DBJ・JTBFアジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査

2015.10.05

 日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外国人旅行者の増加が著しく(2014年:1,341万人(前年比29.4%増)、2015年1~8月:1,286万人(前年同期比49.1%増))、その8割はアジアからの訪日客で、またアジアの伸び率は他地域の概ね2倍以上となっているなど、アジアからの訪日客の意向を調査することは、今後のわが国のインバウンド観光振興を考えるにあたり、非常に重要と考えられる。

 当財団は(株)日本政策投資銀行(以下DBJ)と共同で「DBJ・JTBF アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成27年版)」を実施した。

 本調査は、平成24年よりDBJが継続的にアジア8地域(韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)の旅行嗜好や訪日経験の有無によるニーズの変化を把握することを目的に、海外旅行経験者を対象としたインターネットによるアンケートを実施してきたものであるが、本年は共同で、7月に4回目となる調査を実施した。

調査概要・回答者属性

調査結果概要

  • アジア8地域全体では、日本旅行の人気は引き続きトップであり、地域別にみると、 台湾、香港、中国では6割超の人が訪日旅行を希望している。また、具体的に日本旅行を検討している割合も継続的に上昇しており、全体で約4割が日本旅行を具体的に検討している。

  • 日本の観光地への認知度・訪問意欲は、引き続き東京~大阪間のいわゆるゴールデンルートや北海道・沖縄が高い。しかしながら、訪日経験が増すと、これら以外の地方観光地の認知度・訪問意欲が高まる傾向がみられる。また、滞在日数や宿泊箇所数なども若干増えており、滞在の長期化や観光地周遊化の動きもうかがえる。

  • 地方観光地へ「ぜひ旅行したい」「機会があれば旅行したい」を合わせた比率は約9割に上り、訪問意向の高さがうかがえる。地方でしたいことでは温泉、自然観光地、歴史的な建造物・遺跡や街並みが人気のほか、郷土料理やその土地で採れた魚介や肉、野菜や果物などの「食」への関心も高い。

  • 宿泊施設に求めることは、通信環境の整備が最も多く、英語対応や母国語対応のほか、日本文化の体験など、ソフト面での要望も多い。また、温泉・大浴場への入浴意向については、訪日経験がない場合で4割、訪日経験がある層では5割に上り、訪日旅行経験を通じて温泉・大浴場への関心が高まると考えられる。日本の温泉で関心のあるものについては風呂からの眺望とお湯の泉質や効能に高い関心が寄せられた。

  • 日本旅行でお金をかけたいものについては、食事、買い物、観光などへの消費意欲が高く、また訪日経験者は経験のない層と比較して、「買い物にお金をかけたい」とする割合が高まる傾向がみられる。日本旅行の際に買いたいものについては、幅広い品目が挙げられたが、中国は化粧品・医薬品・日用品や電化製品、台湾は化粧品・医薬品・日用品、シンガポールは食品など、地域により嗜好に差がみられる。

  • 訪日旅行に際しては、言葉に加え、地震や放射能に対する不安がある。また、個人旅行(FIT)化の影響からか、公共交通機関に対する不安も増えている。東日本大震災に関連する不安については、前回調査と比較すると低下の傾向がみられた。引き続き幅広い正確な情報発信が重要と思われる。

  • 今回調査では、訪日旅行の長期化・周遊化の動きや、リピーターを中心とした地方観光地への高い関心が見られた。こうした地方観光にかかる機会や関心を実際の訪問に繋げるためには、それぞれの観光地において、地域全体を戦略的にマネージメントする組織(DMO: Destination Management/Marketing Organization)などにより、きめ細やかなニーズ分析を行うなど効果的な集客を図り、また地域全体として、あるいは広域連携によりブランドを構築・発信していくなど、より戦略的な取り組みが重要となろう。

レポート本編【PDF版】

参考資料1(地域別の特徴)【PDF版】

参考資料2(長期推移)【PDF版】