コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム 2024年

観光研究における「あいだ」と「あわい」[コラムvol.517]
  • 観光と社会の潮流

観光研究における「あいだ」と「あわい」[コラムvol.517]

観光研究部(地域マネジメント領域) 上席主任研究員 菅野 正洋

1.はじめに 当財団では今年度、各研究員がいわゆる「トップジャーナル」(被引用数が多く、社会的な影響力の大きい論文が掲載されているとの評価が高い国際学術雑誌)に掲載された論文から関心があるものを選び、レビューしたうえで、・・・

インバウンドの地方部訪問・消費促進における体験活動の活用可能性 [コラムvol.516]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

インバウンドの地方部訪問・消費促進における体験活動の活用可能性 [コラムvol.516]

観光研究部 上席主任研究員 柿島 あかね

2024年も折り返し地点を過ぎました。ここまでのインバウンド市場は、単月の訪日外客数が8ヶ月連続で過去最多を更新し、コロナ禍で低迷していた数年前の状況からは想像できないほど好調に推移しています。コロナ禍以降、インバウンド・・・

観光振興に必要なマーケティング・デジタル人材の要件を考える [コラムvol.515]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光経済

観光振興に必要なマーケティング・デジタル人材の要件を考える [コラムvol.515]

観光研究部 主任研究員 蛯澤 俊典

観光振興の旗振り役として、日本に300以上のDMO/観光地域づくり法人がありますが、そのDMOにおいて、今、マーケティング×デジタル人材が特に必要とされています。 今年になり、観光庁では「観光地域づくり法人の機能強化に関・・・

「自律的」な観光振興とは何かを考える-欧州の「観光事業者税」をケースに- [コラムvol.514]
  • 観光政策・観光地経営
  • その他

「自律的」な観光振興とは何かを考える-欧州の「観光事業者税」をケースに- [コラムvol.514]

観光研究部 副主任研究員 江﨑 貴昭

全国各地で、宿泊税を中心とした観光財源の検討が進んでいます。通常、観光財源の検討にあたっては、観光財源確保のメニューをいくつか提示・検討したうえで、地域内で議論し、選択していくことになります。 このような地域内での議論の・・・

旅行先の選択とそこでの過ごし方~感動体験を提供する旅行先としてのハワイ~ [コラムvol.513]
  • 旅行者動向
  • 観光資源

旅行先の選択とそこでの過ごし方~感動体験を提供する旅行先としてのハワイ~ [コラムvol.513]

観光研究部 研究員 岩野 温子

はじめに みなさんは、旅行をする時、どのような観点で旅行先を選び、そこでの過ごし方を決めていますか?このお店に行ってこれが食べたいとか、綺麗な海を眺めながらぼーっとしたいとか、山をバックに湖畔でキャンプしたいとか、何気な・・・

多様性観光を支える視点:乳がんサバイバーの入浴支援から考える [コラムvol.512]
  • 観光と社会の潮流
  • その他

多様性観光を支える視点:乳がんサバイバーの入浴支援から考える [コラムvol.512]

観光研究部 上席主任研究員 相澤 美穂子

過去のコラムでも触れたとおり、2021年度から私は誰もが旅行を楽しめるためのツーリズムのあり方について研究を行っており、特にがん患者・サバイバー(以降、「サバイバー」と表記します)に焦点を当てて取り組んでいます。 今回は・・・

草津温泉 ―多くの人を惹きつけ続けるまちづくり [コラムvol.511]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源
  • 観光と社会の潮流
  • その他

草津温泉 ―多くの人を惹きつけ続けるまちづくり [コラムvol.511]

観光研究部 研究員 山本 奏音

草津温泉は、今勢いのある温泉地の一つと言えるだろう。2023年には過去最高の来訪者数を記録し、また観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」では21年連続1位を獲得している。実際にまちなかを見渡しても、浴衣を着てそぞろ・・・

アフターコロナにおけるVR観光の認知度と訪問意向 [コラムvol.510]
  • 観光と社会の潮流
  • その他

アフターコロナにおけるVR観光の認知度と訪問意向 [コラムvol.510]

観光研究部 研究員 目代 凪

はじめに 近年のDX推進にかかわる潮流のなかで、観光に新たな価値をもたらす可能性のあるデジタル技術の一つとしてAR・VR(拡張現実・仮想現実)が注目されています(Fan et al., 2022)。IDC(2022)は2・・・

