コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム 2013年

2013年の「観光研究」を振り返る~日本観光研究学会を例にして~ [コラムvol.203]

2013年の「観光研究」を振り返る~日本観光研究学会を例にして~ [コラムvol.203]

1.はじめに  「旅行・観光分野における“実践的な学術研究機関”」を目指して、我々は昨年4月1日、公益財団法人として新たなスタートを切りました。その実現に向けて長期経営計画『’22ビジョン』を全役職員で策定し、公益性、専・・・

FITマーケットの可能性 [コラムvol.202]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

FITマーケットの可能性 [コラムvol.202]

 当財団に『観光文化』という名の機関誌があります。これは季刊誌で、昨年から毎四半期に研究員が主体となって特集を組んでいます。この秋、10月号は私が担当でした。  そのテーマをどうするかについて、年明けくらいからあれこれと・・・

安心・安全・快適な宿泊のための情報提供とは? [コラムvol.201]
  • 旅行者動向
  • 観光政策・観光地経営

安心・安全・快適な宿泊のための情報提供とは? [コラムvol.201]

観光研究部 上席主任研究員 柿島 あかね

 みなさんは宿泊先を選ぶ際にどのような手段で情報収集をしていますか?私自身は業務での出張も多く、年に数回は個人的な旅行にも行くため、いろいろなところに宿泊していますが、その都度、目的も異なるため、毎回宿泊したい場所は異な・・・

観光分野の国際協力を考える [コラムvol.200]

観光分野の国際協力を考える [コラムvol.200]

 「今まで世界中のドナー(援助機関)の専門家と話をしてきたが、そんなアドバイスをくれたのはあなたたちが初めてだ。高品質な『メイド・イン・ジャパン』は車だけではないんだね」  今年の夏、専門家として参画しているアフリカ、エ・・・

自然ガイドと歩く尾瀬 [コラムvol.199]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源

自然ガイドと歩く尾瀬 [コラムvol.199]

ニセコ町商工観光課 ((株)ニセコリゾート観光協会事務局長)(出向中) 中野 文彦

●9月上旬の尾瀬  9月上旬に尾瀬(尾瀬国立公園)を訪れる機会があった。尾瀬というと高山植物の宝庫、本州最大の湿原として有名であるが、訪れたのは高山植物のシーズンが終わって、紅葉が訪れるまでの端境の時期であった。そのこと・・・

一人でも独りじゃない一人旅 [コラムvol.198]

一人でも独りじゃない一人旅 [コラムvol.198]

■単身世帯が増えると一人旅?  「おひとりさま」が注目を集めています。『おひとりさまの老後』(上野千鶴子、法研、2007)、『日本人はこれから何を買うのか?「超おひとりさま社会」の消費と行動』(三浦展、光文社、2013)・・・

観光地域づくりを担う人材に求められるもの [コラムvol.197]
  • 観光政策・観光地経営

観光地域づくりを担う人材に求められるもの [コラムvol.197]

観光研究部(地域マネジメント領域) 上席主任研究員 菅野 正洋

■観光地域づくりを担う人材の重要性  地域で観光地域づくりを進めていく上では、地域としての戦略・計画づくりや各種取り組みの企画立案、関係する様々な主体の間の調整業務といった役割を担う人材(ここでは仮に「観光地域づくり人材・・・

ムスリム旅行者対応にまつわる私感 [コラムvol.196]

ムスリム旅行者対応にまつわる私感 [コラムvol.196]

 急速に拡大する東南アジア発訪日旅行市場。同エリア人口の4割を占めるムスリムへの対応が喫緊の課題となっています。多くの日本人にはこれまで接点のなかったムスリムの人々を迎えるために必要な受入環境とは。これを考えるには、まず・・・

「あるべき姿」に近づくために [コラムvol.195]

「あるべき姿」に近づくために [コラムvol.195]

■満足度で測っているものは何?  これから10年後、自然観光地を訪れる観光客の満足度はどうなっていくのでしょうか。 今のまま推移すれば、おそらく低下していくでしょう。  これは必ずしも自然観光地の魅力が低下していくから、・・・

外国人旅行者から学ぶ日本の魅力 [コラムvol.194]
  • 旅行者動向
  • 観光資源

外国人旅行者から学ぶ日本の魅力 [コラムvol.194]

観光研究部 上席主任研究員 相澤 美穂子

 先日台北出張の際に利用した成田空港は多くの外国人で混雑していました。まだ梅雨が明けていない時期にも関わらずこれだけの賑わいを見せていたのはやはり円安の影響でしょうか。円安の恩恵を受けてか旅行者の財布の紐も緩んでいるよう・・・

