コラム

研究員が調査研究活動や普段の生活の中で感じたことを、ホットな雑感として綴っています。

コラム 2008年

周遊観光の楽しみ-3つの世界遺産を一度に! [コラムvol.42]

周遊観光の楽しみ-3つの世界遺産を一度に! [コラムvol.42]

1.はじめに  先日、ユネスコの世界遺産委員会が「平泉の文化遺産」(岩手県)の登録延期を決めて話題(平泉ショック!?)となりました。平泉とともに2001年に暫定リスト入りし、2007年5月にはイコモス委員会から登録延期を・・・

高度観光人材の育成 [コラムvol.41]

高度観光人材の育成 [コラムvol.41]

 観光人材育成は、観光立国推進基本法の基本的施策に位置づけられ、改めてその重要性が認識されました。観光地間の競争が激しくなる中で、より魅力的な観光地づくりやより魅力的な観光サービスの提供をマネジメントし、プロデュースする・・・

「雨の人」の気持ちで~地域の外からの視点 [コラムvol.40]

「雨の人」の気持ちで~地域の外からの視点 [コラムvol.40]

 地域づくりは人材が大きな鍵を握っている、とはよく指摘されるところです。まちや業界を引っ張っていく自治体・組織のトップ、民間企業の社長や地元の子供たち、様々な人々がそれぞれの立場で地域づくりを担っています。その人々の顔ぶ・・・

案内標識の多言語表記は進むけれど… [コラムvol.39]

案内標識の多言語表記は進むけれど… [コラムvol.39]

 外国人旅行者の受入体制整備の一環として、交通機関や都市、観光地における各種案内標識等の外国語併記が進んでいます。既に英語併記はかなり普及し、最近では、韓国語と中国語の併記も進んでいます。しかし、外国語併記の内容が中途半・・・

観光まちづくりの財源を考える-安定した独自財源をどう確保するか [コラムvol.38]

観光まちづくりの財源を考える-安定した独自財源をどう確保するか [コラムvol.38]

 日本人の旅行目的の中で、老若男女を問わず最も人気があるのが「温泉」です。にもかかわらず、宿泊客が低迷している温泉地が多いということも事実で、まさに需要と供給のミスマッチが起きていると言えます。温泉地が抱える課題は、個々・・・

コーディネーターの拘り、沖縄ならではの観光バリアフリーセミナーを [コラムvol.37]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

コーディネーターの拘り、沖縄ならではの観光バリアフリーセミナーを [コラムvol.37]

立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 教授(特別招聘教員)(出向中) 吉澤 清良

 前回、私が担当したコラムvol.20「観光地のバリアフリー」では、観光バリアフリー化に挑む沖縄県の取り組み(「沖縄県観光バリアフリー化推進事業*1」)について、その概要をご紹介いたしました。 今回は、事務局として当財団・・・

観光計画をアートの世界から科学の世界へ [コラムvol.36]
  • 観光政策・観光地経営

観光計画をアートの世界から科学の世界へ [コラムvol.36]

理事/観光研究部長/旅の図書館長/博士(社会工学) 山田 雄一

◆切れ味のある観光計画・ビジョンになっていますか? ネット上を徘徊していたところ、「でもしか観光」というキーワードに遭遇しました。 数十年前、社会一般に否定的な用語として流布した「でもしか教師」という言葉を彷彿をさせる言・・・

空港の集客機能強化による活性化の可能性 [コラムvol.35]
  • その他
  • 観光政策・観光地経営

空港の集客機能強化による活性化の可能性 [コラムvol.35]

JTB総合研究所 コーポレート共創部 主任研究員(出向中) 牧野 博明

 航空機の離発着場である空港は、交通の結節点として重要な役割を担っています。従来は旅客や貨物の輸送という「交通機能」のみに重点が置かれてきましたが、近年は航空利用以外の人も訪れる「集客機能」としても注目が集まっています。・・・

自家用車での移動を考える [コラムvol.34]

自家用車での移動を考える [コラムvol.34]

 自家用車で旅行に出かける人は多いと思います。しかし環境問題や通信・情報デバイスの進化など、クルマを取り巻く状況は大きく変わりつつあります。これらの変化が「自家用車での移動」にどう影響しているか、考えてみたいと思います。・・・

中山間地域の観光振興(長野県木祖村の取り組みの紹介) [コラムvol.33]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光と社会の潮流

中山間地域の観光振興(長野県木祖村の取り組みの紹介) [コラムvol.33]

