DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2022年度版

概要

DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2022年度版

株式会社日本政策投資銀行(DBJ)では、多様化するインバウンド市場において、自治体や事業者がインバウンド施策を実施する際の基礎資料となるデータを広く発信することを目的として、2012年より継続的にアジア・欧米豪12地域(欧米豪は2016年より調査対象に追加)の海外旅行経験者を対象にインターネットによるアンケート調査を実施している。2015年より当財団(JTBF)と共同で調査を行い、以降、毎年、調査及び調査結果のリリースを行っている。

2020年6月には、新型コロナウイルス感染症が外国人旅行者の海外旅行意向に与えた影響や、感染収束後のインバウンド市場の潜在需要を調査すべく、「第1回新型コロナ影響度特別調査」を実施し、2020年12月には、「第2回新型コロナ影響度特別調査」を実施した。また、2021年10月には第1回調査、第2回調査後の外国人旅行者の意向変化を把握するため「第3回新型コロナ影響度特別調査」を行った。

今回の調査では、世界的にインバウンド観光が再開しつつある状況下での外国人旅行者の意向変化等を把握することを企図している。

調査概要・回答者属性

報告

調査結果概要

日本の人気は引き続きトップ。一部の国・地域では人気下降の兆しも
~水際対策の大幅緩和により海外旅行の候補地となることで、日本人気回復を期待~

1.海外旅行は欧米豪で先行して回復アジアと欧米豪にステージの差

  • 足元の海外渡航者数の状況は、欧米豪は既にコロナ禍前の水準に近づいており、海外旅行は欧米豪で先行して回復している。コロナ禍の旅行では近距離の国・地域への訪問率が高く、海外旅行実施者は「外国人旅行者に対する受け入れが寛容である」と感じた人が8割
  • 海外旅行の意向はアジア、欧米豪ともに強いものの、次の海外旅行再開のタイミングや次の海外旅行の予算についてはアジアと欧米豪に差がみられる。
  • アジアに先行して海外旅行が再開している欧米豪では、次の海外旅行の意向に変化もみられる。一方、アジアでは、東アジアを中心に、依然として新型コロナに対する不安が残っている。これらのことから、海外旅行については「興味・関心」段階のアジア「計画」段階の欧米豪ステージの差があることがうかがえる。

2.次の海外旅行先として、日本の人気は1位 アジアではトップを維持、欧米豪ではトップから2位に低下

  • 次の海外旅行先として、日本の人気は引き続き高く、トップを維持
  • しかしながら、その人気については下降の兆しもうかがえる。アジアではトップを維持しているものの、欧米豪では前回トップから2位に低下した。
    訪日リピーターの多い台湾と香港では、圧倒的な人気を維持している一方、訪日旅行新興国であるインドネシアでは、トップを維持しつつも人気が低下しているほか、フランスでも前回2位から5位へと順位を落としている。
  • 海外旅行が回復している欧米豪では、厳しい水際対策を講じていた日本は現実的な海外旅行先として捉えられていなかった可能性があるが、10月以降の水際対策の大幅緩和により海外旅行の候補地となり、日本人気回復の契機となることが期待される。
    日本人気回復を確実なものにするためには、地域や事業者が連携し、訪日外国人旅行者のニーズへの対応や受入体制整備、魅力向上への取り組みが望まれる。

~「食事の美味しさ」など、日本の強みを維持しつつ、地域資源のさらなる活用を~

3.日本の強みを活かし競争力の高いコンテンツを維持・強化することが必要

  • 海外旅行先として日本は、「食事」「治安」「買い物」「宿泊施設」が高く評価されている。これらを競争力の高いコンテンツとして、今後も維持・強化していくことが望まれる。
  • 訪日旅行の際に、アジア、欧米豪ともに重視されているのは、飲食店では「料理の美味しさ」宿泊施設では「Wi-Fi環境整備」「買い物」についてはアジアを中心に期待が高い
  • アジアの一部の国・地域では依然として感染不安が強いことから、地域や事業者はウイルス対策を継続し、加えて、Wi-Fi整備も引き続き進めていく必要があるだろう。また、日本の強みである「食事の美味しさ」を活かしつつ、「買い物」については、折からの円安を追い風に、アジアを中心とした買い物需要を確実に獲得することが期待される。

4.コロナ禍で意識が高まったアウトドアアクティビティ、サステナブルな取り組みにも高い関心

  • コロナ禍で意識が高まったアウトドアアクティビティについては、ウォーキングや登山は、国籍を問わず訪日旅行での体験ニーズが高い。また、雪、植物、森林、フルーツ、動物、星空、農山漁村等の地域資源に関するアウトドアアクティビティへの関心も高い
  • 日本の国立公園に対し、訪日旅行希望者の9割が入場料を許容している。
  • サステナブルな取り組みへの関心は高く、高収入層の意識が一層高い
    旅行者はゴミの削減等、地域へのネガティブなインパクトの軽減だけでなく、地域の特産品購入等、地域へのポジティブな影響に貢献する取り組みへの実施意向も高い。
  • 日本の地方観光地への訪問意向はアジアで9割、欧米豪で8割とコロナ禍前と変わらず高水準。
    地域資源を有効活用することにより、高い地方訪問意向を実際の来訪につなげていくことが期待される。国立公園や地域の自然資源をフックにした観光コンテンツやツアーの創出など、地域に今ある資源のさらなる活用が望まれる。