責任ある観光(Responsible Tourism)に関する研究2022

概要

責任ある観光(Responsible Tourism)に関する研究2022

本研究が扱う「責任ある観光」は、観光に関わる主体の“価値判断”にまで踏み込む観光倫理研究である。より良い観光への変革には、消費者である観光客個々人の価値観の変化や行動変容が重要であるという認識を前提にしつつ、各地域での観光客の行動基準を考える根拠の一つとなる、地域の観光に対する価値観(思想、考え、哲学等)の具体的な内容及びその背景、そして、観光に関わる各主体への伝え方も含めた実践活動の状況を把握し、地域での観光倫理、責任ある観光の考え方、確立の方法への示唆を得る。
地域の価値観はそれぞれ異なるため、まずは個別地域事例を分析した上で、最終的に地域での責任ある観光、倫理的な観光について、共通する考えやフレーム等を提示した。

2022年度は、対象地を自然地域に拡大して実施した。

報告

責任ある観光は、観光に関わる主体の“価値判断”にまで踏み込む行為と捉え、各地域の観光に対する価値観の具体的な内容及びその発信方法について、文献資料調査及びヒアリング調査等を実施した(近江八幡、長湯温泉等)。調査結果はヒアリング記録としてとりまとめるとともに、査読付き論文執筆としてのとりまとめ準備をした。

また、対象地域を居住地域から非居住地域である自然地域にも拡げ、両地域について研究内容をコラムとして執筆した(居住地域:「観光都市ではない」(1961)の真意、非居住地域:山岳利用における「責任ある観光」)。

また、2020 年度の自主研究の成果としてとりまとめ、出版した書籍『ポスト・オーバーツーリズム 界隈を再生する観光戦略』(共著)が日本観光研究学会の学会賞(観光著作賞(一般))を受賞した。

成果物

コラム

ヒアリング記録

ヒアリング記録5

寄稿

  • 「コロナ禍前のインバウンドの状況と今後の展望(特集 インバウンド再開)」、『運輸と経済』、(一財)交通経済研究所、2022年12月号、p13-20

他年度の研究・事業

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この研究・事業の分類

分野 観光政策・観光地経営 観光政策 観光計画・監理 利用者管理
観光と社会の潮流 地域社会・住民 持続可能な観光
エリア 全国
自主/受託 自主
自主事業区分 自主研究
発注者 公益財団法人日本交通公社
プロジェクトメンバー 後藤 健太郎 / 安原 有紗
実施年度 2022年度