多様性を持つ新たなツーリズムのあり方についての研究2021

概要

多様性を持つ新たなツーリズムのあり方についての研究2021

近年、海外ではSDGsの「誰一人取り残さない」という理念に対応して、あらゆる人々が旅行に参加できるようにすることを目的とした「インクルーシブツーリズム」について研究が進められており、旅行・観光分野においても多様性の尊重が重要なテーマとなっている。また、国内に目を向けると、少子高齢化の進展によって市場の縮小が見込まれる中、市場の裾野を拡大するという点からも多様化する市場への対応は重要と考えられる。

そのため、多様化する市場の中で本研究では高齢化に伴い増加が見込まれる健康不安を抱える層(健康不安層)とLGBTQの2つのセグメントに着目した。健康不安層とLGBTQは一見共通点はないように見えるが、旅行者の機微な部分に対して相応の配慮が必要という点で共通している。

これらのセグメントが安心して旅行するためには、受け入れ側が適切な配慮やサービスを提供する必要がある。そのため、本研究では既存情報を整理するとともに、先進事例の調査や現地視察・ヒアリングを通じて、受け入れにあたっての工夫や課題を整理し、地域で受け入れるために必要な取り組みを提示した。

報告

社会的な認識の高まりを受けて、旅行・観光分野においても「多様性」を尊重することの重要性が増している。本研究では「慢性疾患等の健康不安を抱える層」と「性的マイノリティ層(LGBTQ)」に着目し、それらの客層が快適に旅行を楽しめる受け入れのあり方について必要な知見を得るため、既往研究やレポート等の文献の整理を通じて現状を把握するとともに、先行して取り組みを進めている事業者や団体、当該分野に関する有識者等へのヒアリング等を行った。

この研究・事業の分類

分野 観光と社会の潮流 ユニバーサルツーリズム
エリア 全国
自主/受託 自主
自主事業区分 自主研究
発注者 公益財団法人日本交通公社
プロジェクトメンバー 相澤 美穂子 / 菅野 正洋
実施年度 2021年度