2つ前の私のコラムで、当財団の観光資源評価研究を取り上げました。今回は、この研究について、今年度から新たに始まったプロジェクトをご紹介します。
資源の素晴らしさを伝える
現在当財団WEBサイトでは、「全国観光資源台帳」のうち、都道府県、市町村、自然・人文の区分、資源名称、種別、資源ランクのみをリストにして公開しています(https://www.jtb.or.jp/page-search-tourism-resource/)。どこに何があるかが分かるだけでも、旅行の計画を立てる際等の参考にはなるのですが、以前から、「この資源のどこが素晴らしいのか」「どこに着目してみるべきなのか」といったことも、あわせて発信する必要があるのではという課題意識がありました。
そこで今年度からの数ヵ年計画として、一つ一つの観光資源について、概要、見どころ、見学に当たっての留意点等を記述し、新たに立ち上げる専用のWEBサイトで順次公開するという、「美しき日本プロジェクト」を立ち上げました。 「なぜその資源が素晴らしいのか」「どう資源と向き合えば、その良さをもっと感じられるのか」を伝えることによって、“多くの人を旅に誘い出すこと”がこのプロジェクトの目的です。
横浜市の原稿執筆
今年度は試行段階ということで、まず神奈川県から着手しました。神奈川県は、山、海、温泉、都市と、様々な観光資源にバランスよく恵まれ、モデルケースとするにぴったりだからです。地域ごとに担当者を決めて作業を進めたのですが、車の免許がない私は、移動手段に困らないという理由で、地元横浜市を担当することになりました。
横浜市の資源の中には、「よこはま動物園ズーラシア」のように子どもの頃はよく行っていたけれど大人になってからは行ったことがないもの、「横浜赤レンガ倉庫」のようにショッピング施設としての利用であって普段は観光という意識では捉えていないもの、「横浜中華街」や「山手の洋館群」、「三渓園」のようにほとんど行ったことがないものもありました。時間を見つけては市内のあちこちに出かけ、それぞれの資源に改めてじっくりと向き合ううちに、地元横浜の姿が立体的に浮かび上がってくる手ごたえが感じられました。
観光資源の紹介記事を書くという作業には大きな責任が伴います。大変な作業ではありますが、各資源の良さを表すのにぴったりな言葉・表現を探し出す作業は、なかなか楽しいものです。私の書いた原稿を読んだ方に、「横浜に行ってみたい」「こんな横浜は知らなかった」と思ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
専用WEBサイトの公開に向けて
原稿執筆作業と並行して、専用WEBサイトの構築も進行中です。多くの人に旅のヒントを見つけてもらえるよう、つながりの深い資源を表示する、関連図書を紹介するなど、様々な工夫を考えています。トップページでは、旅の達人オススメの旅を紹介する「たびれぽ」も、順次公開していく予定です。
専用WEBサイトは、来年度の早い時期の公開を予定しています。第一弾として、関東と九州の数県がオープンになる予定です。具体的な公開時期が決まりましたら改めてお知らせいたしますので、ぜひご期待ください。