コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム一覧

観光と防災:安心・安全を育む地域の備え  [コラムvol.548]
  • 観光と社会の潮流

観光と防災:安心・安全を育む地域の備え  [コラムvol.548]

観光研究部 研究員/修士(観光学) 川口 雪衣

日本国内では、地震や津波をはじめ、台風や局所的な豪雨などの自然災害が多く発生しています。豊かな自然は日本の観光の大きな魅力ですが、同時に災害への備えも欠かせません。 2026年3月に閣議決定された『観光立国推進基本計画(・・・

「高付加価値旅行者」をどう捉えるか? ―観光政策の国際比較から考える日本の「100万円基準」― [コラムvol.547]
  • 旅行者動向
  • 観光政策・観光地経営

「高付加価値旅行者」をどう捉えるか? ―観光政策の国際比較から考える日本の「100万円基準」― [コラムvol.547]

観光研究部 上席主任研究員/旅の図書館長/修士(観光学) 柿島 あかね

高消費層への期待 日本のインバウンド政策では、旅行者数の拡大だけでなく、消費額の増加、地方への誘客、持続可能な観光地域づくりが重視されている。その中心的な対象の一つが「高付加価値旅行者」である。観光庁は、着地消費100万・・・

二重価格は信頼を築けるか [コラムvol.546]
  • 観光政策・観光地経営

二重価格は信頼を築けるか [コラムvol.546]

観光研究部 主任研究員/修士(工学)、経営学修士(専門職)/ MBA 蛯澤 俊典

入城者2割減、収入2倍という結果 世界遺産・姫路城は2026年3月、18歳以上の入城料を市外からの来訪者は2,500円へ引き上げ、市民は1,000円に据え置いた。18歳未満は居住地を問わず無料である。導入から1か月、入城・・・

「楽観主義」を適用する観光戦略 ―ウィーンの「オプティマム・ツーリズム」 [コラムvol.545]
  • 観光政策・観光地経営

「楽観主義」を適用する観光戦略 ―ウィーンの「オプティマム・ツーリズム」 [コラムvol.545]

観光研究部 副主任研究員/修士(観光科学) 江﨑 貴昭

楽観主義の本来の意味 「楽観主義(オプティミズム)」という言葉は、今日では「何とかなると構える能天気な態度」とほぼ同義に使われることが多い。しかし語源に遡ると、様相はかなり異なる。この語は「達成可能な最善・最適」を意味す・・・

「観光客が多すぎる」の正体 [コラムvol.544]
  • 観光と社会の潮流

「観光客が多すぎる」の正体 [コラムvol.544]

観光研究部 研究員/修士(国際協力学) 岩野 温子

近年、多くの観光地で混雑やマナー問題、地域住民の生活環境への影響といった議論を耳にする機会が増えました。メディアや行政では、こうした現象を広く「オーバーツーリズム」と呼び、観光客数の増加が問題の根本原因として語られること・・・

オランダの2都市から考えるクルーズ船の乗客に対する課税 [コラムvol.543]
  • 観光政策・観光地経営

オランダの2都市から考えるクルーズ船の乗客に対する課税 [コラムvol.543]

観光研究部 主任研究員/Master of Tourism, Hotel and Event Management 池知 貴大

なぜクルーズ船の乗客に対する課税の議論があるのか 近年、ヨーロッパをはじめとする世界中の都市で、クルーズ船の受け入れをめぐる議論が活発化している。クルーズ船は一度に多数の観光客を地域に運び、大きな負荷をもたらすため、その・・・

親子滞在型リゾートとして台湾リゾート・墾丁 [コラムvol.542]
  • 観光と社会の潮流

親子滞在型リゾートとして台湾リゾート・墾丁 [コラムvol.542]

