スペインにみるインバウンド推進体制と地方分散化施策 3.マドリード市文化・観光・商業公社

2014.05.13

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第3回 マドリード市文化・観光・商業公社

<組織>

 1995年にカタルーニャ州政府観光財団として設立され、2010年に民間事業者が会員として参画する枠組みを導入し、現在の組織形態となった。1995年の段階では純然たる自治州政府の一機関だったが、徐々にPPPの導入を進めている。

 <財源>
 公社であり、100%マドリード市の予算によって運営されている。市バスの運営による収益を同公社の予算に充てることになっており、一定の安定的な財源が確保されている。

マドリード市文化・観光・商業公社概要 <事業内容>
 2年から3年に一度、「観光マーケティング戦略計画」を策定しており、同計画に基づいてプロモーション活動等を行っている。同社では国外での各種プロモーション活動に加え、観光案内所の運営や警察との連携を通じた治安改善など、受入環境整備にも力を入れている。

なお、「オフィシャル・シティ・ツアー」は民間事業者に対して業務委託を行っている。

 <自治体・民間との連携>
 マドリードは首都であり、一定の知名度もあるが、地理的に遠い市場や新規市場については「スペイン・ブランド」が重要であり、スペイン政府観光局とも共同事業を行っている。またマドリード自治州とは「世界遺産都市」という企画で連携したことがあるが、恒常的にはそれほど密な連携は図られていない。あくまで個人的なネットワークで関係者同士が繋がりを持っているのが現状である。

 他方、民間事業者とのコミュニケーションは非常に密にとっており、前述の「観光マーケティング戦略計画」を策定する際は民間事業者との意見交換を繰り返し行った上で内容を詰めていく。ただ、より官民連携を促進するため、2014年夏に行う組織再編後は、「マドリード市観光局」の会員となる民間事業者を募り、会費と引き換えに日常的なコミットメントを強化する仕組みを導入したいと考えている。

 

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