「旅行年報」のリニューアル ~「観光地」の動きを捉える切り口を変更しました~ [コラムvol.235]

2014.12.19

観光政策研究部  堀木美告

 当財団の定期刊行物の一つである「旅行年報」。10月に発刊した2014年版では大幅に内容の見直しを行いました。観光地の動向を取り上げる「観光地」の頁についてもその整理軸を大きく見直しました。

旅行・観光の動きを伝える「旅行年報」

 当財団の定期刊行物である「旅行年報」をご覧になったことのある方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。すでに当財団のホームページで本文を公開していますので是非ご覧いただきたく思いますが、「旅行年報」は1978年に「旅行の現状と見通し」として創刊され、1981年にその内容を見直すと共に「旅行年報」と名前をあらためた冊子です。毎年の旅行・観光を取り巻く動向を概観し、さらに毎号を並べてご覧いただくとその時系列に沿った動きも見えてくるのではないかと考えています。

観光地の動きを捉える切り口の変化

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 図は2000年版以降の「旅行年報」の「観光地」のパートの項目をピックアップしたものです。ご覧の通り、「観光地」の動きを捉えるために設定した項目は年によって浮動しています。上の図では比較的大きな変化(赤字表記の項目)があった年のみ取り上げていますが、毎年編集方針を見直しマイナーチェンジを繰り返して来たことがおわかりいただけるでしょう。

 例えば2001年版では「新しい観光の動き」と言う項目を起こし、「ガイド付きツアー」と「歩く旅」を取り上げています。2004年版では「スキー場」が「山岳・高原リゾート」に、「オートキャンプ」が「アウトドア活動」へと再編された他、「新しい観光の動き」の流れを受け、「農山漁村観光」「自然観光地の動向」という項目を新設しました。また情報発信や観光組織等を扱う「観光地の販売促進」という項目も新設しています。

 2008年版では「産業観光」が独立し、「自然観光地の動向」は「自然公園・世界遺産」というより具体的な項目名に変わり、「観光地の販売促進」も「着地型旅行の商品化と販売促進」と姿を変えました。さらに2011年版では「文化を活かした観光」を新設、「自然公園・世界遺産」は「観光資源の保全と活用」として視点を少し広げ、「観光の情報発信」を独立させています。

テーマ別から地方別へ方針転換

 こうした見出しとなる項目の変化はすなわち観光地の動きを示しているわけですが、その一方で、毎年の「旅行年報」を並べてみたときに経年での比較がしにくい、という側面もあります。そもそも「観光地」のパートは「旅行者の動き」や「観光産業の動き」に比べて数量データで表現できる範囲が限られ、質的な情報が圧倒的に多いパートだと考えられますが、項目の変化がさらにその傾向を強めているとも考えられます。

 そこで今回2014年版を作成するタイミングで、これまでの「テーマ別」から「地方別」のシンプルな構成へと編集方針を大きく転換し、各地方ごとに話題性のある取組やトピックを紹介する形式にあらためました。

 その結果、一覧して各地方での動きを概観しやすくなったのではないかと自負しています。おそらく観光地側で「旅行年報」をご愛読下さっている皆様には特に自分たちの地域やその周辺で起きていたトピックに注目していただくことが容易になったのではないでしょうか。

 ご覧になった方からはぜひ忌憚のないご意見を頂戴し、2015年版以降の誌面の充実に向けた参考とさせていただけますと幸いです。

 

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