観光研究部 主任研究員/修士(工学) 吉谷地 裕

「沖縄の方が安い」という議論の背景 台湾では数年前から、「墾丁に行くなら沖縄へ行った方が安い」といった議論が話題となっていました。かつて台湾を代表する南部リゾート・墾丁(Kenting)ですが、近年は、観光客減少や「割高・・・

地方観光地の人材不足にどう向き合うか ―地域単位で取り組む3温泉地の事例から― [コラムvol.541]
  • 観光政策・観光地経営
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  • 観光と社会の潮流
  • その他

地方観光地の人材不足にどう向き合うか ―地域単位で取り組む3温泉地の事例から― [コラムvol.541]

観光研究部 研究員/修士(工学) 山本 奏音

はじめに 人口減少が進む中、日本各地の観光地で人材不足が深刻化している。観光地で働く人材が確保できないことには、来訪する観光客に対し質の高いサービスを提供できないどころか、施設や地域の存続そのものが危ぶまれる事態となる。・・・

京都、レジリエントな都市の系譜 ―150年の知恵を次代の観光へ― [コラムvol.540]
  • 観光政策・観光地経営

京都、レジリエントな都市の系譜 ―150年の知恵を次代の観光へ― [コラムvol.540]

京都事務所長/観光研究部 主任研究員/修士(環境科学) 福永 香織

はじめに 今年は、当財団の前身であるジャパン・ツーリスト・ビューロー(以下、ビューロー)が設立されて115年目にあたります。また、沖縄に続き、当財団2箇所目の地方事務所として「京都事務所(JTBF京都観光レジリエンス研究・・・

文化を『消費』しない観光へ —日本遺産10年からの問い [コラムvol.539]
  • 観光政策・観光地経営

文化を『消費』しない観光へ —日本遺産10年からの問い [コラムvol.539]

沖縄事務所副所長 観光研究部 主任研究員/修士(国際観光学) 後藤 伸一

文化行政の「大きな転換点」に立ち会って 2015年、私は東京国立博物館で第1回認定証交付式の式典運営のお手伝いをさせて頂きました。日本遺産誕生の瞬間に立ち会えたことはとても素晴らしい経験であったと思います。誕生したばかり・・・

賢明な未来を選び取る、「観光地のグロースマネジメント」 —まちづくりと観光事業⑱ [コラムvol.538]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

賢明な未来を選び取る、「観光地のグロースマネジメント」 —まちづくりと観光事業⑱ [コラムvol.538]

観光研究部 主任研究員/修士(工学) 後藤 健太郎

はじめに―観光地の「成長」とは何か、代謝する各主体・要素の今 地域の発展を如何に捉え、如何なる方向へと向かうべきか。この問いは、いつの時代も都市・地域論の中心的な命題であり続けてきた。人々が暮らす「まち」は、常に変化とい・・・

「成功した観光地」のジレンマをどう乗り越えるか? ―「観光自治体」という発想から考える― [コラムvol.537]
  • 観光政策・観光地経営

「成功した観光地」のジレンマをどう乗り越えるか? ―「観光自治体」という発想から考える― [コラムvol.537]

観光研究部 主任研究員/Master of Tourism, Hotel and Event Management 池知 貴大

「成功した観光地」のジレンマ 観光客が増え、宿泊施設は満室が続き、飲食店や小売はにぎわう。観光政策では、こうした状態がまさに「成功」とされてきた。外から人を呼び込み、消費を生み、地域経済を回すことは、多くの地域が追求して・・・

「観光による地域振興」を再考する [コラムvol.536]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

「観光による地域振興」を再考する [コラムvol.536]

理事/観光研究部長/沖縄事務所長/博士(社会工学) 山田 雄一

観光立国への取り組み 我が国は、戦後、3回、国策として観光振興に取り組んできている。 1回目は、高度成長期、レジャーブームと呼ばれた時。2回目は、バブル経済期、リゾートブームと呼ばれた時。そして、現在の観光立国である。た・・・

