言えない」16.8%、「わからない」11.0%の計27.7%を割り戻すと、普及に肯定的な人は79.7%、否定的な人は20.3%と、肯定的な人が約8割を占める。

肯定的な意見は自動車旅行で運転する人の方が多い(“どちらかというと”を含め65.0%)。自分で運転しない人でも、肯定派が51.8%と過半数を占めているが、「どちらとも言えない」と「わからない」が33.9%を占めている。

図表1-3 自動運転車は普及した方が良いか

図表1-3 自動運転車は普及した方が良いか
上図:回答者全体 下図:自動車旅行での運転の有無別
※ここで自動運転車とは、ドライバーが一切運転をしない車。観光地での自動運転によるバスやタクシーの普及も含む。

4)自動運転車の利用方法 ~  マイカーとしての利用が半数占める

観光旅行で自動運転車を利用する方法について挙げてもらった(複数回答)。

「マイカーとしての利用」は48.7%、「自宅からレンタカー・カーシェアリングとして利用」は11.8%となっており、いずれかまたは両方を選択した人(一次交通を含めて自宅から自動運転車を利用する人)が55.6%に上っている。

一方、「旅行先でのレンタカー・カーシェアリングとしての利用」は18.4%、「旅行先でのバスやタクシーとしての利用」は12.5%となっており、いずれかまたは両方を選択した人(二次交通として旅行先で自動運転車を利用する人)は25.3%である。

また、「自宅から」または「旅行先で」レンタカー・カーシェアリングを利用するという人は24.4%となっている。 「自動運転車を利用したいと思わない」人は16.0%、「わからない」と回答した人は15.8%と、合わせて31.8%である。

自動車旅行で運転する人では、「マイカーとしての利用」が59.0%と運転しない人の40.6%に比べて高くなっている。「旅行先でのバスやタクシーとしての利用」は運転しない人でやや高い(12.9%)。

図表1-4 観光旅行で希望する自動運転車の利用方法(複数回答)

図表1-4 観光旅行で希望する自動運転車の利用方法(複数回答)
上図:回答者全体 下図:自動車旅行での運転の有無別

 

2.自動運転へのニーズと活用イメージ [ 二次調査結果(標本数=1,191)]

以下では、観光目的の自動車旅行を日帰りを含めて年間3回以上実施している人で、自動運転車の普及に否定的な人や不明と回答した人を除いた標本を抽出して、具体的な自動運転車へのニーズや活用方法について質問を行った(抽出条件の詳細は1頁を参照)。

1)自動運転車を利用した方が良いと思う場面 ~ 睡眠不足や疲労時が上位に

観光地への自動車旅行について、「通常の自動車」に比べて「自動運転車」を利用した方が良いと思う場面を選択肢から選んでもらった(複数回答)。

最も回答が多かったのは、①「寝不足や疲れている時」59.9%で、以下②「道路が渋滞している時」56.7%、③「旅先で疲れがたまった時」47.5%、④「夜間の運転」45.5%、⑤「雨天時の運転」39.6%、⑥「飲酒したい時」35.6%、⑦「景色を楽しみたい時」35.2%の順となっている。

寝不足、疲労、病気や怪我の際に、自動運転であれば旅行しやすいとの見方が強く出た結果となっており、こうした生活者の疲労感が現下の国内旅行市場を冷え込ませている要因とすれば、自動運転導入の効果は大きなものとなる。

また、夜間、雨天、雪道、悪路、日差しが強い時間帯なども、自動運転が助けになるとの意見がそれぞれ多くの回答を集めた。こうした場面での自動運転技術の導入には未だ課題もあるが、ニーズは大きいことがわかる。なお、「高速道路を通行する時」は32.3%、「一般道路を通行する時」は15.0%と、少なくとも現時点では高速道路での利用がより適していると認識されていることがわかる。

図表2-1 自動運転車を利用した方が良い場面(複数回答)

図表2-1 自動運転車を利用した方が良い場面(複数回答)
上図:回答者全体 下図:自動車旅行普及への態度別

 

2)自動運転車を利用した観光活動・行きたい観光地 ~ 温泉、自然観光が人気

①観光活動

自動運転車を利用して行いたい観光活動についても聞いている(複数回答)。

最も回答が多かったのは①「温泉旅行」79.8%で約8割が回答している。次いで、②「自然観光」57.6%も6割が回答している。

以下、③「グルメ」39.2%、④「テーマパーク・動物園・水族館」33.2%、⑤「歴史・文化観光地」30.1%、⑥「花見・紅葉」30.0%、⑦「高原リゾート」23.9%の順である。