寺田寅彦と旅行 [コラムvol.509]
  • 観光と社会の潮流
  • その他

寺田寅彦と旅行 [コラムvol.509]

観光研究部 副主任研究員 那須 將

 人生のある一定期間を、文学に心を傾け、紙を食むように過ごした経験を持つ人は、万人とまでは言えないにせよ、意外に多いのではないかと思う。そのような時期に筆者が触れた文章の中でとりわけ水が合うと感じたのは、寺田寅彦の随筆で・・・

グリーン・クレームとツーリズムをめぐる動き [コラムvol.508]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

グリーン・クレームとツーリズムをめぐる動き [コラムvol.508]

おきなわサステナラボ長 兼 観光研究部(環境計画領域) 上席主任研究員 中島 泰

「飛行機は持続可能」は誤解? 2024年4月、欧州消費者機構(BEUC)の警告を受け、欧州委員会(EC)およびEU消費者当局(CPCネットワーク)は、航空会社20社に対して、誤解を招く可能性のある環境表示の内容を特定した・・・

観光と歴史文化遺産は対立するものか? [コラムvol.507]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

観光と歴史文化遺産は対立するものか? [コラムvol.507]

観光研究部 主任研究員 後藤 伸一

■地域活性化のために、観光誘客のために協力してほしい 観光のチカラで地域を元気にしたい、今、日本全国で観光を活用した地域の活性化事業が盛んにおこなわれています。私はこれまで自治体やDMO、また観光関連事業者の皆様から多く・・・

地域のブレンド力を磨く―まちづくりと観光事業⑯ [コラムvol.506]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源

地域のブレンド力を磨く―まちづくりと観光事業⑯ [コラムvol.506]

観光研究部 主任研究員 後藤 健太郎

世界観光機関(UN Tourism)によると、2023年の国際観光客到着数は、強力な繰越需要に支えられ、パンデミック前のレベルの88%に回復。2024年にはパンデミック前の水準に完全に回復すると予想されており、2019年・・・

国内旅行市場の国際比較 [コラムvol.505]
  • 観光と社会の潮流
  • 旅行者動向

国内旅行市場の国際比較 [コラムvol.505]

観光研究部(市場調査領域) 上席主任研究員/博士(社会工学) 五木田 玲子

日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」によると、2023年の訪日外客数(推計値)は2,500万人を超え、コロナ禍前2019年の8割程度まで回復しました。2023年10月以降は、2019年同月を上回る、若しくはほぼ同程度・・・

コロナ禍前後で比較した訪日中国人観光客の旅行形態と消費動向の変化 [コラムvol.504]
  • 旅行者動向
  • 観光と社会の潮流

コロナ禍前後で比較した訪日中国人観光客の旅行形態と消費動向の変化 [コラムvol.504]

観光研究部 研究員 工藤 亜稀

はじめに このコラムを執筆している2月中旬は、中華系の国々では春節(旧正月)の連休ということもあり、都内の街中や電車の中でも中華系外国人観光客の姿が目立ちます。メディア等でも、彼らの動向に着目した記事や報道を多く目にしま・・・

スイスにおけるDMOの構造改革の取り組み [コラムvol.503]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光経済

スイスにおけるDMOの構造改革の取り組み [コラムvol.503]

観光研究部(地域マネジメント領域) 上席主任研究員 菅野 正洋

1.はじめに 我が国の観光地域づくりの舵取り役として期待される観光地域づくり法人(DMO)は、その活動対象とする区域の大きさに応じて「広域連携DMO」、「地域連携DMO」、「地域DMO」の3つに区分されている点が特徴です・・・

観光が「輝く」社会をめざして [コラムvol.502]
  • 旅行者動向
  • 観光と社会の潮流

観光が「輝く」社会をめざして [コラムvol.502]

理事/観光研究部長/旅の図書館長/博士(社会工学) 山田 雄一

2024年となりました。 元旦、能登半島で最大震度7の地震。翌日には、羽田空港で大きな事故が発生。新年早々、心を痛める出来事が続いています。 観光は2020年春から約3年、コロナ禍、パンデミックに翻弄されてきましたが、2・・・