日本の国内旅行市場のいま [コラムvol.535]
  • 旅行者動向

日本の国内旅行市場のいま [コラムvol.535]

観光研究部(市場調査領域)上席主任研究員/博士(社会工学) 五木田 玲子

はじめに 2年前のコラム( 2023年6月公開「コロナ禍を経た日本人の国内旅行市場のいま」)において、2022年のデータをもとに、市場回復の鍵が旅行頻度にある可能性を指摘しました。当時はまだコロナ禍からの回復途上にあり、・・・

研究・学び・実務をつなぐ『旅の図書館』の役割 [コラムvol.534]
  • 観光と社会の潮流
  • その他

研究・学び・実務をつなぐ『旅の図書館』の役割 [コラムvol.534]

観光研究部 研究員/修士(農学) 工藤 亜稀

私は現在、研究部の業務に加え、当財団が運営をする「旅の図書館」での業務も兼務しています。このコラムでは、旅の図書館の特徴とその活用方法について、研究員の立場から改めてご紹介したいと思います。 旅の図書館の概要と利用者層 ・・・

百年前の古書にみる観光地経営の処方箋 [コラムvol.533]
  • 観光政策・観光地経営

百年前の古書にみる観光地経営の処方箋 [コラムvol.533]

立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 教授(特別招聘教員)/修士(工学) 菅野 正洋

戦前の観光学の古典に、現代のDMOの姿を見た 100年近く前のヨーロッパで書かれた観光学の学術書に、現代日本の観光地が直面する政策や課題が記されていたとしたら、驚かれるでしょうか。 筆者は、従来からの観光の調査研究を行う・・・

若年層に広がる「旅行への関心の縮小」と、高齢者層を直撃する「新たな阻害要因」。データで見る旅行意識の変化。[Vol.532]
  • 旅行者動向

若年層に広がる「旅行への関心の縮小」と、高齢者層を直撃する「新たな阻害要因」。データで見る旅行意識の変化。[Vol.532]

観光研究部 副主任研究員/修士(社会工学) 川村 竜之介

国内宿泊旅行市場は高齢者を中心に二極化が進行 国内宿泊旅行市場は「旅行をしない人」が増える一方、「旅行をする人」はますますたくさん旅行をするようになる「二極化」が進行しています。 【図1】 国内宿泊旅行(観光・レクリエー・・・

専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]

観光研究部 上席主任研究員/旅の図書館長/修士(観光学) 柿島 あかね

高付加価値旅行者が追求する「本物の体験」 世界的に「高付加価値旅行者」が注目を集めており、その動きは日本も例外ではない。我が国では「着地消費100万円以上」という定量的な条件に加え、旅行を通じて得られる知的満足や自己実現・・・

下呂温泉・水明館に学ぶ―現場でのカイゼンが結ぶ生産性向上― [コラムvol.530]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

下呂温泉・水明館に学ぶ―現場でのカイゼンが結ぶ生産性向上― [コラムvol.530]

観光研究部 主任研究員/修士(工学)、経営学修士(専門職)/ MBA 蛯澤 俊典

観光業、とりわけ宿泊業は、人手不足や人件費高騰という構造的課題に直面しており、サービス品質の維持と生産性向上を同時に実現することが急務となっている。こうした中、製造業で培われた「トヨタ生産方式(TPS)」をホテル運営へ応・・・

観光振興の先に待ち受ける住宅不足 -観光部門としての向き合い方- [コラムvol.529]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

観光振興の先に待ち受ける住宅不足 -観光部門としての向き合い方- [コラムvol.529]

観光研究部 副主任研究員/修士(観光科学) 江﨑 貴昭

近年、国内のリゾート地で「住宅が手に入らない」という声が聞こえてきている。その背景には、観光需要の拡大と不動産市場の加熱がある。ニセコや白馬といった人気のリゾート地では、富裕層や外国人投資家による別荘購入、短期民泊向けの・・・