ニセコ町商工観光課 ((株)ニセコリゾート観光協会事務局長)(出向中) 中野 文彦

 全国の多くの地域が「観光振興」に取り組む中、中山間地域でも地域産業の衰退、少子高齢化、過疎化等を背景に、地域振興の柱として観光振興に取り組む地域が増えています。  こうした中山間地域にとって有効な観光振興策とはどのよう・・・

「キャリング・キャパシティ」は算出できるのか(その1) [コラムvol.32]
  • 観光資源
  • 観光と社会の潮流

「キャリング・キャパシティ」は算出できるのか(その1) [コラムvol.32]

過剰な観光利用から自然資源をまもるために観光利用者数を制限しよう。それでは、いったい何人の利用までならば資源への影響をくい止められるのだろうか。そのデッドラインとなる人数、いわゆる環境収容力(Carrying Capac・・・

地球温暖化の観光産業への影響について [コラムvol.30]
  • 観光と社会の潮流

地球温暖化の観光産業への影響について [コラムvol.30]

 日本においても地球温暖化問題への関心が少しずつ高まっているように思います。地球温暖化は観光産業にどのような影響をもたらすのでしょうか。 ■地球温暖化問題への関心の高まり  地球温暖化問題が日本人の中に本格的に浸透し始め・・・

「若年層の海外旅行ばなれの真の要因を探る」 [コラムvol.29]

「若年層の海外旅行ばなれの真の要因を探る」 [コラムvol.29]

要約  2006年~2007年の景気回復下でも歯止めがかからなかった若年海外旅行者数。この10年続いた減少の真の要因はどうやら経済より社会的側面に隠されていたようです。本稿は人間関係(人付き合い)と消費行動を関連づける視・・・

団体旅行は終わらない [コラムvol.28]

団体旅行は終わらない [コラムvol.28]

 この6~7年の間に30ヶ所を越える温泉地を取材してきました。異口同音に聞かれることの一つに、「団体から個人客へ」というお客様の変化があります。我々の調査でも、個人旅行の比率は約9割を占めています(『旅行者動向2007』・・・

「旅行の同行者」に注目 [コラムvol.27]

「旅行の同行者」に注目 [コラムvol.27]

要旨  宿泊施設のマーケティング活動では消費者の属性区分だけではなく旅行目的による区分が重要です。しかし旅行目的は旅行者自身も明確に意識していないことが多く、観察や調査等で把握することは容易ではありません。そこで旅行目的・・・

古民家活用への取り組みから考える農山漁村の再生に必要なもの [コラムvol.26]
  • 観光政策・観光地経営
  • 観光資源
  • 観光と社会の潮流

古民家活用への取り組みから考える農山漁村の再生に必要なもの [コラムvol.26]

<はじめに>  過疎化が進み、さらに平成の広域市町村合併によって「周辺化」が加速しつつある農山漁村地域の再生という課題に対し、観光・交流の面からどのように取り組めば良いのか。古民家再生への取り組み例から、この問題を考えて・・・

観光イノベーションの時代-構造改革と地域格差 [コラムvol.25]

観光イノベーションの時代-構造改革と地域格差 [コラムvol.25]

<はじめに>  バブル経済が崩壊した90年代初頭から既に15年以上が経過しました。その間、国内旅行、特に宿泊旅行は右肩下がりを続け、観光地は団体客の減少や急激なニーズの変化などにより疲弊してしまいましたが、21世紀に入っ・・・

地域の魅力づくりと保全 [コラムvol.24]

地域の魅力づくりと保全 [コラムvol.24]

 今秋の観光庁の設置とともに、それに呼応して都道府県の観光行政組織も強化される動きが出てきています。こうした組織強化とともに、観光政策も国内観光地の持続的な発展に有効な展開が望まれます。そのためには、地域の魅力づくりの活・・・

財布の紐がゆるむ時~「想い出を買う」ということ [コラムvol.23]

財布の紐がゆるむ時~「想い出を買う」ということ [コラムvol.23]

 「特別な経験」に対して、一定の対価を支払いたいという消費者は存在します。そうした人々の財布の紐をゆるめるような商品知識と魅力的なコミュニケーション能力が、旅館にも求められています。 ■「百貨店での買い物」の魅力  私の・・・

平成の市町村合併で思うこと-求められる新たな地域イメージづくり- [コラムvol.22]

平成の市町村合併で思うこと-求められる新たな地域イメージづくり- [コラムvol.22]

 「平成の大合併」によって、従来の市町村数が約44%減少しました。この合併で多くの新しい市町村が誕生しましたが、その名称にやや問題があったりして、名称から大体の位置やその地域の特徴をイメージしにくいところも少なくありませ・・・