地域における温泉旅館、その価値と意味 [コラムvol.193]
  • 観光政策・観光地経営

地域における温泉旅館、その価値と意味 [コラムvol.193]

立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 教授(特別招聘教員)(出向中) 吉澤 清良

観光文化の振興を目指す当財団は、まちづくりに熱心に取り組む温泉地(阿寒湖、草津、鳥羽、有馬、由布院、黒川)との協働で、「温泉まちづくり研究会」(2008年6月発足)を運営しています。  3月7日(木)~8日(金)には、2・・・

原因は一歩下がって俯瞰しないとわからない [コラムvol.192]
  • 旅行者動向
  • 観光政策・観光地経営

原因は一歩下がって俯瞰しないとわからない [コラムvol.192]

理事/観光研究部長/旅の図書館長/博士(社会工学) 山田 雄一

■冷蔵庫と中心市街地 突然ですが、皆さん、ご自宅の冷蔵庫の大きさってどれくらいですか? 以下の経産省の資料(図4、表3)によると、140L 以下は小型、141-300L は中型、301-400L は大型、401L以上を超・・・

日本人観光客は乗り継ぎ旅行を好まない? [コラムvol.191]
  • 旅行者動向
  • その他

日本人観光客は乗り継ぎ旅行を好まない? [コラムvol.191]

JTB総合研究所 コーポレート共創部 主任研究員(出向中) 牧野 博明

■直行便はやはりありがたい! 本年3月7日に、新しい石垣空港がオープンしました。滑走路長の延伸により、東京、大阪、名古屋からの定期直行便が就航(一部は再開)することとなりました。さらに今後は、国際線の開設、LCC(ロー・・・・

音楽体験と旅行体験の一回性・ライブ性 [コラムvol.190] 

音楽体験と旅行体験の一回性・ライブ性 [コラムvol.190] 

 音楽CDの販売がふるわない一方で、ライブなどの公演数や動員数は増えているそうです。これは「その時ただ一度きりの経験」が見直されていることの表れだと考えられます。もしこのことが旅行についても同様に言えるとすれば、これから・・・

戦前・戦後の観光計画から学ぶ [コラムvol.189]
  • 観光政策・観光地経営

戦前・戦後の観光計画から学ぶ [コラムvol.189]

ニセコ町商工観光課 ((株)ニセコリゾート観光協会事務局長)(出向中) 中野 文彦

 今日、多くの自治体では観光計画(ビジョン、戦略、アクションプラン等々)を策定しています。しかし「観光」に取り組み始めたばかりの自治体では、観光計画を策定するプロセスにおいて、試行錯誤を繰り返すことも少なくありません。 ・・・

ぴとぅるぴき むーるぴき [コラムvol.188]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

ぴとぅるぴき むーるぴき [コラムvol.188]

おきなわサステナラボ長 兼 観光研究部(環境計画領域) 上席主任研究員 中島 泰

 ひとりが立ち上がれば、みんなも立ち上がる。  あの森も、この山も、「木」一本から始まっていて、何事もひとつのことから始まる。  沖縄の島に伝わる古い言葉、「ひとり(ぴとぅる)引(ぴ)き、群引(むるぴ)き」の意味です。 ・・・

地域のお宝(地域資源)を探す方法 [コラムvol.187]

地域のお宝(地域資源)を探す方法 [コラムvol.187]

 地域活性化をお手伝いしていると、「自分たちの地域の価値を上げたい」という地元の熱い期待を背中に感じます。しかし、自分が長年住んでいる地域について新たな価値を見出すことは簡単なことではありません。地域の価値は、地域の人が・・・

Duty Freeからみた国際競争力 [コラムvol.186]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

Duty Freeからみた国際競争力 [コラムvol.186]

 今年に入ってインバウンド政策についての自主研究をスタートした。  先ずは、海外諸国のインバウンド政策を中期計画を中心にレビューし、政策の類型化から着手したところである。その作業と同時並行で、海外のインバウンド誘致に関わ・・・

VFRがひらくツーリズムの未来 [コラムvol.185]

VFRがひらくツーリズムの未来 [コラムvol.185]

概要  ツーリズムの3大目的とされるのが観光(休暇)、ビジネス、そしてVFRです。筆者は、このVFRが今後、優れて21世紀的なツーリズムとして重要な位置付けを獲得していくのではないか、と考えています。 本文  標題をご覧・・・

歩いてわかった「まち歩き」の進化 [コラムvol.184]

歩いてわかった「まち歩き」の進化 [コラムvol.184]

 観光振興の手段として「まち歩き」に取り組む自治体が増えています。マップ作成、ガイド養成、コースづくり、ホームページでの募集――事業内容は皆よく似ていて、それらを紹介する新聞記事の結びも決まって「土地の人との会話と人情が・・・