コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム 2025年

若年層に広がる「旅行への関心の縮小」と、高齢者層を直撃する「新たな阻害要因」。データで見る旅行意識の変化。[Vol.532]
  • 旅行者動向

若年層に広がる「旅行への関心の縮小」と、高齢者層を直撃する「新たな阻害要因」。データで見る旅行意識の変化。[Vol.532]

観光研究部 副主任研究員 川村 竜之介

国内宿泊旅行市場は高齢者を中心に二極化が進行 国内宿泊旅行市場は「旅行をしない人」が増える一方、「旅行をする人」はますますたくさん旅行をするようになる「二極化」が進行しています。 【図1】 国内宿泊旅行(観光・レクリエー・・・

専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]
  • 旅行者動向
  • 観光経済

専門家帯同訪日ツアーによる高付加価値旅行の考察 ―「アカデミック」「コミュニティ」「実利」の3類型から― [コラムvol.531]

観光研究部 上席主任研究員 柿島 あかね

高付加価値旅行者が追求する「本物の体験」 世界的に「高付加価値旅行者」が注目を集めており、その動きは日本も例外ではない。我が国では「着地消費100万円以上」という定量的な条件に加え、旅行を通じて得られる知的満足や自己実現・・・

下呂温泉・水明館に学ぶ―現場でのカイゼンが結ぶ生産性向上― [コラムvol.530]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

下呂温泉・水明館に学ぶ―現場でのカイゼンが結ぶ生産性向上― [コラムvol.530]

観光研究部 主任研究員 蛯澤 俊典

観光業、とりわけ宿泊業は、人手不足や人件費高騰という構造的課題に直面しており、サービス品質の維持と生産性向上を同時に実現することが急務となっている。こうした中、製造業で培われた「トヨタ生産方式(TPS)」をホテル運営へ応・・・

観光振興の先に待ち受ける住宅不足 -観光部門としての向き合い方- [コラムvol.529]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

観光振興の先に待ち受ける住宅不足 -観光部門としての向き合い方- [コラムvol.529]

観光研究部 副主任研究員 江﨑 貴昭

近年、国内のリゾート地で「住宅が手に入らない」という声が聞こえてきている。その背景には、観光需要の拡大と不動産市場の加熱がある。ニセコや白馬といった人気のリゾート地では、富裕層や外国人投資家による別荘購入、短期民泊向けの・・・

離島観光と「関係人口」:持続可能な地域社会のために [コラムvol.528]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

離島観光と「関係人口」:持続可能な地域社会のために [コラムvol.528]

観光研究部 研究員 岩野 温子

はじめに 日本が直面する人口減少と高齢化は、特に離島において急速に進み、その持続可能性は喫緊の課題となっています。集落機能の低下、担い手不足、医療・福祉サービスの脆弱化など、地域社会の維持は困難さを増し、交通手段の制約や・・・

百年先を見据え続ける道後温泉のまちづくり [コラムvol.527]
  • 観光と社会の潮流
  • その他
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源

百年先を見据え続ける道後温泉のまちづくり [コラムvol.527]

観光研究部 研究員 山本 奏音

はじめに 2024年7月、道後温泉本館は保存修理工事を経て約5年半ぶりに全館営業を再開した。保存修理工事中の宿泊者数を見ると、コロナの影響はあったものの工事自体の影響は最小限に抑えることができたと言える。そして工事が終了・・・

地域の歴史・生活文化の活用に対する一考察 [コラムvol.526]
  • 観光資源

地域の歴史・生活文化の活用に対する一考察 [コラムvol.526]

一般社団法人 広島県観光連盟 経営企画・マーケティング事業部 職員 (出向中) 牧野 博明

歴史文化・文化芸術への注目 観光といえば、かつては自然および社寺仏閣などの名所・旧跡などを見て回り、宿泊施設や温泉、地域の食を楽しむという周遊観光、スノースポーツやマリンスポーツ、登山などを楽しむアクティビティが中心でし・・・

観光政策は住民政策へ?問われる地域内への情報発信力 [コラムvol.525]
  • 観光政策・観光地経営

観光政策は住民政策へ?問われる地域内への情報発信力 [コラムvol.525]

京都事務所長 兼 観光研究部 主任研究員 福永 香織

2025年3月まで京都市内に住んでいたが、市外の方からは挨拶がわりに「京都は混んでいて大変だね」と言われる機会が多かった。繁忙期に混雑している一部エリアの様子ばかりがメディアに映し出されるため、そのような印象を持たれるよ・・・

「将来市場」を育てるという視点 [コラムvol.524]
  • 観光政策・観光地経営

「将来市場」を育てるという視点 [コラムvol.524]

北米スキーリゾートから学ぶ「将来市場」を育てる設計 2025年2月下旬から3月上旬にかけて、北米・コロラド州のスキーリゾートを訪れました。2回目の訪問となった今回は、前回とは異なる視点で多くの気づきを得ることができました・・・

タロイモ畑のほとりで [コラムvol.523]
  • 観光と社会の潮流
  • 観光政策・観光地経営

タロイモ畑のほとりで [コラムvol.523]

Supervisor, Sales Development Department Hawaii Sales Development Division JTB Hawaii Travel, LLC(出向中)/University of Hawaii at manoa, shidler college of business, School of Travel Industry Management 中島 泰

タロイモ畑のほとりで 2025年1月、自身にとって7度目のハワイ訪問の機会を得た。 今回、ハワイで進められている「マラマ・ハワイ(Mālama Hawai’i)」の取り組みをテーマに、ハワイ州観光局(HTA)・・・

市場志向の力点-まちづくりと観光事業⑰ [コラムvol.522]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源

市場志向の力点-まちづくりと観光事業⑰ [コラムvol.522]

観光研究部 主任研究員 後藤 健太郎

住民の暮らしや環境と観光利用との調和が問われ、誘導と規制を効果的に組み合わせて対策を検討することが求められる場面が多くなっている。そのような現代だからこそ、市場や顧客に正面から向き合い、ニーズに応える具体的なアクションが・・・

AI時代に筆を作る意味とは? ~奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える~ [コラムvol.521]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

AI時代に筆を作る意味とは? ~奈良の筆屋の取組から伝統工芸の未来を考える~ [コラムvol.521]

沖縄事務所副所長 観光研究部 主任研究員 後藤 伸一

私は、いつ筆を使ったのか? 最近、ペンを使わなくなってきました。普段使いで筆をまったく使いません。多くの方が私と同様に、パソコンやスマホを使うようになり、文字を書くことが減ったのではないでしょうか。文字を書き残すために発・・・

観光政策を「戦略」フェーズへ [コラムvol.520]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

観光政策を「戦略」フェーズへ [コラムvol.520]

理事/観光研究部長/沖縄事務所長/旅の図書館長/博士(社会工学) 山田 雄一

宿泊税議論 再び 私が年末年始の本コラムを担当するようになったのは2019年の年始コラムからである。 振り返れば、2019年という年は、新型コロナのパンデミック前の1年間であり、観光に関わる様々な事象が「過去最高」と言わ・・・