当財団は、この10年間、東日本大震災の発生直後より直接・間接的に被災地に関わり続けてきた。震災から5年の節目には、「観光文化229号(2016年4月号)」において、復興の現場で活動する方々の声を通して観光の意義と可能性の考察を試みた。それからさらに5年が経ち、この間、観光のトレンドも大きく変化するなかで、被災地はどのように観光に向き合い、観光復興に取り組んできたのだろうか。今回の「観光文化249号」では、東日本大震災から10年の節目に、現場の声にあらためて耳を傾け、震災からの復旧・復興における観光や交流の実情、観光振興が果たした役割の概括を試みた。