図表2-2 自動運転車を利用して行いたい観光活動(複数回答)

図表2-2 自動運転車を利用して行いたい観光活動(複数回答)

 

②訪問が増える観光地

「通常の自動車」による旅行と比べ、「自動運転車」を利用した場合に訪問が増えると思う観光地名を書いてもらった。これらを地域ブロック別に集計すると、①「南関東」19.7%、②「北海道」17.4%、③「近畿」17.1%、④「東海(含三重)」11.4%、⑤「北陸甲信越」10.0%、⑥「九州・沖縄」の順となっている。旅行条件は異なるが、観光庁「旅行・観光消費動向調査」による旅行先と比較した場合、「北海道」での自動運転での旅行希望が相対的に高いことがわかる。

図表2-3 自動運転車の利用で訪問が増えそうな地域

図表2-3 自動運転車の利用で訪問が増えそうな地域

 

図表2-4 発地別にみた自動運転で増える旅行先

 

③行きたい観光地の条件

「通常の自動車」による旅行と比べた場合に、自動運転車を利用して行きたい観光地はどのようなところかを聞いた。回答率の上位は、①「完全自動運転で目的地まで到着できる観光地」50.6%、②「よく行く宿泊施設のある観光地」40.6%、③「完全自動運転に対応した一般道路が整備された観光地」39.0%、④「完全自動運転に対応した駐車場システムのある観光地」26.2%、⑤「天候や通信障害等で自動運転が制限されにくい観光地」21.0%の順となった。

総じて、手動運転に切り替える必要が無い観光地が選択されやすい結果となっている。

また、よく行く宿泊施設も2位に入っており、「実家・知人宅に近い観光地」14.9%、「よく行くスポーツ施設がある観光地(ゴルフ場、スキー場、合宿所等)」14.4%など、訪問頻度の高い目的地への利用を想定する人が多い。

二次交通の利用については、「自動運転のバスやタクシーが待ち時間無く利用できる観光地」13.6%、「自動運転での遊覧ツアーがある観光地」11.7%、「自動運転のレンタカー・カーシェアリングが利用できる観光地」10.9%、「自動運転のバスやタクシーが早朝や深夜にも利用できる観光地」10.1%がそれぞれ10%以上の回答を集めた。

図表2-5 自動運転車で行きたい観光地(複数回答)

図表2-5 自動運転車で行きたい観光地(複数回答)

 

 

3)自動運転車の普及による旅行日程の変化 ~ 広がる旅行の時間帯。滞在時間は延びる

①旅行日程の変化

完全自動運転車を利用して「宿泊を伴う観光旅行」をするとした場合、日程はどのように変わるかについて聞いた(複数回答)。

①「時間帯を気にしないで出発するようになる」39.1%、②「帰路に睡眠を取ることが増える」33.5% ③「往路で睡眠を取ることが増える」33.4%、④「夜間の出発が増える」28.2%、⑤「今までよりも出発時間が早くなる」27.4%が上位の選択肢となった。現状の自動車旅行が、睡眠不足、疲労時、渋滞といった要素に束縛されている実態を反映した回答結果と見ることもできる。

「職場での終業後すぐに旅行に出発することが増える」「早朝の出発が増える」など出発時間を早めたり、「帰路に夕食や入浴を済ますことが増える」「今までより帰路の旅行先からの出発時間が遅くなる」といった旅行先での出発時間が延びるとの回答も目立つ。

②旅行先での滞在時間の変化

完全自動運転車を利用した場合、「宿泊を伴う旅行」での旅行先での滞在時間はどうなるかを聞いた(出張業務・家事・帰省を主な目的とする旅行を除く)。

その結果、「かなり延びると思う」が27.4%、「少し延びると思う」が46.6%となり、「延びる」との回答が合わせて74%に上った。「横ばいだと思う」は23.3%で、短くなるとした人は2.8%に留まった。

図表2-6 自動運転の普及による旅行日程の変化(複数回答)

図表2-6 自動運転の普及による旅行日程の変化(複数回答)

 

図表2-7 旅行先での滞在時間の変化

図表2-7 旅行先での滞在時間の変化

 

