「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 (第2回 新型コロナ影響度 特別調査)」

2021.05.24

 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)では、多様化するインバウンド市場において、自治体や事業者がインバウンド施策を実施する際の基礎資料となるデータを広く発信することを目的として、2012年より継続的にアジア・欧米豪12地域(欧米豪は2016年より調査対象に追加)の海外旅行経験者を対象にインターネットによるアンケート調査を実施している。2015年より当財団(JTBF)と共同で調査を行い、以降、毎年、調査及び調査結果のリリースを行っている。
 2020年6月には、新型コロナウイルス感染症が外国人旅行者の海外旅行意向に与えた影響や、感染収束後のインバウンド市場の潜在需要を調査すべく、「第1回新型コロナ影響度特別調査」を実施した。

 第1回調査から半年後の外国人旅行者の意向変化を把握するため、アジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者6,139人を対象としたアンケート調査を2020年12月1日~12月12日に実施した。

調査概要・回答者属性

調査結果概要

~新型コロナ収束後の海外旅行先として日本人気はさらに上昇~
~今できることとして、「食体験」×「オンライン」による交流も有効~

  • 第1回調査では、①新型コロナに対する不安は強く、欧米豪よりアジアの方が強い不安を抱いている②新型コロナ収束後における海外旅行意向はアジア・欧米豪ともに強く、予算、日数ともに増加・長期化の傾向③観光旅行したい国・地域としての日本人気は高い④他の国・地域と比較すると、日本は買い物、食事、治安の良さに加え、清潔さが高く評価されている一方、多言語対応と体験ツアーやアクティビティの充実が課題、という結果が得られた。
  • 第2回調査においても、新型コロナに対する不安は引き続き強いものの、足下のレジャー実施意向はアジア・欧米豪ともに全般的に上昇している。新型コロナ収束後の海外旅行意向も強まっており、予算、日数ともにより増加・長期化の傾向にある。
  • 観光旅行したい国・地域として、日本の人気は一層上昇しており、アジアではトップを維持しつつ割合は上昇、欧米豪では前回2位からトップとなった。海外旅行の行き先としての日本の競争力を居住エリア毎にみると、「食事の美味しさ」「清潔さ」「治安の良さ」はどのエリアからも高く評価されている。他方、「ナイトライフ」は全般的に評価が低い。加えて、東南アジアでは「長期滞在」、欧米では「リラックス」、オーストラリアでは「体験したいツアーやアクティビティ」「長期滞在」に対する評価が低く、ターゲットとする市場毎に戦略が望まれる
  • 新型コロナの影響により直接の往訪が困難な状況が長期化する中、外国人が現地で実施した「日本に関する活動」は、「食体験」「コンテンツ体験」「食品購入」などの実施率が高く、食品の購入場所はスーパーマーケットに加え、レストランも多い。しかしながら、これらの活動は、実施率は高いものの、訪日意向の喚起に対する効果は相対的に小さい。一方、オンラインツアーなどは、実施率は低いものの、訪日意向の喚起に対して効果が大きいことが確認できた。
  • これらの結果を踏まえると、引き続き新型コロナの感染不安を払拭する取り組みを継続しつつ、来たるべき海外旅行再開に備え、観光地としての競争力強化に取り組んでいくことが重要であろう。加えて、高い訪日意向を維持・喚起するために、今できることとして、外国人が現地で実施した「日本に関する活動」のうち、実施率の高い活動に対しては一層の訪日意向の喚起を図る取り組みを、訪日意向の喚起に有効な活動に対しては実施率の向上を図ることが望まれる。例えば、日本の自治体や観光地域づくり法人(DMO)と現地のレストラン等が連携し、実際に日本の郷土料理を体験できるオンラインツアーを実施するなど、多様な関係者の連携による、食体験とオンラインを組み合わせた新たな取り組みなども有効であろう。厳しい状況下においても、多様な関係者が連携し、それぞれが持つ強みを組み合わせることによって、ピンチをチャンスに変えるような、新たな取り組みが生まれることを期待したい。

レポート本編/Main Report

【日本語版/Japanese】

DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 (第2回 新型コロナ影響度 特別調査)【PDF版(3.0MB)】