4)自動運転車の普及による旅行回数の変化 ~ 金曜出発の旅行が増加。回数増えるが7割に

①旅行が増える時期

完全自動運転車で宿泊観光旅行をするようになったら、どの時期の旅行が増えそうかについて聞いた(2つまで)。 その結果、最も多くの回答を集めたのは、①「金曜出発の旅行」で35.7%となった。「土曜出発の旅行」も14.9%を占め、金曜または土曜を挙げた人は45.4%に上った。「平日(月~木)出発の旅行」も26.8%に上っている。

季節では、「GW(ゴールデンウイーク)」13.7%、「紅葉シーズン」13.6%、「夏休み」11.1%、「年末年始」6.9%、「スキーシーズン」5.3%、「春休み」3.9%、「梅雨時」1.8%の順であった。

②旅行回数の変化

自動運転車が普及した場合、宿泊観光旅行が増えるかについて聞いた。

「かなり増えると思う」21.2%と「少し増えると思う」49.4%を合わせ、「増える」との回答が70.6%を占めた。「横ばいだと思う」は27.9%、「減る」との回答は1.5%だけであった。

図表2-8 宿泊観光旅行が増える時期(2つまで)

図表2-8 宿泊観光旅行が増える時期(2つまで)

 

図表2-9 宿泊観光旅行回数の変化

図表2-9 宿泊観光旅行回数の変化

 

 

5)自動運転の普及による交通手段のシフト ~ 高速道路の距離伸びる

自動運転車が普及した場合、宿泊観光旅行での利用交通機関は変化しそうかどうかについて聞いた(最もあてはまるもの一つだけを選択)。その結果、「自動運転車を利用すると高速道路の利用距離が伸びる」が45.8%と最も多くの回答を集めた。

他の交通モードからの切り替えも少なくない。「新幹線の利用を自動運転車に切り替える」が12.6%、「鉄道(新幹線以外)の利用を自動運転車に切り替える」が7.3%、「高速バスの利用を自動運転車に切り替える」5.6%、「夜行バスや寝台列車の利用を自動運転車に切り替える」が5.0%、「飛行機の利用を自動運転車に切り替える」が2.0%となっており、合わせて32.5%に上る。

 

図表2-10 宿泊観光旅行での利用交通機関の変化

図表2-10 宿泊観光旅行での利用交通機関の変化

 

6)自動運転普及時に利用したいサービス ~ レンタル、車中泊、モデルコース提示が上位

自動運転車の普及に伴い、利用者に向けた様々なアプリや機能が提供されることが予想される。ここでは、用意した18の選択肢の中から利用したいサービスを選んでもらった(複数回答)。

結果は上から順に、①「レンタカー会社所有の自動運転車のレンタルサービス」40.6%、②「快適に車中泊ができる自動運転車」36.4%、③「渋滞状況や満車情報等に対応した最適なモデルコースの提示」20.5%、④「利用可能な宿泊施設の予約サービス」19.9%、⑤「利用可能なガソリンスタンドや充電スタンドの検索サービス」17.2%、⑥「自動運転車向け保険サービス」16.5%などとなっている。

図表2-11 自動運転普及時に利用したいサービス(複数回答)

図表2-11 自動運転普及時に利用したいサービス(複数回答)

 

7)自動運転機能に対する支払限度額 ~ マイカーの最頻値40~50万円

①マイカーの場合

自動運転機能の装備に何万円くらい迄なら支払ってもよいかについて聞いたところ、「40万円以上50万円未満」が20.2%と最も多かった。累計回答率でみると、20万円以上払っても良いという人が71.0%、40万円以上で47.9%となっている。但し、支払意志額は自動運転に肯定的な人でやや高めであり、「普及した方が良い」人では、40万円以上払っても良い人が52.0%を占める。

図表2-12 自動運転機能に対する支払限度額(マイカー購入費)

図表2-12 自動運転機能に対する支払限度額(マイカー購入費)

 

②レンタカーの場合

自動運転機能を装備した車をレンタルする場合の1日当たりの割増可能な額についても聞いた。最も多い支払額は「2千円以上3千円未満」で16.0%となっている。累積回答率でみると、千円以上払っても良い人が71.5%、2千円以上では48.4%となる。自動運転が「普及した方が良い」人では、2千円以上払っても良い人が50.8%と全体平均よりも若干高めとなっている。

図表2-13 自動運転機能に対する支払限度額(レンタカー料金)

図表2-13 自動運転機能に対する支払限度額(レンタカー料金)

この研究・事業の分類

発注者 公益財団法人日本交通公社
実施年度 2016-2017年度